どんなケガや病気でも治せてしまうという「万能なる薬」  
それはまさに命を補う薬と言っても過言ではない。  
そして世の中はすべからく等価交換。  
命を補うことのできるものは、それもまた命。  
そして今、プロスペロ工房では狂気に満ちた実験が行われていた。  
 
「痛いっ痛いっ痛いっ痛ぁいぃっ!!!」  
ち、ちぎれる・・・・・・裂けちゃうぅっ!!  
熱い塊が私の身体を突き刺しました。  
痛くて、苦しくて、気持ち悪くて。  
涙で滲んだ視界の向こうにいるナノカさんに救い求めて  
唯一自由に動かせる顔を向けましたが、ナノカさんは笑ってこっちをみているだけ。  
どうして・・・・・・・・どうしてこんなこと・・・・・・・酷すぎます、ナノカさん・・・・!  
私は・・・・私は、あなたのことを・・・・・  
最愛の人に裏切られたことで、身体よりもむしろ心の方が痛かった。  
 
汚らわしい不労者が私の中を出たり入ったりしながら  
興奮しきった表情で、荒くて臭い息を吐きかけてきます。  
ときおり涎が垂れてきて、私の顔をベトリと汚しました。  
私はただ男の動きに揺られるまま、天井眺めながらこの悪夢が早く終わることを祈り続けます。  
 
「あんまり泣き叫ばないなんて、ネネちゃんはエライよね。   
 これって初めはすっごく痛いのにさぁ」  
ナノカさんが何か言っていました。  
でも聞き取る気になれなくて・・・  
身体と心を引き裂かれた痛みに、ただただ一刻も早く終わることを切に願いました。  
「フォーリーってね、あんなに良い身体してるのにまだ処女だったんだよ」  
あっけらかんと笑いながら、色気過剰女の「初めて」か失われたときの説明を詳しく聞かせてくれました。  
「痛いー、死ぬー、死んじゃう~~ってね」  
何がおかしいのか、笑いながら話してくれます。  
酷いです・・・・・・  
・・・・・・・・  
じゃあ、あそのに木箱の影で転がっているのは・・・・  
男達が邪魔で今は見えないけれど、さっき見た女性の生足が思い出されます。  
「レイグレットさんは全然痛がらなくてね、最初から腰を振ってたんだよ。 あと、角のケーキやのお姉さんは・・・」  
・・・・・・・・転がっているのは巨乳女じゃないかもしれない。  
というよりナノカさん、あなたはいったいどれだけの人を・・・・?  
最愛の人が狂ってしまったことが無性に悲しくて  
私は痛みのためではなく、ナノカさんのために涙を流しました。  
 
「さすがに工房士でも子供は1人じゃ作れないからね、みんなに強力してもらったんだよ」  
そう言って、ナノカさんは自分のお腹に手を当てます。  
・・・・・・・・・・・・・・・・・  
・・・・・・・・・・・・・ま、まさか。  
「早く材料大きくならないかな~」  
お腹を優しく撫でさすりながらにこやかな、でもどこか邪悪な笑みを浮かべました。  
 
「うおっ、おおぉあぉぅっ!!」  
ひっ!?  
い、嫌ぁ・・・・・・・何かが、私の中に・・・・  
私の中に入っている不労者がケモノのような雄叫びを上げた瞬間、おなかの中で何かが弾けて溢れました。  
それは熱くて、おぞましくて。  
熱くて硬い男の人のオチ○チンがビクンビクンと脈打ちながら、ドロリとしたものを吐き出しました。  
嫌ぁ・・・・赤ちゃん、できちゃう・・・  
ゴボゴボとお腹の中に溜まり行く感触が怖くて、気持ち悪くて。  
 
精子と卵子が出会い、結びつく。  
それは生物にとって一番尊い行為であるはずなのに。  
自分の中のことなのに、手の届かない場所で行われるその悪魔の実験に恐怖する私に影が差しました。  
見上げると、そこには笑顔のナノカさんが。  
「・・・ん、射精したのかな?  薬の実験に取り掛かりたいから早く妊娠してね、ネネちゃん」  
恐ろしい言葉を紡ぎながら、ナノカさんは最高の笑顔を浮かべて私を見下ろすのでした。  
 
BADEND  
 
 

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