時計を見たら八時十分。  
毎朝迎えに来てくれる皐月ちゃんと未知留ちゃん、それに蛍子ちゃんはまだ来きません。  
これ以上待っていたら遅刻してしまう事は分ってるけど、自分が先に家を出てしまうのも憚られました。  
彼女達が学校を休む時や止むを得ず遅刻する場合は事前に電話をしてくれるんです。  
 
「皆さん……どうしたんでしょう。」  
 
さっきから、自分の方から連絡をしようとしているけれど、彼女達の携帯電話は呼び出しはするものも、呼び出しには応じない。  
三人とも急病なのでしょうか……。 それとも事故に巻き込まれたとか……。  
などと、嫌な考えが頭をよぎってしまいます……。  
八時十五分。  
もう完全に遅刻しちゃう。 仕方なく私は家を出る事にしました。  
 
「し、失礼します……」  
 
「遅いぞ、橘ぁ。朝のホームルームはもう始まってるぞ。」  
 
息を切らせて教室に入って来た私に日向先生が呆れ顔で言う。  
 
「す、すみません……」  
 
「皆勤賞の橘が遅刻なんて珍しいな。目覚ましをかけ忘れて寝坊でもしたのか?」  
 
毎朝迎えに来てくれる皐月ちゃん達が今日は来なくて、待っていたら……  
とは言えません。  
 
「すみません……」  
 
謝るしかありませんでした。教室を見たら、皐月ちゃんも未知留ちゃんも蛍子ちゃんも、ちゃんと来ていました。  
どうして迎えに来てくれなかったのでしょうか、という思いよりも事故や病気じゃなかったんだ、という安堵の気持ちが湧いてきました。  
 
「何ホッとしてるんだ。私は遅刻を容認した訳じゃないぞ。早く席につく」  
 
そそくさと自分の席に座ろうと、イスを引いて腰を下ろそうとした時です……  
 
「ッ!? 痛ッ!」  
 
「うん? どうした、橘?」  
 
「い、いえ……なんでも、ありません」  
 
「そうか。それなら変な声出すんじゃない」  
 
クスクスと私を嘲笑する声が聞こえてきました……。  
私のイスに画鋲が置かれていて、遅刻して恥ずかしさのため、一刻も早く自分の席につこうとして、置かれている画鋲に気付かないで  
座ってしまったのです。何個かの画鋲がお尻に刺さって、それをスグに抜こうとしましたが、痛くて今度は油汗が出るのが自分でも分りました。  
 
「……それじゃぁ昨日も連絡した通り、今日は午前中で授業が終わるからな」  
 
皐月ちゃん達の方をチラッと見てみましたけど、みんな教壇の日向先生の方を向いて連絡事項を聞いていました。それは普通の事なのでしょうけど……。  
 
休み時間に、皐月ちゃん達に今朝の事を尋ねてみようと思ってたのですが、三人とも授業が終るとすぐに席を立って、教室の外へ  
行ってしまいます。 後を追いかけようと思って、私も教室の外に出て、トイレや踊り場へ三人の姿を探しましたが、どこにも見当たりませんでした……。  
 
放課後、いつものように皐月ちゃん達と一緒に帰ろうと思って、声をかけようとしましたが、三人はまたスグに教室を出て行ってしまいました。  
私は後を追おうとしたのですが  
 
「こら! 橘、何処に行くんだ! お前は掃除当番だろ」  
 
「あ……。 あの、それじゃぁ、皐月ちゃん達は?」  
 
「ああ、あいつ等は今日は急用があるそうだ。 仕方ないから今日は先生が手伝ってやる。 ……なんだ? 聞いてなかったのか?」  
 
「はい……」  
 
「ふう、しょうがないやつらだなぁ。 ……まぁいい。ちゃっちゃと終わらせるぞ」  
 
日向先生と教室の掃除を終らせた私は、ロッカーで自分の場所がボコボコにされていました……。  
スチール製のロッカーは鍵がかかってるので、中に入ってる靴にイタズラされているという事はありませんが、当然というか悲しくなります……。悲しさと同時に、今朝の画鋲といい、誰かに嫌がらせをされているというのが分って怖さもこみ上げてきました……。  
 
「一夏ちゃん」  
 
「! 皐月ちゃ……あうッ!?」  
 
パァンッ  
 
背後から聞きなれた皐月ちゃんの声がして、振り向いたと同時に、強い衝撃に頬を襲われ、私はロッカーに頭を打ち付けてしまいました。  
その衝撃が、皐月ちゃんに頬を張られたのだと理解するのに数秒かかりました。 ……理解……は出来ていなかったのかもしれないですけれど……。  
 
「皐月ちゃん……いきなり……どうして……」  
 
「やだなぁ、友達の挨拶でしょ?」  
 
ぶたれた頬を手で押さえながら皐月ちゃんを見上げると、その表情に悪びれた様子は無く、ちょっと困ったような顔をしていました。  
皐月ちゃんの隣には蛍子ちゃんも未知留ちゃんも居ました。二人とも皐月ちゃんが私にした事を本当に事も無げに見ていました。  
 
