結局のところ、火凛は陰茎の掃除だけでは納得せず、俺と共に風呂に入りたいと言い出してきた。  
夕食前に汗を流すのは悪くない話で、俺はそよぎに毛布を掛けてやり、タオル地のガウンを羽織ってから、火凛を連れて風呂場へと向かった。  
「なあ、火凛。ちっと試してみてえことがあんだけど、協力してくれっか?」  
 互いに裸になって洗い場に入ると、俺は風呂椅子に座って火凛にそう声を掛けた。  
「ん? なあに? お尻使うの? 私はいいよ?」  
「……あのな、尻マンコ使うには浣腸して腹ん中を綺麗にするとか、色々と準備があんだよ。すぐ使える訳ねえだろが」  
「えっ、ちょっと、まさかここで浣腸とかすんの? それはちょっと……」  
 火凛の言葉に俺は溜息を吐いた。尿は嫌いではないが、と言うか好きだが、糞便を喜ぶ嗜好は俺にはない。  
経血も苦手で、生理期間中の女とは交じり合う気もない。まあ、それはいい。問題は火凛の誤解だ。  
「それはないから安心しろ。そんなに尻マンコを試してえなら、後で浣腸を渡してやっから自分一人で準備出来るようにしとけ。今は別のことだ。お前、俺のチンポ責めてみろ」  
「えっ? 責めるって?」  
「以前、隣の家でチンポを触らせただろ? あんな感じでお前が俺を一方的にイかせてみろ。どうもお前にはそういう才能がある気がすんだよ。試してみてえから、やれ」  
 そう俺が言うと、火凛はしばし考える素振りをした後、ニヤリと笑った。  
「うんっ、やってみる。その代わり、私の好きなようにさせてよね? 立ってみて」  
「あ?」  
 意味が判らずに問い掛けると、火凛は徐ろに半勃起している陰茎を握り、そのまま上へと引っ張り上げた。  
「立ってみて言ったの。ほら、立って」  
 強引に俺を椅子から立ち上がらせると、火凛は一旦陰茎から手を離し、ボディソープを手のひらに取った。その手で改めて一物に触れ、滑らかに扱き上げてくる。  
「ふふっ、おちんちんどんどん硬くなってくよ? 私にこんなことさせて興奮してるんだ?」  
「まあな。お前の手、気持ちいいし。乳首もマンコも丸見えだしな」  
「あはっ、見たいならいつでも見せてあげるのに。でも嬉しいから、もっとおちんちん虐めてあげる。少しずつ早くして、ナギのおちんちんからピュッて出させちゃうんだから」  
 嬉々として手の動きを速めていく火凛には、矢張り加虐的資質がある。バランスよく育てれば、被虐も加虐も楽しめる性奴隷になってくれそうだ。  
 
「んふっ、ナギったら気持ちよさそうな顔しちゃって。ねえ、声も聞かせて?」  
 そう言いながら火凛は空いている手を俺の尻に回し、指先で尻穴を擽ってきた。  
「くっ、待てっ、そこまで許可してねえぞっ」  
 強い口調で言っても火凛は止めず、それどころか尻穴に指を入れてきた。予想外の事態に俺が手を払っても、繰り返し腕を伸ばして腸内に指を潜り込ませようとする。  
埒が明かずに逃げようとすると、素早く身体を押し付けられ、風呂場の壁と火凛の裸体とに挟まれて俺は身動きが取れなくなった。  
「ふふーん、逃がさないもん。ほら、お尻の穴も虐めてあげるから、もっと声聞かせて? ナギの気持ちいい時の声って可愛くって大好き。聞いてるだけでオマンコ濡れてきちゃう」  
 力任せに払い除ければ逃げられないこともないが、再度尻穴に指を挿し込まれ、俺は未知の快楽に身を任せることにした。泡塗れの陰茎は完全に勃起し、そろそろ射精限界が近い。  
「うっ、火凛っ、もう出そうだっ」  
「どこに出してくれるの? 乳首? オマンコの中? この前みたいにお尻でもいいよ?」  
