フジヨシ軍の旗艦である”大阪城”には、バトル物漫画のような闘技場が設けられて  
おり、真神器の使い手達はそこで精霊神器の使い手たちを足止めする配置についていた。  
 
 中丸の第二関門の担当の一人、六文のシゲは、この配置に多少不満があった。  
「大手門がゾンビの大将で、中丸の第一関門はうちの十勇士とはね……」  
 前者は東西合戦の雄であるから、まだ納得もいくが、問題は後者。十勇士は精霊神器  
使いに対するケズり役なのだ。  
「それが戦争だ。かなしいけれどな」  
と、言うのは郡山のテルヒメで、彼女も第二関門の担当である。  
 もう一人、風魔のコタロウは闘技場の間欠泉をチェックするため、場を離れている。  
「冷たいなぁ。あれは俺の家族見たいなモンだから、お前みたいに割り切れないな」  
「ん……。この氷の仙玉がそうさせるのかもしれない」  
 テルヒメはそう言って、扇の真神器に嵌った二つの仙玉をシゲに見せた。それがテル  
ヒメの兄弟が転化した物だという事を、シゲも聞いていた。  
「親や兄弟の犠牲で今の私があるなら、フジヨシの作戦が気に入らなくても、この戦い  
最後まで見届けねばならないと思う……」  
「うん? 気に入らない? 納得済みでないのは、テルヒメも同じかい」  
「少し、喋りすぎた……。シゲさん、私は向こうへ行く」  
 少し赤くなった顔を扇で隠し、立ち上がった。が、  
「まってくれよ!」  
 シゲが跳んで、テルヒメの腕を掴んだ。  
「あんたは、いい女だな。冷たさを装ってるが、優しい言葉に照れて逃げようとする。  
まるで無垢な少女だ。俺はさ、生きてる間に恋の一つも実らせて、小さな家庭でも家族  
仲良く過ごしたいと思ってるんだ。でも、大名の、六文の名前がそれを許さない時代じ  
ゃないか!」  
「死ぬのを予感して、そんな事を言っているなら御免こうむるぞ」  
「子供は、四人は欲しいな。戦争で沢山死んだから、戦いを指揮した俺達が埋め合わせ  
するのは、義務だろう?」  
「人の話しを聞きなさいな、六文シゲっ!」  
「分かってるよ。別に、自棄になって言ってるんじゃない。ああ、もう、ストレートに  
言うと、『俺の子供を生んでくれないか?』」  
 一瞬シゲは、『早まった!?』と思ったがテルヒメは柔らかな表情を見せた。  
「郡山も六文もない新しい世の中で、私とシゲが夫婦か。悪い提案ではないな」  
 その返事に、シゲは素早くテルヒメの唇を奪った。  
 それは大人のキスだったのでテルヒメは目を丸くしたが、これから起こる事と比べれ  
ば些細なことであった。  
 
 二人は通りから離れた茂みに身を潜めた。テルヒメは、ネクタイを解いて木の枝にひ  
っかけ、シャツのボタンを外し始めた。  
 テルヒメはスタイルが良い。純国産とは思えない、豊満な肉付きはシゲを魅了した。  
ボタンを外した衝撃で、胸が揺れた。堪らなくなったシゲはテルヒメの背後から、その  
二つの膨らみを鷲掴みにした。  
「ら、乱暴じゃないか! まだ、脱ぎ終わってないし……シゲさん、あんたなんで着た  
ままなんだ?」  
「ただ裸になって抱いても、盛り上がらないだろう。前フリがいるんだよ」  
 そんな”状況に萌える”タイプのシゲは、ブラジャーに包まれたテルヒメの胸を絞る  
ように手を動かした。  
「乳が出たりしてな。ほら、なんだか湿っぽい」  
 その言いつつシゲは、テルヒメの背骨にそって舌を滑らせる。それがまた、テルヒメ  
の身を熱くした。  
「馬鹿言って! 手の熱が伝わってるんだ。暑苦しいから、背中の金具を外してくれ」  
「ああ、これね……。これはこれで、良い感触なんだけど。名残惜しいかな、ブラ」  
と、舌が金具に触れたので、口で外した。その間、手は胸を愛撫し続ける。  
 パチン! ザッ。ブラジャーが取れて、生の胸がさらけ出された。  
「おっ? 器用なのね!」  
 テルヒメが関心するのもつかの間の事、  
「ひゃぁぁんっ!」  
 甲高く甘い叫びが上がった。シゲの指がテルヒメの膨らんだ乳首を捻ったのだ。  
「ふむぅ。乳房は大きく柔らかく、こちらは僅かな芯がある。まこと良い物を持った女  
だなテルヒメっ」  
 背後を取った時点で形勢はシゲに有利だった。だが、それで黙るような易しい女では  
ない。テルヒメは反撃に出た。  
「貴方の戦槌も随分と立派な物ですこと」  
 何とか手を後ろに回し、シゲの股間を握り締めた。  
「うっ? うぉぉおおっ!! こいつは。そのままむにむにっと、袋を刺激するように  
頼む。優しくな」  
「うーむ。なんだか、蒸し暑くなってきたようだが」  
「空いてる手も後ろに回してさ、そっちは棒をしごいてくれ」  
「うん、こんな感じか?」  
 人差し指と中指で挟むようにシゲの竿に刺激を与える。  
 そんな風に、お互い感じる部分を弄りあっていると、二人の体が小さく跳ねた。  
「ん? 電気が走った!?」  
「あぁ……。ギリギリ、堪えられたけれど。そろそろ、本番、行かないか?」  
 シゲは震える手でテルヒメのスカートのベルトを緩めた。テルヒメも振り向いてシゲ  
のズボンを脱がせるのだった。  
 深夜の冷え切った空気が二人の肌から熱を奪う……。  
 
