ある夜、ナノカさんが妙な寝苦しさに目を覚ますと、すぐ目の前に緑髪の少女の顔がありました。  
「……らふぁうー?」  
「こんばんわ、ナノカ。」  
無断で寝室に侵入して部屋の主と添い寝していたその少女、ラファルーさんは、  
しかし普通にあいさつを返します。  
「びっくりしたよー、とつぜんどうしたのー?」  
ちっとも驚いているようには見えない低血圧なナノカさん。ねぼけまなこで問いかけます。  
「実は古代パシアテの遺跡から強化外装パーツを見つけてね。実装してみたら急にキミの顔が見たくなって飛んできたのさ。」  
なんだか前後の脈絡が無い話をするラファルーさん。その瞳はこころなしか熱を帯びて潤んでいます。  
「ふーん。で、それってどんなパーツだったの?」  
古代パシアテという言葉に興味をひかれ、少し目が覚めたナノカさん。  
二人はあらためてベッドの上で向かい合うように座りなおします。  
「フフ……コレだよ。」  
そう言ってホットパンツのジッパーを下ろしたラファルーさん。  
そこからバネのように飛び出して雄々しく反り返ったモノを見て、ナノカさんの眠気は完全にぶっとびました。  
 
(スツーカのと全然違うー!?)  
誤解の無いように言いますと、ここでナノカさんが言う『スツーカの』は普段のだらーんとした状態のものです。  
ていうかそこでわんこのモノと比較するあたりナノカさんの混乱ぶりがうかがわれます。  
「ら、ら、ラファルー、これって?」  
「男性器…の模造品だね。古代パシアテ人が何を考えて作ったのかは知らないけど。」  
確かにすさまじい強化パーツです。ある意味。  
「最大膨張時の全長は13cm。古代パシアテ人の平均サイズ。」  
なんだか古代人を身近に感じてしまうサイズです。  
「繁殖能力の無い疑似精液を射出可能…かろうじて残っていた資料によるスペックはそんなものかな。」  
一方のナノカさんはソレをまじまじと見つめたまま上の空。  
「あとは実地でデータを蓄積していくしかない。わかるよね?ナノカ。」  
「え?あ、うん、そうだね。」  
うっかり返事をしてしまったのが運のつき。ナノカさんはベッドの上に押し倒されてしまいました。  
 
「え?あ、ちょっ、ちょっと待って!?」  
「待たない。」  
ラファルーさんはナノカさんの唇を奪いながら瞬く間にパジャマを脱がせていきます。  
「〜〜〜!?」  
そして唇を離すと、その舌でのど、胸、脇の下、脇腹、おへそと、上半身を丁寧に舐めまわすのでした。  
「やっ、ダメっ、ラファルー、さっきのナシ…やぁっ!?」  
そのころもうすでにラファルーさんは両腿をがっちり押さえて秘裂に舌を這わせています。  
そして、ふとなにかに気付いたように、  
「そういえばナノカって…初めてだよね?」  
ナノカさんもそのことに思い当たって、やや怯えた様子でうなずきます。  
「フフ……怖がらなくても、初めてはカンベンしてあげるよ。」  
ちょっと惜しいけどね。と、聞こえないようにつぶやき、  
「その代わり、こっちを使わせてもらうからね。」  
ナノカさんをうつぶせにひっくり返し、標的をお尻の穴に変更するのでした。  
 
かつてフェアリさんにこってりと嬲り尽くされたナノカさんのお尻は、ラファルーさんの責めにも敏感に応えます。  
「そこ…ダメぇっ!」  
そんな心にも無い抵抗の言葉を黙殺してお尻の穴を舌先で丹念にほぐした後、  
ラファルーさんは一旦身を起こして自身の反り返ったモノにどこからか取り出した小ビンから透明な液体を塗りたくりました。  
荒く息をつきながら振り返り、仰ぎ見たナノカさん。  
「それは…?」  
「ローションって言ってね、フフ、ただの潤滑材だよ。」  
なんとも準備の良いことです。  
「それじゃいくよ……」  
ナノカさんをうつぶせのままお尻だけ高く上げた姿勢にさせると、いよいよお尻の穴にその先端をあてがいました。  
期待と不安の入り混じった複雑な表情で未知の体験に備えるナノカさん。  
「力抜いて……入るのに合わせて息を吐くといいらしいよ。」  
その言葉に小さくうなずいたのを見て、ラファルーさんは少しずつうずめてゆきます。  
 
