「はっ、ふあっ……ぅっ、んっ……」  
「なあナノカ、いい加減ワタシのアームでオナニーするのはやめてくれんか? それにキミ、昨日も一  
昨日も徹夜しているだろう、さっさと風呂に入って寝たらどうだ?」  
「ああん、気持ちいいよぉ」  
「このガキ、聞いちゃいないな……」  
 
 ここはプロスペロ発明工房ネオスフィア支店。  
 仕事の依頼が一段落着いた……と言うわけでもないのだが、何となくムラムラ来たナノカは仕事を  
放っぽり出して、スツーカの背中のアームのバイブレーション機能でオナニーに耽っていた。  
「はぁ……もういいから、それが終わったらちゃんと風呂に入って寝るんだぞ」  
 まるで処置なしだ、とでも言いたげな呆れ顔でスツーカが呟く。  
「んっ……だ、だめだよ、まだ、依頼された、仕事っ……お、わって、ない……んんっ……!」  
「そんなことを言ってキミ、もう三日も寝ていないではないか。そんな猿みたいにオナニーしている暇が  
あるのなら、さっさと寝てしまえ」  
「だ、だって、体が火照って……はぁっ、がっ、我慢っ、でき、ないっ……」  
「ふん、三日も風呂に入ってないマ○コをアームに擦り付けられる身にもなってみろ。臭くてかなわん」  
「そ、そんなこと……ないよ……っ!」  
「ないわけがあるか。ああ臭い臭い、部屋の外にまでプンプン臭っているぞ、とんだクサ○ンだ」  
「く、ク○マンじゃ、ないもん……んっ」  
「ならさっさと終わらせて風呂に入るんだな。ほれ」  
 そう言うと同時に、スツーカはバイブの強度を上げた。  
「うぁっ、あっ、あぁっ……!」  
 突然強くなった振動で、ナノカの快感は跳ね上がる。ナノカは夢中になってワレメを擦り続けた。  
「おいナノカ、そんなに乱暴にしていると大事なところを傷つけてしまうぞ、もっとゆっくり──」  
「痛っ!」  
 スツーカの忠告も虚しく、勢い余ったナノカは触手を乱暴に膣内に突き入れてしまったのであった。  
 
「あ、あ……ど、どうしようスツーカ、血が、あそこから血が出てる、私、どうしたら」  
 ナノカの膣奥から白濁した汁に混じって、血液が流れ出ている。  
「いいから落ち着かんか。全く、人の話を聞かんからだ。とにかく見せてみろ。ほれ、さっさと足を開け」  
 そう言ってスツーカはナノカの足の間に頭を突っ込む。  
「や、やだ、だめ! スツーカのえっち!」  
「あのな。ちゃんと見ないとどうなっているか分からんだろうが」  
「でも」  
「今更何を抜かしてる。ワタシのアームで散々オナニーをしていたのはどこのどいつだ、ああん?」  
「うぅ……」  
 ナノカは渋々両足を開いて、スツーカを迎え入れた。  
「ふむ。こ、これは……」  
「ねえ、どうなの?」  
「……………………」  
「スツーカ、ねえ、スツーカってば!」  
 
