ナノカさんがフェアリさんに恥ずかしい目にあわされた翌日。  
診療所では来診の患者もはけて、フェアリさんが一息ついていました。  
「こ、こんにちはー。」  
そこへおずおずと現れたのは、ナノカさん。  
ですが、昨日の今日なのでいつもの快活さも無く、顔を赤らめてもじもじしています。  
「あら天才ちゃん、いらっしゃい。」  
さすがのフェアリさんも、しばらくは警戒して遊びにこないかなーと思っていたので驚きです。  
「その呼び方はやめてくださいってば。」  
「ゴメンゴメン、で、今日はどうしたの?」  
いつものやりとりの後、またナノカさんがもじもじしだします。  
「えーと、実は…ですね…」  
赤かった顔がさらに真っ赤になりましたが、意を決したのか、  
「実は、あれからおしりが痛カユいんです!」  
「はい?」  
あやうく椅子から落ちそうになるフェアリさんでした。  
 
「フェアリさん、これって…」  
「あー、患者が暴れないようにねー。」  
ゆるく傾斜した短いベッドの上に腰から上を横たえたナノカさん。  
その足を大きく開き、両サイドの台座にてきぱきと固定してゆきます。  
いわゆる分娩台というやつです。  
この診療所では産婦人科まで扱っているんでしょうか?  
また恥ずかしいかっこうをさせられ羞恥で顔を真っ赤にするナノカさんですが、  
今回ばかりは文句も言えません。  
まあ、なぜ分娩台なのか?ぐらいは言ってもよい気はしますが。  
 
「んじゃ、診るわね。」  
そう言うと、分娩台の前にひざまずくフェアリさん。  
はたから見ると結構倒錯的な光景です。  
お尻の穴を指で広げられたナノカさんは声を漏らさぬよう必死でこらえます。  
「あー、やっぱりちょっと切れてるわねー。」  
「ええっ!?そんなー…」  
「ゴメンゴメン、出血とか無かったんで油断してたわ。」  
ショックを隠しきれない様子のナノカさんに、このヤブ医者はしれっと言います。  
しかし本当に信じられないのは次のセリフでした。いろんな意味で。  
「ま、こんな傷ナメときゃ治るって。」  
「え!?」  
フェアリさんはその菊の蕾に赤く走った傷口に、そっと舌を這わせました。  
「ひゃあっ!?」  
ただでさえ敏感なところが、外傷でさらに敏感になっていたのです。  
声をこらえるどころではありません。  
「やだっ、ダメっ!汚いですよっ!?」  
ナノカさんの抗議を黙殺し、傷口どころか穴の周辺をまんべんなく舐めまわすフェアリさん。  
それどころかお尻の穴に口を付け、そのままちぅーっと吸い上げます。  
「!?…吸っちゃ…やぁっ!」  
フェアリさん、もう言ってることとやってることがめちゃくちゃです。  
しかしそんな狼藉にも下半身を拘束されたナノカさんは自由になる上半身を悶えさせることしかできないのです。  
「ふぅ、もっと奥の方にも傷があるかも知れないわね。」  
フェアリさんはそう言うと、今度は舌先を尖らせて穴の奥へ奥へとねじこんでゆきます。  
「ひっ!?」  
柔らかい舌が、しかし力強く穴の中を這い進みます。  
その舌の動きがひときわ奥を舐めあげたとき、  
「はぁっ…ふうぅっ……!」  
ナノカさんは大きく息をついて全身を震わせました。  
 
ずるりと舌が引き抜かれ、唾液が糸をひきます。  
「ぷぁ…、やっぱあんまり奥までは届かないわね。」  
フェアリさんはそう言って口元をぬぐい、ポケットから膏薬(ぬり薬)の入った小ビンを取り出します。  
「やっぱクスリ塗っとこっか?」  
だったら最初からそうしてください。  
一方、ぽーっとした表情で荒く息をつくばかりで返事もできないナノカさん。  
フェアリさんはその繊細な中指にたっぷりと傷薬を塗りつけると、そんなナノカさんにふたたび迫ります。  
「ふ…え?」  
どうやらさっきの言葉も聞こえていなかった模様のナノカさん。  
フェアリさんはすっかりほぐされたお尻の穴を中指で貫きます。  
「ひっ!?」  
内部で指を軽く曲げ、指先の腹で直腸内に傷薬を塗りつけてゆくわけですが、  
「んんんっ…ひぃっ……ふっ…」  
勘所を刺激されるのか、ナノカさんはときおりびくっとその身を震わせます。  
そしてフェアリさんがその長い指をゆっくりと引き抜き、指に薬を塗り足し、  
またゆっくりと根元近くまで差し入れる、その一連の行為にさえ、  
「ふうぅぅっ……」  
うっとりとした表情でふるふると弱々しく震えてしまうのでした。  
次第にフェアリさんの指の動きがせわしなくなってゆきます。  
そしてどうやら腸壁の向かって前面―ナノカさんの秘部の裏側―に重点的に塗り付けている様子。  
ナノカさんの声もそのへんが最も高くなります。分かりやすいですね。  
その声も次第に切羽詰ったものになってゆき、次の瞬間。  
「ひぃっ…あっ…はぁああっ!?」  
ひときわ高い声を上げ、全身をがくがくと震わせるナノカさんでした。  
 
 
その夜。  
ナノカさんは寝室のベッドの上で正座し、同じくベッドの上に転がされた小ビンとにらめっこしています。  
例の膏薬の入った小ビンです。  
『とりあえずお薬出しとくから、治るまでお風呂上りにでも塗っときなさい。』  
フェアリさんの声が思い出されます。  
「お、お医者さんの言うことは、聞かなくちゃいけないよね。」  
それが口実にすぎないことに、ナノカさん自身気付いていません。  
ごくりとつばを飲み、おずおずと小ビンに手を伸ばします。  
(下にスツーカとテンザンもいるのに…。)  
意識すると余計に昂ぶるものだということにも、もちろん気付きません。  
ゆっくりとパジャマズボンをひざのあたりまで下ろします。  
膏薬を指ですくい、お尻を高くあげるようにうつぶせになり、そして。  
「んっ…」  
こうして発明工房の夜はふけてゆくのでした。  
 

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