「この女どうするんすか?」
小田切が、舌なめずりするように雪平を見て言う。
「・・・絶対に変なマネするんじゃないぞ。」
安本が小田切をにらみつけるようにして釘を刺す。
・・・小さな倉庫の一室。
警察を内部から破壊しようとする組織の中心人物は、雪平が誰よりも尊敬し、そして父のように慕っていた安本だった。
小田切の嘗め回すような視線から逃れるように、雪平は体の向きを変える。
「・・・痛っ!」
背中で縛られた手首が痛む。
「ねぇ〜ゆ〜きひ〜らさんっ何してんのぉ〜?」
チロチロと舌を雪平の耳に這わせるようにしながら小田切が近づく。
「小田切っ!!」
安本が大声で制した。
「安本さん・・・どうして・・・?どうしてあなたが・・・」
涙交じりに雪平が問い詰める。
「信じてたのに・・・」
「君の・・・お父さんを殺した奴らだよ?」
雪平は首を振る。
「そんなの・・・正義なんかじゃない・・・」
少し心外だとでも言いたげな表情で、安本は椅子から立ち上がる。
「君の言う・・・正義とは?」
「?」
「機密費を流用し、それを知った仲間をなぶり殺しにするのが正義か。」
「・・・」
「それを黙って見ているのが正義かっ!?」
「安本さん・・・」
小田切が黙っていられないかのように声を上げる。
「ちょっとちょっと〜ドラマじゃないんだからさっそ〜ゆ〜のナシで!!」
2人はじろっと小田切を見る。
「シリアスなのは勘弁だよ〜おもしろけりゃそんでい〜んじゃん?」
ピロロロ・・・ピロロロ・・・
安本の携帯が鳴る。
ため息をついて、安本は携帯のディスプレイを見て言った。
「山路さんからだ・・・ちょっと・・・外に出る。多少、時間がかかるかもしれない。」
小田切がへらへらしながら言う。
「警察にはまだバレてないんだろ?あんたが黒幕だってコト!」
安本は小さく頷いた。
「・・・あぁ、雪平がいなくなった・・・って、その、知らせだろう。」
雪平の目を見つめ返すことが出来ず、安本は俯いた。
「小田切。絶対に・・・絶対に、この子を傷つけるようなマネはするなよ。」
小田切は鼻で笑って答える。
「わ〜ってるって。そんなマネしたら、俺の命も危ないもんな。」
安本は頷くと、雪平に向かって静かに言った。
「雪平。分かってくれ、とは言わん。ただ・・・邪魔だけは、しないでほしいんだ。」
「安本さん・・・」
「これは・・・正義だ。」
踵を返して、安本の足音がドアの向こうに消える。
・・・小田切が、ニヤリ・・・と笑ったような気がした・・・
ブーツのつま先でそっと、雪平の足をなでる。
全身があわ立つような嫌悪感を声にださずに雪平は静かに言う。
「・・・なに・・・」
「ねぇ〜・・・俺がさ。」
「・・・何よ。」
「あんなおっさんの言うこと・・・聞くと本気で思ってる?」
「・・・聞きなさいよ。ボスの命令でしょ。」雪平は冷たくあしらう。
小田切はニヤニヤと笑いながら、ぐっと雪平の髪をつかんで引き寄せた。
「俺さ・・・おまえみたいな女・・・泣かせるの・・・ちょっと得意なんだよね。」