「一夏ちゃんごきげんよう〜」  
 
ゴツッ  
 
「あく……ッ!」  
 
今度は蛍子ちゃんに、反対側の頬に平手ではなく、握った拳でぶたれました。私はロッカーに手をついて身体を支えようとしましたが、  
その場に倒れそうになりました。  
 
「……私達、友達ですよね……」  
 
未知留ちゃんに身体を受け止められて、床に身体を打ち付ける事はありませんでした。  
 
「……そんな怯えた目をしないで下さい……。 ……可哀想に、口の中を切ってしまったんですね……」  
 
「ひッ……」  
 
私のぶたれた頬に未知留ちゃんが撫でてくれようと、手を差し出しされ、私は身体を硬直させてしまいました。  
 
――なにかおかしい――  
 
そう思っていたら、未知留ちゃんは私の唇の端をペロりと舐めたのです。  
 
「きゃっ!? な、なにを……んっ!? んんぅッ……!?」  
 
私が言いかけると未知留ちゃんに完全に私の口……唇を未知留ちゃんの唇で塞がれました。  
キス。そんな穏やかなものでなく、未知留ちゃんの舌が私の歯、歯茎、舌まで全てを舐め回し、まさぐっていきます……。  
大量の唾液が私の口の中に流し込まされ、唇を離しました。  
 
「……一夏ちゃんも舌、絡ませてくれないと……」  
 
「っはぁ、み、みなさんおかしいですっ!」  
 
唇を袖で拭い、三人を睨み付けると、皐月ちゃんが困ったような顔をして「おかしいのは一夏ちゃんの方だよ。友達なのに……」  
 
「友達が……友達がこんな事をするんですかッ!? 友達をぶったり、何の断りも無く唇を奪ったり……ッ! そんなの、そんなの……」  
 
悲しさや怖さや色んな感情が入り混じって、訳が分らなくなり、涙が止まらなくなりました。  
 
「一夏ちゃん……!」  
 
「かはっ……ッ!」  
 
一瞬何が起こったのか分かりませんでした。背中が衝撃に襲われたと思ったら、お腹に鋭い痛みが走りました。  
皐月ちゃんに殴られたのです……。 痛みのあまり、私はお腹を押さえて身体をくの字に折って、その場に倒れこんでしまいました。  
 
「……友達なら、友達のお話の途中で寝たりはしません……」  
 
「一夏ちゃん起きてよ〜」うずくまってる私の顔を蛍子ちゃんが踏みつけました。  
 
「じゃあ、十数える間に起きてくんないと、今度はお腹にキックだからね」  
 
「……脚の筋力は、腕のおよそ3倍の力があると言われます……」  
 
「はい、いーち、にーい、さーん……」  
 
「……体が……痛くて……動けません」声を出すのも辛いけど、しゃくりあげながらそう言いました。でも……  
「駄目〜。はい、よーん、ごーお、ろーく……」  
 
蛍子ちゃんに顔を踏みつけられたままだけど、そんなに強い力じゃなかったので、少し体を動かそうとするだけで脂汗が出てくるくらいの痛みに襲われるけど、私は何とか体を起しました。  
「きゃっ」その時に片足が浮く形になった蛍子ちゃんはバランスを崩して転んでしまいました。  
 
「ああ〜一夏ちゃん、蛍子を転ばせた〜」  
 
「一夏ちゃん、ひど〜い。制服が汚れちゃったじゃない」  
 
「……す、すみません、蛍子ちゃん。大丈夫ですか?」  
 
「これはクリーニングしないと駄目だね。じゃぁクリーニング代、10万円ね」  
 
「じ、十万円? 無理です……そんな大金」  
 
「一夏ちゃんってお金持ちのお嬢様だからそのくらいは何ともないでしょ?」  
 
「……もし払えないのであれば……一夏ちゃんの体で払ってもらいますから大丈夫ですよ……」  
 
「…体…」皐月ちゃん達、本当にどうしたのでしょうか。絶対にこんな事をするような子じゃないのに……。  
もう何度頭の中が真っ白になったか分りません。「さあどうするの?」皐月ちゃんの声が遠くで聞こえた気がしました……。  
 
「あたし達は別にどっちでもいいんだけどさ」  
 
「う、うう……ひっく……」  
 
「もう、泣いてても分んないでしょ」  
 
「あッ……!」  
へたっと座り込んで泣き出した私の前髪を皐月ちゃんがグイっと引っ張り、自分の顔を向かせます。  
 
「ねえってば一夏ちゃん? ど・う・す・る・の・さ? ねえ!?」  
皐月ちゃんは私の前髪を掴んだまま手を上下左右に揺さぶって大きな声で問い詰ました。  
 
「どうして……どうして……こんな事するんですか?」  
涙で歪んだ視界で皐月ちゃんを見つめると  
 
「はぁ〜〜、あたしの言ってる事、分んないの? 一夏ちゃんの頭は飾りじゃないでしょ?」  
 
皐月ちゃんは私の髪の毛から手を離し、腰に両手を当て、はあっと心底呆れたような顔をして、私を見下ろします。  
 私に対して非難をしているものも、その瞳には邪気が全く無く、表情から感情を読み取る事が出来ませんでした。  
本当におかしいのは私の方……なんて一瞬思ったりもしてしまいました。  
 
