隣宅から戻って自室に入ると、火凛がベッドに腰掛けて俺の帰りを待っていた。
「随分長かったけど、何の話だったの?」
「ん? いや、人に会ってくれないかってさ」
言いながら俺は火凛の隣へと座った。
一部の氏子に龍神として紹介したい、というのがヤエの用件だった。
聞けば、本土や本島に住む学者や会社経営者、つまり社会的実力者に面通しをし、今後の更なる協力を確約させたいとのことで、俺はそれを受け入れた。
自分の為でもあるし、ヤエが過大な見返りを約束してきたからだ。近い内に十数名の人間と会するだけで、この家の隣に俺の好きな間取りで新宅を建ててくれると言う。
知り合いの業者に頼めば地鎮祭から家具の運び入れまで夏期休暇中に終わらせることが可能とのことで、工事中は騒音に困らないよう、本津島にあるヤエ所有の別荘を自由に使っていいとも言ってくれた。
また、同じく本島には知人の経営するリゾートホテルもあり、ヤエの名前を出せばいつでも自由に部屋が使える筈とのことだった。
「じゃあ、夏休みはずっと本島で過ごすの? やったぁ!」
特に口止めもされなかったので一通り説明をしてやると、火凛は嬉しそうに俺の手を取ってブンブンと振り回した。
「お前、おばぁの別荘とか、知り合いのホテルとか行ったことあるか? 間取りとか判んねえと持って行く荷物も選びようがねえだろ?」
「う〜ん、別荘は小っちゃい頃に何回か行ったことがあるけど、よく覚えてない。確か、お風呂がすっごく大きかったような気がするけど。ホテルは一度も。
でも、本島のホテル・リテスィアなんだよね? 正面に専用のビーチのある高級ホテルだよ? 観光客に人気だって雑誌によく載ってる。
あっ、そうそう、確か別荘にもプライベートビーチって言うの? なんかそんなのがあった気がする。判るのはそれくらいかなぁ」
どちらもそれなりにいい場所らしいが、夏休み前に下見が必要かもしれない。
「……一回、行ってみるしかねえか」
そう呟くと、火凛は俺の手を放り出して勢いよく抱き付いてきた。
「行く行く行くーっ! 一緒に連れてってくれるんだよねっ?」
「まあな。けど、全員でだぞ?」
「えーっ。でもまあ、仕方ないかぁ。抜け駆けしたら後が怖いし、ナギと一緒ならいいや」
火凛は一瞬不貞腐れた顔をしたが、すぐに思い直したように微笑んだ。俺はその背を撫でてやりながら少しばかり考え込んだ。
折角の機会でもあるし、週末毎に一人ずつ、どちらか好きな場所を選ばせて泊まってくるというのも悪くはない。
「……やっぱ、交代で一人ずつ下見に連れてく」
そう俺が言うと、火凛は急に身体を離し、仁王立ちになって両の拳を握りしめた。
「決めなくちゃ、順番!」
翌日の三時限目は現国の授業の筈だったのだが、担当教師の如月が欠勤した為に自習時間となった。噂によると二日酔いらしい。
図書室で勉強していても構わないとのことで、クラスの全員が教室から移動を始めた。廊下を歩いている途中、俺は皆の目を盗んで一番近くにいた雫の手を引き、人気のない音楽室へと忍び込んだ。
雫も何をされるのか判ったらしく、俺が入り口のドアを閉めると顔を上気させながら抱き付いてきた。
「何だよ、もう発情してんのか?」
「だって、凪君と二人っきりですよ? 嬉しくってオマンコ汁が溢れてきちゃうんです。すぐに専用オマンコ使いますか? それとも先にオチンポしゃぶりましょうか?」
俺は愛撫に留めておくつもりだったのだが、一番調教が進んでいるだけあって、雫はこの場で性交する気満々らしい。初対面から短期間でよくここまで育ってくれたものだ。
そう俺が感慨に耽っていると、雫はズボンの上から陰茎を撫で擦り始めた。
「うわぁ、もうこんなに大きく硬くなってますぅ、はぁん、凪君のオチンポ素敵ですぅ、ふはぁ、撫でてるだけで下着の染みが拡がっちゃうぅ、んふぁ、早くしちゃいましょうよぉ」
「しょうがねえな、どうせ前戯もいらねえくらい濡らしてんだろ? 立ったままそこの壁に手をついて尻を突き出せ。後からマンコに突っ込んでやるから」
