侍女たちによって寝巻き姿に着替えられ、ルードヴィッヒはベッドに  
仰向けになりながらエステルを迎えた。  
「どうしました?顔色が悪いですよ」  
天使のような微笑を見せるルードヴィッヒだが、エステルには恐ろしい悪魔のように見える。  
危険な軍事国家の元首であるこの少年の悪評は数多く耳にしているのだ。  
もし粗相でもしたら、アルビオン女王とはいえ何かされるのではないだろうか。  
それに…  
もし自分が処女を失うとしたら、相手は違う人物を予想していたのだ。  
かつて共に過ごした、背の高い銀髪の神父を。  
「僕が怖いですか?」  
突然の問に、エステルははっと顔を上げ、間を置いて遠慮がちにこくんと頷く。  
そんな脅えるエステルに対して、ルードヴィッヒは殊更優しい声になる。  
「怖いとは心外ですね。まあ、僕のことをよく知らないせいもあるでしょうから、  
相互理解に努めようではありませんか」  
 
「お願いがあるのですが、よろしいですか」  
ルードヴィッヒの傍らに横たわったエステルは、何かまずいことをしたのかと震えた。  
「な、何でしょうか」  
おそるおそる尋ねると、  
「僕と夜を共にするときは、貴女の方から誘ってください」  
「あ、あたしの方から!?」  
てっきりされるほうだと思っていたエステルは慌てた。  
エステルにとっては、するよりもされる方が同じ行為であっても気分がまだ少し楽だった。  
真っ赤になって縋るような目でルードヴィッヒを見るが、そこに浮かぶ意地悪な笑みは、  
エステルからしないと許してくれそうにない。  
「ご覧の通り…僕は下半身が動きません。寝返りをうつことすら難しい…わかりますね?」  
この時エステルは、ルードヴィッヒがこっそり隠し持っていた瓶の中から  
何かジェル状の物を指につけていたことを知る由もなかった。  
 
「では…僕の横に座ってもらえますか」  
何をするのかと思いつつ、エステルはルードヴィッヒのすぐ横に、  
正座をするような形で座る。  
すると、エステルの秘裂に冷たいものが触れた。  
「ひやぁっ!?」  
驚いて視線を移すと、ルードヴィッヒがその細長い指でエステルのそこを弄っている。  
「じっとして下さいね…痛いことはしませんから」  
「う…ぁ…」  
今まで尼僧として生きてきた彼女は、自慰すらしたことがなかった。  
そのためか、初めての感覚に早くも頭がくらくらする。  
一方ルードヴィッヒは一度指を離したかと思えば、また絡めて撫で、優しく擦り続けた。  
だが、指使いとは裏腹にルードヴィッヒはクスクスと悪戯めいた笑みを見せると―――  
「…ふぁ…なに…、な…なに…っああ、んん…っ」  
「どうしました?媚薬を塗り込んだだけですよ…?」  
「び……やく…っ…ふっあ」  
急激に中が異常に熱くなり、ジクジクとした痛痒感が湧いてくる。  
「やっ、やだ…っ、やあああぁぁっ、いやぁーっ!」  
あそこから発生する痛痒感を鎮めたくて、足を擦り合わせるが効果はなく、  
なんとかしてほしくて彼に視線で訴えた。  
「しばらくそうしていて下さい、その間僕の方も準備しておきますから」  
ルードヴィッヒはクスクスと笑みを見せると、エステルの秘所から指を離した。  
「や、待って、いや…!」  
エステルの叫びも空しく、ルードヴィッヒは悶えるエステルをそのままに、代わりに自分の性器を握り締める。  
「や…、いや…いやぁ…っ、ふああっ、やあああっ!」  
絶え間なく襲う痒みにのたうち、我慢できずエステルは、自分の指を秘所に当てがった。  
 
普段の彼女ならこんなことは絶対にしなかったろう。  
しかし今はそんな安いプライドなんてかえって邪魔なだけだった。  
このどうしようもない痛痒感をどうにか鎮めることしか頭になかった。  
そんなエステルを眺めながら自慰をするルードヴィッヒは申し訳なさそうな、  
そしてどこか苛めるような言葉を紡ぐ。  
「貴女もつらいでしょうね…でも、何分この体ですから僕としてもこうしないとね。  
こう見えても僕は男です。いざというときに萎えたくないのですよ。だからといって、  
初めての貴女にいきなり僕のものを勃たせる世話しろと言うのはさすがにどうかと思いましてね…」  
しかしそんな言葉など耳に入らず、エステルは夢中で中を引っ掻き回した。  
多少痒みが和らいだものの、どうしても疼きが最も酷い箇所をどうすることもできず、  
彼女はただ喘いで、泣くしかなかった。  
 
「中に挿れて欲しいですか?」  
ルードヴィッヒに問われ、エステルは小さくこくこくと頷いた。  
入口を指で掻き回されるが、全然足りない。  
もっと大きくて太いモノで、奥を突いて捏ね回して欲しかった。  
「そんなに欲しいのですか。…なら」  
眼前には萎縮し、怯えながらもルードヴィッヒを待つエステルがいる。  
そんなエステルを見上げ、薄く口元で満足そうに笑ってみせる。  
「…座ってください。僕の、上に」  
その言葉に、エステルは顔を強張らせる。  
「し、失礼…しま…す」  
何を謝る必要があるのか、と言わんばかりに苦笑したルードヴィッヒだが、  
黙ってエステルのしどろもどろながらの動作を眺めていた。  
彼の腰に跨ぐ形で太股を開いたが、どうしても腰をおろすことができないでいる。  
「あ…!?」  
驚くエステルに構わず、ルードヴィッヒはエステルの腰に両手を添えて、  
躊躇いなく力を入れて自分の方へ引き寄せた。  
エステルの中へ入ったとき、淫猥な水音と共にエステルが悲鳴を上げる。  
「息を吐いて下さい…少しは楽になれますよ」  
 

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