「姉さま、父様の誕生日プレゼントの事で相談が…」  
ナインはそう姉に切り出した。  
「そろそろ準備しないといけませんからねぇ、私は手編みの腹巻にしますけど」  
何にするんです?そうテスラは尋ねる。  
「こういった物を…」  
言いながら差し出しされた紙を受け取り、ざっと目を通す。  
何やら回数券のような文面が手書きで書かれていた、そしてある一点に目が止まると…  
「えええええええええっっっ!!!!!」  
テスラは家中に響き渡るほどの大声を上げていた。  
「な、なっちゃん!これって、そのアレって事ですか!?」  
完全に動揺した様子で、言葉として意味を成していないが、ナインには大体通じたようだ。  
コクリと頷くと、続けて言葉で説明する。  
「処女、バージン、初体験、一般的にそう称されるものを父様に…」  
あらためて妹の口から出た言葉に、テスラはしばし硬直していた。  
「その為の練習をしておきたい…」  
「れ、練習って何をですか?」  
「男性の喜ばせ方…」  
「なっちゃん…本気なんですね…?」  
再びコクリと頷く妹を見て、テスラはそっと目頭をぬぐった。  
「なっちゃんもついに大人への階段を上る時が来ましたか…」  
感慨深いような、寂しいような複雑な気分です…と何やら呟いている。  
「わかりました!この姉が手取り足取り技を教えましょう!」  
『とはいっても、私の経験は攻める事だけなんですけれどね…』その言葉は胸の中でしまっていた。  
 
ベッドの上でお互い下着姿になりテスラはレクチャーを始めた。  
「さてと、殿方を喜ばせる方法は幾つかありますけど、初めての女性があまりそういったテクニックを多用しては、逆に興ざめしてしまいます…多分」  
コクコクと頷くナイン。  
「ひとまずお父様をその気にさせる事を目的として、一点集中でいきましょうか」  
そう言って差し出したのはアイスバー。  
「これで練習しましょう」  
『本当ならアレの方が形が本物と同じなんですが、さすがに殺菌してるとはいえ使用済みなアレをなっちゃんの口に含ませるわけには行きませんし…』  
「姉様?」  
「あはは、何でもありませんよ」  
ごまかしつつ袋からアイスを取り出すと口元に運ぶ。  
「先端は敏感なので最初は…えーっと、その…さ、竿の部分からですね刺激を与えるのがいいですね」  
いざ解説を始めようとしたテスラだったが、単語の部分で顔が真っ赤になり、言いよどんでいた。  
「うーん、なっちゃんの前でこんな単語言うと、なんか恥ずかしいですねぇ」  
照れ笑いを浮かべながらも、アイスの根元に舌を這わせた。  
「こう周りの方から攻めていって、徐々に先の方に向かいます」  
そんな姉のやり方を見て、ナインも同じようにしてみる。  
「攻めるポイントは、先端と亀頭の表面、裏筋、カリの部分ですね、出来たら全体を口に含んで、唇で竿を締め付けながら舌で先の方を舐めるといいです」  
ちゅぱちゅぱと音を立てながらアイスを前後に動かし、時折引き抜くと、その先端に舌を這わせるテスラ。  
ナインも真似てみるが、普通にアイスを舐めてるようにしか見えなかった。  
「ちょっと雰囲気が違いますねぇ…見た目というのも重要ですし、何かグッとくる仕草は…」  
「仕草…」  
首をかしげ困ったような顔を見せるナイン。  
「なっちゃん、口に咥えながら上目遣いで私を見てもらえます?」  
テスラはベッドの上に立ち上がるとそう言った。丁度ナインの顔が腰の辺りにくる形になる。  
「こう?…」  
アイスを口に咥えながら、おずおずと上目で姉を見つめるナイン。  
「はぅっ!」  
「姉様!?」  
妹に見つめられた瞬間、テスラはその場にへたり込んでしまった。  
「な…なっちゃん…最高です!可愛いです!その顔で見つめられたら落ちない男なんていません!」  
がばっと跳ね起きると、ナインの両肩を掴みテスラは力説した。  
「了解、実践してみる…」  
姉の変化に戸惑いながらも、ナインは頷いた。  
 
