「う〜ん・・・っ、ふぅ」  
 心地よい夜風を全身に受け、パナビア=トーネイドは大きく深呼吸をした。  
空中国家ネオスフィアに訪れてからの期間は決して長くはなく、その上多くの時間を  
地下での作業に費やしたので、こうして外気に触れるのは久し振りのことだった。  
「さてと・・・」  
久し振りの外界。ここに来てから、ゆっくりと街を回ることもなかったので、  
いつか観光がてら散策してみたいと思っていた。それに、今は空腹だった。  
「どこか食事にでも行こうかしら・・・。」  
辺りは既に暗く、この時間ならどこか静かな店で落ち着けるだろう。  
うん、やはりそういう所が私には似合う。  
しかし、何というか・・・こう・・・落ち着かない。  
見知らぬ地で一人で食事するというのも何というか・・・寂しい。  
誰か誘おうか。しかし、ここに知り合いらしい知り合いは居ない。  
でもまあ、誰かしらは付き合ってくれる人は居るだろう、うん。  
そうしよう。私が一人さびしく食事するなど、とても似合わない。  
 
そして・・・  
 
「いや〜、私一度乗ってみたかったんだよ〜」  
「あぁ、こうしてナノカさんと身を触れ合えるなんて、私・・・」  
夜道を疾走するフッケバインの上で、パナビアは頭を抱えた。  
頭が痛い。知り合いらしい知り合いを探してみたら、いつもの二人だった。  
こんなことなら一人で行くべきだった。  
「先輩、お寿司食べに行きましょう。先輩のおごりで」  
「この風も全て、私達二人の物・・・」  
二人はぴったりくっついた状態で言った。  
「こんなところでイチャつくな!それに私が奢るなんていつ言ったのよ!」  
「いや〜、お寿司なんて久し振りです」  
「ナノカさん、私・・・もう・・・!」  
「人の話を聞け!」  
 
「あ、先輩!前!」  
「え?」  
 言われて振り向くと、目の前に何か壁のような物が・・・!?  
「フッケバイン!ブレーキ、ブレーキ!」  
認識してから即座に命令を飛ばしたが、あまりにも距離が近すぎた。  
バイクは石壁を破壊し、建造物の中に突っ込んで転倒した。  
「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!」  
乗っていた三人は衝撃で中に吹き飛ばされた。  
 
「痛!くぅ・・・」  
パナビアは、頭を振り動かして埃を払った。  
一瞬意識が飛んでいた。ここは何処?どのくらい飛ばされたのだろう。  
痛む頭を抑えながら周囲の状況を確認しようと、首を上げた。  
まず目に飛び込んで来たのは、何か靴のような黒い物体だった。  
「え?」  
背筋に冷たいものを感じながら、視界をゆっくりと上へと動かした。  
首から上が見えた辺りで体が凍りついた。  
男が見下ろしてこっちを睨みつけていた。  
「え、あ・・・。あははは・・・」  
この建物の所有者なのではないかと、その怒りをたたえた表情から容易につく  
想像をして、顔が引きつったまま動かなくなった。  
 
「正座しろ」  
その建物の地下室と思しき部屋に連れられ、三人とも神妙に座した。  
上目遣いにチラとみると、手には黒光りする物が握られていた。  
旧式の軍用ハンド・ドグラノフだ。つまり、この男は間違いなく一般市民ではない。  
「先輩、どうしたら・・・」  
ネネが話しかけ、また俯いて考え始めた。落ち着け、落ち着いて・・・。  
落ち着かせたつもりのパナビアの頭脳にまず思い浮かんだのは、以前に読んだ軍事スリラーだった。  
相手を跪かせ、そしてこちらへ来いと示唆する・・・  
 
