微かな愉悦の兆しはまるで手をすり抜ける水のようにつかみ所がなく、
もっとそれが欲しいのに、なかなか手に入らない。
「ジェーン、なんで…」
また指が増やされている。
とてもじゃないが、三本も入るとは思えなかったそこは案外楽に飲み込んでいるのが不思議だった。
中でバラバラに指を動かされて、そのポイントに触れそうになると、うまくはぐらかされる。
切なくて、私はその想いを目で訴えるがジェーンはわざと気づかないふりを続けた。
きっと、言わないと気付いてやらないつもりなのだろう。
「ジェーン、頼む…意地の悪いことはしないでくれ…」
女のいい所は女が知る、ということだろう。
今まで避けられてきた部分をジェーンが擦り上げたとき、
目の前でマグネシウムを焚かれたように真っ白にスパークした。
それはほんの一瞬だったが、今までとは段違いの激しすぎる快楽。
「ここがいいのね…?ふうん…」
先ほどとは違い、私の最も敏感な箇所だけを重点的に攻めてくる。
速度を速めたり、やわやわとのの字を書くようにしたりと様々に攻めたてられ、
声を抑えようと思っても勝手に出てしまう。
口を開けっぱなしにしているせいで、口端から唾液がこぼれた。
それを飲み込む余裕もない。せわしなく浅い呼吸を繰り返して、
なのに少しも空気が入ってこない気がする。