 スツーカの見る限り、幸いどこも傷ついてはいなかった。単に今まで一度も異物を受け入れたことの  
ない所にいきなり触手を突っ込んだために、それで痛みを感じたと言うだけのことなのだろう。  
 出血したのは、ただタイミング悪く生理が始まっただけだった。  
 普通の女の子なら自分の月経周期くらい把握していそうなものだが、ナノカが普通の範疇に入るか  
どうかと言えば、かなり怪しい。それに加えてネオスフィアに来て以来、ただでさえ不規則だった生活  
が、更に無茶苦茶になっている。  
 一定周期で生理が来なくても不思議はない状況に慣れすぎて、ナノカ自身、生理のことなどすっかり  
忘却の彼方だったのである。  
「(ふん……いい加減、女としての自覚を持たせるために、ここらで少し脅かしておいた方がいいかも  
しれんな)」  
「何か言った、スツーカ?」  
「いや、何でもない。それよりも、だ。こりゃおネェちゃんにでも診てもらった方がいいんじゃないか?」  
「え、フェアリさんに? ……で、でも」  
「無免許とは言え、ちゃんと医者の仕事はこなしてるんだ。問題はあるまい?」  
「やだよ、恥ずかしいよ。スツーカが治療してよ」  
「何が恥ずかしいだバカモノ、自業自得だ! ……それにだな、元々ワタシの専門は人を治すことじゃ  
なくて壊すことだぞ? それに比べたら、たとえ偽者でも専門家に診てもらった方が良いに決まってお  
るだろうが」  
「わ、分かったよ……」  
 
 と言うわけで、ナノカとスツーカはフェアリの診療所に赴いた。  
 
 
「どこか酷い怪我でもしたの? 悪いけど、大したことないんなら速やかにお引取り願いたいところな  
のよね。いや〜、もうここんとこどうにも本業の方が忙しくて忙しくて、マトモに寝てないのよ、あたし…  
…ってか帰れ。しっしっ」  
「うぅっ、そんなこと言わないでよぉ〜」  
 ナノカは不安一杯の、今にも泣きそうな顔で答えた。  
 と言うのも、フェアリの診療所に来る途中、スツーカに「もう使い物にならなくなった」だの、「子供が産  
めない体になった」だの、しまいには「あーあ、もうマスタープロスペロにひ孫の顔を見せてやることは  
出来んなあ」とまで、散々脅されていたのである。  
「ちょ、ちょっと天才ちゃん? うそうそ、冗談、冗談だからね? ああもう、だから泣かないでってば」  
 ナノカを必死になだめるフェアリ。  
「はぁ……それで? 一体どうしたの?」  
 フェアリはナノカに向かって訊ねてみたが、気が動転しているナノカは上手く答えることが出来ない。  
仕方ないので、フェアリはスツーカに訊くことにした。  
 
「なるほどねぇ、それでこんな真夜中にあたしの所に押しかけてきた、と。でもま、心配しなくてもそんな  
もん、ツバでもつけときゃ治るわよ。騒ぐほどのもんじゃないって」  
「で、でも……」  
「それにしても、ワン公の触手ってそんな機能まで付いてるんだ。いや、前々から怪しいとは思ってた  
んだけど……ぷぷっ、やっぱそれチ○ポだったのね。形もそれっぽいし」  
「チ○ポ言うな! 失礼な奴だな!」  
「あーはいはい、それでワン公、ちょっとこっち来なさい。あ、天才ちゃんはそこで待っててね♪」  
 そう言うと、フェアリはスツーカを引っ張って部屋の隅に移動した。  
 
「(ちょっとワン公、あなた一体どういうつもり? あれ、ただの生理じゃないのよ)」  
「(うむ、ナノカの女としての自覚があまりにも薄かったものでな、少しばかり脅かしてやったのだ。そう  
いうわけで後はよろしく頼むよ、おネェちゃん)」  
「(何がそういうわけで、よ!)」  
「(機械のワタシが言って聞かせるよりもずっと説得力があるだろう? それに今、あの娘の周りにい  
る大人の女性と言ったら、キミしかおらんだろ)」  
「(そりゃ、そうかもしれないけど……でもま、仕方ないか。貸しひとつよ?)」  
「(分かってるさ。ではワタシは外で待っていることにしよう)」  
 そう言い残して、スツーカは診察室から出て行ってしまった。  
 
