みおと牧村が無事に帰ってきた。
そのことだけで、佐藤の心は天にも昇る喜びで埋め尽くされていた。
犯人は誰なのか、今回の募金型誘拐と瀬崎の起こした予告小説型連続殺人の関連性は?
そして何よりもまず考えなければならないのが、自分自身の進退問題・・・
全てを後回しにして、今晩だけは笑顔で過ごす。
2人の笑う声を聞くと、佐藤は頷いた。
「・・・佐藤さん? 」
「? 」
「佐藤さん? どうしたんですか? 」
みおと牧村は笑って佐藤を見つめている。
「え・・・なにがですか? 」
「なんか・・・真剣な顔でぶつぶつ言っては、にやにやしてましたよ? 」
思わず声がもれていたらしい。
「いやっえっとあの〜あの・・・これ! 美味いな〜! こんな美味いから揚げはじめてです! 」
慌てて目の前に並んだ牧村の手料理を頬張る。
「それ・・・先週も作りましたけど」
笑いながら言う牧村のセリフに、佐藤は頬張った肉の塊をのどに詰まらせた。
「ぶほっぐ・・・ん・・・」
「きゃ・・・ほら〜佐藤さん慌てるから! 」
牧村が手元にあったビールを急いで佐藤に手渡した。 一点の曇りもない笑顔が佐藤には眩しく感じられる・・・
みおも笑いながら、佐藤の背中をとんとんと叩いている。
手渡されたビールを一息に飲みくだすと、肩で息をついた。
「す、すいません・・・ここんとこロクに食ってなかったんで・・・つい」
牧村が真剣な表情に戻り、頭を下げる。
「ほんとに・・・ご心配おかけして」
「いやっそんな・・・牧村さんのせいじゃないです」
「でも・・・私が・・・勝手にみおちゃんを・・・そのせいでみおちゃんを危ない目にあわせて」
「違いますよ? 」
牧村が不思議そうに、佐藤をじっと見つめる。
「僕が心配していたのは、みおだけじゃない」
牧村が小さく息を呑む。
「僕は、みおと、あなたの心配をしてたんですから」
牧村はうつむいて肩を小さく震わせた。
みおは微笑んで、牧村の手に自らの小さな柔らかい手のひらをそっとのせる。
「本当に・・・無事・・・帰ってきてくれて・・・よかった」
佐藤の心からの呟きは、牧村の頬を静かにぬらしていった。
「みおちゃん寝ました。やっぱり疲れてたんですね、ベッドに入ってすぐ」
2階から降りてきた牧村が佐藤に言った。
洗い物をしていた佐藤は振り向く。
「牧村さんも、お風呂入っちゃって」
「やだ! 何やってるんですか! 私がやりますって言っておいたのに・・・」
「牧村さんこそ何言ってるんですか」
シンクに向き直って洗いものを続ける佐藤の瞳は優しく微笑みをたたえていた。
「今日は・・・ゆっくり。な〜んにも考えないで、ゆっくり。眠って下さい」
「佐藤さん・・・」
きゅっと水を止めると、手を拭きながら佐藤が振り向く。
「僕がいますから。絶対。僕が守りますから。だから・・・なんにも考えないで、ね? 」
「・・・佐藤さん? 」
「みおを一人で。一生懸命守ろうとしてくれてたんですもんね・・・」
牧村は小さく首を振る。
「あなたは本当に優しい・・・心のやさしい人です。でも・・・もう・・・一人で頑張らなくていいんですよ? 」
・・・どうして? どうしてこの人は私の一番欲しい言葉を言ってくれるんだろう・・・
牧村は声にならない思いに一筋の涙を流した。
「さ! あたたかいお湯で・・・体、あっためて。 ね? 」
優しげににっこり笑うと、佐藤は書斎へと消えていく・・・
温かい湯に体を浸していると、自らの罪も消えていくような気がする。
・・・いや、やはり幻だろう。現にあの安藤とか言う若い刑事は・・・
静かに首をふると、牧村は勢い良く湯船から立ち上がった。
優しく体を泡で包んでいく。
・・・さっきまで・・・彼もここで・・・そう佐藤もここで同じようにして体を洗っていたんだ。
ぼんやりそんなことを考えると、何故だか牧村は胸がしめつけられた。
「ばか」
小さく呟いた瞬間、脱衣室のドアのノックされる音が響く。