「んっ、チンポの先に尻マンコ当てろっ、くっ、早くっ」  
 指示に従って火凛は俺の尻穴から指を抜き、陰茎を手にしたまま背中を向けると、亀頭に自らの菊門を押し当てた。  
俺は腰を前に突き出して一物の先端を火凛の腸内に入れ、その締め付けを堪能しながら思う存分精液をぶち撒けてやった。  
「はくふひあっ……くうっ……お尻の中に染みてくるの気持ちいいっ……あふへうあっ……軽くイっちゃってるよおっ……んふひへあっ……私これだけでイっちゃってるううっ……」  
 全身を小刻みに揺らす火凛を見ながら、俺は腰を更に前に進めた。無論、尻穴性交の為だ。泡で滑りを増している今の一物ならば、尻穴が裂けることもない筈だ。  
「んくひうあっ……ちょっと何でおちんちん入れてんのおっ……かへくひあっ……準備も何もしてないじゃないっ……あひくへあっ……お尻の穴が拡がっちゃううっ……」  
 汚れるのは確かに嫌だが、幸いにして風呂場だ。湯で洗い流せば済む。呻き声を上げさせられた分は、しっかりと仕返しさせてもらう。  
「勝手に人の尻を弄んだ罰だ。ちゃんと尻マンコでチンポに奉仕しろ」  
 そう告げて俺は薄く笑った。  
 
 適性があると言えばそうなのだろうが、火凛の尻穴は切れることなく陰茎を取り入れ、後に腰を動かし始めても裂けることはなかった。  
腸内の締め付け具合は凄まじい程で、平時の勃起状態ならともかく、射精直後の硬度でなかったなら一物を挿し込めはしなかっただろう。  
その代わりに心地よさも半端なものではなく、背面立位のまま夢中になって直腸を責めてやると、火凛は浴槽に両手を付いて尻を差し出しながら次第に身悶えし始めた。  
「おらおらっ、もっと尻を突き出せっ。この姿勢じゃチンポが根元まで入んねえだろうがっ」  
「ひくへあっ……拡がって痛いのにいっ……あひくうっ……痛いのにお尻気持ちいいっ……」  
 幾分苦しそうに喘ぎながらも火凛は指示に従い、俺は躊躇なく陰茎を根元まで突き込んでやった。  
「おらっ、お前も尻振って楽しませろっ。初のアナルセックスなんだからよっ」  
 そう告げると、火凛は振り返って俺を見つめてきた。その真剣な表情を見て、思わず俺は腰の動きをを止めた。  
「どした?」  
「んはぁ……ほんとなの? ふはぁ……お尻でするの私が初めてなの? はふぁ……」  
「ああ、お前が初めてだ。もしかして辛いのか? 止めとくか?」  
 問い返すと火凛は横に首を振り、顔を正面に戻して腰を使い始めてきた。  
「おい、無理すんなよ? 勢いで言っちまったけど、別に動かなくてもいいぞ?」  
「んくひあっ……大丈夫だよおっ……ふあくうっ……どんどん気持ちよくなってるからあっ……くふはあっ……それに初めての相手で嬉しいからあっ……  
かはふあっ……いっぱいナギに気持ちよくなってもらいたいのおっ……あふはあっ……ナギも好きに動いてえっ……」  
 未だ調教は途中段階だが、この従順さと先刻の小悪魔さとの併存こそ、俺が火凛に求めているものだ。  
展望が開けたような気分になり、俺は喜悦を感じながら腰の動きを再開させた。  
「この先、何度も何度も尻マンコを使って、俺好みに拡げてやっからな。火凛」  
「はうひあっ……いつでも好きなだけ使ってえっ……あひはうっ……これからはいつも準備しとくからあっ……かはへあっ……  
お尻マンコすごいいっ……んくひいっ……どんどん気持ちよくなるよおっ……ひくへあっ……これ病み付きになっちゃうよおっ……」  
 絶頂時に俺にしがみ付いてくるように、火凛は力一杯バスタブを掴んでいるようだ。この様子なら初の尻穴性交で果てさせることも可能だろう。  