その言葉に雫は嬉しそうに笑い、いそいそと指示に従って自らスカートを捲り上げた。予想した通り、ピンクのショーツの股布の部分には大きな愛液の染みが出来ている。
俺は背後から雫に近付き、自分のズボンとパンツを膝下まで降ろして陰茎へと手を添え、亀頭をショーツの中へと潜り込ませて膣口へと押し付けてやった。
「はあっ、オマンコの入り口に当たってるぅ、ふあっ、焦らしちゃ嫌ですうっ、くはっ、早く淫乱オマンコに突っ込んでくださぁいっ、んあっ、専用のオチンポ穴を使ってくださぁいっ」
喘ぎながら雫は腰を動かし、自ら膣に陰茎を呑み込み始めた。俺は苦笑しながらその尻たぶを強く引っ叩いた。
「勝手に入れてんじゃねえ。止めちまうぞ?」
「はうっ、ごめんなさいっ、んんっ、だって我慢が出来なくてえっ、はうっ、凪君お願いですうっ、ふあっ、止めないでこのままあっ、くうっ、このまま犯してくださぁいっ」
「なら、罰として俺は動かねえからな。お前が俺をイかせろ」
「ふあっ、はい頑張りますうっ、んしょっ、くふうっ……気持ちいいっ……あふあっ……硬くてオチンポ気持ちいいですうっ……はうあっ……これがずっと欲しかったんですうっ……」
腰を淫靡に揺り動かし、雫はどんどんショーツの染みを拡げ続けていく。淫欲の虜となって荒々しく鼻を鳴らしているところなど、氏子の誰にも見せられない姿だろう。
あるいは動画に収めれば高値で売れるかもしれないが、自分の女の痴態で金を稼ぐほど俺は鬼畜ではない。いや、他人に見せるのは露出狂として育てるには外せない要素か。
それでも信者や顔見知り相手は拙い。見せる相手はそよぎたちか、全く関係のない第三者に留めておくべきだ。
「はふうあっ……子宮にゴツゴツ当たって気持ちいいっ……ふはああっ……学校でオマンコしてもらえるなんて幸せえっ……あくふうっ……好きなだけ出してくださいねええっ……」
俺の思考も知らず、雫は尻を大きく振り出した。徐々に高みへ昇っているのだろう。これだけ性的に隷属するようになっても、膣内の感触は未だに破瓜の時と大差ない。
変わったのは愛液の量が増えて滑りが増したということぐらいなものだ。その心地よさに俺もまた悦楽の頂点へと近付いていく。
と、不意に横合いからガラガラとドアの開く音がし、咄嗟に視線を向けると、火凛とそよぎが呆れた顔をして入り口に立っていた。俺は慌てて陰茎を引き抜いてズボンとパンツと穿き直した。
雫も不機嫌な顔をしてスカートとショーツを直している。
「こっ、こんなとこでしてたのっ? ちょっとナギ、私はっ?」
「火凛、あまり大声を出すな。他の者に気付かれる。それと龍神、学校でするのはマズいのではないか? いや、私相手なら構わんが……」
俺は大きく安堵の息を吐いた。どうやら二人だけらしい。いつまで経っても図書館に来ないので探していたのだろう。だが、もしも他の人間に見つかっていたらと思うと、少しだけ冷や汗が出てくる。
俺が頭を掻きながら弁明の言葉を探していると、雫がポツリと呟いた。
「もう、あとちょっとでイけたのに……」
その不用意な発言もあって、俺と雫は主に火凛から、三時限目が終わるまで音楽室で説教を受けることとなった。
翌日の午前中、本津島へと向かう船の客席に俺はそよぎと並んで腰を掛けた。一昨日決めた週末毎に泊まりに行く順番は、そよぎ、雫、凛音、火凛の順だ。
そよぎの希望はホテルの部屋で、近隣の島では三月半ばから海開きが行われているということもあり、一応は着替えの他に水着なども用意してきた。
考えてみれば、島に引っ越してから海に入ったのは雫に救助された時だけだ。
「海水浴って楽しみだな。皆そこそこ泳ぎは得意なんだろ?」
そう問い掛けても隣席から返事はなく、そよぎは真っ赤な顔で俯き、竦めた身を小さく震わせている。無理もない。
身に着けているブラもショーツも俺の用意した物で、どちらにもリモコンで遠隔操作可能なローターが埋め込まれており、それらは現在稼働中だ。両乳首と陰核、尻穴とを無機物に嬲られ、声を押し殺すので精一杯なのだろう。