「牧村さん・・・ごめんなさい・・・あの、タオルないと思うんで・・・ちょっと持って入ります」
どきんと跳ねる胸を押さえて、牧村は言う。
「あっ! すみません・・・確認せず入ってしまって。 もちろんどうぞ・・・」
静かに脱衣室のドアが開く音が聞こえる。
「あの・・・目つぶってますから」
すりガラスとは言え、きちんとドアで遮断されているというのに・・・
くすりと牧村は笑う。律儀なヒトだな・・・
「佐藤さん。 あの、さっき・・・」
「は、はい? 」
ちらりとすりガラスに目をやると、佐藤の背中が見える。ぼんやりとだが、目を手で覆っているようだ。
かわいいなぁ。牧村の胸には、ほのぼのした思いと同時に突き上げるような愛おしさが広がっていく・・・
「ありがとう・・・ございました」
「え? 」
「さっき、守るって。そうおっしゃってくださったとき・・・私、ほんとに嬉しかったです」
「牧村さん・・・」
「私・・・ずっと一人だったから。誰かに守ってもらうなんて・・・そんなこと・・・考えてみたことも、ありませんでした」
佐藤は黙って背中で聞いている。
「ずっと・・・一人で歩いていくんだって。そう・・・」
さえぎるように、佐藤が言う。
「僕が一緒に歩いちゃだめですか」
牧村はじっと、目をこらすようにして佐藤の背中を見つめる。
「牧村さんのこと・・・守っていっちゃ・・・だめですか」
牧村はじっと、黙って聞いている。
「もう、一人で泣かないでください・・・」
牧村の瞳からはまた、新しい涙がこぼれ始める。昨日までとは違う、喜びの涙が。
ふっと一つ息をつくと、佐藤は明るく言った。
「お風呂でたら、ちょっと飲みませんか? 美味しいワインがあるんですよ」
牧村も小さく笑う。
「はい・・・あ、先週美味しいチーズ買ってあったのに・・・佐藤さん冷蔵庫あけてなかったんですね〜」
佐藤は頭を掻いている。
「すぐ・・・出ますから」
「はい。あ、じゃタオル。洗濯機の上に置いてます」
「はい」
佐藤が出て行くのを見送ると、牧村は急いで髪を洗い始めた。
「だから〜ほんとなんですって」
佐藤が笑って牧村に言う。
牧村は目の端をぬぐいながら笑って佐藤の肩をぽんと叩いた。
ワインとチーズ。そして佐藤の失敗談に笑い合っていると、まるでずっと前から2人一緒にいたような錯覚さえ覚えてくる。
牧村は自分の罪そしてこの後に待っているかもしれない罰のことを頭の端から消し去りたい気分だった。
佐藤はワインを一口飲むと牧村をじっと見つめた。
「やっぱりだ」
牧村もワインを飲みながら瞳だけで問い掛ける。
「やっぱり笑顔の方が、いい」
牧村は真剣な表情に戻り、佐藤を見つめる。
「牧村さんは・・・笑っていてほしい。いや・・・僕が。あなたを笑顔でいさせてあげたい」
牧村はグラスを置いて、微笑みながら佐藤を見る。
佐藤もそっと笑顔になり、牧村に語りつづけた。
「僕とあなたと・・・みお。もし・・・三人でいられたら」
「・・・いられたら? 」
「僕は・・・いや僕とみおは・・・きっと、笑顔でいられる気がするんです」
牧村は小さく息をのむ。 失った家族と失った笑顔。
「そしたら・・・なんか、牧村さんもそうなんじゃないかなって」
佐藤は頭を掻き照れくさそうにワインをぐっと飲み干した。
「ずっずうずうしいですかね」
牧村は涙を浮かべて首をふる。
・・・この人は何もしらない・・・私の罪も私の嘘も。
「一緒に生きてほしい」
牧村は笑顔で涙をこぼしていく。
・・・あなたは罪を犯した私を知らないから・・・そして、その罪は絶対に消せない・・・
牧村の脳裏に崩れ落ちる安藤の姿が浮かんでは消える。
「僕は・・・あなたが好きです。多分・・・初めてあなたの笑顔を見た、その瞬間から」
牧村は静かに泣いている。
・・・犯した罪を消し去ることはできない・・・でも・・・もしかしたら・・・償うことは・・・できる?