「……」  
 
「友達だからに決まってるじゃん? 制服のスカート汚しちゃったんなら、そのままじゃ悪いとか思わない訳?」  
 
それじゃぁ、私に対するこの仕打ちは……と喉まで出かかりましたが、言わない事にしました。  
 
「一夏ちゃん、今日イスの上に画鋲置かれてたり、嫌がらせされてるでしょ? あたし達が守ってあげるから、ね?」  
 
「……休み時間に、私達を探し回ってる一夏ちゃんは、まるで迷子になった仔犬のようでした……」  
 
「!? き、気付いて……見ていたんですか?」  
 
皐月ちゃんも未知留ちゃんも蛍子ちゃんも気付いてた……。   
それに、どうしてみなさんを探してる私の姿を……。 もしかしたら皐月ちゃん達が……  
なんていう考えが私の中によぎってしまいましたが、私は自分でその考えを慌てて否定します。  
私と一緒に居たら、皐月ちゃん達まで嫌がらせをされてしまうかもしれないから……。  
それなのに、今は私の事を守ってくれるって……。でも……でも、皆さんの私に対する行為はどうしても納得出来るものではありません。  
 
「鎌女の女の子って、おしとやかなお嬢様っていうイメージがあるから、10万円以上で買う人なんてたくさん居ると思うから大丈夫だよ〜」  
 
「え……?」  
 
私は蛍子ちゃんの言っている事が何なのか、すぐには理解出来ませんでした。「10万円、一夏ちゃんが自分で用意出来ないんだよね?」そう蛍子ちゃんは続けました  
 
鎌女……10万円……買う人がたくさん居る……。  
 
「まさか、それって……援助……交際?」  
 
そうやって知らない人に自分の身体を売ってお金をもらう、という事は私も知っています。  
「自分からそんな事をするつもりは無くっても、他人からもちかけられる事があるかもしれないから、  
その時は絶対に話には乗らないように」そう日向先生が仰っていた事もありました。  
自分は絶対にそんな事はしない、と何処か他人事のようにも思っていた事が、友達の口から聞かされるなんて想像もしていませんでした。  
 
「嘘……ですよね?」  
 
「冗談なら私もたまに言うけど、一夏ちゃん、嘘言われるの好きなじゃないでしょう? 私、わざわざ一夏ちゃんが  
嫌がる事なんてしないよ」  
 
無理やり作り笑いをして蛍子ちゃんに訊ねた問いに対する答えはこうでした。  
 
「……援助交際といっても中年の男性ばかりではなく、大学生の人なども居るそうですから……」  
 
「おじさんとかよりはいいよね」  
 
また頭の中が真っ白になります。友達が、蛍子ちゃんが、未知留ちゃんが私に援助交際を要求するなんて……。  
 
「いきなり、援助交際やって、なんて言ったら一夏ちゃんの事だから、「私を買って下さい」なんてその辺の人に言って  
すぐに補導されちゃいそうだから、あたし達がセッティングしてあげるよ。 えっと、相手はおじさんじゃなくて大学生とかがいいよね?」  
 
……何を、何を言っているのでしょうか、皐月ちゃんは……。 男性に対して苦手意識を持っている皐月ちゃんは、  
自分ほどじゃないにしても、私が男の人と接するのがそれほど得意ではないという事を察していてくれてる筈なのに。 それに、セッティングって……みなさんは援助交際に関係している人で知り合いがいるんでしょうか。  
 
「嘘……嘘……ですよね? ……私、私が自分で気がつかない間にみなさんに不快な思いをさせてしまっているんでしたら謝ります……。  
私のせいで……私と一緒に居るせいでみなさんまで嫌がらせをされてるっていうんでしたら、  
私が止めていただけるようにお願いします……。 ……だから……」  
 
「……」  
ドスッ  
「かッ……ッ!」  
 
皐月ちゃんが無言で私のお腹をつま先で蹴とばしました。痛みはお腹から背中、全身に伝わり、  
呼吸が出来なくなるほどの激痛に声にならない叫びをあげ、お腹を抱えてうずくまりました。   
涙と涎、鼻水がポタポタと床に落ち、そこには赤い色のものも混じっていました。 次の瞬間にまた前髪を掴まれ、グイと引っ張られ無理やり上体を起されたのです。  
 
「だから」  
パァンッ  
「あぅッ!」  
 
「どうして」  
パァンッ  
「うぅッ!」  
 
「分んないか……」  
 
私の前髪を掴んで無理やり上体を起した皐月ちゃんは、私の頬を張り、返す手で反対側の頬もぶちました。いわゆる「往復ビンタ」というのをされました。両手でお腹を押さえてる私は腕でブロックしようとする事すら出来ず、二回ともまともに受けてしまいました。  
一秒くらいでしょうか。僅かな時間が経過して、私は恐る恐る目を開けたら、皐月ちゃんは三回目の平手打ちをしようとしたところでしたが、その手は未知留ちゃんに掴まれ、止められていました。  
 