雪平はどうにかして逃げ出す方法を考えている・・・しかし、両手首を後ろ手に縛られた状態ではどうすることもできなかった。
不意に、小田切は手を離した。
「・・・な〜んてっ。冗談だよ冗談!んなことしねぇって。」
雪平はほっと息をつく。
「ねっ何か食う?結構いろいろあんだぜ、ここ!」
がざがさとダンボールを漁る小田切は、何だか幼く見え、雪平は警戒心を少しゆるめた。
「・・・何があるの?」
小田切は菓子パンの袋をくわえて、振り向く。
「おっ!なになに〜すげ〜こんな状況で食欲あんだ?さすが〜」
無邪気に笑う小田切の姿に、雪平も思わず微笑んだ。
「・・・食べないと、逃げ出す気力もわいてこないでしょ。」
小田切はにっこり笑うと、2個のパンを持って雪平のそばに駆け寄る。
小田切は惣菜パンをあけると雪平に食べさせ始めた。
片手では自らもパンをほおばる。
しばし無言でパンを食べる2人。
「・・・ねぇ。小田切・・・君?」
小田切は三個目のパンに手を伸ばそうとしながら、雪平を見た。
「なんで・・・この組織に?」
小田切はしらけた表情で、新しいパンを食べ始めた。
「・・・単純なハナシ。」
「・・・?」
「昔むかし、シアワセな家族がいました。オトンとオカンとボクと弟、妹。」
雪平は黙って聞いている。
「ある日、ケイサツという悪の組織がやってきて、オトンを連れて行ってしまいました。」
雪平は首をかしげる。
小田切は淡々と続ける。
「オトンが殺人事件の犯人だと言うのです。でもそれは間違っていました。冤罪でした。」
雪平は息をのんだ。
「5年後オトンは帰ってきました。」
雪平は少し安堵する・・・
「・・・でも、オカンは自殺、弟は行方不明。そして、妹は犯罪者のムスメだからとレイプされ、精神病院に入ったあとでした。」
「・・・!!!」
「ははっ良くある話。」
雪平は涙のもりあがった目で小田切を見つめた。
「・・・んな顔すんなよ。」
「・・・でも・・・だからって・・・他に・・・」
ダーン!と言う音をたてて、そばにあった椅子を小田切は思い切り蹴り飛ばす。
「他になにがあんだよ・・・あ? 犯罪者の息子だっつって、中学もロクに行ってねぇ俺に。他に何があんだよ?」
雪平はじっと小田切の目を見る。
「見んなよ・・・なんだよ・・・文句あんのかよっ!!!」
小田切は雪平を思い切り床に叩きつける。
「っ!!!」
小田切は、そのまま馬乗りになって雪平の首をしめていく・・・
ほんの少しの時間が流れる・・・しかし雪平にとっては永遠の長さに思えた。
涙を流し首を振る雪平を見て、小田切ははっと我に帰り、手を離した。
ごほごほと咳をしながら、雪平は小田切を睨み付けた。
「・・・っほ、他にっあったはずだっ!なにか・・・あん・・た・・・は・・・逃げてる・・・だけよっ!!!」
小田切の顔が一瞬青ざめる。
そのまま、今度は静かに雪平に向けて手を伸ばした。
「教えて・・・くれよ・・・」
雪平は小田切の思いつめた眼差しを見て、彼よりもさらに青ざめた。
・・・どうしよう・・・本当に・・・殺される・・・?