 全裸になったテルヒメは美しい。癖のあるショートヘアは金色をしている。別に染め  
ているわけではないのは、陰毛と同じ色なのを見れば分かった。  
 シゲは、その陰毛が欲しかった。  
「生き延びるのをより確実にするため。君のお守り、欲しいんだ。郡山テルヒメ」  
「お守り? 兄弟はやれんぞ」  
「仙玉じゃなくてな、これだ」  
と、テルヒメに体をくっつけ、しゃがみこんだ。シゲの鼻先にテルヒメの陰毛が擦れた。  
「知らないか、こいつがお守りって言われるわけが。耳を貸しな……ヒソヒソ……ヒソ  
ヒソ……」  
 今度は顔同士くっつけて、”お守り”の由来を話した。『弾に当たらない』という、  
それを。  
「何、その冗談は? ふざけているの!」  
「おやおや、真っ赤になって。可愛いね。でもさ、冗談でも、そういうのにすがりたい  
んだよ。生きるか死ぬかなんだ」  
「う……むぅ、むむむ」  
 テルヒメは、唸って言葉濁した。が、ややあってからそっぽを向いて言った。  
「1本だけ! 早く、抜いちゃって」  
「有難い」  
 ブチン! テルヒメの体に何とも言えぬ、痛みが走った。まるで脊椎にそって雷が落  
ちたような。  
「うほほ」  
 シゲは奇妙な声を上げながら、掌サイズの巾着袋(所謂、”お守り”だ)に陰毛をし  
まった。そんな事を素っ裸でやっているのだから、緊張感がまるで無い。  
 そのシゲの尻を見ているうち、テルヒメにも欲が出てきた。  
「なあ! 私にも、シゲさんのお守り、くれないか」  
「男のは効果無いんだ。何故なら、洒落が成立しないからさ」  
「理屈を言って! 私が欲しいんだ。貴方は女のお願いを聞いてくれない男なのか!?  
一緒にすごしたい人の一部を持っていたいと思うのは、変じゃないでしょう」  
「だったら、1本だけ。早く、済ましてくれよな!」  
 今度はシゲがそっぽを向く番だった。  
 笑いを堪えるのが大変だったが、テルヒメは手に入れた”お守り”をシゲと同じく巾  
着袋にしまいこんだ。  
「これで、安心だ」  
「”袋”から生えたのを、抜く奴があるか! あぁ、震えが止まらん」  
 痛みとも寒さともつかぬ刺激が、脊髄反射となってシゲの体を震わせていた。  
 
「ちょっと、回り道が遠かったが……」  
 シゲはテルヒメとの距離を詰め、その腰に腕を回した。くっついた部分が暖かい。引  
き寄せると、テルヒメの柔らかな胸が押し潰れるように形を変えた。  
「この胸で、してもらえたらどんなに幸せか」  
 その事を想像するだけでシゲの戦槌は先走り始めた。  
「出来るだけ対処はするが、『胸で』とは?」  
 テルヒメはパイズリを知らない。例によってシゲは「ヒソヒソ」と説明した。  
「……!? お前は、何でそんな事ばかり知っている!?」  
「別に俺が考えたわけ無いだろう。びっくりするのも分かるが、体格的な問題でこの国  
の女にそうそう出来る物じゃない。それを出来るテルヒメは素敵だろう。と、思う」  
「お世辞の上手い男だな……」  
 テルヒメは自らの胸を手ですくう様に持ち上げて、困った表情を見せた。  
「そんなに、してほしいのか?」  
 その仕草に、シゲはムリヤリでもやってやろうか? という気になりかかった。喉が  
乾く……。  
「ん、あぁ。出来まいか?」  
 するとテルヒメは目を瞑り、ため息をついた。それから観賞用の置き石を指差して言  
った。  
「それに腰掛けろ。する」  
 石に座ったシゲは、まずその冷たさに絶句した。  
「ごめん、なんか敷くわ」  
と、取りあえずズボンを持ってきて石の上に敷いた。それでいくらか、尻が楽になった。  
「もう、いいな?」  
 膝立ちしたテルヒメは、広げられたシゲの足の間に入り込んで股間に近づいた。シゲ  
の物を胸で挟みこみ揺すった。しばらく放置されていたせいで、萎えかかっていたそれ  
は、すぐに『戦槌』と呼ぶに相応しい大きさと硬さを得た。  
 目の前にそんな物が現れ、テルヒメは動転した。むわっと、香ばしい匂いが鼻を突い  
た。それはすぐ傍の男の性器から漂ってくる匂い。  
 ユサッ! ユッサユッサ!! 腰を浮かせるように上半身を動かしテルヒメはシゲに刺  
激を与え続けた。  
「うっ! くぅっ……うぅ」  
「ん? 苦しいの? いや、感じているのか?」  
 