「……それ以上は、いけません……」  
 
「で、でも……」  
 
「……それ以上は、商品価値が下がってしまうかもしれません……。 ……一夏ちゃんを買った人が彼女をどうしようと構いませんが、それまではなるべく傷つけない方がいいんじゃないでしょうか……」  
 
未知留ちゃんが、三度目の平手打ちを皐月ちゃんが私にしようとしたのを止めてくれました。 ……でも、未知留ちゃんが言った言葉は、皐月ちゃんが私にした事以上に、私に衝撃を与えたのでした。  
 
商品……価値。カノジョヲドウシヨウトカマイ……。  
「……分り、ました……。お金……払います……10万円」  
 
「あ、そう。それなら商品価値が下がってもいいよね?」  
 
「……可憐に咲く花を踏みにじる事……。 ……世界で最も価値のある美術品を滅茶苦茶に壊してしまう事……。……禁忌を犯すという快感は分りますが、今はまだ自重して下さい……」  
 
「あたしはそんなんじゃなくて、一夏ちゃんが中々分ってくれないから……」  
 
「ねぇ、もう行こうよ〜。私、今日は学校早く終るって言っちゃってるからさ〜」  
 
「あ、ごめんごめん。 ……うわっ、あたしも電車乗り遅れちゃうッ!」  
 
 
みんなが居なくなった後も私はその場から動けないで居ました。みんなが、居なくなった……。   
体が痛かった事もそうですが、それ以上に痛かったのは心、という部分でした。  
 
「う……ッ。……っはぁ、はぁ……」  
 
体を動かすと、お腹が痛くて脂汗が全身から噴出しましたが、背中を丸めた姿勢でどうにかトイレの鏡までたどり着きました。  
乱れてしまった制服と髪の毛を直し……皐月ちゃんにぶたれてついた、手の跡……蛍子ちゃんに踏みつけられた靴の跡……  
 
「う、うぅ……うぇぇ……うあぁぁぁぁぁん……!」  
 
鏡の前で私は泣いた。子供みたいに大きな声で……。 自分の気に入らない事があって、駄々をこねるのでなく、両親に叱られてしまったのでもなく……。  
 
私は重い足取りで家に帰りました。 今の状況を考えるの事を辞めてはいけないのは分っていましたが、それでも明日までにお金を用意しないと……。  
貯金を下ろせば10万円くらいは用意出来るけど、私は定期預金という形でお金を預けていたので、解約するとしても色々な手続きがあり、明日中にという事は出来ません。  
手元には9月と10月分のお小遣いの残りを合わせて一万円と二千円……。明日はこれだけ持って行って、残りは定期預金を解約して、その時にという事に。  
それに、どう考えても変です。皐月ちゃん達が私にあんなひどい事をするなんて。もしかしたら誰かに  
強要されている、という事も考えられます。……もしも、そうじゃなくて、私に対する行為をみなさんが自分達の意思でしている事だったら……。  
そうだとしても、明日お金を渡してから定期預金を解約するまでの猶予がありますから、その間にお母さんや日向先生……あるいは警察の人に相談する、という事も出来ます。  
その行為は、友達を裏切る事なのかもしれません。みなさんは学校から処分を受ける事になるかもしれません。  
でも、金銭を要求する類の行為は「一度払えば許してあげる」というものではなく、「一度でも渡せば何度でも要求されるようになる」のだという事を、私は分っているような気がしてました。  
 
「そんな事に……なりませんよね。みなさんは誰かに強要されてるんですよね……」  
 
あの時は、「誰か」が自分達の存在を私に気取らせないようにしてたんですよね……。 ベッドに倒れこみ、また私は泣きました。  
 
 
翌朝――  
「いってきます」  
 
「あら一夏、今日は未知留ちゃん達はどうしたの?」  
 
「今日は……来られないみたいです」  
 
「そう……。 ……一夏ちゃん、あなた昨日から元気が無かったみたいだけど、大丈夫? 悩み事があるんなら、  
お母さんが話聞いてあげるからね」  
 
「だ、大丈夫です……悩み事なんて……でも、ありがとうございます。 それじゃぁいってきます」  
 
昨日はお母さんに心配をかけないようにと、いつも通りに振舞っていたつもりでしたが、私の様子がどことなくおかしかった事を、  
お母さんは見抜いていたようでした。 今日、朝にみなさんが迎えに来ない事から、お母さんは私が皐月ちゃん達とケンカをしているのかもしれない、くらいは思っている事でしょう。  
 
ケンカ……。みなさんと言い争いになったり、すれ違いからギクシャクして……。そのくらいならどれほど良かった事でしょうか。  
 
「おっはよう。一夏ちゃん」  
 
「おはよう。一夏ちゃん」  
 
「……おはようございます……」  
 
校門を通ったところで、私は背後からみなさんに朝の挨拶をされました。……それは、昨日のような「挨拶」ではなくて、いつも通りの事でした。昨日の出来事は夢であって、今日はこれからいつも通りのみなさんが居て、いつも通りの日常が始まる……そんな事を願いました。  
 
