本当に欲しいモノほど手に入らないっていうけど、さ。  
手に入らないのは、努力とか、執着心とかが足りないからじゃないの?  
 
 
「食事だよ、エステル」  
サイドテーブルに食事を置きつつそう言えば、厳しい瞳がこちらを向いた。  
「ディートリッヒ…」  
気丈な声で呼ばれ、エステルは僕を睨む。  
「私はいつになったらあなたから解放されるの?」  
騎士団の本拠地である「塔」のある一室。  
華麗な調度品に囲まれた寝室には、眠り姫よろしくエステルがベッドの上で横になっている。  
拘束具も見当たらないのに逃げる気配のない少女…その身の回りには、  
かすかに光る繊維状のものがいくつか見えた。  
「エステル…君は僕のことが嫌いなの?」  
わざと悲しげにそう言ってみる。  
「大嫌いだわ!早く解放して…んぅ!?」  
黙らせるために、唇を自分のソレで強引に塞ぐと、  
そのままエステルの上に覆い被さった。  
そのまま舌を差し入れ優しく口内を舐めるように濃厚なキスをしてやると、  
 
鼻にかかった甘い声が漏れた。  
顔を背けようとしたので後頭部に手を添えて固定し、  
逃げられないようにしてから、さらに舌を深く入れた。  
動揺しているエステルは夢中で抵抗し、  
振り回した腕がテーブルの上の食器を払う。  
食器は食事ごと絨毯の上に落ち、綺麗な音をたてて割れた。  
「無駄だよ、君は一生僕のそばにいるんだから」  
エステルの唇に付いた唾液を舌で舐めとりながらそういうとぱんっと小気味いい音が  
静かな室内に響きわたった。  
「あ、あなた…頭おかしいんじゃないの!?」  
完全に神経を支配しては面白くないと思い、「糸」の力を緩めていたが…  
その隙をつかれたようだ。  
 
あぁ…君が僕の頬を叩いたのか。  
微かな痛みは心地よさに変わって、快感にすり替わるなんて、  
やはり僕は君の言うとおり、どうかしてしまったのかもね。  
 
ディートリッヒは平手打ちでやや朱に染まった左頬をさらりとさすり、狂喜的な目で微笑んだ。  
 
獲物は鮮度が命。  
歯向かう力もない獲物じゃ、僕の食指は動かないだろ?ゾクゾクするよ…  
 
「っあ、あなた…おかしいわ…っ、狂ってる…!」  
襟元からのぞく胸元に舌を這わせ、乳首を舐め回し、ちゅうっと強めに吸引した。  
柔らかい髪の毛をキュッと掴み、口に含んだ乳首に歯をたて、瞬間エステルの背中が震える。  
「ふふ…噛まれるのが好きなんだね」  
「んく…そんなこと…な…っああん!」  
「淫乱」  
耳元で囁いたら、想像以上にショックな顔。  
どうやら、相当効いたみたいだね。  
これでまだ純情だと思ってるんだから。おめでたい娘だなあ。  
「あぅう…いやあぁ…違う…助けっ…神父様ぁ」  
聞き分けのない子だな、もう逃げることはおろか立つことさえできないのに。  
なんでここでアイツを呼ぶんだか。  
まあ、反抗的なのは今に始まったことじゃないけどさ。  
「ねえエステル、僕は優しいから、君に選ばせてあげる。  
僕に永遠の愛を誓って気持ちよく絶頂を迎えるか…それとも神父様を選んで、  
一生苦痛を背負うか」  
そう言って、指先―――正確には指に乗る極細の糸を見せ付ける。  
 