「おい、お前」  
来た!それから、頭に銃口を突きつけ・・・  
「四つん這いになれ」  
「は?」  
頭の片隅にすらなかった言葉。どういうこと?これは・・・。  
「早くしろ!」  
男の怒声に体が飛び上がった。間違いなくこの男は本気だ。  
そして、私達の、その・・・かっ、体を・・・。  
体を震わせながら、現状を確認しようと試みた。  
自分もナノカも工具は置いてきた。フッケバインは瓦礫の山に埋まって身動きが取れずにいる。  
つまり、まったく抵抗不可能ということになる。  
両隣に居るのは自身の後輩に当たる少女。確かに、ナノカは気に入らない。しかし、  
私は二人の先輩で、責任を取らねばならない立場にいるのだ。  
心細い決意で震えを止めた。考えは決まった、パナビアは顔を上げて言った  
「・・・なれば帰していただけるんですね」  
「!?、せ、先輩?」  
横の二人から驚愕の視線が返って来た。自分でも驚いていた。  
そして、男の前に出た。  
「犬のくせに服を着てるのか、おい脱がせろ」  
振り向くと、その言葉に二人は躊躇している様だった。  
これから行われる、想像もつかない何かに怯えるパナビアは、二人に向かってゆっくりと頷いた。  
正確には、想像しようと試みていた。今まさに欲情する人間の前に裸体をさらけ出し・・・  
そこで思考が止まる。何度繰り返しても同じだった。  
「うわ・・・先輩、胸おおきい・・・」  
成熟した胸を見て、ナノカは感嘆の声を漏らしたが、パナビアは全く反応しなかった。  
パナビアは歩み寄りながら男の顔をちらと見た。無表情にこちらの肢体を観ていた。  
男に背を向けると、両膝と両手をつき、丁度尻を見せる格好になった。  
「お前、学生のクセにぱんつはいてないのか」  
男がスカートをめくりながら言った。  
「う、うるさ・・・っ!」  
 
言い終わらぬうちに、男の指が陰核に触れた。突然の事に体がびくりとはねた。  
「ぐ・・・」  
男は執拗に膣口の周りを責めたが、パナビアは小さく呻くだけだった。  
年頃の娘にしてはあまりに薄い反応に、苛立ちを感じ始めていたが、  
ふと、ある事に気づいた。  
「お前、ここ初めてか。力抜けよ」  
「そ、そんな・・・kと」  
俯きながら、パナビアは小さく答えた。自分で触ったことすら無かった。  
その反応が面白かったのか、男はしつこく膣の中へ侵入を試みた。  
しかし、乙女の貞操と羞恥心がその侵入を必死に拒み続けていた。  
「へー・・・先輩、初めてなんだ・・・」  
「ナ、ナノカさん!?」  
その言葉に驚き、顔を上げてナノカを見た。  
――何を言ってるの、あのお気楽娘は!それはどういう――  
乙女の守りが一瞬緩んだ。男はその瞬間を見逃さなかった。  
「ひぁッ!」  
異物の進入にパナビアの肢体が大きく跳ねた。正体不明の感覚が全身を襲った。  
膣内に入り込んだ男の指は、性感帯を探して動き始めた。  
「んぁッ!く・・・ぁっ」  
確かな手応えがあった。愛撫を続けるうちに、液体の交じり合う音も聞こえ始めた。  
「んっ、んくっ、ひぐッ!」  
そろそろいいか。男は指を挿したまま、パナビアの体を持ち上げた。  
「なに?いや、ダメッ!」  
突然、パナビアの体が浮き上がり、男に抱きかかえられた。  
「お前らもよく見とけよ」  
そう言うと、空いていた左手で右の乳房を掴み乳首の上で指を転がしはじめた。  
「んぁぁ・・・んっ、ぁん!」  
寄せてくる性的快感の波は、パナビアにとっては全く謎の感覚だった。  
正体不明の存在の進攻に対して、貞操が殆ど無力化していた。  
「気持ちいいって言ってみろ」  
 