佐藤は牧村の涙の真意を測ることができずにいた。
しばらく続く沈黙をやぶるように、佐藤の携帯が鳴る。
「もしもし・・・あぁ・・・うん」
佐藤は牧村の視線をさえぎるように、背をむけた。
「え・・・そうか・・・いやよかった・・・うん・・・わかってるよ・・・もちろん。ん・・・はい」
ほっと息をついて、佐藤は携帯をとじた。
「雪・・・平さん? 」
佐藤は少しばつが悪そうに頷く。
「はい・・・あ、あの安藤って言う撃たれた警官」
牧村がごくりとのどを鳴らす。
「彼・・・命に別状はないようです。オフレコですけど」
牧村は、体中の力が抜けるのを感じる。
・・・生きてるんだ・・・私・・・ヒトゴロシにならずにすんだ・・・
その瞬間、自分自身が最も忌み嫌っていた、あの男の顔が浮かぶ。
そうだ。自分はあの男に最愛の家族を奪われた・・・なのに、自分自身が誰かの愛する人を奪おうとしていたんだ・・・
「まき・・・むら・・・さん? 」
心配そうに覗き込む佐藤の瞳を見た瞬間、牧村は佐藤にぶつかるようにして体を預ける。
驚きながらも、佐藤はそっと牧村を抱きとめた。
明日・・・そう明日になれば彼は自分を許しはしないだろう。
でも・・・その前に・・・1度だけでも・・・
「私もです・・・私も・・・佐藤さんのこと」
佐藤は荒々しい仕草で牧村の顔をもう一度覗きこみ、そのまま牧村の薄く美しい唇を激しく奪った。
「んんっ・・・」
キスなんて何年ぶりだろう・・・
無精ひげとシャンプーの香り。男らしい胸板がぐっと牧村の豊かな胸を押しつぶすその感触・・・
佐藤は牧村の柔らかな髪をそっと撫でたかと思うと、ぐいっと彼女の小さな頭を自らに押し付けるようにして激しく唇をすり合わせていく。
こじあけられた唇の間から、ぬるりと差し込まれた舌はいやらしいくらいに熱く牧村の口内を犯していった・・・
唾液を吸い取られるような激しいくちづけ。
牧村は体の奥底から湧き上がる、自らの欲望に驚いていた。
・・・生きたい。この人のそばで・・・
佐藤はそっと唇を離すと、牧村を立ち上がらせる。
にっこり微笑むと、彼女の手をひいて書斎へと向かった。
ドアをあけると薄暗い部屋に小さなソファベッドが浮かび上がる。
そっと、牧村を横たえると、牧村を見つめながら佐藤はスウェットを脱ぎ捨てる。
牧村はじっと佐藤を見つめている・・・
男らしく締まった胸や腕を見ていると、牧村は自らの涼しげな瞳がじわりと潤んでくるのがわかる。
早く・・・
思わずもれる小さな懇願を佐藤は聞き逃さなかった。
そのまま、激しく牧村の唇をもう一度奪うと、おもむろにパジャマのボタンを外し始める。
彼も我慢できないんだ・・・そう思うと牧村の体の奥からどろりと熱い欲望が漏れる。
「んっんっふっんん・・・んっ」
唇の立てるぴちゃぴちゃと言ういやらしい音と牧村の鼻にかかった喘ぎ声が静かに響いている。
そっと唇を離すと、佐藤は愛おしげに牧村の瞳をのぞきこみ親指でやさしく牧村の唇をなぞった。
「ずっと・・・こうしたかった」
欲望のこもった吐息が牧村の耳にささやきかける。
「牧村さん・・・ずっと・・・こう・・・したかったんだよ? 」
「あっ」
耳にふきかけるような吐息と熱いキスをくりかえされ、牧村の頭はすでに何も考えられなくなっていた・・・
「あっはぁ・・・あ・・・」