小田切は伸ばした手を首から雪平のブラウスの襟元に降ろすと、力をこめ、一気にそれを引き裂いた。
臍のあたりまで、白い雪平の肌が露になる。
「へぇ〜捜査一課の刑事さんでも、そぉんなヤらしい下着つけるんだぁ・・・」
小田切はもう既に残忍さを取り戻している。
そのまま、手をもう一度伸ばし、総レースのピンクのブラに手をかける・・・
「・・・中身はどうかなっ!?」
ぐっと力をこめると、細い体に似合わないすごい力で、雪平のブラを引きちぎった。
「〜〜〜っ!!!いやっ!!!」
雪平の白い乳房がはじけるように飛び出す・・・
小田切はニヤニヤと舌を出しながら、乳房を舐めるように見ている。
「ふぅ〜ん・・・すっげ〜やらしいオッパイなんだ・・・」
「イヤッ!やだ・・・見ないで・・・やだ〜〜〜ッ!!!」
顔を近づける小田切から必死で逃れようと、雪平はもがく。
「・・・いただきま〜すっ!」
心の底から嬉しそうに、小田切は小さくつぶやくと、一気に乳房を口に含んだ。
グチュグチュ・・・プチュ・・・
いやらしい音が、誰もいない倉庫に静かに鳴り響いている・・・
「やっ・・・やだぁ〜〜〜ホントに・・・やめてぇっ!!!」
涙をこぼしながら、悪寒に耐えるように体を震わせて雪平が叫ぶ。
激しく両乳房をもみしだきながら、プリプリと乳首を舌で転がす小田切に、雪平の叫びは届かない・・・
ジュボッジュボッ・・・
雪平の乳首はいやらしいまでに尖らされ、小田切の唾液でヌルヌルにされていく。
「・・・っやだ・・・やめてよぉ・・・助けて・・・誰かぁ・・・っやめてっ・・・!!!」
その言葉を聞いた瞬間、小田切がガバッと雪平の乳房から顔をあげた。
「あいつらは・・・やめてくれたのかよっ!!!」
涙のにじんだ声で雪平をまっすぐ見つめながら小田切が叫んだ。
雪平には何のことだか分からない。
「あいつら・・・妹が助けてって・・・言ったらやめてくれたのかよっ!!!」
「!」
雪平は次第に冷静になる頭で、瞳で、小田切の顔を見つめている。
「親父が・・・やめてくださいって・・・そう言ったとき・・・警察はやめてくれたのかよ・・・」
小田切は静かに涙を流している。
「鬼みてぇな取り調べ・・・やめてくれたのかよ・・・」
ぽたぽたと冷たい小田切の涙が雪平の柔らかな頬を濡らしていく・・・
雪平の心にあった恐怖は、すでになかった。
小田切は子供のようにボロボロと涙をこぼしている。
「・・・苦しかったね・・・」
優しい声で、雪平は呟いた。
「一人で・・・ずっと。ずっと・・・苦しかったね。」
小田切はそっと目をあけ、雪平を見つめる。
「泣いていいよ・・・気がすむまで。」
「・・・同情すんなっ!!!」
涙をこぼしながら、小田切が叫ぶ。
「同情・・・させてよ。あたしにも・・・家族・・・いるから。だから・・・わかるから。」
「!」
小田切はじっと雪平を見つめる。
「・・・あたしも・・・家族を・・・たった一人の・・・お父さんを・・・殺されてるから。」
小田切は必死で雪平の黒い瞳を覗き込む。
自分はどんな顔で彼女の話を聞いている・・・?そんな風に。くいいるように。
「あたし・・・あんたの気持ちなんか・・・わかんないけど。それでも・・・あんたの悲しみを・・・わかりたいって。そう、思うよ?」
小田切の目からもう一筋涙が零れ落ちた。
「だから・・・」
雪平の優しい言葉をさえぎるように、小田切は自らの唇で柔らかな彼女の唇をふさいだ。
先ほどまでの荒々しい行為とは真逆の、優しくついばむような口づけ・・・
小田切の涙が直接、雪平の頬を濡らしていく。
悲しみを秘めた小田切のキスを、雪平は次第に受け入れていった。
クチュ・・・チュ・・・