周囲の客に悟られている様子はないが、念のために個別の船室も借りてある。本島に着くまでの一時間弱、充分に反応を楽しませてもらうつもりだ。
「なあ、聞いてるか? 四人とも泳ぎは得意なんだろ?」
言いながら黒いワンピースから出た太腿を撫でてやると、そよぎはか細い声を上げた。
「んはぁ、ダメぇ、あふぅ、ご主人様ぁ、はうぁ、触っちゃダメですぅ」
ご主人様と呼んでいると言うことは、これが寵愛の一環だと理解しているということだ。
その物判りの良さに免じて離した手をジーンズのポケットへと入れ、俺はリモコンを操作してローターの動きを強にしてやった。
「はうっ、ご、ご主人様ぁ、ひはっ、こんなあっ」
「大きな声出すなよ? 周りに気付かれちまうぞ?」
小声で囁いてた後に耳に息を吹きかけてやると、そよぎは脚をくねらせた。
「ふあっ、そんなっ、んんっ、だってっ、くはっ、我慢がっ」
「我慢できねえなら、好きなだけマンコ汁垂れ流せ。それはお前用の下着だから安心しろ」
使用済みの下着を別の相手に使うほど野暮ではない。既に同じ下着は全員分購入してある。凛音の分はサイズ直しが必要だろうが、後で火凛に頼めばいい。
「ひうっ、でもっ、んはっ、その我慢じゃなくてっ、ふうっ、欲しくなってっ」
どうやら性交を望んでいるらしいが、即個室に連れ込んでは調教にならない。
改めて辺りに目を配り、腰下なら他の客から死角になっていることを確認すると、俺はジーンズのフォスナーを下げた。
「欲しかったら、チンポ引っ張り出してしゃぶれ。上手くできたら個室で犯してやる」
意地悪くそう告げてやると、そよぎは躊躇せずにジーンズの中に手を入れ、半勃起した陰茎をパンツの上から探り当てて器用に引き出した。
膝に凭れ掛かってきて顔を寄せ、亀頭に舌を這わせるそよぎを見て、俺は優しく言葉を掛けた。
「楽しい旅行になりそうだな?」
「れおっ……んぺろっ……はぷぅ……はい、ご主人様ぁ……あむっ……んちゅっ……」
個別の船室と言っても特別な設備はなかった。壁で仕切られている狭いスペースに、テーブルと椅子、そして海に面した小窓があるくらいの物だ。だが料金は然程高くはなく、交わるのなら充分だ。
陰茎に奉仕をしながら本格的に乱れ始めたそよぎを膝の上に抱え、下着を穿かせたまま陰茎を膣に挿入すると、俺はゆっくりと腰を動かし始めた。体位としては背面座位となる。
この体位なら一緒に窓から海を見られると思ったのだが、そよぎには全くその気はないらしい。僅かに声を抑えてはいるものの、心地よさそうに身体を弛緩させ、一物の出し入れを堪能し続けている。
「はふあっ……勃起オチンポ気持ちいいですうっ……ふはうっ……セックス大好きぃ……」
「もう少し小声で話せ。割と壁が薄そうだ。聞こえちまうぞ?」
「あふうっ……判りましたあっ……んくはっ……ご主人様のオチンポ気持ちいいっ……」
指示通りに声を小さくしながらも、そよぎは激しく身悶えして全身を震わせ始めた。俺はズボンとパンツを足首まで下ろしているが、未だにローターが稼働していることもあって、接合部に近いそよぎのショーツはびしょ濡れだ。
この様子なら更なる指示を与えても構わないだろうと思い、俺は腰の動きを止めた。
「うふあっ……えっ? ご主人様ぁ、なんで止めちゃうんですかぁ?」
「ここから先はお前が動け。ちゃんとマンコ使って俺をイかせてみろ。出来るな?」
そう言う俺がと、そよぎは即座に頷いて腰を使い始めた。
「んはあっ……自分で動くのも気持ちいいですうっ……はくうっ……一生懸命しますからお好きなだけ中出ししてくださいいっ……ふはあっ……オマンコどんどん濡れてくるうっ……」
それまでの俺の動きに合わせたかのように反復運動を繰り返しているところを見ると、自分の快楽よりも陰茎に快感を与えることを主眼としてくれているようだ。矢張りそよぎには奉仕奴隷としての資質がある。
