「なっなな何すっ、何してんだよ設楽!?」
水乃緒は突如潮に接吻したかと思うと、スルスルと衣服を脱ぎ始めた。
胸に巻かれたサラシと色気の無い下着も脱ぐと、水乃緒のスラリとして小麦色に焼けた裸身が表れる。
「蒼月…おまえがあの中村に惚れちょるのはわかっとる…けどな、あたしもおまえに惚れてしまったけん。
おまえが中村のコトをどれだけ好いておるかと思うと、あたしは身を引いたほうがよかと思う…
あたしは明日四国に帰る、ほしたらもう二度とは会わんじゃろ」
会おうと思えばいつでも会える。だけどもう一度逢ってしまったら、きっと自分の気持ちを抑えられない。
「じゃから…じゃからな、最後に情けをくれてやると思って、あたしを抱いて欲しい。
あたしに、蒼月の痕(あと)を残して欲しいんじゃ…」
潮が躊躇していると、耳もとでとらの声がした。
『うしお…据膳食わぬはなんとやら…だぜ、抱いてやったらどうだ』
『とら!?どこにいるんだよっ』
『おめえの髪の一本に化けてんのさ。それになぁ…うしお、こういう時は女に恥じかかせるもんじゃねえぜ』
心なしか、とらの声は愉快そうだった。
なにが据膳食わぬだバカヤロ、と思った潮だが、
「ほっこぉ、あまりじろじろ見るなや…」
と言って、頬を赤らめて顔を伏せた水乃緒を見ると、己の男根が起立していくのを感じていた。