小さく、小さく牧村は喘ぐ。
うわごとのように佐藤はくりかえす。
「牧村さん・・・綺麗だ・・・牧村さん・・・ずっと・・・そばにいてほしい・・・ぼくの・・・」
牧村はこくんと頷いた。
「んっはっあぁ・・・さ・・・とぉ・・・さんっ」
佐藤の分厚い手のひらはゆっくりと牧村のベージュのブラに近づいていく。
そっと触れるようにしたかと思うと、次の瞬間、荒々しい仕草でブラを奪い去った。
「あっ! 」
佐藤は体を離し、ねっとりとした視線を牧村の乳房に這わせていく。
真っ白い豊かな胸の先には薄いピンクの乳首が恥ずかしげに立ち上がっている。
「佐藤さん・・・やだ・・・そんなに・・・」
目をそむける牧村の頬にそっと手を添え、ぐっと自分自身の瞳に絡ませていく。
「綺麗ですよ・・・ほんとに・・・」
優しい微笑みとは正反対のいやらしい手つきで、牧村の豊かな乳房をじっくりと揉みあげる。
やわやわと手のひらで先端の感触を楽しみ、親指でくりゅくりゅと的確な刺激を与えつづけていく・・・
「んっんっ」
まるで苦痛に耐えるかのように、牧村は唇に手をやり眉間に皺をよせて快感を押さえ込もうとしている。
佐藤はそっと微笑むとベッドに仰向けになり、牧村の細い体をまたがらせる格好で自らに乗せた。
「えっ」
そのまま、豊かな乳房をほおばるようにして舐め上げはじめる。
「やっやだ・・・あっあ・・・」
佐藤は牧村を見上げる。
「僕がしてるの見てて・・・ほら・・・こんなにびんびんになってる・・・」
牧村は必死で乳房に吸い付く佐藤を見下ろす。
息をあらげて自らの胸に顔をうずめる佐藤は幼くまるで子供のようだ。
目だけを牧村に向け佐藤は激しく舌を突き出して乳首への刺激を続ける。
もう、豊かな乳房は佐藤の唾液でぬらぬらになっている・・・
「あんっはっんっ・・・んっ」
「美味しいよ・・・すっごい・・・牧村さんの・・・おっぱい・・・」
軽く甘噛みするようにしながら、いやらしく呟く佐藤の鼻にかかった声をきくと牧村の腰がびくんとはねる。
佐藤はその腰を逃がすまいとつかみ、そのままズボンとショーツを一気にずりさげた。
「やっあん・・・!!! 」
乳首への愛撫を続けながら、ぐっと牧村の股間に手をのばしていく。
「ん・・・あれ・・・すっごい・・・ぐちょぐちょじゃないですか・・・」
「やだっ・・・やだぁ・・・」
いやいやするように首を振る牧村の顔は快感と極度の羞恥のため、ほんのり赤くそまっている。
「やだって・・・こんなに・・・なって・・・るのに・・・? 」
くりゅくりゅと陰核を指でこねると、さらに膣奥からどろりとした白濁液が吐き出される。
「・・・んっや・・・だぁ・・・」
次第に牧村の声に甘えた調子が加わる。
「や、じゃないでしょ・・・もっと・・・でしょ」
いつのまにか乳房から顔をあげ、佐藤は牧村の耳元で囁く。
指では的確な刺激をつづけながら、もう片方の手で自らのスウェットと下着を脱ぎさっていく。
既に固くなった肉棒がぴくぴくと佐藤の股間でゆれている・・・
佐藤の締まった腹の上でひざ立ちになった状態の牧村は必死で声をこらえている。
佐藤は上体を起こし、牧村の唇を激しく奪った。
甘く激しいキスを繰り返しながら、指ではいやらしく尖りきった突起をコリコリとこすり上げる。