恐らく同じ状況下であれば、雫は愉悦に負けて自分本位となり、火凛は加虐的な態度に出てくるだろう。凛音はそよぎ同様の奉仕をしてくれるだろうが、如何せん発育途中であり、どちらかと言えば俺が奉仕をしてやりたくなる相手だ。
「もっとお前の好きに動いていいんだぞ? チンポを強く子宮にぶち当てたり、クリトリス押し付けたり、自分で触ったりしても」
気を遣って言ってやったのだが、そよぎは腰の動きを大きくさせながらも横に首を振った。
「ふくはあっ……ローターっていうのも動かして続けてもらってますしいっ……あはくうっ……この動きだけで充分気持ちいいですうっ……はくふうっ……それに私が一番気持ちいいのはあっ……
んくふあっ……オチンポ汁中出しして頂いた時ですからあっ……」
「ならいいけどよ。明日の夕方まで二人きりなんだから、あんまり無理はすんなよ?」
「うふくあっ……判りましたあっ……んかはあっ……無理しないようにしますからあっ……かはふあっ……いつでもお好きな時に濡れ濡れオマンコ使ってくださいいっ……」
従順な物言いに感心し、愛撫してやるべく俺はそよぎの乳房へと手を伸ばした。
件のホテルは船着き場から歩いて数分のところにあった。フロントで予めヤエから渡されていた金色のカードを見せて名前を告げた後、俺とそよぎは驚く程の待遇を受けた。
役職者らしき背広姿の中年男性に最上階のスイートルームへと案内され、俺は慌てて電話予約しておいたのは一般の部屋だと説明したのだが、宿泊料金は不要なのでこの部屋を使って欲しいと言う。
更に今後はカードを見せなくとも俺自身の名前をフロントに伝えれば、その時に空いている一番いい部屋を用意し、他に必要な物があれば何でも揃えてくれるとまで言われ、俺は恐縮しながらも男に理由を尋ねてみた。
ヤエの知人というだけの理由でここまでのことをしてくれる筈がない。
「失礼ですが、後藤様はご存じないのですか? 当ホテルは南雲様に多大な額の出資をして頂いております。
その南雲様から先日お電話で、後藤様がいらっしゃった場合には可能な限りのお持て成しをするように、との指示を受けております。
本来でしたら総支配人がご挨拶するべきなのですが、生憎と出張中でして、誠に申し訳ございません。
ですが私、フロントマネージャーの中井と申しますが、この私の責任において、当ホテルの総力をもってご歓待させて頂きます。何なりとお気軽にお申し付けくださいませ」
喜ぶべきところなのだろうが、はっきり言って俺は困った。目的は接待ではなく、部屋の下見と観光、それと性交くらいなものだ。総力をもって歓待などしなくていいから、部屋だけ宛がって後は放置しておいて欲しい。
だが、後々のことを考えたら一つぐらいは我が侭を言ってみるべきかもしれない。
「それじゃ、こんな豪華な部屋じゃなくていいんですが、夏休み中ずっと借りておけますか? 毎回部屋が変わるのも何ですし、五人が寝泊まり可能ならありがたいんですけど。あ、無理なら別にいいです」
我ながら図々しい願いだとは思ったが、中井は笑って頷いた。
「それでしたら、今日から後藤様の夏休みが終わられるまで、この部屋をずっとリザーブさせて頂きます。もちろん、各種料金は一切頂きません。それで如何でしょうか?」
「でも、それじゃ迷惑でしょう? このホテルの収益とかにも問題あるでしょうし、支配人さんも不在なんですよね? 後で中井さんが困るんじゃ?」
「いえ、構いません。南雲様へのご恩返しとしては足りないくらいです。それに、総支配人は私の兄でして、説明すれば問題ありません。どうかお気になさらずに」
そう言って中井は俺からそよぎへと視線を移し、恭しく会釈をした。
「失礼ながら、巫女様、お手を宜しいでしょうか?」
問い掛けにそよぎは一瞬目を丸くしたが、すぐに右手の甲を中井に向かって差し出した。どうやら中井も信者らしいが、俺が龍神と言うことは聞き及んでいないようだ。
ローターを稼働させずにいたことに安堵し、俺は中井が片膝を着いて恭順の意を示すのを黙って見守った。