この世界に彼女を見つけた、15歳の夏。  
…なんて事だ。  
その美しさを、目映さを、知らずに生きて来た自分に、衝撃が走った。  
居た。  
こいつに、必ず出会ってみせる。そして、誰よりも綺麗に、撮ってみせる。  
懐かしく愚かで、切なく誓った。それは、暑い暑い夏の日の事だった。  
 
「どうしたの、一哉?」  
部屋に入るなり、その身体を抱きしめた俺に、彼女から疑問の声が上がる。  
細い腕、腰。薄い皮膚の向こうにある、安らかな心。  
いつもなら、それを感じるだけで収まる感情が、今日は何故か、うまくコントロール出来そうになかった。  
日差しは穏やかで、からっとした空気で、散歩にはもってこいで。  
なのに、あの日のような衝撃と愛しさを感じるのは…結局これが、俺にとって生き方すらも変える恋だったからなのだろうか。  
 
「…抱きたい」  
目を閉じたまま、耳元で囁く。答えを待つより先に、ワンピースの肩紐を外し、白い肩に唇を寄せた。  
「ちょっと、痕付けないで…!」  
その言葉は、少し遅かった。首のアーチの根元に、くっきりと残ったしるし。  
理性では、彼女の仕事の都合を思い遣っているのに、殻を破るように強く支配する欲望が、それを見事に押しやってしまった。  
壁際に追い詰めて、長い髪が絡んで。  
両肩に彼女の掌が降りて来たのをいいことに、俺はその身体のラインを探り始めた。  
 
 

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