静かな夜の住宅街、丑三つ時ともなれば住人の多くは夢の中にいるのだろう。  
 この少女、井上真由子も普段はそうなのだが、今夜はようすが違うようだ。  
 
「んっ、あっ、はぁ、とらちゃっ、んあっ」  
 
 毛布がずれ落ちシーツが乱れたベッドの上、一人の少女が息を荒げて身をよじらせている。  
 パジャマの下とショーツは床に落ちて、常夜灯が薄く照らす部屋に小さくあえぎが響く。  
 不規則にもがく脚がシーツを引っ張り、しわの模様を変えさせる。  
 脚のあいだ、おへそのすぐ下、少女のてのひらが女陰を隠すが、うごめく指は秘蜜に濡れて、性的に 
興奮していることを隠せない。  
 上に行けばパジャマは乱れてまくり上げられ、小ぶりだが柔らかそうな胸が姿を見せる。  
 そのささやかな双丘の先端、ぷくっとふくらむ小さなつぼみが、ずれたブラの下から見えかくれする。  
 やがて少女は股にまくらをはさみこんで、パジャマと下着をまくり上げると、あらわになった胸のふ 
くらみを両てのひらでつつみこんだ。  
 
「あっ、ひっ、ひあっ、はあっ」  
 
 左手は乳房全体をつつみこんで、上下に、左右に、きれいな乳房を大きくゆがませる。  
 対して右手は指先だけで肌に触れる。  
 細い指先がぷくっと充血した胸のつぼみをつまんで、指の腹でしごいたりすりあげたり。  
 時には先端をつっついたりと、楽器を奏でるかのように目まぐるしく動く。  
 
「ぁあっ、はあっ、んぁあっ!」  
 
 ひときわ大きくあえぐと少女の体は大きく反らされ、眉を寄せるその顔がシーツに押しつけられる。  
 弓なりに硬直した身体はびくびく震えて、つま先が不規則に宙を泳ぐ。  
 
「んあっ!、あっ……ぁ……ぅ……」  
 
 呼吸が浅く、細くなる。  
 全身を駆け巡る快感が、手足のみならず横隔膜まで痙攣させて、口をぱくぱくさせるが呼吸もままならない。  
 それが何十秒続いたか、苦悶と至福にゆがんだ顔にひとすじ、涙が滴る。  
 同時にやっと硬直が解けた身体、荒い呼吸に肩が大きく上下した。  
 
「はあっ、はあっ、けほっ、はあ、はぁ、はぁ」  
 
 けだるげに呼吸を整え、あおむけに寝転がった少女の視線が何もない空間のある一点に合わせられる。  
 と、そのうつろな目に生気が戻った。  
 上半身が跳ね上がり、さらけ出していた秘所を隠すように足を閉じ、両手が乱れたパジャマをつかん 
で胸をおおった。  
 
「やだっ!、とらちゃん、見てたの?」  
 
 声に応えるように金の毛並みの獣が姿を見せる。  
 虎のような模様と人に似た骨格の強靭そうな手足を持つその獣は、うんざりしたような顔でそっぽを 
向いて口を開いた。  
 
「見てたも何も、おめえ、最初っから気づいてたろ。わざとらしくわしの名まで呼びやがって」  
「えへへ、わかっちゃった?」  
 
 獣と向き合うようにベッドに腰掛けると、少女は上目使いに笑って舌を出した。  
 だがそんな笑みを前にしても獣のしかめっ面は変わらない。  
 
「最近のおめえ、わしの気配に気づくと一人遊びをおっぱじめやがって、わしゃあ気まずかったんだぜ」  
「あ、とらちゃん、ごめんね。でも私の裸が見れて、ちょっとはうれしかった?」  
「そんなわけねえだろ。わしが好きなのは怯え恐怖する人の顔よ。なのにおめえはちっともわしを恐がらねえ」  
「私ね、きっと、とらちゃんに食べられてもそんなに困らないよ」  
「あーあ、そうかい」(まったく、調子狂う女だぜ。……んっ、待てよ)  
 
 何かを思いついた獣はにやりと笑うと自然体の姿勢をとる。  
 その姿がつむじ風のように歪んで数瞬の後、真由子の目の前に立っていたのは獣ではなく、彼女とう 
りふたつの姿をもつ少女だった。  
 ただし以前化けた時とは違い、一切の衣服をまとっていない。  
 
「うわあっ、とらちゃん!?、私の顔だあ」  
「おう、おまえの姿よ。これでも困らねえかな?」  
 
 体を慣らすように首を鳴らすとにやりと笑って、次に見せたのは思春期の悩みを抱えた少女の顔。  
 両手を胸に当てて、誰が聞いても真由子と認識するであろう声音を出す。  
 
『あーあ、私の胸、麻子よりずいぶんちっちゃいなあ。こうしたら少しは大きくなるかなあ』  
 
 言うと同時に乳房を持ち上げるように数回もんで、眉を寄せると鼻にかかった声を出す。  
 
『あっ、ああっ!、なんだか、変な感じ、んっ』  
 
 自分自身の痴態を見せつけられて、真由子は耳まで真っ赤に染めて硬直する。  
 潤んだ目から涙がこぼれ落ちるより先に、少女はとらに跳びかかった。  
 
「やっ、やだあっ、とらちゃん!、やめてぇ!」  
 
 少女は泣きべそをかいて、妖の化けた自分の鏡像をぽかぽか叩く。  
 そんな少女を軽くあしらい、真由子の姿を借りたとらは愉快そうに笑った。  
 
『わははははっ!、おめえも真似されるのはきついみたいだな』  
「あんっ、とらちゃんの意地悪!」  
 
 ひとしきり笑って満足すると、さすがに鬱陶しかったか、とらは真由子の手をつかむ。  
 もともととろくさい真由子、人の姿で動くことに慣れていないとら。  
 揉み合う二つの身体は足をもつれさせて、そのままベッドに倒れ込んだ。  
 
