飾り気のない電子音がカバンの中から鳴った。  
 
「あれ?誰だろ……」  
 
そう言いながら、慌てて携帯を取り出す。  
赤い手袋を脱ぎつつ、パネルの表示を見ると……先生からのメール着信だった。  
 
『駅前で待ってる』  
 
という味も素っ気もない短いメールにも関わらず、私の胸がドキンと高鳴る。  
たまたま一緒に帰っていた、智也の怪訝そうな視線から赤くなった頬をとっさに隠す。  
少しの沈黙の後、そうっと上を見上げると。  
頬に落ちかかってきた髪の隙間から、智也の眉毛が疑問にぐいっと吊り上がるのが見えた。  
 
「誰か……」  
 
ら?と続くはずだった言葉に、私はあわてて声をかぶせた。  
 
「あっ、あのねっ……急に用事ができちゃったの、だから、先帰って」  
「オ、オイ……」  
 
驚いたような智也の声を背に、その場からきびすを返す。  
我ながら下手な言い逃れだと思う。  
でも、智也に聞かれても何も答えられないから。  
メールの相手も、その用事も、そして、二人の関係も……。  
いつか、いつかきっと話すから。  
大切な幼なじみに、心の中でゴメン、と言いつつ。  
私は先生の待つ場所へと駆けだした。  
 
体育はあんまり得意じゃない。  
でも、3年の英語も担当している先生は、ここ最近受験対策とかで忙しいらしく、  
ずっと会えない日が続いてた。  
だから、自然と心が焦る。  
それに連れて、どんどん足のスピードが速くなる。  
急な呼び出しに、どうしたんだろう?と思いつつ、私は期待に弾む心を抑えられなかった。  
 
担任だし、朝のHRと英語の授業には会えるけど。  
ゆっくりと見つめ合って、抱きしめ合ったり、キスしたり。  
……それ以上のことを考えて、私の顔は爆発したように熱を持った。  
頬を切る十二月の風が、赤くほてった頬を冷ます。  
でも、どんなに寒い北風も、私の気持ちを冷やす事なんてできない。  
 
 
 
先生。  
早く会いたいよ、先生。  
 
 
 
……マラソン大会のゴールに先生が立ってたら、順位が上がるかもしれない。  
荒い息を繰り返しながら、私はふとそんなバカなことを思った。  
見慣れた、いつもの駅。  
久しぶりの運動で震える足を無視して、きょろきょろと辺りを見回す。  
と、一台の車がまるでそれを見計らっていたかのように、スッと私の側に寄ってきた。  
開けられたドアの向こう。運転席に座っている、彼の姿が見えた。  
 
「先生っ!」  
 
思わず大きい声を出してしまって、ハッと口を押さえた。  
慌てて周囲に視線をめぐらす。  
……よかった、咲永学園の制服は見えない。  
 
「乗りなさい」  
 
短く言われた言葉に、急いで半開きになったドアから助手席に乗り込む。  
ドアを閉めてシートに腰を落ろした瞬間、車が急に発進した。  
 
「きゃっ」  
 
衝撃に、身体が前につんのめる。  
滑らかな木製のダッシュボードに手を突くと、私は慌てて斜め後ろを振り返った。  
そこには……厳しい視線で、前を見据える先生の姿があった。  
ピリピリした空気がその長身の身体を包んでいる。  
 
……怒って、る?  
切れ長の瞳に見え隠れする押し殺した怒りに、  
それまで私の中でふくらんでいた期待が、一気にしぼんでいった。  
先生も、会いたいって思っててくれたんじゃないの?  
それ以上、先生の顔を見ていられなくなって、私は視線をそらした。  
泣きそうなくらい混乱したまま、安全の為にぎこちなくシートベルトを締める。  
そうすると、他になにもすることが無くなって。  
流れていく景色の中、私はただ、ぎゅっと自分の手を握りしめた。  
 