ローションの助けを借りてずるぅーっと侵入してゆく肉棒。  
その感触に入れる方も入れられる方も、ぶるるっと身を震わせます。  
予想していたよりも強い刺激とキツい締め付けに耐えながらなんとか根元まで埋め込んだラファルーさん、  
焦点の合わぬ目を中空にさまよわせたまま動かなくなってしまいました。  
それに気付いたナノカさん。  
「……ラファルー?」  
「あ……うん…思考と…感覚野に……すごいノイズが……」  
「え!?……大丈夫…なの?」  
「大丈夫。というより、クセになりそう……」  
「え。」  
「フフ、動くよ、ナノカ…」  
絶句するナノカさんをよそに腰を使いはじめるラファルーさん。  
最初はおそるおそるゆっくりとした動きも次第に何かにせかされるように速くなり、  
ついには打ちつけるような激しい動きになっていきました。  
突き込まれる時の目の奥に火花が散るような刺激と抜かれる時のとろけるような快美感が波のように寄せては返し、  
ナノカさんは何度も失神しそうになってしまいます。  
そしてラファルーさんはナノカさんの上半身を抱き起こし、膝の上に座らせる姿勢にしました。  
いわゆる背面座位というやつですね。  
自然、接合部にナノカさんの体重がかかり、お互いごりっとした感触を感じたそのとき。  
「やはぁっ!ふか…ぃっ…!!」  
「んッ…!!」  
二人は大きく体を震わせて同時に絶頂に達しました。  
 
「出てる…お尻になんか出てる…っ。」  
ナノカさんはその腸壁に熱い疑似精液を浴びるたびにラファルーさんのソレを食い締め、  
搾り出された疑似精液がまたナノカさんのお尻を焦がす。  
二人はそんな長い長い絶頂に浸っていましたが、  
出すものを出して先に落ち着いたラファルーさんが再び腰を使いはじめました。  
「あぁ…まだ…ダメだよ…」  
力無くそう言うものの本当に力が抜けてしまってされるがままなナノカさん。  
その耳元にラファルーさんは囁きかけます。  
「ナノカ…ボクのこと、マスターって呼んでみて。」  
「え…?」  
さっきよりもゆっくりと、しかし変わらぬ力強さで突き上げながら言葉を続けます。  
「普通はヒトがE‐ウェポンのマスターになるよね。それが逆転するだけのことさ。」  
「何…言ってるの?」  
人類に対するE‐ウェポンの叛乱という言葉がナノカさんの脳裏をよぎり、背筋に冷たいものが走りましたが、  
それはすぐに肉欲の熱い波に押し流されてしまいます。  
「ほら、言うんだ。ボクのモノになるって。」  
「ダメ…ダメだよ…!そんなの…!」  
「どうして?」  
問いかけながらも腰使いを止めないラファルーさん。  
ナノカさんは突かれるたびに頭の中が真っ白になり、反論などまとまりません。  
「フフ、答えられないんだね、ナノカ。」  
「ダメ…んっ…本当にっ…ダメなの…!」  
安直な否定の言葉にすがるしかないナノカさんを言葉と快楽で責め立てるラファルーさんは、  
「ん……そろそろまた…出すよ。」  
できうる限り深く繋がった状態でうっとりと目を閉じ、腰を震わせました。  
「ダメ…ダメ…ダメぇっ!?」  
もう完全にわけが分からなくなってうわごとのように繰り返すナノカさん。  
再び熱い疑似精液をびゅるびゅると注ぎ込まれ、ひときわ大きな波に呑み込まれてしまうのでした。  
 
 
行為の後のけだるさの中、ナノカさんの胸にはやはりさきほどのことがひっかかっています。  
「ねぇラファルー。さっきのことなんだけど……」  
小さく首をかしげるラファルーさんにナノカさんは重ねて問います。  
「ほら、私にマスターって呼べって…」  
ああ、とラファルーさんはなにか納得したようにどこからか一冊のやたら薄い本を取り出しました。  
「帝都でたまたま手に入れたんだけど、なかなかに興味深い内容でね。」  
差し出されたそれを読んでみたナノカさん。  
その内容はフルクラム帝国の青年将校が、ちょっとワルっぽい部下にムリヤリえっちなことをされてしまうというものでした。  
そしてその作中には部下が青年将校にオレのモノになれと迫るシーンがありますが、  
そのやりとりはまるでさきほどのラファルーさんとナノカさんみたいです。  
「普段立場が下の者が攻め手に回る。そういうのをゲコクジョーっていうそうだよ。」  
「……勉強になります。」  
またひとつ間違った大人の階段を昇ってしまったナノカさんでした。  
 

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