同時に達することが出来るように、俺は抽送の速度を上げた。  
「病み付きになってもいいぞ。毎回尻マンコ使うとは限らねえけどな」  
「くひへあっ……これから毎回楽しみいっ……ふひくあっ……どこにおちんちんくれるのか楽しみいっ……はへひあっ……お口もオマンコもお尻マンコもおっ……  
あへひはっ……全部ナギだけのおちんちん穴だよおっ……んくひあっ……もうイくイっちゃうよおっ……ひくへあっ……早くおちんちん汁出してえっ……うくひあっ……お尻マンコに染み込ませてえっ……」  
 丁度いい。そろそろ俺の陰茎も限界だ。  
「初の精液浣腸だぞ、楽しめよっ」  
 一物を限界まで奥に突き入れると、俺は火凛の結腸目掛けて射精してやった。  
「ひきくふへあっ……そんな奥に出すなんてえっ……んひくはへえっ……染み込み過ぎてお尻が焼けるううっ……あへひくはあっ……  
イくからしっかりナギ見ててえっ……くひふかへえっ……お尻マンコでイくから見ててえっ……んきひいっ……お尻マンコイっくううはへえっ!」  
 膣でのオーガズムの時とは違い、火凛は背を反らして下半身だけを大きく痙攣させた。寒さに震える犬が遠吠えをしているように見えなくもない。  
そのまま一頻り全身を硬直させ、やがて弛緩してぐったりと浴槽に凭れ掛かると、火凛は掠れた声で呟いた。  
「はぁ……何でこんなに気持ちいいのぉ……はぁ……お尻マンコがこんなにすごいなんてぇ……はぁ……オマンコまでトロトロになっちゃってるよぉ……」  
 
 風呂から出て食事を取り、眠り込んでいたそよぎを部屋に連れて行ってやった後、俺は自室で新宅の図面作成を始めた。ある程度のイメージは固めてある。  
 一階には性交部屋、調教部屋の他に性交用の和室が欲しい。同居人数が増えても全員での乱交が出来るよう、各部屋は十六畳程の広さにするつもりだ。  
加えてリビング、キッチン、トイレ、倉庫、それと全員同時に入浴が可能な広さの大風呂と脱衣所といったところか。  
 二階は俺の好きなビリヤードの出来る遊戯室、応接間代わりのホームバー、それと十二畳ほどの洋間を六部屋。  
この内三部屋は新たな同居人の私室とし、残り三部屋は来客用だ。場合によっては同居する相手を増やし、宛がってやってもいい。  
 三階は俺と四人の少女たちの自室だ。現在和室を使っている雫とそよぎに確認したところ、出来れば今度は洋室がいいとのことで、矢張り各十二畳の洋間を五部屋、  
念の為に同じ広さの和室を一部屋、それと簡易キッチンとトイレ、風呂場と脱衣所も設置しておく。  
 四階は現在住んでいる家と同じくテラスにし、外階段だけでなく、内階段からも登れるようにしておく。  
当然、アウトドア用のテーブルや椅子も置くが、性交しても周囲に見られないよう、目隠し用の柵も必要だろう。大きめの浴槽を一つ設置し、星を眺めながら風呂に入るのもいい。  
 自動車に乗るようになったらガレージも必要だろうが、現時点ではこんなところでいいだろう。土地も金もヤエに頼めばどうにでもなる。  
 レポート用紙の裏に適当に線を引いて間取りを確かめると、今度は製図だ。パソコンを立ち上げて先日ダウンロード購入した家屋用の製図ソフトを呼び出し、操作に迷いながらも希望の図を仕上げていく。  
と、不意に喉の渇きを覚え、データを一旦保存すると、俺はキッチンから飲み物を持ってくることにした。こんな時の為に、新宅では各部屋にインターホンを取り付けておくべきかもしれない。  
 階段を降りてリビングに入ると、雫がテレビで映画を見ていた。俺を見て椅子から立ち上がろうとしたが、そのまま座っているように手で示してやると、頭を小さく下げてから再びテレビ画面へと向き直っていく。  