車の中を沈黙が支配してから、どれくらい立ったのか。  
エンジンの止まった音に、私ははっと顔を上げた。  
先生の家に着いたのかと、ちょっと安堵して、窓を見る。  
でも、いくら目をこらしても、それは見慣れた住宅街の光景じゃなくって。  
……全然知らない場所、だった。  
フロントガラスの外に広がっていたのは、まるでニュースに出てくる遺体放置現場のように、暗く陰気な場所で。  
雑木林、とでもいうのだろうか。  
うっそうと茂った木々の間にある、細い一本道に車は停めてあった。  
自分のいる場所に混乱して、私は横にいる先生の顔をそっと窺い見る。  
と、いつからこちらを見ていたのか、薄いガラス越しに目と目が合った。  
見る間に、涼やかな瞳がスウッと冷酷に細められ。  
 
「んっ……」  
 
瞳に宿った冷たい光とは対照的に熱い唇が、唐突に私のそれを塞ぐ。  
噛みつくような激しいキスに、私はただ流されるまま、反応を返した。  
執拗に絡みついてくる舌に、深く口腔を侵される。  
荒々しくもゆっくりと歯列の裏側を舐められて、背筋がぞくりとする。  
重なり合った唇の間から、飲みきれなかった透明な唾液が、顎を伝った。  
 
刹那。  
ガクン、と後ろに倒れていく衝撃に、私は目を見開いた。  
浮遊感に驚いて、とっさに先生の肩に縋り付く。  
けど、頑強におもわれた先生の体も、私と一緒になって後部座席へと倒れ込んだ。  
黒いレザーシートに押さえ付けられた私の体は、驚きのあまりしばらく固まってしまっていたと思う。  
いつの間に解いたのか、先生の手にはえんじ色のリボンタイが握られていた。  
薄暗い視界の中、それをぼんやりと見ていると  
 
「きゃっ……」  
 
胸元を掴まれたと同時に、シャツのボタンが一斉にはじけ飛んだ。  
その小さなプラスチックの固まりがカツン、と窓にぶつかる音を、私はただ呆然と聞いていた。  
何が何だかわからないまま、先生に視線を向ける。  
けどそこに、私を安心させてくれる、あの笑みを見つけることが出来無くって。  
狭い密室で密着している体が、誰か私の知らない人のもののようで、一気に不安になった。  
でも、先生はそんな私の気持ちに構わず、私の身体をまるで意志のないもののように開いていく。  
視線を合わせようとしないのは、激情に支配されていたからなのか。  
下着の脇から指が入ってきて、やわらかな布地をぐいっと脇に寄せる。  
と同時に、まだ乾いた入り口に、熱い塊があてがわれた。  
体が、本能的にそれから逃れようと後ずさった。  
が。  
 
「やぁ……っ、痛――――っ!」  
 
声にならない悲鳴が、食いしばった歯の間から漏れた。  
先生の大きなそれ。  
いっぱい濡れてる時でも、一番太い部分を受け入れるときは、少し痛む時があるのに。  
ズチリと一気に挿入された。  
強引に押し込まれた塊に、私の身体が、病気みたいにぶるぶる震える。  
ぎゅっとつぶった瞳から、苦痛の涙があふれた。  
 
「クッ……」  
 
先生は何かに耐えるように一瞬瞳を閉じると、まるで肉食獣のように、私のやわらかい肉を貪りだした。  
繰り返される獰猛な動き。  
傷口を擦られる痛みに、目尻から涙がこぼれる。  
無理矢理こじ開けられたそこは、裂けてしまったのだろう。  
乱暴な挿入の度に、ビリビリとした痛みを訴えた。  
 
「うぁっ……や、やだっ……」  
 
私はざらつく喉から声を絞り出して、汗ばんだワイシャツを必死に押し返す。  
でも厚い胸板は、熱いコンクリートの壁みたいに、びくともしなかった。  
知らない人にレイプされてるみたい。  
自分の体を押し開いて、激しく揺さぶっているのは、本当に私の好きな先生なのか。  
私はもう一度首を伸ばして、先生の顔を見た。  
 