牧村の柔らかな太ももには佐藤の熱い欲望の塊がおしつけられていった。
「さ・・・とうさん・・・も・・・? 」
小さく可愛い声で牧村が佐藤の耳に問い掛けた。
佐藤の肉がさらに脈打つ。
「んっ牧村さんが・・・やらしい・・・から・・・ぼくもっ・・・」
牧村はそっと佐藤の顔を覗き込むと嬉しそうに微笑む。
そのまま、牧村はおずおずと佐藤の唇に口づけた。
牧村からの優しいキス・・・佐藤は喜びと優しい愛で胸が熱くなるのを感じる。
彼女を一生・・・自分が守りたい。彼女の・・・笑顔を。
その思いが佐藤の体をかけぬけた瞬間、牧村の細い指が佐藤自身をそっと撫でた。
「あっ・・・」
女の子のように小さなあえぎ声を佐藤はもらす。
牧村は途端にいやらしい大人の女になっていった・・・
「佐藤さんの・・・すっごい・・・熱い・・・かちかちですよぉ・・・? 」
「んっ・・・」
逆手でこすりあげるようにねっとりと指を絡ます。
「あ・・・それっ・・・あぁ・・・」
佐藤は目を閉じると、のどをそらして快感を楽しんでいる。
牧村はそっと体を佐藤の股間にすべりこませる。
じっと佐藤の怒張を見つめ、舌なめずりするとおもむろに唇をよせた。
先端に優しく口づけたかと思うと、一気に亀頭を唇に含む。
「んっ・・・ん〜・・・」
じゅぼじゅぼと吸いたてられると、腰のあたりから突き上げるような快感がかけあがるのを感じた。
そっと牧村を見つめると、うっとりと目を閉じて肉棒を味わっている・・・
佐藤はゆっくりと牧村の豊かな乳房に手をのばす。
牧村は咥えこんだままで、潤んだ瞳を佐藤にむけた。
「ふっんん・・・んんっふ・・・」
こりこりと乳首を転がされる快感に、次第に怒張への奉仕にも熱が入っていく。
じゅっぽじゅっぽと顔を上下させ、根元をぐりゅぐりゅと擦りたてると佐藤はあまりの快感に天を仰いだ。
「あ〜っ・・・牧村さん・・・こっちに・・・」
牧村の白い尻を自らのそばに引き寄せる。
赤い肉の裂け目がどろりと濡れそぼっているのまで見えた。
牧村は切なげに腰をうごめかしながら、肉の塊を離すことはない・・・
じゅぅっと先端を吸うようにしながら、親指と人差し指でわっかをつくり激しく竿の部分を上下させていく。
「あっあ・・・」
息をあらげながら、佐藤は牧村の小さな膣穴に指を突き立てた。
「〜〜〜〜!!! 」
思わず、牧村は唇から唾液でぬらぬらの怒張を引き抜き、佐藤の毛深い腿に頬をすりよせる。
「もうっ・・・や・・・あ・・・さとうさ・・・ん・・・おねが・・・いっ」
嬌声を上げながら、牧村は佐藤の怒張を見つめ懇願する。
じゅぼじゅぼと指で犯していた佐藤は、小さく頷くと牧村の体を開かせるようにして押さえつけた。
優しく髪をなでながら、牧村を見つめる。
牧村は涙のにじんだ瞳でそっと見つめ返す。唇はてらてらと光り、半開きのままだ。
佐藤は手をそえず、腰だけをゆっくりと前に出していく。
ぐぐっと亀頭がのめりこみ、でろりとした秘唇が美味そうに佐藤を咥えこんでいった・・・
「・・・! んっんんっ」
指を絡ませあい、じっと見つめあいながら一つになる。
佐藤はあまりの快感に、苦痛に耐えるような表情で牧村に微笑んだ。
「すっごい・・・ですね・・・どろどろで・・・あついっ・・・」
「や・・・ぁ・・・さ・・・とぉ・・・さんっさとう・・・さんっさとう・・・さんっ」
