全身に深い傷を負った少女は、必死に苦痛を堪えながらも大蛇の追尾から逃げ惑っていた。  
傷の為に身体がふらつき、意識が飛びそうになる。  
サクラは身も心も限界だった。  
鉄骨が刺さった足が、倒れかけた拍子に酸性雨の水につかる。  
ジュウ・・と嫌な音をたてて、足が焼ける。  
「っあ!!」  
全身から苦痛が漏れた。  
足を抱え、その場に倒れる。  
ままならない呼吸をしながら、サクラは銃をその手に取ろうとした。  
しかし、視界がぼやけてしまう。  
「うっ・・・」  
刹那、大蛇がサクラの肩に噛み付こうとした。  
するどい刃がサクラの華奢で幅の小さい肩を貫いた。  
 
「あああッ!!」  
 
肩を押さえ悶えるサクラ。  
大蛇はその尾でサクラを吹き飛ばす。  
 
勢いよく、その軽い身体は飛び壁に叩きつけられた。  
「あうっ!!!」  
 
そして、地面に崩れ落ちる。  
 
 
大蛇の体はサクラを絡め、締め付けた。  
 
 

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