 スツーカを送り出したフェアリは、やれやれと言った風体でナノカの元に戻ってきた。  
「ねえ、スツーカと何を話してたの……?」  
「んー、まあ別に大したことじゃないわよ。それより、早いとこ診察しちゃいましょうか」  
 フェアリはナノカに分娩台に上げて、その身体を固定していく。  
 そしてフェアリはおもむろに、ナノカの制服の裾をぴろっとめくりあげた。  
「ぱんつはいてない」  
「ほ、ほっといてください!」  
「んじゃ早速始めるわよ〜? ふきふきふき、っと」  
「あ、ひゃん! な、何を!?」  
「何って、そりゃよく見えるようにキレイにしてるのよ?」  
 フェアリは構わず、優しい手つきでナノカの局部を拭っていった。  
「はぁ、はぁ……」  
「うふふっ、こーんなにヒクヒクさせちゃって……もう可愛いったらないわね、天才ちゃんは」  
「え……あっ!」  
 自分のアソコの状態を指摘されたナノカはさぁっと頬を染め、咄嗟に足を閉じようとしたが、分娩台に  
固定された身体が動くことはなかった。  
 そしてフェアリは、ナノカのフトモモから下腹部にかけて、ゆったりと撫で始めた。  
「ん、んんっ、フェアリさん……?」  
「なーに? ちゃんとマッサージしてリラックスしとかないとね。傷つけちゃったりしたら大変でしょ?」  
 そんなことを言いつつも、フェアリの手は強い快感を与えるポイントは巧みに避けながら、しかし確実  
にナノカの性感を高めていく。  
 一方のナノカは、ある種のショック状態にあるとは言え、つい先程オナニーで上り詰めようとしていた  
身である。一時的に冷めてはいたものの、一度火が点きながら未だ燃えきれずにいた身体は、フェア  
リのマッサージによって、いとも簡単に、再び燃え上がり始めた。  
 そうして半刻ほどが過ぎただろうか。  
「くっ、ふぁっ……だ、だめぇ」  
「あら痛かったかしら? でも大丈夫。優しくしてあげるから」  
「ちがっ、そうじゃ……あふっ!」  
 ナノカは物欲しげに潤んだ瞳でフェアリに熱い視線を送り続ける。それに気が付いているのかいない  
のか、フェアリは何処吹く風でマッサージを続けている。しかし、その端整な唇はほんの僅かだが、意  
地が悪そうに吊り上っていた。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」  
 ナノカの呼吸が荒く激しくなっていく中、淡々と、そして黙々とマッサージを続けるフェアリ。  
 やがてナノカは、あくまでもゆったりと与えられ続ける快感に焦れたのか、より大きな快感を求め、拘  
束されて僅かしか動かせない腰をクネクネと揺らし始めた。それよってナノカの秘裂に溜まっていた汁  
がトロリと溢れ出す。  
 それを見たフェアリは満足そうに、淫猥な笑みを浮かべた。  
「それじゃ、そろそろ中の粘膜が傷ついてないか確認するから。じっとしてるのよ?」  
 フェアリはナノカの大陰唇にそっと指をかけ、左右に押し開く。すると、くちゅり、という粘っこい水音と  
ともに、膣奥から熱いしたたりが溢れ出してきた。  
「あっ、ひあっ!」  
 嬌声とともに、ナノカの腰がピクンと跳ね上がる。  
 ワレメを広げる、ただそれだけのことでさえ、散々焦らされ続けた今のナノカにとっては待ち焦がれ  
ていた刺激と言えた。  
「こら天才ちゃん、動いちゃダメって言ったでしょ」  
「だ、だって……」  
「まあいいわ。で、見た感じどこも傷ついてなかったわ。大丈夫なんじゃない?」  
「……?」  
「だから。平気なんじゃないの?」  
 先程まで執拗にねちっこいマッサージをしていたのと同じ人間と思えないほど、フェアリはいともあっ  
さりと言い放つ。  
「……こ、これで終わり、ですか……?」  
「そうよ? まだ何かあるの?」  
「いや、あの、その……しょ、触診、とか……」  
「別に必要ないんじゃない?」  
 フェアリのその言葉に、ナノカは一瞬目の前が真っ暗になった。  
 私の身体をこんなにしておいて……酷い、やっと触ってもらえると思ったのに──。  
 そんな想いが脳裏をよぎる。ナノカは恨めしそうな目でフェアリを睨んだが、フェアリは飄々とそれを  
受け流すと、妖艶な眼つきでナノカの視線に応えた。  
「そんなに……して欲しい?」  
「あ……えっと、その……やっぱり心配ですし……」  
「ふぅん。じゃ、もっと詳しく検査する?」  
「は、はい、よろしくお願いします!」  
「そう、分かったわ。でも準備があるから、少しだけ待っててね」  
 と言って、フェアリは道具を用意するためにナノカから離れる。その顔には明らかに愉悦の笑みが浮  
かんでいた。だがしかし、ナノカがその表情に気が付くことはなかった──。  
 