「そんな、こと、あッ!」  
パナビアがそう言うと、男の責めが一層激しくなった。此方に屈したことを意味する  
その言葉を引き出すため、二つの手は容赦しなかった。  
ついに、パナビアは折れた。  
「はい・・・んっ!気持ちいい・・・ですんぁ!」  
表情は恍惚としたものになり、膣からは愛液が溢れ始めていた。  
全身の筋肉がしだいに弛緩し、意識が遠い所へと持っていかれ始めた  
「んんっ!あッ、あッ、ああああああっー!」  
パナビアの身体がびくんと大きく仰け反り、目の前には真っ白な空間が広がった。  
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」  
身体の束縛が解かれ、パナビアはそのまま床に突っ伏した。  
虚脱状態から回復しつつある頭に、今まで抑え続けていた感情が込み上げてきた。  
後輩の目の前であられもない姿を晒した自身への嫌悪感に苛まれた。  
見ず知らずの男に犯された恥辱と悔しさに涙を湛え始めた。  
二人は今も目前に居るのだろう。とても顔を上げられなかった。  
目の前に黒い影が現れると、不意に髪を掴み上げられた。  
男はパナビアの頭を股間の前に持っていくと、ファスナーを下ろし、気の悪い何かを引き摺り出した。  
「しゃぶれよ」  
それが男性の生殖器であることを記憶から引き出すのに数秒要し、  
正体がわかるとパナビアの表情が凍りついた。  
「え…これを・・・・・・えっ!?んぐっ、んんん!」  
ぽかんと口を開けたまま固まっていると、男はパナビアの髪を  
乱暴に引っ張り、性器を口内に無理矢理押し込めた。  
口の中に臭気と苦味が広がった。  
「しゃぶれ」  
パナビアの困惑を意にかえさず、男は冷たく言い放った。  
「ん・・・ちゅ、んぐっ、んちゅっ、んんん・・・」  
パナビアは性器を握り、アイスキャンディーのように吸い付いた。  
「よし。おい、こいつを使え」  
男が何かを取り出すと、それをナノカに投げて渡した。  
「これ・・・」  
 
ナノカはそれを受け取ると、立ち上がってパナビアの後ろに回りこんだ。  
――何なの・・・ナノカに何をさせるつもりなの?――  
ナノカがしゃがみこんだ。  
「・・・先輩、少しガマンして下さい」  
そういうとナノカは、手に持ったモノをパナビアの膣にあてがった。  
「ん!!!」  
膣に硬くひやりとした感触し、そして異物が膣壁を押し広げながら少しづつ侵入し始めた。  
「先輩のここ、ぐしょぐしょですね・・・」  
そして、異物は壁に接触した。  
「うわぁ・・・本当に初めてなんですね・・・」  
パナビアの本能が、危険が迫りつつあることを知らせた。  
そして、知能が何もできないことを知らせた。  
「いきますよ、先輩・・・」  
「ぷはっ!ナノカ、駄目ッ!やめて!んぐっ!?」  
パナビアは必死に叫んだが、直ぐに引き摺り戻された。  
ナノカは再び侵入を開始した。そして、ゆっくりと壁を突き破った。  
「んんっ!ん!んんんー!!」  
パナビアの身体に強烈な痛みが走り、全身を硬直させた。  
ナノカは奥まで到達させると、ゆっくり前進と後退を始めた。  
「続けろ」  
もはや抵抗する気力は完全に失せていた。言われるままにパナビアはフェラチオを再開した。  
瞳に溜まった涙が溢れ、パナビアの頬を伝った。  
自分が古風な人間とは思わないないが、自分自身を捧げるのは、  
いつか心に決めた人にすると決めていた。  
だが、今こうして見知らぬ男の性器にしゃぶりつきながら、  
後輩に後ろから犯されて無残に散らすことになるとは夢にも思わなかった。  
「んちゅ・・・んんっ、んっ、んぅっ!」  
膣の奥を突くたびに、パナビアの身体が小刻みに跳ねた。  
そんなこともそ知らぬ風で、ナノカは頬を赤く染め、ピストン運動を続けた。  
 
