ワンクリック詐欺に遭って、40000円も請求された誓唯はひどく落ち込んでいた。
21歳未満なのに、エロパロスレを覗いていた事を考えると、消費者センターに相談出来なかったのだ。
「だから、2chに書き込みした後はノー○ンのプライバシー制御をオンにしておけって言ってるだろ?」
檜委がそう言い苦笑しながら「まぁしょうがない」と語りかけてくるような気がした。先ほどネットバンクで支払いを済ませてきたところだ。
しかもエロパロスレの保管庫で目的のSSは見つからなかった。
意気消沈しながら帰路についていると
「こんにちは、誓唯さん」
「やぁ。一夏ちゃん、こんにちは。今学校帰りかい?」
「はい。誓唯さんはこれから何処かのお家へ家庭教師のアルバイトですか?」
「ああ……そうだよ」
本当のことを言えるはずが無い。2chのエロパロスレ保管庫を覗いていて、間違って詐欺サイトの認証をしてしまい、
消費者センターに相談できず、泣く泣く料金を払ってきたなどと。
「……どうしたんですか? 元気ないみたいですけど……」
控えめに、何か自分に出来る事はないかと思いながら、必要以上に踏み込んで来ようとはしない。来れないのかもしれないが
「いや……何でもないんだよ」
昨晩はあの後、胃が痛くなりしようと思っていたオ○ニーもせずに寝ていた。 そのせいとやるせなさが相まってか、
目の前の可憐な少女に対してあらぬ欲望を抱いている自分に気付く。
(さすがに、ルール違反だよな……)
そう心の中でつぶやき苦笑した。
「あの……本当に元気ないみたいですけど、大丈夫ですか? ……私がこんな事を言える立場じゃないのは分っていますけど、
あまり体調が良くないんでしたら今日は家庭教師、お休みした方がいいんじゃないでしょうか?」
「そうだね、そうするよ……」
本当に心配そうに、彼女の大きな瞳が自分の顔を覗き込んでくる。
この少女が自分に好意を抱いているのは知ってる。 だが、精神的にも肉体的にもまだまだ子供である彼女を
自分に対して好意を持ってる事をいい事に、付き合ったりするのは自分のいいように扱ってしまうような気がしてならない。
彼女は年齢の割にはしっかりもしているが、やはり自分と対等に付き合える大人の女性になって、その時もまだ
自分の事を好きで居てくれたら……と誓唯は思っていた。
「それじゃぁ私、もう行きますけど……あの、私じゃ全然頼りないし、お役に立てるかどうか分らないですけど、もし……」
うつむき気味に頬を紅らめ、語尾が小さく聞き取りにくかったが
「うん……具合が悪くなったら、救急車よりも先に一夏ちゃんを呼ばせてもらうよ」
自分らしくない冗談だと思ったが、檜委ならそう言うかもしれない、などとも思った。
「は、はいッ。 その時はすぐに駆けつけますから!」
冗談を笑われたのか、本気にされたのかは分らなかったが、彼女は頬を紅らめたまま笑顔でそう答えた。
「よろしく頼むよ。 それじゃあまたね……」
「はい。 ごきげんよう」
と、学校の挨拶が出てしまい、一瞬ハッとしたような表情になったが、すぐに笑顔に戻り、おじぎをして踵を返してその場を離れようとした。
誓唯はその場から動かず彼女の後姿を見つめていた。
長い髪、まだ丸い肩。くびれたウエストと、熟し始めたお尻は誓唯を惹きつけていた。