アイスも食べちゃいましたし、あとは…」  
『まだドキドキしてます…なっちゃんの上目遣いにあんな破壊力があるなんて……あ…駄目です、なんか変な気持ちに……』  
「姉様、次は?」  
続く言葉もなく俯いた姉にナインは問いかける。  
「次は…キスの練習しましょうか……」  
顔を上げたテスラは、若干目がトロンとしていた。  
「キス…」  
「あ…ご、ごめんなさい、やっぱりファーストキスはとっておきたいですよね」  
はっと我に返り、慌てて謝るテスラ。  
「問題ない…ファーストキスは姉様と済んでるから…」  
「え?」  
「小さい時にした…」  
「そういえば、そんな事もあったような…」  
おぼろげな記憶に首を傾げるテスラだったが、それもナインが目を閉じ顔をやや上向かせてこちらに向けた姿を見て理性が吹き飛んだ。  
「姉様…」  
「なっちゃん…」  
始めは軽く唇同士を触れさせる程度だった、だが、テスラは妹を抱きしめるとその唇を舌で押し開き口内へ進入させていった。  
「!?」  
ビクッと体を震わせ、目を見開くナイン。  
キスという言葉からのイメージとは違う姉の行動に驚きつつも、これが練習が必要なキスなのかと納得し、身を任せる。  
「ん…」  
姉の舌が自分の舌を舐ると、ナインの背筋に甘い電流が走るような感覚がした。  
なおも口の中を蹂躙する姉に、ナインの体からは力が抜けそのままゆっくりと押し倒される。  
「これが…キス…」  
テスラが唇を放すと、ぼぅっとした表情でつぶやくナイン。  
「なっちゃん…ごめんなさい…初めてはお父様に差し上げてもいいですが、今のなっちゃんの全てを見て、触れる初めては私が貰っちゃいますね……」  
姉の言葉が遠くに聞こえる…その意味を理解できぬまま、ナインはコクッと頷いた。  
 
「綺麗ですよ、なっちゃん…」  
テスラに下着を脱がされ、ナインは体中を愛撫されていた。  
父を想い自慰をする事はあった、だが、このように誰かに体を触られる事は初めての体験であり、その触れる指や舌がもたらす快感は未知のものであった。  
「ふぁ…ねぇさ…ま…」  
テスラは妹の体を堪能する事に没頭していた。  
四肢の先に至るまで舌で味わい、その肌触りを指や自分の胸で感じ取る。  
そして、姉である彼女も見た事が無かった妹の秘所へとたどり着く。  
「なっちゃんの大事な処……」  
69の体勢で妹に覆いかぶさると、その両脚の付け根に顔を埋めていった。  
「ひっ!あ…姉様…そこは…」  
姉の吐息が、自分の大事な場所に感じられる。  
「はぁっ!駄目っ!ねぇ…さ…ああっ!」  
淡い茂みの奥の薄紅色の花びらをテスラは優しく両手で押し広げ、そのひだの一枚一枚をそっと舌でなぞっていく。  
「あ…ぁ…や…」  
ナインの体は弓なりに反り、腰がガクガクと震えている。  
「姉様…も…もぅ…やめ……ひぁぁっ!!」  
テスラの唇は、妹の最も敏感な部分を挟み込んでいた。  
「お願…い…ねぇさ…も…おかし…く…はあぁっ!!」  
息も絶え絶えに懇願する妹の様子に、テスラは妖艶な笑みを浮かべると唇を離し、充血し硬くなったそれを指で弾いた。  
「あああああっっっ!!!」  
ナインはその瞬間、絶頂に達し、全身を硬直させるとそのまま気を失ってしまった。  
「!?」  
その声を聞き、テスラは我に返った。  
「なっちゃん!なっちゃん!」  
気を失った妹を抱き上げ、名前を呼ぶ。  
「ねぇ…さま…」  
しばらくするとナインは目を覚ました。  
「ごめんなさい…ごめんなさい…私…なんて事…」  
「大丈夫…姉様の事は…わかって…いるから…」  
涙を浮かべ、謝り続けるテスラの頬に手を当てナインは弱々しくも微笑んだ。  
「お願いしたのは私…姉様はそれに応えてくれただけ…」  
「ちが…」  
「違わない…だから泣かないで?」  
ナインは起き上がると姉の頭を胸に抱き、そっと撫でた。  
「姉様を守ってくれる人が現れるまで、私は姉様の傍に居る…」  
「なっちゃん…ありがとう……」  
「ん……」  
姉の言葉に妹は笑顔で頷いた……  
 
 

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