「いくぞ、飲み込めよ」  
男性器の硬度が増し、少しづつ大きくなっていくような感じがした。  
「先輩、そろそろ・・・ですか?」  
ナノカの言葉を理解しようとする間もなく、パナビアノ目の前に再び白い世界が広がった。  
「んんっ、んっー、んっー!んんんんっー!!」  
パナビアの肢体が大きく仰け反るのとほとんど同時に、  
口内の生殖器が跳ね上がり、液体が喉を襲った。  
「んぐっ、こくん・・・げほっげほっ、うう・・・」  
我に返ったパナビアに、強烈な苦味襲い掛かった。  
臭気に耐えながらも何とか飲み干すと、その場でうなだれた。  
強烈な悪寒に襲われ、絶頂で溢れた愛液とは比較にならないほどの涙が流れ、パナビアは口を押さえて嗚咽した。  
泣いてもどうにもならないことは判っていたが、いつ終わるとも知らぬ悪夢に、泣き崩れるしかなかった。  
 
しかし、その終焉は程なくして訪れた。  
「二人から離れなさい!早く!」  
くしゃくしゃになった顔を上げると、ネネがハンド・ドグラノフを握り締めて立っていた。  
銃口を向けられて男は、意外そうな顔をして、両手を上げてゆっくりと離れた。  
「落ち着け、せめてしまうことくらいさせろ」  
「なら早くしなさい!」  
男はファスナーを上げ、その場にひざをついた。  
不意に、パナビアに今までと真逆の感情が沸き起こった。  
絶望の表情に、徐々に怒りがこみ上げてきた。  
 
形勢は逆転した。場の支配権は完全に移行していた。束縛し続けていた死の道具は男の手から離れ、  
銃口は持ち主に向けられていた。  
「・・・さて、と」  
そういって、パナビアは男を睨みつけた。男は慣れっこだという風で、無表情を保ったまま神妙にしていた。  
パナビアは思案した。この男のしでかしたことを考えれば、然るべき所へ突き出せば済む話だ。  
しかし、この男にされたこと――犯され、散々に辱められたこと――を思うと・・・・・・足りない。全く足りない。  
努めて冷たい表情を保っていたが、心の中では激しい怒りが渦巻いていた。この男には自分自身で制裁を加えたい。  
ならば、どのようにするか。あれこれ考えを巡らしたが、最後には一つの方法に行き着いた。  
パナビアは大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。腹は決まった。目には目を、だ。  
「・・・それじゃ、横になってもらおうかしら」  
そう言うと、男は何も言わず従った。仰向けになると、微動だにせず視線だけパナビアを追従した。  
男の真正面に行くと、その場にしゃがみこんだ。  
そして、おもむろに男のズボンのベルトを外した。  
「・・・!?お前、一体何を!」  
「何してるんですか、先輩!」  
この行為に、その場にいた全員が目を丸くした。周囲が静止した中で、パナビアは男の下半身を露出させた。  
先ほどとはうって変わって、自分を襲ったときのような気味の悪い印象は薄く、男の股間は情けなくしおれていた。  
「さっきはよくもこんな汚いモノ、私の口の中に押し込んでくれたわね」  
パナビアは徐々に語気を荒げ、男を睨みつけた。  
「あんたもしゃぶりなさい!!」  
 
パナビアは首を動かし、視線をナノカに向けた。ナノカの体がびくんと跳ね上がった。  
「は、はい!」  
視線は動かさないまま、男に向かって顎で指し示した。何も言わなかったが、ナノカは合点がいった。  
男の顔を跨ぐと、腰を落として股間を押し付けた。  
「ぐむ!?んむぐぐぐ!」  
男はナノカを引き離そうとしたが、脚でがっちりと挟まれて容易に引き剥がせなかった。  
「んぁっ、はぁぁぁぁ・・・」  
男が呼吸しようともがくたび、ナノカは吐息を漏らした。程なくして、男の股間が少しずつ勃起し始めた。  
「あら、苦しくても身体は正直みたいね」  
そう言うとパナビアは、隆起する男のモノを指でピンと弾いた。その刺激を受けて更に肥大する速度を速め、  
それから殆ど時間を置かず、目の前にあの憎らしいグロテスクな物体が姿を表した。  
それを見ると流石に息をのんだ。だが、パナビアは意を決し、男の腰の上を跨いだ。  
パナビアは視線を落とし、男の性器を見た。目の前に出された時よりも大きく感じた。  
パナビアは大きく息を吸い込み、少し吐いて止めた。そして、ゆっくりと腰を落とすと、膣口を男の性器にあてがった。  
「苦しいなら・・・吐き出しなさい。私の中で」  
呼吸を止めたまま、パナビアは少しずつ腰を沈め、男性器を膣の中へと入れた。  
「あ、ぐぅ・・・・はぁんッ!あつ・・・い」  
膝のつける位置まで腰を落とすと、男性器はほぼ完全に膣の中に隠れた。  
大きさは先程の道具の比に非ず、そしてなによりもかなりの熱を帯びていた。  
再び息を止め、ゆっくりと腰を動かし始めた。  
 
