剣道部は一人の化け物、世界一極悪なツインテールこと張本漲による二度にわたる襲来によって壊滅の危機にあった。
しかし一番注意すべきは張本妹、張本帳であり、彼女にかすり傷にもならない傷をつけたことによって姉の襲撃を受けたからだ。
そしてこの間の、あの伝説の「うろおぼえウロボロス」だ。
奴による暴力がある限りは剣道部だろうと、あまつさえ張本漲であっても太刀打ちできないだろう。
一度の報復で終わってたまるものか。
やられっぱなしは性に合わないんだ。
その符丁に再び、剣道部は報復のために集う。
張本帳はなんの変哲もない、至って普通の女子高生だ。
姉とは全くの対をなしてると言っても過言でないほど、非力な女である。
しかし一度だけ牙を剥いたことのある少女は、この間の剣道部襲撃事件によって姉との絆を取り戻した。
その絆に穴があると剣道部は踏んだ。
問題はあのウロボロスの少年だ。
しかしいつも一緒にいるわけがないし、張本姉妹を人質にとってしまえば問題はないだろう。
復讐の名の下に集った剣道部の報復が始まる。
張本帳は、剣道場にいた。
いたというよりは、剣道部に拉致されたという方が正しい。
「張本帳。ここに姉を呼び出せ」
そう言うのは、剣道部の主将らしき、長髪の男だ。
「あなたたちは、またお姉ちゃんにやられることを学習しないんですか」
当然私にはどうにもできないが、姉という存在をちらつかせておくだけで効果は絶大だということは分かる。
彼らは二度も、姉に潰されかけたのだから。
「おっと、呼ばないとひどい目に遭うのはおまえなんだぜ張本妹。まあ呼ぼうが呼ぶまいが、おまえらへの恨みは骨髄に徹してるんでな、ひどい目に遭うのは必然だ」
帳は彼らのいうひどいことを具体的には理解していないが、それが私にも向けられた憎悪の槍だということは本能で理解していた。
「今回はリンチではない、女にとっちゃあ一生の傷を、おまえらには負ってもらう」
「え……それって――」
帳の唾を飲み込む音が聞こえるようだ。
男らは、悪意のこもった表情で帳の言葉を遮った。
「レイプだよ。おまえらにはそれが最適だな。おまえらに性のさがを刻んでやるよ」
帳は、逃げ出したい衝動に駆られたが、拉致されたという帳は逃げることはできない。
剣道部のとった行動は、相手の行動を封じるというものだった。
力の発揮というのは動きの軸がまずあって、そこに運動が加わって初めて強くなるものである。
帳は、後ろ手に手錠をかけられ、さらには足枷も付けられている。
どうやら、剣道部はまず帳から報復を始めるようだった。
もがく帳を押さえつけながら、男供は帳を部室という剣道場より狭い場所へ引きずり込んで鍵を閉めた。
「や、やめてください!」
帳は精一杯叫んだが、手も足も出ずに叫ぶだけでは意味がないのはわかっていた。
「おとなしくしてろよ」
案の定、主将らしき男は部員らに命令し、口に布をあてがった。
その布をくわえさせられ、余った両端は後ろで片結びにされた。
喋ることすら禁じられた帳の肢体に、主将を含めた5人の部員の手が伸びる。
「んぐ、んーっ!」
声にならない声を聞いて、部員らはますます悦に浸る。
スキンヘッドの男がまず、帳の胸をもみしだいてきた。
「意外と胸あるんだな。だが姉よりは小さそうだ」
スキンヘッドは、にやついた顔でそう漏らす。
続いて金髪の5人の中では比較的に体格の大きい男が、帳の股間を弄ってきた。
さすがに帳もこれには嫌悪を感じたようで、「むぐっ?!」と驚き身を捩らせて、その手から逃れようとしている。
しかし、男二人に対して、文字通り手も足も出ない帳は、ただただ男たちの思うままにされるだけであった。
胸を服越しに触っているスキンヘッドが、服を力任せに破り始めた。
陶磁のような真っ白な色をした胸と下着が露わになった。