「お、おはようございます」  
 
「ふ〜ん、顔の腫れ、一日で引いたみたいだね。蛍子なんてグーでぶったのに」  
 
「あの時はきっと、私の手の方が痛かったよ〜」  
 
昨日の出来事は夢……そんな願いは通じる筈も無く、皐月ちゃんと蛍子ちゃんは事も無げにそういいました。  
 
「それで持って来てくれたんでしょ、お金?」  
 
「あの……それが、今手元にはこれしかなくって……。 放課後、学校が終ったら貯金を下ろしに行きますから……」  
 
「あれぇ〜、それじゃぁ全然足りないよ。昨日と話が違うじゃない」  
 
「で、ですから、学校が終ってから……」  
 
蛍子ちゃんは私が差し出した一万二千円を受け取らず、困った表情をしていました。  
 
「あの……」  
 
「しょうがないなぁ……」  
 
「……仕方ありませんね。 ……それではこちらへ……」  
 
「「りょうか〜い」」  
 
未知留ちゃんが先頭を歩き、私と皐月ちゃん蛍子ちゃんが並行して歩く……いえ、皐月ちゃんと蛍子ちゃんは、  
私が逃げ出したりしないように両脇を固めるような形で校舎の中へ歩いていきました……。  
 
「ここは……先生方や来客者の方が使う……」  
 
私が連れて行かれたのは校舎の来客者用お手洗い。一般の生徒は本来は使用禁止の場所。一般の生徒の出入りが無いのは勿論の事ですけど、先生方や来客者の方も滅多に使用する事がないみたいで、掃除の担当がここだった時はラッキー、と喜ぶ子もいるようです。  
人が来ない。大きな声を出せば誰かに聞こえるかもしれないけど、声さえ出せない状況になったら……。  
昨日から様子のおかしいみなさんの事を考えると、この状況を考えると……私は怖くなり、足がガタガタと震えだしました。  
 
「よいしょっと……はいッ。一夏ちゃん」  
 
「え……? あ、あの……これって?」  
 
なみなみと水が入れられた掃除用のバケツを皐月ちゃんは私に差し出しました。私は「分らない」という助けを請うような視線を未知留ちゃんに向けました。  
すると、未知留ちゃんは「……本当に迷子になった仔犬のような瞳ですね……」優しく微笑み「……けれど、いくら可愛いからといって躾(しつけ)をおろそかには出来ません……」  
 
シツケ? それに皐月ちゃんが差し出したバケツ……。  
 
水責め……? たしかにこれなら、声さえ出す事が出来ないような状態になってしまうのは容易に想像がつきました。  
私とみなさんでは、いくら私が抵抗したところで、力では絶対に敵わないという事は、いつかの電気あんまの事で証明済みでした。  
 
「み、未知留ちゃん……ッ!」  
 
私は悲鳴のような、震えた声で未知留ちゃんに助けを求めました。  
 
「やだなぁ。一夏ちゃん。あたし達は何も、水の中に一夏ちゃんの顔を押し込むとかそんな事をしようとはしてないよ」  
 
「そうそう。ただ飲んでくれればいいだけだから」  
 
「飲むって……この水を、ですか?」  
 
「うん。全部ね」  
 
掃除用のバケツ一杯に注がれた水を全て飲む。それが、言った事を守れなかった友達に対する……しつけ。  
バケツの水はパッと見きれいでゴミが浮いている、という事はありませんでした。 それでも、そんな事は到底出来る筈がありません。  
ここで私がまた抗議したらどうなるかは想像がつきました。 …でも、確認しないといけないのです。みなさんが自分の意思で私に対してこんな仕打ちをしているのか……。  
他の誰かに強要されているのか……。 トイレの個室を全て確認する事は出来ませんが、人が居る気配は無いようでした。「誰か」がこの状況を監視している事は無いでしょう。  
 
「みッ……みなさんッ! 私……私は、昨日も申し上げましたけど、みなさんに嫌われるような事をしてしまったのか分りません……。  
でも、私が気付かない間にみなさんに嫌な思いをさせてしまったのなら謝ります! 何でもしますから……私が自分で気付いて無い嫌な所があれば仰ってくださいッ。  
だから、どうか許して下さいッ! ……そうじゃなくって、そうじゃくて、みなさんが誰か……例えば、私のイスに画鋲を置いた方に脅かされたりしているんなら……先生に相談しましょう?  
そうやって、誰かに話すのもいけないって言われてるんだとしても……。 ひ、必要でしたら警察の方に相談する事だって……ッ!」  
 
「い、一夏ちゃん……? ちょっと……」  
 
 
言葉が足りなかったかもしれませんが、一気呵成に思いの丈を伝えました。すると、皐月ちゃんと蛍子ちゃんは顔を見合わせ、次に私の顔をまじまじと見つめます。  
 
「ま、まだ分ってくんないの?」  
 
「しょうがないな〜」  
 
皐月ちゃんはバケツを床に置き、私の方へ向き直ったので、私は思わず身構えてしまいます。逃げ出そうとも思いましたが、入り口の方には未知留ちゃんが居るのでそれが出来ない事は分っていました。  
 