「それじゃ、始めましょうか♪」  
 フェアリはナノカを緊張させないようにするためか、左手でフトモモからヒップにかけて優しくさすりな  
がら、右手の人差し指と薬指を器用に使って、くぱっとワレメを左右に拡げた。  
 空気に晒されたソコは、既に熱いしたたりでとろとろに蕩けきっている。そこにひっそりと咲いている  
サーモンピンクのぬめった花びらは、まるでフェアリを誘っているかのように甘い匂いを漂わせながら  
ヒクヒクと震えていた。  
 フェアリの細くしなやかな指はその花びらから、襞の一枚一枚をとても大切な宝物を扱うように優しく、  
緩やかに、余すところのないようにゆっくりとなぞりあげていく。その指はクルクルと小さな螺旋を描い  
て膣孔を拡張しながら、着実に秘奥に向かって侵攻していった。  
 そしてフェアリの指がナノカの壺に少し埋まったところで、行き止まりに辿り着いた。その場所こそ肉  
の扉、すなわちナノカの純潔の証──処女膜であった。  
 フェアリはやわやわと押したり伸ばしたりして、その肉を解きほぐし始める。慎重にやれば、膜を傷  
つけずに膣奥に侵入することも決して不可能ではないと言うことを知っているからだ。  
 愛液の助けを借りながら、扉の攻略は順調に進んでいった。やがて、とうとう廻りの肉の一切を傷つ  
けることなく、フェアリの指は、ぬるり、とナノカの膣奥へと侵入していった。  
 ナノカの深部にまで潜り込んだフェアリは、未だ異物を受け入れたことのないその柔肉を、ゆっくり、  
ゆっくりと、必要以上の刺激を与えないように、あくまでも優しく異物に馴染ませていく。  
 その一方でナノカは……蛇の生殺しのような状態だった。  
 待ちわびていた局部への直接の接触はあったものの、それはとても満足の出来るものではなかった。  
フェアリの指は入り口から処女膜を越え、その奥にまでも到達したと言うのに、いつまで経っても強い  
刺激が送られてくることはなかった。  
 ナノカを襲うその刺激は、快楽に身を任せてしまえるほど強くはなく、かといって身体の火照りが消え  
てしまうほど弱くもない。  
 途切れることなく送られてくる、ともすれば苦痛と言い換えてもおかしくないような鈍い快感に晒され  
続けながら、もどかしさだけが際限なく膨れ上がっていく。  
 すっかり薔薇色に染まった身体はぐったりと弛緩し、だらしなく半開きになった口からは涎、生気を失  
いつつある瞳からは涙を零しているナノカ。  
 そうして暫くの間、悶えるナノカを横目にその暖かさと柔らかさを堪能していたフェアリだったが、少し  
思案顔を見せた後、ナノカの膣内を掻き回していた指をすっと抜き去った。  
 