「ふあぁぁぁ!?うぁっ、n!」  
溜めていた空気はあらかた吐き出し、直ぐ無駄になった。  
「んッ!はぁっ、あっ、あッ!」  
少しずつ、腰の上下運動を速めた。性器が膣を擦るにつれ愛液の分泌を促し、膣内を濡らした。  
一人の男を上と下両方で犯すという異常な空間の中で、ネネの身体が変調し始めていた。  
先程から手に余る様子でドグラノフを構えていたが、明らかに落ち着きが無くなっていた。  
「ナノカさん・・・私、もうっ」  
突然ドグラノフを放り出し、男の顔面の上で悶えているナノカに飛びつき、お互いの唇を押し当てた。  
「んん・・・・はぁ、ネネちゃん、上手・・・」  
狭い室内に異様な熱気が篭り始めた。パナビアはその空気に酔い、腰の動きを更に速く、そして大きくした。  
「あんッ!あっ、あっ、ああッ」  
お互いに限界が近づきつつあった。膣の中では男のモノがさらに大きくなり、パナビアの目の焦点が合わなくなっていた。  
「せ、んぱいっ、わたし、もうッ」  
そう言ってナノカは、身体を支えられずに前につんのめり、ネネに体重を預けて抱きかかえられる形になった。  
「はンッ!あっ、イぐっ、あっ、あっ、ああぁぁぁッー!!!」  
パナビアの肢体に、大きな波が襲い掛かった。直電流のような感覚が全身を走り、  
一瞬目の前を、白一色の世界に変えた。  
「あっ、あっ、ぁぁぁ・・・はぁ、はぁ、はぁ」  
パナビアの身体を虚脱感が襲い、男の性器が萎びるとガクンと首をもたげた。  
膣からは白い液体が流れ出た。勝利した喜びと脱力感で顔が緩んだ。  
 
 そうした余韻から即座に引き戻される事態が起こった。  
パナビアがふと上をみると、天井がボロボロと埃を落としていた。なんとなくおかしい気がしていたが、  
思考回路はあまり役に立たなかった。しかい、その直後に聞こえた爆音は全ての感覚を揺り動かし、  
緩んだ力を一瞬で覚醒させた。  
「離れろおぉぉぉぉ!」  
ぐったりしているナノカとネネを抱きかかえ、雄叫びを上げて飛びのいた。  
もう一度大きな爆音がすると、天井が崩れ、男の上に瓦礫が降り注いだ。  
天井と一緒に、何かが降りてきた。  
「グァァァ・・・・・」  
紛れもない、瓦礫に埋まっていた我がフッケバインだった。飛び降りた姿は格好良かったが、来るのがかなり遅すぎる。  
「ナノカさんっ。私、私っ!」  
「いや〜、ネネちゃん、気持ちよかったね〜」  
一緒に埋めてやればよかったか。こっちには見向きもしない二人を見て、パナビアは思った。  
 
何とも変わり果てた姿となった我が家を見て、顔をしかめた。壁が砲弾を撃ち込んだように吹き飛んでいた。  
中はさらに悲惨で、床が爆破したかのような大穴が開いていた。下に飛び降りて周りをみると、  
部屋は完全に原型をとどめていなかった。もう一度使えるかどうかかなり怪しい。  
ふと目線を下げると、瓦礫の中から腕が伸びていた。見慣れているものだとすぐに判った。  
瓦礫を取り除くと、その腕を引っ張り上げた。現れたのはなぜか下半身裸のパートナーだった。  
「いったい何があったんだ?BB」  
「・・・・・・死ぬかと思った」  
 

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