「あのさ、もしかして、あたし達が一夏ちゃんをいじめてるとか思ってる訳?」  
 
「……だって……おかしいじゃないですか? 一昨日までは普通だったのに……突然ぶったり……それは……蛍子ちゃんの制服を汚してしまったのは申し訳ないと思ってますけど、すごい大金を要求したりするなんて……」  
 
私よりも10センチ近くも背の高い皐月ちゃん、それほど背の高く無い私は羨ましいと思った事が何度かありましたが、目の前に立つ皐月ちゃんを見上げて怖いと感じたのは初めてでした。  
 
「……それなら、私達の行いに対して一夏ちゃんがとっていじめだと感じたら、先生や警察の方に相談するんですか……」  
 
「……それは……」  
 
そのつもりでした。今でも未知留ちゃん達の事は友達だと思っています。 ……それでも、「友達だから」という理由で  
このような仕打ちに私が耐えられる筈も無く理解出来る訳もなく、そんな事をするのが「友達」だとは思えません。そう考えると、  
未知留ちゃん達との関係が、こんな形で終ってしまうのが悲しくてしかたありませんでした。  
 
「ふ〜ん、一夏ちゃん、それじゃぁあたし達が学校から怒られたりすればいいって思ってるんだ」  
 
「……退校処分、という事もあり得ますね……」  
 
「そ、そんな……事は思ってませんッ。 みなさんがもう私を許してくれるんでしたら……  
許してくれなくても、こんな事を辞めていただけるのでしたら……この事は誰にも、話しません」  
 
「ほら、これならどうかな?」  
 
蛍子ちゃんがホースを手に微笑んでいました。……少ししてそのホースが何を意味するのか想像がついた私は恐怖しました。  
 
「これなら、直接お口に入れれば制服に水がこぼれちゃうって事もないし、いいんじゃない?」  
 
「あ、なるほど〜。さっすが蛍子」  
 
「はい。それじゃぁ一夏ちゃん、口開けて〜」  
 
目の前にホースの先を向けられ、私が口を開くのを待っていのでした。皐月ちゃんにすぐ側に立たれているので、  
逃げ出そうとしてもすぐに体を掴まれ、それが出来ない事は分っていました。  
 
「う〜ん、口開けてくれなきゃ……未知留ちゃん?」  
 
いつの間にかお手洗い場へ移動していた未知留ちゃんがホースの繋がっている水道の蛇口を軽く捻りました。その行為が意味するところは  
 
ビシャッ  
「きゃっ!」  
 
「ほら〜、折角蛍子が制服に水がかかんないように、って考えてくれたのにちょっとかかっちゃったじゃん」  
 
「……っはぁ、けほっ、けほっ……」  
 
蛍子ちゃんはホースの先端をつまみ、ホースから出る水の水圧を高めて、私の顔へ水を噴射したのです。  
未知留ちゃんがすぐに蛇口を止めたので、水が出たのは一瞬でしたが、突然の事で私は顔を背ける事も目を瞑る事も出来ずに  
まともに水をかけられてしまいました。顔から滴り落ちる水が首を伝って、制服の中まで濡れてしまいました。  
 
「ちゃんと口開けてくれなきゃ〜。鼻から水入れちゃうよ?」  
 
「……わ、分り、ました……。飲みます……飲みますから……」  
 
私がそう言うと、皐月ちゃんが私の顎から頬を鷲づかみにし、蛍子ちゃんがホースを私の口に入れました。  
 
「んぐぅ……」  
 
「大丈夫、そんなに勢いよく水は出さないからね。……じゃあ未知留ちゃん、水出して」  
 
ホースから私の口の中へ直接水が流れ込んで来ました。たしかに、水流はそんなに強くはありませんでしたが、  
絶え間なく流れてくる水を飲むのはとても苦しいものでした。  
 
「んくっ……んくっ……」  
 
私は喉を鳴らし、流れ込んでくる水を飲み下していましたが、それももう限界でした。  
息は鼻で出来るものも、  
水を飲みながら息をするのは辛かったし、水とはいえ、短い時間でこんなにたくさんの量を飲んでいてはすぐにお腹が  
苦しくなってしまいます。  
 
「一リットルとか二リットルとか、たくさん水飲んだらどのくらいお腹が出るのかな?」  
 
「……妊婦さんのようにお腹の出た一夏ちゃん……」  
 
際限なく口の中に流し込まれる水を飲む事に集中していた私でしたが、蛍子ちゃんと未知留ちゃんの言葉に  
集中力を切らせてしまいました。ご飯を食べすぎて、消化しきれなくてお腹が出ている。なんていう事は  
よほど食べ過ぎてしまい、それでいて体のラインがはっきりと出てしまう服を着ている時くらいの筈ですから、制服を着ている今はそんな事はあり得ないのですが  
今、自分がそんな姿で授業を受けたり学校のみなさんに見られると思うと……。  
 