「んっ……」  
 責め苦とも言えるような快感から開放されたナノカだが、その瞳は相変わらずぼんやりとして、強い  
刺激を必死に探し求めているように見える。  
 フェアリは満足げに、しかしその反面どこか不満げに、ナノカの様子を眺めていた。  
「感じてくれるのは歓迎なんだけど……正気を失くされちゃっても面白くないのよねぇ」  
 フェアリは仕方ないか、とでも言いたそうな顔で、すっかりパンパンに勃起して、包皮から頭を覗かせ  
ているナノカのクリトリスを、何の前触れもなく、指先でピンと軽く弾いた。  
「……っ! …………っっ!!」  
 待ち望んでいたとは言え、全く予期していなかった刺激を受けて、声にならない悲鳴と共にナノカの  
腰がビクンビクン、と跳ね上がる。  
「……んんっ……?」  
 軽くイって頭の中が多少スッキリしたのか、ナノカの瞳には知性の色が戻りつつあった。  
「ん……あ、れ……フェアリ、さん?」  
「あら気が付いた?」  
「あの、私、一体……」  
「触診、終わったわよ。特に異常はなかったわね」  
「はあ……」  
「そんじゃ次、行ってみようか」  
「へ……?」  
「へ、じゃないでしょ。詳しく調べて欲しいって言ったのはあなたよ? てなわけで次はこれね」  
 そう言ってフェアリは、ペリカンの嘴みたいな、白銀に輝く器具を取り出した。言わずと知れた膣鏡で  
ある。  
「あ、あの、それをどうするんですか……?」  
「どうするって……そんなのマ○コにずっぽり突っ込んで、ガバっと開くに決まってるじゃないの」  
「う、うそ!」  
「嘘だったら良かったわね♪」  
 フェアリはナノカの返答を待つまでもなく、膣鏡をナノカの膣口にあてがうと、そのままぬぷっと押し込  
む。  
「ひゃぁんっ!」  
 先程までのフェアリの愛撫が十二分に効果を発揮して、これ以上もない程とろとろに蕩けきっていた  
ナノカの膣内は、いとも簡単に膣鏡を飲み込んでしまった。  
「さて、パカっとな」  
 とか言いつつ、器具を扱うフェアリの手つきは極めて丁寧なものだ。せっかく処女膜を傷つけずに奥  
までほぐしたと言うのに、ここで乱暴に扱っては意味がない。  
 フェアリは膣鏡の螺子を締め上げ、ナノカの膣を押し拡げて膣内を覗き込んだ。  
「うん、キレイなピンク色……子宮口までバッチリよ」  
「や、やだ! 恥ずかしい、見ちゃだめ!」  
「そうは言ってもねぇ、ちゃんと見えなきゃ診察できないし。まあ我慢してもらうしかないわね」  
「うぅ……」  
 
「そうだ、折角だし記念撮影しましょ♪」  
「はぁ!?」  
 いきなり突飛なことを言い出すフェアリ。そして折角などと言いつつ、しっかり用意していたと思われ  
るカメラを、白衣のポケットから取り出した。  
 以前、エージェントの仕事に使うため、ナノカに製作を依頼したミニョックスカメラだった。  
「フィルムが余っちゃって、どうしようかと思ってたのよね〜。さすがにこのカメラ、そこらへんで普通に  
使うわけにもいかないじゃない? あたしの正体がバレちゃうかもしれないし」  
 そんなことを言いながら早速一枚、パシャリ。  
「ひっ」  
 無機質なシャッター音にピクンと身を竦ませるナノカ。  
 膣を拡げられ、身体の中を覗かれ、あまつさえそれを写真に撮られるという異常なシチュエーション  
に興奮したのか、ナノカの膣口から愛液が一筋、ツッと零れた。  
 目ざといフェアリがそれを見逃すはずもなかった。  
「あらあら天才ちゃん、マ○コからおツユが垂れてきてるわよ」  
「!!」  
 それを聞いたナノカは、股間を隠そうと必死に身体をくねらせる。しかし、当然ながら拘束されている  
身体が動くことはない。そうしているうちにも、フェアリは次々とシャッターを切っていく。  
「んくっ……はぁ、はぁ……」  
 シャッターを切るたびにナノカの身体は震え、膣からは愛液が流れ落ちる。そしてフェアリが手持ち  
のフィルムを使い切る頃には、シャッター音を聞くだけで軽く達してしまうほどの昂りを見せていた。  
「あら、フィルム終わっちゃった」  
「はぁ、はぁ……」  
「天才ちゃんってば、見られてるだけでも感じちゃうんだ」  
「うぅ……」  
「こうして写真に撮っとけば、後で誰に見られるか分かんないわよねー」  
「ひんっ……」  
 ピクリとナノカの身体が反応する。  
「あら、想像しちゃった? まあ、あたしから誰かに見せることは無いから安心して。あ、でも機密書類  
と間違ってこれ本部に送っちゃったら、その時はゴメンね♪」  
「!? ……ぁ、あ……ん、んんっ……!!」  
 先程よりも大きく、そして断続的にナノカの身体が跳ね上がる。  
 フェアリの言葉で、自分の恥ずかしい写真が不特定多数に見られて、欲望の捌け口にされることを  
想像したナノカは、それだけで絶頂を迎えてしまった。  
 