破られた服から覗く二つのものは、服ではなく布と化したものと両両相俟って、性欲がかき立つのを感じさせる。
下着越しに掴まれた胸は弾力があるのか、ひしゃげている。
帳の真横に位置する男は、手では胸をもみ、舌で耳から胸の谷間にかけて舐め回している。
金髪の男は、ショーツの上から、女性特有の口をなぞっている。
「おい濡れているぞこの女。とんだ淫乱女だな」
金髪は笑いを交えてそううそぶく。
「んぐ、ん、んん」
帳は左右に首を振るが、事実濡れてしまっているのがわかるので、恥ずかしさをこらえきれずに涙を流す。
「こんなことで泣いてるんなら、本番ではもっと泣いてくれるな」
スキンヘッドの男はそう早口に言うと、ブラジャーを引きちぎり、帳の胸をむさぼるように舐め尽くす。
それに倣い、股間を弄っていた男の指が、下着を押しのけて膣内にはいってくる。
「んっーー!」
とっさに帳の体を電流が駆け巡る。
帳は快楽の波が、自分の中に立つのを感じているようだ。
スキンヘッドの男は、舌で乳首を突いたり舐めたりと色々やってくる。
甘噛みをしつつ、舌で舐められる感覚に帳は声を押し殺せない。
膣を往来する指は、腹の裏側あたりをしつこく押し上げてくる。
そこは帳が最も感じてしまう部分だということが、相手の男にはわかってしまうらしい。
執拗に乳首と、腹の裏側あたりのポイントを攻めてこられる。
「んふっ、ふっふー、んぐう!」
喘ぎ声とも嫌悪のこもった台詞とも判別できない声を出すことしか帳にはできない。
次第に、ピストンをする指に力がこもって来、それに伴って帳は自分の中にある風船のようなものが膨らむような感覚を察知する。
股の口からはよくわからない液体が流れ出るのと、いじり倒された胸が徐に張っていくのを感じた。
指によって刺激される風船は、意に介さず膨らみ続ける。
目尻からは涙が滴り落ち、口からは嗚咽混じりのくぐもった声が虚しく空中に消えるだけだ。
帳は、急激になにかが震え上がるのを感じる。
それはダムに貯まった水が、崩壊したことによって一気に放出されたという表現に当てはまるような実感であった。
募りに募った欲望のダムが、膨らみ続けた風船のように。
「んんんんんんんっ――っ!!!」
叫び声にならない音と共に、ダムは崩壊し水は漏れ風船は瞬く間に破裂した。
絶頂というのはこのことなんだ、と帳は白む頭の隅で思っていた。
「うわっ、すげーびくついてるぞこいつ」
金髪の男は、嘲笑うように帳のものを見据える。
初めてのオルガスムスに対する反動で、帳の体は痙攣を起こしている。
くわえさせられていた布を取り去られ、先ほどまで下の口を苛め抜いた指が帳の口内に侵入してくる。
「んふっ、ん……」
水の弾ける音が部室の中に響く。
帳は自分からでたものにまみれた指を、無理やり舐めさせられている。
目には涙、顔には落胆と諦めが浮かんでいた。
「そいつの携帯で、張本姉を呼び出せ」
遠くから聞こえてくるように、剣道部主将の声を捉える。
やめて、と声に出さずに口の中で呟く。
絶頂による反動と恐怖で、まともに声が出ないようだ。
「張本姉に妹の姿を見せつけてやろうじゃないか」
髪を逆立てた男は、そういうと自らの高ぶったものを帳の眼前に晒した。
「主将。こいつをくわえさせてるところを見せて、脅してやりましょうよ」
逆立てた髪をもつ男は、そういうと帳の口内にいきり立ったものをねじ込んだ。
帳の顔は苦悩に歪んでいる。
なにこれ気持ち悪い……、それに生臭い。と頭の中でいう。
「噛むなよ。噛んだらただじゃあおかねえからな」
そういうと、男は帳の頭を前後に動かした。
「前から、眼鏡の美人にこういうことをやらせたかったんだ」
確実な悪意をもって、男の棒は帳の口をいたぶる。