「どれどれ」  
 
そんな事を考えていたら、皐月ちゃんが私のお腹を手の平でポンポンと触りました。たくさんの水を飲んでどのくらいお腹が  
出たのかは分りませんが、驚いたのと恥ずかしさのあまり、思わず体を引いてしまいました。それと同時に  
集中力も完全に切れ、飲み下せなかった水が気管支に入り、私は口に入っていた水を吐き出してしまいました。  
 
「きゃっ!一夏ちゃんきたなーい、かかっちゃったじゃなーい」  
 
「うえっ……ッ! ごほっ! ごほっ! ……っはぁっ、すみ……すみません……」  
 
私は咳き込み、お腹の苦しさにも耐えられなくなりかがみこみ、その場に四つんばいになってしまいました。  
 
「も……もう、けほっ……これ、以上は……飲めま……せん」  
 
咳き込みながら、息も絶え絶えにそう告げました。 私が吐き出してしまった水がかかってしまった蛍子ちゃんの顔を  
皐月ちゃんがハンカチで拭いてあげていました。  
 
「もう〜、しょうがないな〜一夏ちゃんは。 ……そうだ、皐月ちゃん、未知留ちゃん?」  
 
まだ息は整っていませんでしたが、トイレの床にいつまでも手をついて四つんばいになっているのも  
憚られたので足の位置を変え、立ち上がろうとした時でした  
 
「あッ……! さ、皐月ちゃん、未知留ちゃん……な、何を……ッ?」  
 
皐月ちゃんが私の両腕を、未知留ちゃんが私の両足を四つんばいの姿勢で抑え付け、私はその場に四つんばいのまま固定されてしまいました。  
 
「一夏ちゃん、口からもう水飲めないんだよね? だからほら」  
 
蛍子ちゃんが私のスカートを捲くり上げ「こっちからなら入るよね」  
 
「きゃああああ!! け、蛍子ちゃんッ!? や、やめて下さいッ!!」  
 
こっちからなら入るよね、そう言われスカートを捲くり上げる行為の意味するとこはすぐには理解出来なかったのですが、  
それ以上にスカートを捲くり上げられ、下着を見られるという事が今の私にとっては禁忌だったのです。  
 
「あれ? 一夏ちゃんもしかして……」  
 
蛍子ちゃんは今度は下着を下ろそうと、腰のゴムの部分に手をかけました。 私は下げられまいと  
股を閉じ抵抗したのですが、それもむなしく下着を下ろされ、お尻とアソコを晒けだされてしまいました。  
 
「ああ〜。 一夏ちゃん、今日生理だったんだ」  
 
そうです、私は一昨日から始まっていました。他人に知られるだけでも恥ずかしいというのに、こうやって直接見られてしまうなんて――。  
 
「ほらほら、見てよ。皐月ちゃん、今日は多い日かな」  
 
ショーツに装着されてるナプキンを剥がし、皐月ちゃんに手渡しました。こんなに恥ずかしい事はありません。  
……いえ、私はこれからさらなる恥辱にまみれてしまう事になるのでした。  
 
「ふ〜ん。やっぱり一夏ちゃんのオリモノも、こんな臭いがするんだね」  
 
「……綺麗なモノだからこそ、不純な物を溜め込んだりはしないんですよ……。  
言うなれば、これは……一夏ちゃんが綺麗な証です」  
 
 
「うぅ……ひっく……ひ、ひどいです……どうして……どうして、こんな事を……」  
 
皐月ちゃんと未知留ちゃんの言葉に私は耐えられなくなり、しゃくり上げながら抗議しましたが  
私の言葉を無視して、私を嬲り続けます……。  
 
「っくぁッ!?」  
 
「やっぱりちょっと無理かな?」  
 
「な、何をするんですかッ!? もうやめて下さいッ!!」  
 
「こうやって先っぽをこうすれば……」  
 
「痛ぁッ!」  
 
お尻、それもお尻の穴に擦れる様な痛みを感じた私は、手足を抑えつけられているので後ろを振り向くことが  
出来ないので、首を動かし後ろを見ようとしましたが、見る事は出来ません。 でも、恵子ちゃんが先ほど「こっちからなら入るよね」  
と言って私の下着を下ろしたのは、私のお尻の穴にホースを挿して水を、流しこむ……。  
浣腸。医療で検査をするためにお腹の中のものを強制的に全部出す。そういう行為があるのは知っていました。  
治療や検査のためとはいえ、そんな事をされるのが恥ずかしくない訳がありません。 私も小さい頃は体が弱く  
高熱を出してしまう事があったので、お母さんに解熱のために座薬をされる事がありました。  
小さい頃でもとても恥ずかしかったというのに、お母さんにされるのでも恥ずかしかったのに……。  
 