「さてと。次いくわよ」  
「んっ……」  
「何よ、元気ないわね」  
 フェアリの診察で、息も絶え絶えのナノカ。  
 だが、何度か絶頂を迎えてはいるものの、直接的な強い刺激は与えられていない。ナノカの身体の  
奥では、未だ解き放たれていない快感の波が激しく渦巻いている。  
 ぐったりと気怠げな様相を見せている反面、その視線はこれまで以上に強い刺激を渇望していた。  
「まあいいか。じゃあ今度は奥の方を調べるわよ」  
 そう言ってフェアリは、白銀に輝く耳かきのようなものを取り出した。しかし、その耳かきらしき器具は  
どう見ても耳かきだ。と言うか耳かきだ。  
「あの、フェアリさん……それって耳かきですよね。そんなもので何を」  
 するんだと聞くまでもなく、まあナノカの想像通りの結果になることは明らかである。  
「これ、ただの耳かきじゃないのよ、Eテク使ってるの。ほら」  
 フェアリが耳かきの根元の方で何か操作をすると、先端がクネクネうねったり、くるくる回転したり、  
掻くような動きを見せる。  
「前に帝都で見かけた時につい買っちゃったのよねぇ、これ。しっかしまあ天才ちゃんの前で言うのも  
何なんだけど、Eテク工房士ってさ、何考えてるのかさっぱり分かんないわよね」  
 苦笑しながら、フェアリは膣鏡で大きく口を開けているナノカの膣に耳かきを挿し入れ、指では届か  
なかった膣奥や子宮口の廻りを弄り始める。  
 まだ過敏な反応を示すはずの膣奥に刺激を受けるのは初めてだが、今まで散々に焦らされ続けた  
ナノカの身体は、それすらも容易に快感として受け入れられるように変貌を遂げていた。  
 しかし、フェアリがナノカの膣内を乱暴に掻き回すかと言えば決してそんなことは無く、器具を使って  
はいるものの、やはり先程のように極めて丁寧に、どこまでも優しい手つきでナノカの肉襞を撫で回し  
ていた。  
「あっ……んっ……!」  
 またしても鈍い快感を与えられ続けるナノカだったが、流石にこの手の責めを繰り返し受けただけあ  
って、先刻のように自分を見失ってしまうようなことはなかった。  
 だからと言って、今までに蓄積されてきた快感が無くなってしまったと言うわけではないし、与えられ  
る快感を抑制できると言うわけでもない。  
 なまじマトモな判断力が残されている分、余計に意識してしまうだけ感度は上がっていく一方だ。  
 そして、ナノカのどこか冷静さを残した脳は、これ以上責められるのは拙いと警鐘を発していた。  
 