口腔内を激しく突き立てる行為に、息苦しさを感じる。
「んっんっ(苦しい。思うように息ができない)」
男は何回か激しく帳の頭を揺すると、棒を口から離した。
帳はやっとの思いで息を吸い込み、咳き込む。
男は帳を床に仰向けに寝かせ、胸にその黒々としたものを持ってきた。
「ひっ……、な何を……?」
帳は恐る恐る問う。
「胸でやるんだよ」
そういうと男は自分のものを、帳の胸で挟み込んだ。
がしかし、うまく挟めず苦戦を強いられる。
なんとか、挟む形にはできたが男は諦め、胸の間にこすりつけることを選んだ。
帳は胸を行き来するものに、吐き気を催した。
熱く脈打つそれは、この世のものとは思えないものに思えた。
男はやはり胸よりも口が好みらしく、しばらくしてから再び口内を蹂躙しはじめた。
そのとき遠くから剣道場の扉が開く音が聞こえ、帳はどこだ、という張本漲の声が部室にまで響いたのを聞いた。
「本命のお出ましだ。おい、そこのガラス戸から張本姉に見えるようにイラマチオしろよ」
そう啖呵を切ると剣道部主将と金髪と、さっきから一言も発していないヘッドバンドの男の三人が部室から剣道場へと向かった。
スキンヘッドの男は、すぐさま自分のものを帳の性器にあてがった。
「よう。久しぶりだなあ張本漲」
剣道部主将の高らかな声が響く。
対して、漲は鷹揚な態度でそれに答える。
「帳を返してもらおうか」
剣道部主将がこちらを指差し、それに倣い張本漲も視線を向ける。
「おまえが反抗するなら、大事な大事な妹さんの貞操が危険な目に遭うぜ」
帳はその台詞を聞いて、だからあてがっているだけなのか、と剣道部の暗黙の了解を垣間見た気がした。
「わかった。妹には手を出さないでください、お願いします」
漲は腕組みをしたままそう嘯く。
「ああ、おまえが反抗しないなら妹には手をださねえよ」
だだな、と言ってから、今帳の口内に棒をねじ込んでいる男に目配せをする。
男は了解といった顔でそれに答えた。
心なしか、頭を動かすスピードとくわえさせる深さが増した気がする。
男も頭の動きにあわせて、自ら腰を振り突き上げてくる。
遠くから、「なにをする気だ」といつもの姉とは思えないほど弱々しく言論しているのが聞こえる。
飲み込めない唾液が、棒にまとわりつき糸を引いて滴り落ちる。
ずぷずぷという卑猥な音を鳴らし、さらに激しくついてくる。
「もちろん、お前に白濁まみれの妹を鑑賞してもらうのさ」
姉が息をのむのが空気を伝わって感じる。
男がふるえだした。
くわえさせられているものが、熱くなりさらに大きくなり脈打つのがわかる。
ものすごい速度で頭を揺すられ、突然口から棒が出ていった。
同時に、うつろな視界で白いものが弾けるのを目の当たりにした。
額や前髪、眼鏡や鼻梁や開け放しの口の中に、その白濁液は飛び散ってきた。
五回くらいにわけて飛び散ってきた白濁は、生臭くてネバネバしている。
肌に吸着し、白い爪痕を残して滴り落ちている。
その液体の落ちる感覚に再び嫌悪感を覚える。
尽き果てたのか、なにもでなくなった棒を男は再びねじ込んできた。
発射口のあたりに、まだ液体がのこっていて、それを無理やり舐めさせられる。
さらに、指で掬われた白いジェル状のものを、口に強制的に入れられ舌にこすりつけられ。
苦くて生臭くて、ネバネバしていて、帳はひどく吐きたい気持ちに駆られた。
結局、顔にかけられた液体すべてが、口に入れられた。
口を塞がれ、吐き出すこともできずに帳はそれを飲んでしまった。
顔は歪み、目には涙が浮かび口からは唾液と、混じりに混じった白濁液がだらしなく垂れている。
帳は、酸素の薄くなった脳によるうつろな視界で、漲の苦悩に満ちた顔を捉えた。
お姉ちゃんごめんね、と心の中でつぶやいて、帳の意識は闇に飲まれた。