「フッ……クッ……」  
 
そこにいるのは紛れもなく、私が会いたいと願って夕暮れの街を駆けた相手であり、  
いつも惜しみない愛情を、快楽と共に私に与えてくれる人であった。  
上にのしかかって、荒い息を吐きかける先生も、どこかが痛むのか、眉間に皺が寄っている。  
その苦悶の表情が……いつだって少し余裕を残してる先生と違って、何だか泣き出しそうで。  
私は抵抗を止めて、強ばっていた体の力を抜いた。  
そうして、震える指を、そっと先生の首に回す。  
ビックリしたし、痛いし、ちょっと怒った。  
でも……。  
 
「せんせいっ……す、きっ……大好き……」  
 
その言葉に、広い肩がビクリと揺れた。  
痛めつけるような動きを繰り返していた腰が止まる。  
そして、黒い瞳が信じられない、と言った風に大きく見開かれた。  
 
あ……先生、帰ってきた……。  
みるみるうちに、ナイフのように尖っていた瞳が優しい夜の色に変わる。  
強ばった心がほどけていく。  
私はそれを見ながら、私のとった行動は間違っていなかったんだ、と胸をなで下ろした。  
「君は、本当に……」  
 
かすれた声で切なくつぶやくと、  
先生は激情と懇願と恋慕が入り交じったような、複雑な表情で私を見た。  
そして、そのままじっと私を見つめると、何かが解けたような、愛おしそうな笑みを浮かべた。  
無理矢理抱かれ、まだ下肢が繋がったままであるような状況にもかかわらず、私の胸が大きく高鳴る。  
 
怒るべきはずの場面だったはずだ。  
むしろ、これが別れのキッカケになってもおかしくない。  
頭の中の少し冷静な自分が、怒る。  
だけど、バカな私はそのとき、もう一度、恋に落ちた。  
先生の綺麗な笑顔に、魅せられる。  
どうしようもなく、このひとに惹かれてしまう。  
彼になら、何をされても、いい……。  
 
 
 
先生の笑顔にぼうっと見とれていると、その少し硬い唇が動いて、  
 
「…………」  
 
と息を漏らした。  
それは、すまないという謝罪の言葉にも、愛しているという求愛の言葉にも聞こえた。  
同時に、中に入っている先生のアレが、ぐっと大きくなる。  
そして、再び私の中を縦横無尽に動き出した。  
 
「んっ……アアッ、ぅあっ!」  
 
正直に言うと、車の中は狭くて、色んな所に手とか足をぶつけちゃうし、  
先生を受け入れてる場所はまだまだ痛い。  
でも、その痛みさえいとおしい。  
体の奥から、蜜がじわじわとあふれてくる。  
入れられた場所が、ジンジンと疼く。  
 
「あッ……せんせっ……あぁっ…………」  
 
体より、ココロが、だれよりも愛しいひとに感じていた。  
口から押さえきれない声が漏れる。  
好き、大好き。  
ずっとこのまま、繋がっていたい。  
離れたくない。  
 
頭の芯が、痺れてくる。  
伸び上がったつま先が、低い天井を蹴る。  
激しい水音が車内に響く、でも、気にならない。  
受け入れている部分が、体が、熱い。  
熱い。  
熱い……!  
泣き出してしまいそう。  
時を同じくして、私を翻弄していた挿入が、段々とせわしないものになったかと想うと。  
 
「ハッ……ハァッ」  
 
ゾクゾクするような色っぽい声と共に体を震わせ、先生が果てた。  
子宮の入り口にぴったりと押しつけられたそれは、痙攣を繰り返しながら、白い粘液を吐き出した。  
無防備な胎内に、焼け付くような熱さを持って、それがじわじわと染み渡る。  
でも、妊娠しちゃうとかそんな心配より、震える先生がいとおしくてせつなくて。  
つつみこむように背中に回した手で、私は先生のスーツをぎゅっと掴んだ。  
 