「ふぇ、フェアリさんっ……」  
「ん?」  
 返事はあっても、フェアリの手が休まることは無い。  
「あの、その……私」  
「どうかした?」  
 ナノカが何を求めているかを理解していながら、あえて分からないフリをして訊ね返すフェアリ。  
「その、私……」  
「ふふ。どうして欲しいのか、ちゃんと言ってくれないと分からないわよ」  
「えっと、その……私をもっと気持ち良くして下さい……」  
「気持ちよく、ね。どうやって?」  
「……えっ?」  
「だから、どうして欲しいの? ハッキリ言いなさい」  
「あ、う……」  
「そう。それじゃ、ずっとこのままね」  
 冷たく突き放すフェアリ。  
「そ、そんなぁ……い、言います、言いますから!」  
「そう?」  
「……わ、私のアソコを、掻き混ぜて……気持ち良くして下さい」  
「アソコってどこ? ちゃんと言ってくれないと、あたし分かんないわぁ♪」  
「……ぇえっ!?」  
「あっそ。それじゃ、やっぱりこのままね」  
「やっ……やぁ、言う、ちゃんと言うから……!」  
「じゃあ、どこ?」  
「……ぉ、おま……おま○こ……」  
「おマ○コをどうして欲しいの?」  
「私の……ぉ、おま、○こを……掻き回して、イかせて下さい……」  
「なーにー、聞こえなーい」  
「わ……私のグチョグチョのおま○この中を滅茶苦茶に掻き回して、いっぱい、いっぱい……イかせて  
下さい!!」  
 精一杯大きな声でフェアリに懇願するナノカ。  
 しかし。  
「ダメよ」  
 にべもない言葉が返ってきた。  
「どうして、どうしてですか!」  
 必死な形相でフェアリを問い詰めるが、当のフェアリは軽く受け流す。  
「だって……ねぇ。そんな患部を傷つけるような真似、出来るわけないでしょ?」  
「そんなぁ……私、おかしくなっちゃう」  
「平気平気。このくらいでおかしくなった奴なんていないから」  
 まるで、こんな拷問を何度もやったことがあるかのような口ぶりのフェアリ。詳細を聞くのは怖いので、  
そのことは追求しないことにした。  
 
「でもま、そろそろ限界かもね」  
 フェアリが膣鏡の螺子を緩めてナノカの膣から抜き取ると、拡張されていたナノカの膣孔がゆっくりと  
元の形に戻っていった。  
「フェアリさん……わたし、わたし」  
「あーハイハイ、分かってるって。次で終わりだから」  
「なに、するんですか……?」  
「最後はお薬の時間よ♪」  
 そう言うと、フェアリはナノカの秘裂に、チュッとキスをした。  
「ひゃあっ! なっ、いきなり何をするんですか!」  
「何って……治療に決まってるじゃない。唾でもつけときゃ治るって言ったでしょ」  
「嘘、そんな、く、口でなんて、きたな……ひゃん!」  
 ナノカの意見は無視して、フェアリはナノカの秘裂に吸い付く。ナノカは必死に抵抗しようとするが、  
相変わらずその全身は拘束されているので、全く無駄な努力だった。  
 フェアリの舌はナノカの肉襞を、先程指でしていたように隅から隅まで舐り回していく。ただし、今度  
の動きは前とは比べられないほど速く容赦が無い。明らかに快感を与えるための動きだった。  
「ふあっ、あっ、ぁあああっ……!」  
 診察室にナノカの嬌声が響き渡る。  
 フェアリは舌だけではなく唇や歯、或いは口全体を使って、肉襞を挟む、伸ばす、甘噛みする、また  
膣に舌を捻じ込む、尿道口を舌先でつつく、膣口に吸い付いて吸引する等、あらゆる手段で快感を与  
えていく。  
 今まで焦らされ続けていたナノカがそんな怒涛の責めに耐え切れるはずもなかった。口で愛撫され  
ることには多少の抵抗があったものの、しかしナノカ自身、それはずっと待ち望んでいた快感だった。  
 あっさりとフェアリの愛撫を受け入れ、ナノカは自ら快感を貪り始める。  
 その様子を見てフェアリは満足げな笑みを浮かべた。  
「でも、まだまだこれからよ」  
 フェアリはツツッと舌先で舐りながら、ナノカの一番敏感な場所──ビンビンに勃起して、半分以上  
包皮から露出していたクリトリスに舌を移動させる。  
「んっ、はぁんっ!」  
 それだけの刺激で軽く達してしまうナノカ。しかしそれに構わず、フェアリはそのまま半剥けの皮を舌  
で剥いてクリトリスを完全に露出させると、唇で挟んだり、そのまま舌で転がしてみたり、軽く歯を当て  
てみたりと、今度はそこを重点的に責め始めた。  
 とっくに臨界点を突破しているナノカが、連続して襲い掛かってくる強い刺激に耐えられるはずもなく、  
何度も連続して絶頂を迎える。  
「はぁ、はぁ、はぁ……わ、私、もう……ダ、メ……」  
 息をつく暇もなくイかされ続けるナノカ。限界が近づいていることに、フェアリも感付いていた。  
「さ、これで最後ね」  
 フェアリはナノカの固く尖ったクリトリスに軽く歯を立てると、止めを刺すべく、そのままカリッと引っ掻  
いた。  
「いっ、いく、わたしイっちゃう、イクっ、ふあっ、ああぁぁぁぁぁあああ────!!」  
 ナノカは今までで一番強い絶頂を迎えて、気を失ってしまった──。  
 
