人影のない夜の公園はとても静かで、海辺の夏祭りの喧噪がかすかに届くほかは、茂みで
うごめく少女の尻が草の音をたてているだけであった。
公園の片隅にひょっこり生えてきたようなその尻は小ぶりできゅっと締まって、ふたつの
丸い丘を覆う黒い水着が月明かりに照らされなまめかしく光っている。下にのびるふとももは
すらりと細く健康的で、明かりを吸い込んだような肌が水着の黒とコントラストをつくっている。
それが右に左にとせわしなく揺れて、何かを誘うように弧をえがいていた。
「――さがしもの?」
ふいに背中から声をかけられて、その少女、ウリンは弾かれたように体を起こした。
おそるおそる振り返ると、だらしない格好をした男たちが何人か、薄ら笑いをうかべて
ウリンを見下ろしている。
(空人……!)
ウリンは落ち着きなく視線を動かした。男たちを見上げるその目は弱々しくおびえている
ようで、同時にどこか凛とした強さも感じさせる。
あざやかなピンクの髪が後ろでまとめられて肩に垂れている。細い胸や腰はまだ女性と
しての成長は遠いようで、この頃の少女のみが持つなだらかな曲線を描いている。
「なにやってんの? こんなとこで女の子ひとりでさ」
目の前の男が軽い声で言った。若そうだが、街灯の光を背にしていて顔はよく見えない。
ただわかるのは、ひどく下品な笑みをうかべているということだけだ。
「ゆ、」ウリンは唾を飲み込んだ。「指輪を、さがしてて……」
「落としたの?」「そりゃあ大変だ」「一緒にさがしてあげるよ」
男たちが矢継ぎ早に言葉を浴びせる。ウリンは茂みを背にして彼らに囲まれていた。
「い、いい……です……」
消え入るような声で言うと、ウリンは男と目を合わせないようにしてその間をすり抜けた。
酒のにおいがした。
「おっと」男がウリンの左腕をつかむ。その強さにウリンの顔がこわばった。
「やっ……」腕を振って逃れようとするが、少女の力ではどうにもならない。振れば
振るほど男はその握力を強め、ごつごつした男の指がウリンの白い肌にくいこむ。
「ヘェ、いい腕輪してるね」
男はウリンの手首にある黄色いリングに目を留めた。青ざめるウリン。
「そ、それはっ」
「ちょっと見せてよ」
「だめ、だめっ」
いやがるウリンに構わず、男は強引にリングを取り去った。
「ごぼっ……っ」
ウリンが奇妙な声をあげ、右手でぐっと鼻をつまんだ。息を止めている。まるで水に
潜っているようなしぐさだ。
「オイ、なんかやばくない?」
別の男が、ウリンの顔がみるみる赤くなってゆくのに気づいて言った。苦しげな瞳には
涙がにじんで、何かを訴えかけるようにリングを見ている。
「それ……取らな……、い、き……息……」
必死の形相で口を動かすウリン。ただごとではないそのようすに男たちもあせりだした。
「なんだ、おい大丈夫か」
「息が? できないのか?」
「それ取ると息ができないのか?」
「はあ? なんだそりゃ」
「知らねえよ、ちょっと返してみろよ」
仲間にうながされて男がリングを戻すと、ウリンは溺れる者が水上に助け出された時の
ように大きく息を吸って、そのままへたりこんでしまった。
「はー……はぁー……ごほ、ごほっ」胸を押さえて、ゆっくりと空気を肺に入れている。
「なんだ? おまえ……」
男がまたニヤニヤ笑い出して、うつむくウリンの髪をつかんで上を向けさせた。目は焦点が
あわずぼんやりとして、吐き出した体液が唇の端からヌルリと垂れている。
「これ取ったら死ぬの?」
再び手首をつかんでリングを示した。胸と肩を使って懸命に呼吸しながらウリンがうなづく。
「アハハ、おもしれ」