そして全ての精液を出し尽くした後、先生はどっと私の上に倒れ込んできた。  
熱い吐息が、私の前髪をふわふわと舞い上がらせる。  
汗ばんだ体が少し重い。車のフロントガラスが熱気で曇っている。  
きっと今、誰かがこの車に入ってきたら、一発で何をしていたか分かっちゃうんだろうな、  
と私は先生の体を抱き留めながら、ぼんやりと思った。  
 
どうしてこんなに、先生のことが好きなんだろう。  
先生の激しい鼓動が段々と収まってくるのを体で感じながら、私はすこし疑問に思う。  
でも……。  
再び、どこか痛みを覚えているような表情を浮かべた先生の顔に、そんな考えは消え去った。  
理屈じゃない。  
ただただ、先生が、好き。  
悲しいなら笑って欲しいし、苦しいなら、その原因を取り去ってあげたい。  
いつも笑顔で、いて欲しい。  
そして、私のことを好きだと、ずっと言って欲しい。  
抱いて欲しい。  
 
胸を焦がすような感情に突き動かされ、私は、硬く引き結ばれた口元に、傷を癒すように。  
……そして、すべてを許すように、そっと唇を寄せた。  
何度も、キスを重ねた、温かい唇。  
その端に刻まれた皺が、ゆっくり、ゆっくりと消えていく。  
 
 
 
私は、世界でいちばん欲しいものを手に入れた女の子のように、得意な気分になった。  
 
 
 
まだ離れたくないという風に、先生は繋がったまま私の横にずれると、ぎゅうっと私を抱きしめる。  
男らしく整った顔に浮かぶ表情に、さっきまで取り憑いていた影は、見えない。  
 
「見たんだ……高見と君たち二人が仲良さそうに校門から出て行くのを……」  
 
心から安堵して、その抱擁に身を任せていた私は、ぽつりと漏らされた言葉に、驚いて目を見開いた。  
もしかして、先生の様子がおかしかったのはその所為なんですか?  
って聞きたかったけど、何となく口を開けないでいる内に、先生が続きを話す。  
 
「端から見ていて、とてもお似合いのカップルだったよ。頬笑ましくなるくらいね。  
……でもそれを見た俺は、いてもたってもいられなくなって。  
気づいたら何もかも放りだして車に飛び乗ってた」  
 
苦々しい口調で言われた言葉に、私は思わず先生の胸から顔を上げた。  
真剣な顔。  
とても冗談を言っているようには見えないけど……。  
 
「そうして、君たちの後を車でつけていたんだ……気づかれないように、こっそりとね!」  
 
それまで淡々とした口調で、静かに自らの行動を語っていた先生が、  
急に耐えきれなくなったように、感情を露わにした。  
 
「自分で自分の行動が信じられなかったよ……」  
 
先生は落ちかかってきた前髪をくしゃりとかき上げると、唇を歪めて、自嘲気味に笑った。  
弱々しい声に、どうしたらいいのか、わからなくなる。  
彼は、自分を責めているのだろうか。  
 
「もし君が、約束の場所に現れなかったら……  
君を捕らえて、鎖に繋いで、君の手から全ての自由を奪って。  
…………薬でもなんでも、使ってただろうな」  
 
暗い表情を浮かべたまま、忍び笑いをした先生に、私の僅かに残った理性が、怯えた。  
彼はきっとその言葉の通り実行しただろう。  
そう思わせるだけのものが、重苦しい言葉の中にあった。  
 
「俺は、君が卒業するのが怖いんだ。  
学園を出たら、自然、いろいろなものに触れ、成長する。視野も広がるだろう。  
……そうなったとき、果たして君は俺で満足できるのか。  
君は、学園という閉ざされた空間の中で、単に教師という存在に憧れているだけじゃないのか。  
怖かったんだ、恐怖してた。  
藤原が、君が俺と離れて……他の男とつき合ってみたくなるんじゃないのか」  
 
目が合う。  
まるで憎まれているのではないかと思うくらい、強い光を宿した瞳。  
逸らせない。  
 
「君に、他の男が触れるのが許せない。  
君が、俺以外の男に微笑みかけるのが、耐えられない。  
……大体、君は無防備すぎるんだ。  
俺がどれだけ嫉妬に狂ってるのか、気づいてない。気づこうともしない」  
 
