「あおいさんを頼む!」  
「あ、ああ!」  
巨大宇宙人(豹の戦士)の体内からあおいと共に脱出し、また戦列に戻っていったナギ。  
ククルの様子がおかしくなり、闘いはどう転ぶか予断を許さない状況である。  
それを見送るアンジー、篠岡、三浦。 自分たちには二人の勝利を祈ることしかできない。  
もどかしさと奇妙な興奮で、アンジーの手に力が入る。  
 
「う、ん…」  
その声でハッと我に帰る。 今、アンジーの胸には気を失っているクラスメートがいた。  
身体に巻きついていた触手のような物とベタベタした粘液以外、何も身にまとっていない。  
クラスでも、いや校内でもトップクラスの可愛い子が、こんな姿で腕の中なのだ。  
ココまでの密着は運動会のフォークダンスでもありえない。  
元来、仲間たちの中でも特に女の子に興味津々なアンジーである。  
「ククルちゃんは当然ええけど、あおいちゃんも捨てがたいなあ…」と、つい口に出た。  
「この状況で何をゆーとるんやおまえは!!」 すかさず突っ込む三浦。  
「でもどちらにせよ、あおいさんをこのままにはできないよな」と篠岡。  
 
「そうやな… よし、おまえら服脱げ」  
「えええっ!? それはマズいって! ぼくらまだ小学生…」  
「アホ、脱いだ服であおいちゃんの身体を拭いたるんや! 篠岡、おまえデカいから  
おまえのシャツをあおいちゃんに着せたれ」  
「ああ、それはええけど… この気色悪い大腸みたいの、どうする?  
これ取っちゃったら、その、あおいさん…すっぽんぽんやぞ?」  
「う… と、とりあえず目ぇつぶって取ったろ。 薄目とかナシやからな、ズルすんなよ!」  
「「アンジーに言われたないわい!!」」  
 
そんな地上の様子を知るよしもなく、豹の戦士と戦うナギなのであった。  
 

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