牧村はつっと涙を一筋こぼしながら、激しく腰を動かし始める。
「ちょ・・・あっまっ・・・て・・・そん・・・な・・・にしたらっ」
牧村は濡れそぼった肉壁で佐藤の怒張をほおばるようにして味わっている。
最奥からはとめどなく白濁した愛液がはきだされ、佐藤の睾丸までどろどろに濡らしていく・・・
「さとうさんっすき・・・です・・・わたし・・・あなたが・・・ずっと・・・」
佐藤は快感に耐えながら微笑むと、牧村の唇に優しく口づける。
そのまま、牧村をきつく抱きしめながら激しく腰を使いはじめた。
「ぼくも・・・です・・・あい・・・して・・・るっ・・・」
2人はお互いの体温を体中で感じながら、あっという間に訪れた絶頂がすぐそこに迫っているのを必死でひきのばそうとしている。
「あっあっあっ・・・」
膣奥のこりこりとした感触を楽しむように腰をこすりつけたかと思うと、亀頭をひっかけるようにしてぬらぬらの秘唇を味わう。
締まった下腹部が一番敏感な突起をこすりあげ、最奥を押し込まれる感覚に牧村の頭は蕩けきっている・・・
「もっだ・・・めぇ・・・い・・・くっ・・・」
体中の力が抜け、とろんとした表情で牧村が囁く。
佐藤は必死に腰に力をこめる。
「んっいっしょに・・・いっしょに・・・! 」
こくこくと2人頷き合って、同じ高みにのぼりつめていく・・・
「さとうさっ・・・んっ・・・あっあっあっあぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!! 」
「まきむらさんっでっ出るっあっ・・・」
牧村の肉壁がぐにゅりと蠢き、はげしく吸い上げるように佐藤自身を食らいつくしていく。
彼女が達したのを肉棒全体で感じると、佐藤は怒張をひきぬき、思い切り尻をすぼめて牧村の白い腹の上に欲望をぶちまけた。
どびゅっと音がしそうな勢いで白い液がなめらかな肌を汚していく・・・
牧村は呆けたように、先端から飛び散る液を愛おしげに見つめていた。
そっと2人身をよせあってシーツにくるまっている。
しんとした闇が、ただ、心地いい・・・
「佐藤さん・・・」
「ん? 」
優しく牧村の髪を撫でていた佐藤はそっと尋ねる。
「私は・・・あなたのことが・・・本当に・・・好きです」
「僕もですよ? いいかげんな気持ちで・・・こんなことしたんじゃない」
牧村は裸の胸に顔をうずめ深呼吸する。
「何があっても・・・その・・・気持ちだけは・・・本当ですから」
佐藤は牧村の言葉の本当の意味がわからず、ただ牧村の髪をゆっくりと撫でていく。
「もし・・・私のことを嫌いになっても・・・それだけは・・・信じてくださいね・・・」
佐藤はそっと微笑む。
「僕って結構、しつこい男なんで」
「? 」
「あなたが殺人犯でも・・・多分嫌いにならないんじゃないかな」
冗談めかして言う佐藤のセリフに牧村の胸がどくんと鳴る。
「世界中があなたを悪者だと言っても・・・僕はあなたの味方ですから・・・だって」
佐藤は体を離し、牧村の瞳を覗き込む。
「だって・・・人を愛するって・・・そういうことですよ? 」
優しく笑う佐藤の笑顔に、牧村も笑みを浮かべる。
「ほら・・・」
「? 」
「やっぱり笑顔の方が・・・綺麗だ」
そう言って、佐藤は優しく牧村に口づけた。