僕はどっちでもいいんだけど。  
だから、優しくするかそれともそうしないかは君次第。  
 
だが、エステルは首を横に振る。  
 
へえ、こんな状況なのに断るんだ?  
だから君は「中途半端」に賢いんだよ。  
自分の立場がわかってないんだから。  
だから、ちょっと糸を刺激してやった。  
「痛っ!?」  
エステルの顔が歪む。  
うーん。操っている僕は君がどのくらい苦しいか良くわかんないけど。  
まあ死ぬほどではないからいいか。  
「…い…痛い…よ…ぉ…、もぉやだぁ…あぅうう!? ああぁああぁっ!」  
「僕を一生愛します、って一言でいいよ」  
「いっ…た…し…神父…神父様…」  
「そうじゃないでしょ」  
「おにっ…あくまぁっ…うう…わ、わかった、わかったからぁっ」  
エステルの瞳から、光が消えた。  
「あいしてる…愛してるから、一生愛するからやめてぇぇぇ!」  
「いい子だね。それでいいんだよ。もっと早くそうしてれば無駄に痛い思いをせずにすんだのに。  
おばかさんだね」  
あの神父様相手じゃ、こんな快楽は手に入らないよ。  
欲しいものが自分のものになるっていうのは、最高に愉しいね。  
 
もう僕から離れない。  
君が夢中になるのは、僕だけだ。  
他に、誰かの味をしめるのなんか許さない。  
離さないから。  
僕だけの…お人形。  
「っ…ひゃ…う、うぁ、あっ、あ…っ」  
口から飛び出る甘い声と、淫猥な水音が耳に心地良い。  
ヒクヒクと震える太股には透明の液が伝い、シーツに染みを作っている。  
まるで粗相をした子供のようだ。  
「すっかり柔らかくなったね。大した順応性だよ。もう根元まできっちり入るよ…」  
頭を上げる力もないのかシーツの上に頬をつけたまま、大粒の涙と唾液を零し息を荒げる。  
大体は把握したエステルの弱点を擦りあげる。  
「んああっ、だ、だめっ、ひっあ、やああっ…」  
白い肌を撫でるたび喘ぎ声が漏れる。  
可愛い胸を揉みさらに追い詰めれば、よりいっそう不安そうな表情。  
どのくらい快感が及び、どのくらい自分がおかしくなるか、知らないから余計怖いのだろう。  
「いやだあ…っ、抜いて…、抜いて…よぉ…い…痛いよ…ぉ…、  
もぉやだぁ…あぅうう!? ああぁああぁっ!」  
小さく喘いだ後、奥に突き挿れられる衝撃に備え握り拳を作って身構えている姿は本当に可愛らしい。  
奥に導こうとしている内壁は実に本能に忠実だ。  
身体を強張らせ、必死に我慢しているが、そう長くは持たないだろう。  
天国はここからなのだから…。  
 
 
「ふふ、つらそうだね…エステル」  
「だ、誰のせいだと思って…!」  
僕が何回も可愛がったおかげで、すっかりクタクタになったエステル。  
うーむ。やっぱりあの神父様に未練があるからこんなに疲れちゃうのかな?  
そうか、そうなんだ。  
なら簡単じゃないか…  
「ねえエステル。ちょっとあっちを見てごらんよ」  
エステルの体を回し、後ろから抱きしめる。  
「な、何…?」  
エステルの視線の先には何もない。  
ただの床と壁…空白だ。  
わけのわからないといった風のエステルに微笑みながら、僕はあるスイッチを入れる。  
「え…まさか!?」  
機械の起動音がどこからともなく聞こえた瞬間、部屋が一瞬光に包まれる。  
そしてエステルの目の前に現れたもの…それはあの神父様の立体映像だ。  
本物といささかの変わりもない立体映像にエステルは目を丸くする。  
そして、反射的に体を隠そうとした。  
「い…いやああああああああ!!」  
単なる映像なのにそんなに必死になっちゃって…女の子の考えることはわからないね。  
<やあ、エステルさん>  
まあ、サービスってことで音声も付けてあげるよ。  
「神父様…あああ…ち、違う…これは…」  
僕との愛の営みの証である体中の痕跡を爪で引っかきながらエステルはうろたえている。  
喜んでもらえてうれしいな、エステル。  
やっぱり好きな人「で」イキたいよねぇ…?  
 
つづく  

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