冷蔵庫からコーヒーのペットボトルを取り出すと、俺は雫の背後に立って映画へとテレビへと視線を向けた。数年前に流行った恋愛映画らしい。  
そう言えばテレビはリビングと性交部屋にしか置いていない。新宅では全部屋に設置してやった方がいいかもしれない。  
「座らないんですか?」  
 俺が考え込んでいると、雫が不意に言葉を掛けてきた。画面では殺虫剤のコマーシャルが流れている。  
「ん、すぐ部屋に戻っから。あんまり夜更かしすんなよ?」  
「はい。この映画を見終わったら寝ます」  
 素直に頷いた雫の頬に軽く口を付けてから、俺は自室へと歩きだした。  
 
 
 学校での昼食時には俺たちの教室に凛音もやってきて、大抵は同居の五人で弁当を食べる。  
時にそよぎと火凛は誘いを断れ切れずに静江たちと共に昼食を取るのだが、雫と凛音は常に俺と一緒だ。  
人が増えた事により椅子が足らなくなる為、如月の許可を得て学校の備品であるパイプ椅子を一つ借り受け、常時教室に置いてある。  
しかし、あまり座り心地が良くなく、凛音に自分の椅子を譲り、パイプ椅子には毎回俺が座ることにしている。座り心地の件は他の四人には内緒だ。知ったら自分たちが座ると言い出すに決まっている。  
 翌日の昼休みは五人揃っての食事となり、俺が件のパイプ椅子に腰掛けた途端、下品な音が辺りに響き渡った。慌てて立ち上がってシートを確認していると、教室の入り口から高笑いが聞こえてきた。  
「はっはっはっ、引っ掛かったな、後藤っ」  
 そう言って室内に入ってきたのは如月だった。何をしていたのかは知らないが、花柄の青いワンピース水着の上から薄紫色のアロハシャツを着ている。  
「おいこら、貧乳。またお前の仕業か?」  
 俺が問い掛けると、如月は険しい目で睨んできた。  
「貧乳って言うな。まだ成長期だ」  
「何が成長期だ。この合法ロリが。お前大学出てんだろ? 二十歳過ぎてんだろうが?」  
 動じることなく俺は言い返してやった。大体、この教師はおかしい。  
事ある毎にズボンの上から陰茎を触ってくるわ、俺の手を掴んで乳房に押し当てようとするわ、完全なセクシャル・パワー・ハラスメントだ。  
加えて今回のような下らない悪戯も仕掛けてくる。黒板消しを教室の扉に挟んだり、下駄箱に昆虫を入れたりと小学生並みの頭の悪さだ。  
「何歳だろうが成長期は成長期だ。今に見てろよ、後藤。ナイスバディになってから私を口説こうとしても手遅れだからな。  
精々その時になって嘆き悲しめ。それに、これでも私の上を通り過ぎて行った男は星の数ほどいるんだぞ?」  
 その言葉を無視して再度パイプ椅子を改めると、シートの下に妙な手触りがあった。恐らくはブーブークッションでも挟み込んだのだろう。  
気付かなかった俺も迂闊だが、この担当教師は学校の備品である椅子のシートを一度引き剥がしたらしい。  
「聞いてるか? だから貧乳って言うなよ? 今度言ったら文部科学大臣に言い付けるぞ?」  
 俺は勝ち誇った口調の如月の前に立ち、真顔で見下ろしてやった。  
「お前、学校の椅子を壊したんだな? シート剥がして詰まんねえもん仕込んだんだな?」  
「うっ、そ、それはだなっ、最初から壊れてたんだっ」  
 無能な政治家並みの答弁に、俺は溜息を吐きながらパイプ椅子を折り畳んだ。  
「こら、後藤? 何してんだ?」  
「証拠品持って職員室に行く準備だよ。俺が壊したなんてことにされたくねえからな」  
「待て待てっ。それは最初から壊れてたって言ったろ? わ、私が犯人じゃないからな?」  