 それから小一時間。意識を取り戻して拘束から開放されたナノカは、診断結果をフェアリに訊ねた。  
「そ、それであの……わたし、大丈夫なんでしょうか……フェアリさん?」  
「ん? 大丈夫に決まってるわよ。ここに来る途中ワン公が言ったことなんて、全部嘘なんだから」  
「へ?」  
「いや、だから嘘なんだって。大体、ちょっとばかし何か突っ込んだくらいで子供を産めなくなるなんて  
こと、あるわけないでしょ? 子作りする時なんて、いっちばん奥までチ○ポ突っ込まれてズボズボさ  
れちゃうのよ? ちょっと考えてみれば分かるでしょうが」  
「あー、うー……あ、で、でも血! 血が出ました!」  
「そりゃ出るでしょ。生理なんだから」  
「……はい?」  
「呆れた、本当に気が付いてなかったの? 全く、自分の月経周期くらい把握しておきなさい……って  
言ってもまあ無理な話か。徹夜ばかり繰り返してるから、サイクルが無茶苦茶になってるのね。で、い  
つ生理が来てもおかしくないような状態にオナニーの刺激でしょ? そういうことよ」  
「う、うぅ……」  
「ワン公じゃないけど、もう少し規則正しい生活をなさい。いくら若いからって全く影響がないってことは  
ないんだから。とは言え、あたしも人のことどうこう言える立場じゃないんだけどね。……まあとにかく、  
分かったら返事」  
「は、はい……分かりました」  
「よろしい。ま、あたしも十分楽しませてもらったし、診察代はタダにしといてあげるわ。なかなか可愛  
かったわよ、天才ちゃん♪」  
 それを聞いてナノカの顔がボン! と火を噴いたように赤くなった。  
「う、うぅー……えっち! フェアリさんのえっち!」  
「なにトボけたこと言ってんの、あなたにしたことは全部れっきとした医療行為よ。ほら、あたしってば  
医者だし? それで感じちゃうんだから、天才ちゃんの方がよっぽどえっちじゃないの」  
「うわーん、この偽医者ー!」  
「はいそこ騒がない! 用が済んだならドアの向こうで待ってるワン公連れてさっさと帰れ! あたしは  
眠い、寝る!」  
 
 と言うわけでこの事件は解決したものの、それから暫くの間、ナノカは悪戯されるためにフェアリの  
診療所に通いつめたとか。  
 
                                         おしまい  
 

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