唇がたてる優しい音楽と、縛られた手首から来るしびれるような痛みが、不思議と雪平に快感をもたらす。
「んんっ・・・ん〜っ・・・」
小さくあえぎ声をのどの奥でもらすと、小田切が顔をあげる。
「ごめん・・・苦しい・・・?」
子供のように雪平の瞳を慌てて覗き込む。
雪平はそんな小田切を愛おしく思いはじめている自分自身に驚きながらも、微笑んだ。
「ううん・・・大丈夫だよ・・・」
ほっとして、小田切は笑う。
「あ・・・手・・・痛いよな・・・体の下にあるもんな。」
そう言うと、ぐいっと雪平の背を向けさせ、手首の縄を解いた。
そのまま、両腕を頭の上に持ってくると、雪平のずたずたになったブラウスを脱がす。
そして、さっきまでよりは優しく・・・頭上で両手首を縛った。
「ごめん・・・外すわけにはいかないっしょ?」
笑って言う小田切に、雪平は何故だか怒りを感じない。
そのまま、小田切は雪平のつややかな首筋に唇を這わせる。
激しく吸うように愛撫され、軽く歯をたてられた瞬間、雪平の身体の奥からドロリとした液が吐き出されるのがわかった。
「やぁ・・・んっんっ・・・」
甘いささやきがぽってりとした唇からこぼれると、小田切は喜びで体をふるわせた。
耳元に薄い唇を寄せささやく。
「なに・・・きもち・・・よくなってきた・・・?」
「やぁんっ・・・そん・・・な・・・ことっ!」
小田切の神経質そうな細い指がコリコリと乳首に刺激をあたえている。
「やっんん〜〜〜〜っ」
小田切は白い雪平の脇下に舌を這わせていく・・・
「な・・・んか・・・すっげ〜やべ〜・・・超・・・興奮してきた・・・」
くんくんと鼻をならしながら、雪平の脇に顔をうずめ、うわずった声で小田切がつぶやく。
「やっだ・・・はず・・・かしい・・・よぉ・・・・んっ!!!」
ベロベロと白い脇の下を舐めまわされる快感に、雪平はもはや何も考えられない。
「あ〜〜〜っすっげ〜やべぇ・・・」
チャブッチュッチュッ・・・
小田切は我慢できないように、Tシャツと革パンを脱ぎ去った。ブーツで苦戦している姿は愛らしく、雪平は微笑む。
「何・・・」
照れたように、怒った口調で小田切が言う。
雪平は黙って首を振る。
小田切は、そっと、雪平のパンツとショーツを脱がしていった。
「・・・いい?」
無理やり襲いかかった男とは思えない・・・国家を揺るがすテロをしかけている男にも・・・もちろん。
雪平の前で、小田切は一人の・・・悲しい過去を持つ男になっていった・・・
雪平は潤んだ瞳で小田切を見上げ、静かに頷いた。
ほっとしたように微笑むと、小田切は体を雪平の足の間にねじ込む。
「ごめん・・・ちょっと・・・我慢できなくって・・・」
雪平は優しく微笑む。
小田切は恥ずかしそうに笑って、腰に力をこめる。
ボクサーパンツに包まれている小田切自身は、驚くほどに固く張り詰めている。
雪平の既にグチョグチョと湿った秘所は、下着の上からでも彼自身を飲み込みそうなほどグニュグニュとうごめいている。
「あ〜っ!!!すっげぇ・・・まじ・・・やべぇ・・・入れたい・・・」
のどをそらして小田切が叫ぶ。
雪平は微笑みながら、小さく頷いた。
少し驚いたように、雪平の愛らしい瞳を覗き込むと、小田切はかすれた声で聞く。
「い・・・いい?ほんとに・・・いい?」
雪平はもう1度小田切の澄んだ瞳を見つめながら、ゆっくりと頷いた。
小田切は、雪平の乳房にもう一度激しく吸い付いていく。
細くくびれた腰に手をそえ、乳房をくわえこむようにしながら激しく乳首に舌を這わせる。
ジュッ・・・ポッ・・・ジュチュゥッ!!!・・・チュ・・・
乳首と唇の立てる、いやらしい音に雪平はさらに狂わされていく・・・
「ヤッ・・・はぁぁんっ!!!あっす・・・ご・・・い・・・き・・・もち・・・いっ・・・いぃぃぃ〜〜〜〜っっ!!!」