「言い訳は他の先生たちの前でしろ。おら、お前も来るんだよ」  
 動揺し続けている如月の腕を掴むと、俺は教室の出口へと向かった。  
「ちょっと待ってくれっ、後藤っ。これ以上減俸されたら酒代があっ」  
 
 
 その日の放課後、自宅に戻ってから俺は三人の巫女と一緒に隣宅を訪れた。例の会議があるとのことだったからだ。  
茶の間に通されてローテーブルの周囲に全員が座ると、ヤエは大きな茶封筒から様々な書類を取り出した。  
二つの島の土地の取得状況の報告書、経費の明細書、懸念となっている花菱開発という観光会社の調査書、株関連及びその他の書類。その中には如月の身上調査書も入っていた。  
「これってどういうことです? あいつは単なる教師でしょ?」  
 俺がヤエに問い掛けると、その横に座っていたそよぎが口を開いた。  
「当然のことだが、島に移住してきた者は全員調べることにしている。あの教師が島に来たのは二ヶ月前だしな。報告書が上がってくるのが遅いぐらいだ」  
「まあ、私たちも特別な調査員とか抱えている訳ではないのでな。念の為に探偵社に依頼して調べてもらっただけじゃよ。じゃが、その書面をよく見てみい。不審な点はないかの?」  
 ヤエに問い掛けられ、俺は調査書を手に取って眺めてみた。生い立ちや卒業した学校での評判など、一通り読んでみたが、気になるところと言えば大学での専攻が古代民俗学と言う点ぐらいだ。  
他には特におかしいところはない気がする。  
「ああ、そっちじゃなかったか。おお、これこれ。こっちの書類と見比べてみい」  
 差し出された書類をヤエから受け取り、記載事項を確認して俺は驚いた。それもまた別の探偵社による調査書だったが、経歴がまるで違う。  
記載事項が正しいとすれば、如月はコロンビア大学を十三歳で卒業し、現在十四歳ということになる。  
「何ですか、こっちの内容は? 冗談ですよね?」  
「それがの、如月珠江の経歴はそっちが本当らしいんじゃよ。住民票の生年月日さえ変えて、この島に教師として赴任してきておる。恐らくは文部科学省の密偵じゃな」  
 俺は開いた口が塞がらなかった。常に酒臭いあの貧乳が文部科学省の密偵? 仮にそうだとしても、敵は花菱開発だけじゃないのか?   
ヤエは国と喧嘩する気でいるのか? もしかして龍神信仰とは名ばかりのテロ組織か?   
「その書類が届いたのはつい先日じゃが、私も驚いたでの。そよぎにだけはその日の内に話しておいたんじゃが、見てみい。この二人も魂が抜けておる」  
 ヤエに言われて視線を移すと、確かに雫と火凛も呆気に取られた顔をしていた。  
「なに、心配することはない。国相手に何かをしようなどとは思っとらん。一応は先々の為にと宗教法人格を手に入れてあるでの。  
本来なら県知事の所轄となるんじゃが、他県にも不動産がある故に、文部科学省が活動実態を調査に来たんじゃろ。教師としてなら島に潜り込めるとでも考えたんじゃろうが  
まあ、法人関連について何か問題があったとしても、必要書類の再提出でどうにかなるじゃろうし、敵対はせん。  
それに如月珠江が古代民俗学と言うか、この島の信仰に興味を持っているのは確からしいでの。  
調査書によればそれなりに優秀な人材でもあることじゃし、調査が終わって転任となる前に、可能ならば協力者として引き入れたい」  
 そう言ってヤエは俺をじっと見た。  
「……俺に何かやれと?」  
「済まぬが龍神、如月珠江を口説いてくれんかの?」  
 

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