壮絶な笑みが、先生の顔に浮かんだ。  
大きな手が、頬を上下する。  
そして、そのまま下りてきた親指に、唇をツウっとなぞられた。  
肌がぞわりと粟立つ。  
 
「……ときどき、気づかないフリをしているんじゃないかと、妬ましくなることさえもある」  
 
首に両手をかけられても、私はただぼうっと先生の瞳を見ていた。  
燃え上がるような狂気に、微かに残った理性をも焼失されてしまう。  
 
「本当は、男だけじゃない。  
以前も言ったことがあるかもしれないが、俺は君に関わるものすべてに対して、嫉妬を覚えるんだ。  
……病気だな。狂ってる」  
 
その言葉通り、彼は狂人のように何かに取り憑かれた目で、私の首を絞めた。  
 
「ぐゥっ………っ」  
 
苦しくないわけがない。  
息が、出来ない。  
顔にどんどん熱が集まる。  
赤くなってる。  
視界が赤く、染まっていく。  
夕闇より、赤く、黒く……。  
 
 
「……でも、その原因を無くしてしまうことは出来ないんだ。  
そんなことをするには、俺は君を愛しすぎている」  
 
首に容赦なく食い込んでいた手の力が、その瞬間、ふっと弛んだ。  
 
「ゴホッ……っ!ゴホッ、ゴ……ッ、グッ、ゲホッ……!」  
 
私は、咳き込みながら、懸命に空気を吸う。  
涙が何本もの線となって伝い、熱い頬を冷やした。  
 
「……愛しすぎてるんだ」  
 
苦悩するように言われた言葉に、心臓が締めつけられたようにキュッと切ない音を立てた。  
人はこの感情を異常と言うだろう。  
愚かだと。  
ほんの一瞬前まで、私はこのひとに、首を絞められていた。  
殺されかけたのだ。  
だが……。  
頬に触れている、激情に震える指先に、私はそっと自らの手を重ねた。  
 
「先生……」  
 
しわがれた、ガラガラの声。  
まるで、自分の声じゃないみたいだ。  
 
「先生……」  
 
バカみたいに、そう繰り返す。  
 
「先生……先生……先生……」  
「俺は君の何十倍も、君を想ってるよ。  
些細なきっかけで、暴走した想いがこうやって狂気に達してしまうくらい。  
今回、俺はそれを……」  
 
煩い唇を、塞いだ。  
いくら大好きな先生の声だって、今は聞きたくない。  
奪われた分だけ、息を奪ってやる。  
でも、足りない。  
まだまだ足りない。  
 
あの瞬間。  
私は殺されても良いと、思った。  
でも、私を殺した後、先生はどうするんだろうか。  
全てを忘れて、また私以外の誰かとつき合うのだろうか、と想像した途端。  
許せない、と思った。  
殺されたくない、と思った。  
死ぬなら、一緒が良い。  
永遠に、他の誰もその瞳に映さないようにしたい、と……。  
 
結局、私たちは似たもの同士なのだろう。  
嫉妬深く、疑い深い。  
きっと、それはこれから先も、ずっと変わらない。  
先生は、私が離れていくんじゃないかと不安に思い、  
私は私で、先生に飽きられてしまうんじゃ無いのかと心配する。  
 
でも、今の瞬間。  
二人の間に距離は無かった。  
言葉なんていらない。  
ずっとずっとキスしてればいい。  
私たちは、隙間無いほど抱き合って、互いを感じていれば、安心できるのだ。  
 
だから……。  
 
「もっと、もっと、キスして……先生」  
 
強く、抱きしめて。  
何も考えられないくらい、熱く、しっかりと。  
世界に、私たち二人しかいないのだと、感じられるくらい。  
強く。  
もっと、強く……。  
 
 
 
 
 
 
 
>>END 『Hold Me, Thrill Me, Kiss Me, Kill Me 』  
 
 

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