涙をこぼしながら、首をふりたてて押さえつけられた腰をいやらしくうごめかしていく。
小田切は激しく舌を使いながら、我慢の限界を感じていった。
「い・・・入れる・・・よ・・・」
ばっと下着を脱ぎ去ると、優しく雪平自身に自らの欲望を押し当てる・・・
ぐちゅり・・・
いやらしく膨れ上がった小田切の先端が、雪平の濡れそぼった秘唇をこじあけていく。
「あっ・・・!」
あまりの固さ。そして熱さに、雪平は既に激しい快感が腰に走るのをとめられなかった。
ごぼっと溢れる愛液に、小田切は喜びの笑顔をうかべながら静かに腰をしずめていく・・・
「あっあ〜〜〜〜っあ・・・すご・・・超・・・きもち・・・いいっ!!!」
眉間に皺をよせ、苦しそうに、そして嬉しそうに小田切が叫ぶ。
ニュル・・グチュッ・・・
雪平は自らの秘所が、そこまで濡れそぼっていることに羞恥と喜びのまざりあった表情で恍惚として喘いだ。
「ぅっふぅぅ〜〜〜〜っ!!!んっ!!!あっはぁぁ〜〜〜んッ!!!・・・やぁん・・・」
小田切は腰の動きを自分自身でコントロールできない。
「あっどうしよぉ・・・超〜〜〜〜気持ちいいっ!!!」
涙をにじませて必死で射精感に堪えるように、小さく小田切が喘ぐ。
はぁはぁと息を弾ませながら、雪平が小田切を優しく見上げた。
「っいいよっ・・・出して・・・いいよ?」
小田切はそんな雪平の優しい言葉に、自らの悲しみが少しずつ癒されていくのを感じていた・・・
「〜〜〜〜っ!!!いいっ??ほんっ・・・とに・・・?」
怒張の先端をを雪平の再奥にこすりつけ、左手の親指で雪平のコリコリと尖りきった陰核を、右手は激しく豊かな乳房を揉みしだきながら、小田切は雪平の耳に問い掛ける。
はぁはぁと湿った吐息に耳までも犯され、雪平は痛みに似たうずくような快感が下腹部からかけあがってくるのを感じた。
こくこく頷くと
「んっいっちゃう・・・からっ!!もぉ・・・あたしもっ・・・!!!」
小田切は嬉しさで、目に涙がにじむのが分かった。
更に腰をこすりつけるようにして、雪平を犯していく・・・
「もっ・・・いっく・・・よ・・・?」
耳元で泣きそうになりながら囁く。
「んっ・・・ん・・・いって・・・中で・・・いい・・・よぉ?」
涙をにじませているのは雪平も同じだ。
はげしく腰をうごめかせながら2人は同じ高みに上り詰めようとしている。
「あ・・・も・・・っぉ・・・!!!」
小田切は小さく叫ぶと、腰を押し付けるようにしながら、自らの悲しい欲望を雪平の膣奥に吐き出していく・・・
ごぼごぼと吐き出される小田切の思いを受け止めるように、雪平の白い尻はすぼまり、美味しそうに彼の欲望を飲み下していった。
小田切は思い切り吐精しながら、激しく雪平のぬめった唇を吸う。雪平も激しく駆け抜ける絶頂感に頭の芯を蕩けさせながら、自らの愛らしい舌を絡めていった・・・
ほんの少しだと・・・思う。
2人は安らかな、そして穏やかな休息の時間に癒されていた。
ブブブブブ・・・
携帯のバイブが鳴る。
小田切は、雪平の柔らかな髪にうずめていた顔を静かにおこした。
悲しげに体を引き離すと、小田切は電話に出る。
「もしもし・・・あぁ・・・うん・・・わかった。今晩・・・だな。了解。ボスは今警視庁だ・・・あぁ。」
雪平はそっと裸の体を起こす。
そんな雪平を横目で見、さっと体を翻して背をむける小田切。
「あぁ・・・大丈夫だよ・・・うん。今夜・・・全てが終わるよ・・・」
小田切は静かに電話を閉じる。
悲しい負の連鎖を、雪平の優しさは断ち切ることができたのか・・・
それは、誰にもわからない。
小田切は振り返ると、雪平に悲しい微笑みを向けた。