男はそのまま腕を引っ張ってウリンの体を倒しにかかった。とても力の入る状態ではない
その体は大した抵抗もなくごろりと転がる。耳元で鳴っているはずの草の音がやけに遠く感じた。
「やめっ……やめて……」
弱々しくかすれた声は逆に男の衝動をかきたてた。
「おとなしくしてないと、また取っちゃうよ?」
男の手が幼い肢体を荒々しくまさぐりはじめる。胸を包む黒のトップスが、ひっかかりも
なく簡単にずり上げられる。それを着けていたのと変わらない平らなライン。ほのかな
ピンクに染まる乳暈がふたつ、何かの目印のように姿をあらわす。
「ひっ……ひゃ、あ……」
男がそこに舌を這わせると、未知の感触にウリンの声がもれる。潮の味のする小さな
乳暈を舌先でこねるように愛撫する。やがて体は反応し、まだ突起とも呼べない乳首の
萌芽がぷっくりとふくらんでくる。
「やだ、やだぁ……っ、おねぇ……ちゃあん」
ウリンが薄い意識の中でぼろぼろと涙をこぼす。ゆがんだ世界で見たのは、別の男が
たまらず出した膨張したペニスだった。
「んっ、んぐぅっ」
男が強引に、ペニスを使ってウリンの唇をこじ開ける。少女の舌は肉厚で、狭い口内と
あいまってやわらかくとろけるような刺激でペニスが包まれてゆく。
「ごふ、ごぼっ」
思わずウリンが咳き込んだ。自分のとも男のとも知れぬ体液がヌルリと口の端から漏れて
唇を濡らす。男はゆっくりとペニスを出し入れして、ウリンが体液を飲み込んだ時の
吸いつくような喉の締め付けを楽しむ。
残る男がウリンの股間を覆うパンツに手をのばした。タテ長のかわいらしいヘソから
下腹部を広く露出しているローレグ水着。少しめくると毛穴ひとつない恥丘と、その先の
やわ肉のクレバスが見える。
男はグイとパンツをずり下げ、ウリンの隠していたところを月明かりにさらした。深い谷に
鼻先を分け入らせて、まだ快楽を知らない皮かむりの突起を舌でさぐる。
「あふ、あー、あー……っ」
ペニスを突っ込まれている口からだらしなく声がもれる。体がぴくぴく断続的にふるえて
まるで少女の本能がさらなる行為を求めているようだ。
しかしウリンの膣口はあまりに小さすぎる。
男はペニスを取り出すとウリンの肛門にあてがった。透明な潤滑液を狭き入口のヒダ
ひとつひとつに丁寧に擦り込んでゆく。そうして慣らしながら、しかし最後はなかば強引に
充血した先端を少女の肛門にめり込ませた。
「っ! ……いぃぃっ!」
声にならない声をあげるウリン。かつてない太いものが自分の中を逆の方向に進んでくる。
容赦なく広げられる感覚。尻が自分のものでなくなったみたいに熱い。
その熱を男はペニスの先端で味わっていた。懸命に排泄しようとする腸内のうごめきと
逆に引きとどめるように強く締め付ける括約筋。軽く腰を動かすたびドロドロの腸液が
亀頭を包んでこすりあげる。
「うー、うぅぅ! うぶううっ」
ウリンのうめき声が聞こえる。幼い尻穴にめりこむペニスに、押し出されるようにして
漏れ飛んだ小便がかかる。
その背徳感あふれる光景は男を絶頂に導くに十分だった。
――少女の肉体をもてあそび、味わいつくした男たちは次々に果てていった。幼い胸に、
小さな口に、狭い腸内におのれの精を思いきりぶちまけた。
「あーやべえ、やっちまったアハハ」
「オイさっさと帰ろうぜ」
自分の衣服を整えながら笑う男たち。見上げるウリンがぼんやりと口を開いた。
「かえ……る……」
「おう、おまえも早く帰れよ。お姉ちゃんが心配してるぜ」
男たちがゲラゲラ笑って公園をあとにしても、ウリンはずっと動けずにいた。
「うみ……かえる……」
そうつぶやくウリンの体は白い精液にまみれ、鈍く光って見えた。
(おわり)