「きゃあっ!」、『うおっ?』  
 
 弾力のあるマットレスに背中を受け止められた真由子が荒い息のまま目を開けば、見えるのは息ひと 
つ乱していない、自分の顔。  
 うりふたつの姿の少女に組み敷かれた真由子は、息を整えながら口を開く。  
 
「とらちゃんて、けっこう意地悪なんだね」  
「おうよ、わしゃあ意地が悪いのよ」  
「じゃあ、もっと意地悪する?」  
 
 そう言って恐れと期待の入り交じった顔を見せる真由子が、とらの嗜虐心をあおった。  
 ベッドの上で大の字で手首をつかまれ身動きできない真由子の顔に、のしかかるこれも真由子の顔が、 
ゆっくり近づく。  
 押し倒された少女は何が起こるかと、期待と不安に鼓動を高鳴らせながら、観念したように目を閉じた。  
 
 少女の姿をとりながらも、真由子を見下ろすその目は獣。  
 並の妖怪などかるく引き裂くとらの腕に拘束されて、それでも真由子の心に恐怖は無い。  
 一見、おびえたように眉をしかめても、緩むくちびるから漏れる吐息は熱く、内なる期待と不安を覗かせる。  
 その内面を解放させる刺激が、真由子に声を上げさせた。  
 
「あ、あっ!、ひゃあっ」  
 
 しっとり汗ばむ真由子の肌に、熱く湿った何かが触れて、すうっとなめあげた。  
 味見とばかりに口を近づけ、白く柔らかい胸に舌をはわせたのは、とら。  
 うっすらにじむ汗、ただよう少女の淡い体臭。  
 そのすべてを余さず堪能しようと、とらの舌が少女を縦横に探る。  
 鼻先が少女のわき腹をつっつき、上に向かうとわきの下をくすぐる。  
 くちびるを横にスライドさせると、淡い桃色の乳輪をなぞって、興奮し膨らんだ先端をくわえては軽 
く引っ張る。  
 左右の乳を均等になぶった後、とらのくちびるは乳房のラインに沿って上に滑る。  
 鎖骨をなぞり、首筋をこすり、そのたび嬌声を上げる真由子の口に吸いついた。  
 
「はあっ、あっ、んぷっ!」  
 
 とらの舌が真由子の口腔に侵入する。  
 初めて体内に他者を受け入れ萎縮し、いやいやと首をふって逃れる真由子。  
 だがやがて、熱烈に求めるとらに応じてこわばる身体は弛緩し、喉を鳴らすと潤んだ瞳で口を開く。  
 
「とらちゃん、いいよ」  
 
 今度こそ二つの影は一つにつながった。  
 彼女の姿を借りたとらと向きあう様は鏡像のようで、しかし鏡像にはありえない深さで触れあう。  
 互いの舌を絡めあい、唾液をすする。  
 しばらくの間、少女の寝室には粘性の水音のみが響く。  
 やがてとらに解放された時には、真由子の息は荒く胸が上下し、上気した顔は艶やかな笑みを浮かべていた。  
 
「とらちゃん、まだ食べ足りないよね?」  
 
 言うと、自由になる脚を開いてとらの腰に絡め、濃密な蜜がしたたる秘陰をすりつける。  
 その真由子の行動が何を求めているか、とらにも理解できたようだ。  
 少女の手首を解放すると今度は足首を捕まえ、あおむけの真由子の脚を開かせた。  
 たとえ同性の親友であろうと見せられない姿。  
 だが、とらに自分のすべてを見られるということは、真由子にとって喜びであり、望むところであった。  
 薄い茂みも発達途上のヒダも、少女の秘陰を隠せない。  
 充血した粘膜は濡れて光り、呼吸するたび湧き出す蜜が、割れ目に沿ってお尻にしたたる。  
 
「こっちもいただくぜ」  
「うん、来て」  
 
 興奮して息の荒いとらに対して、冷静そうな声を出すが、心臓をばくばくさせている真由子。  
(来て、早く、そこに、とらちゃん)  
 そんな少女の心の内を知らずとも、同じことを望むとら。  
 真由子の女陰からあふれて背中にひとすじ流れる蜜を、いっきになめあげた。  
 
「ひゃううっ!」  
 
 背中、腰、お尻、秘所と、続けてツボを刺激された真由子は、声をあげて腰をふるわせる。  
 つかまれたままの脚がびくびくけいれんして、きゅっとすぼまる少女の胎内からは大量の蜜があふれ出す。  
 その一滴も無駄にすまいと、とらの口が吸いつき、泉の中まで舌先を侵入させた。  
 
「あうっ、やっ、あっ、ひいっ!」  
 
 これまでにない刺激が背筋を通って、真由子の思考を真っ白に染める。  
 もはや自分が何をしているのか、されているのか、理解の外にいってしまう。  
 手はシーツを握りしめ、熱く上気した肢体を激しくふるわせ、嬌声を張りあげる姿は、まるで獣。  
 ただそこだけ、人間であることを主張するかのように、目からは熱い涙がこぼれ落ちていた。  
 
 

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