 シゲのうめき声に一瞬テルヒメは気を使ったが、すぐにそれが杞憂だと分かった。胸  
に挟みこんだ棒の先端から、透明な汁が次々に溢れ出して来たからだ。それが男の感じ  
方だと本能的に察した。  
「これ、どんな味がするのだろう?」  
 疑問を感じたら、調べたい。テルヒメはそんな賢い所のある女だった。逸物の先端、  
縦に走る割れ目に沿って舌を滑らせた。その直後、  
「おうっ! くぁああ。おおお……っ!!」  
 シゲは絶叫し身を硬くした。『射精せよ』との命令が全身を駆け巡り爆発した。  
 ブッ! ビュルッ! ビュルゥッ!!  
 丁度、テルヒメは味見をしようと口を開けている時だった。その口内に大量の精液が  
飛びこんだ。  
「ん? んくぅっ! ごほっ……ごくん!」  
 そして飲んでしまった。その後、テルヒメは酷く咳き込んだ。ようやく、落ち着くと  
シゲが話しかけてきた。  
「大丈夫か?」  
 それは、とても心配した優しい口調だったのだが、  
「……うーん。最初、しょっぱいような味だったな。次に飛んだ白い奴はなんだ?  
あんな色をして、苦いなんて……わからないなぁ」  
 テルヒメはケロっとしていた。  
 
「それなら、これからたっぷりと味合わせてやるよ。胸はもういいから、ほらこっちに  
来てな。足を広げて俺の腿に跨るように座って」  
 言いながら、シゲはテルヒメの股間に手をやった。そこにはヌメりがあった。お互い  
に準備は万端である。  
「少し、不安なんだがな……私は」  
「不安を消すためにも、こうしているんだろう。戦いの終わった後の世の中を楽しみに  
してさ」  
「うん。そう思えば、やれそうな気分。シゲ、いいよ。お願い」  
「ああ」  
 シゲはもぞもぞっと腰を動かし感触だけで狙いを付けた。  
 
『いざとなれば、お前だけでも生き残すさ。それが男の甲斐性よ!』  
 
 それは聞こえるはずの無い、心の声である。はずが、  
「ん? シゲさん? 今……」  
 テルヒメが言いかけた瞬間、シゲの戦槌が突き上げられた。  
 ズッズン!!  
「きゃっ! わあぁぁぁっん!!」  
 突然の刺激に、テルヒメは犬見たいに吠えた。彼女が討つべき相手は辰の精霊神器の  
使い手マサヒメだが、この際そんな因縁はどうでもいい。  
 今は、この性的な快感を貪り、また、与えるだけである。  
「んっ! ふぅ! んん……おおっ!」  
 シゲの唸りだって、全然羊っぽくは無い。ただ、突き上げ、時に目の前に揺れる二つ  
の膨らみを鷲掴みにし、先端の桃色の突起を甘く噛む。それを繰り返す。  
 と、その時だ。  
 ドッ! ドウッ!! ゴゴゴッ!! 第一関門の方で強い光りが発せられ、続いて爆  
音が響き、地面が揺れた。  
 それらを断片的に捉えながらシゲは思った。『ああ、十勇士は壊滅したか』と。そし  
て――シゲは射精した。今度はテルヒメの中にだ。  
 まったくの勘だったがシゲは、『命中した』と予感した。  
「奴らが来る……。戦支度だ」  
「うん……。なあ、この暖かい感じ。また、戴けるかしら?」  
 お腹をさすりながら言う、テルヒメの表情は柔らかい。彼女は精液の熱さを言ってい  
るのではないだろう。分かっているのだ、自分の体に起こりつつある変化が。  
「ん……。当たり前だろう。一発一人としても、後三回はやらないとな」  
 シゲは冗談みたいに言った先の言葉を引き合いに出してきた。だからテルヒメは一瞬  
わけがわからなかったが、思い出してそれから、  
「いっそ、十二子でもいいかも」  
そうポツリと言った。  
 
 二人の今生の別れは近い。  
 
終わり  
 

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