「一夏ちゃん、力抜いて〜。これじゃ全然入らないよ……っと!」  
 
「うくッ! ……い、痛い……痛いですッ!」  
 
「だから、一夏ちゃんが力抜いてくれれば……あ、血が出てきちゃった。 一夏ちゃん、お尻まで生理になっちゃったね」  
 
「んもう、蛍子ったら下らない事言って……」  
 
ホースを入れようと、何度もお尻の穴にホースを押し当てられ、グリグリと捻じ込むように擦られ、  
私のお尻の穴の粘膜は出血してしまったのでした。  
 
「あ〜あ、お尻まで多い日になっちゃった」  
 
「うぅ……」  
 
お尻が痛くて熱い……。自分で確認する事は出来ませんが、出血してしまっているのが、はっきりと分るようでした。  
それでも私に対する性的拷問は続くのです。  
 
「……しかたありませんね。 ……それでは、蛍子ちゃん、代わっていただけますか?」  
 
「ひゃぅッ!?」  
 
今度は血液とは違う別な生暖かささと感触を受けました。背筋をピクンと仰け反らせ、その感触から逃れようと  
腰を引こうとしましたが、蛍子ちゃんに下半身をしっかりと抑え付けられてる私は逃れる事が出来ませんでした。  
いくら振る返ろうと首を動かしても、後ろを見る事は出来ません。 ……恥ずかしい行為でしたが、  
自分の股座から露にされた股間を開いて、そこから未知留ちゃんが私のお尻に何をしようとしているのかを  
確かめようとしました。  
すると私が股を開いた事に気づいた未知留ちゃんは私にしている行為を中断し、未知留ちゃんも股座を通して私の顔を覗き込んだのでした。  
自分の股……それも、下着を下ろされてしまった状態でお互いの顔を見合うという、さらに恥ずかしい行為となりました  
私は目を逸らしてしまいそうになったけれど、自分がされている行為を確認しないと。  
無駄な事かもしれないけれど、止めていただけるようにしないと……。  
股座を通して見た未知留ちゃんの唇の端には赤いものが付着していたのです。 ……お尻に感じた生暖かい感触……。  
それは、まさか……。  
 
「……私、オキシドールも持っていますが、場所が場所ですから……とても染みると思いましたので……。  
……それに、荒れてしまう事もありますから……」  
 
「いやああああああ!! やめて下さい!そんなところ舐めないでぇっ!!」  
 
未知留ちゃんは出血してしまった私のお尻を舐めて、血を拭きとって……いえ、舐め取っていたのです。  
このような姿勢で他人に露になった下半身―‐それも生理中なのに――を晒しているなんて拷問のようなものなのに  
この上お尻の穴を舐められてしまうなんて――  
私はもうこれ以上の恥辱には耐えられそうにありませんでした。  
 
「やめてッ!離してッ!」  
 
私は丁寧語を使うのも忘れ、なりふり構わずにこの状況から逃れるために暴れようとしたけれど、  
元々そんなに力の無い私では、この力の入らない体勢です。両腕と下半身を抑え付けられいては私の  
抵抗など意味をなさないものでした。そして、その行為は未知留ちゃん達のご機嫌を損ねてしまう愚かなものだという事を、その時私はすぐに悟りました。  
 
「ひぃッ!?」  
 
「……動かないで下さい、一夏ちゃん……」  
 
「っく……い、痛いぃッ……!」  
 
「……痛かったですか? それなら動かないで下さいね……。 動くと……こうですよ?」  
 
「ひぎぃッ!? ……わ、分りました。動きません、動きませんから……痛いのは……」  
 
お尻の穴に今度は違う感触……異物感。 またホースを挿れようとしているのかと思いましたが、後ろを確認する事が出来ない私は次の蛍子ちゃんの言葉で、未知留ちゃんが  
私のお尻に何を入れようとしていたのか知るのです。  
 
「指でも全然入らないね、一夏ちゃんのお尻。ホースなんて挿れてたら本当に裂けちゃってたかも」  
 
自分の体……それも、他人に見せる事なんてあってはいけない部分に、自分でも触れた事がない部分に  
他人に触れられてしまうなんて……。 恥ずかしくって惨めで……それでも、この行為に抗議しようとすれば  
さらなる責めが科せられる事は今までの流れで分っていました。 だから私に出来る事があるとすれば、  
この性拷問が早く終って下さいと願う事と涙を流すことくらい……。  
 
「んっ……んんっ……」  
 
「あ、一夏ちゃんお尻舐められて感じてるんだ。エッチだね〜」  
 
お尻の穴を舐められ、その度に体をピクピクと痙攣させ、口からはどうしても声が漏れてしまい、私に対してさらに羞恥心を煽る言葉が投げかけられます。  
未知留ちゃんの生暖かく湿ったザラザラとした舌の感触……。時に舌先を尖らせ突くように、  
まるで生き物が私のお尻の穴を這っているような、そんな感覚でもありました。  
そして蛍子ちゃんが言うように、私自身がこの行為に「感じて」しまっているのでした。私自身、  
自分でそんな思いを否定しようとしましたが、その証拠に  
 
「わあ、一夏ちゃんのアソコ、濡れてきたんじゃない? これって未知留ちゃんが舐めてるとこじゃないよね?」  
 
私は否定も反論もしないで唇を噛んで目を閉じじっと堪える。 そうしていると、皐月ちゃんが抑えていた私の左腕だけ解放したので、どうしたのかと思っていたら――  
 
「ふ〜ん。一夏ちゃんってばお尻の穴なんて舐められて感じるんだ。 ……どれどれ?」  
 
「きゃあああああ!!だ、ダメですッ! そこは触らないでぇッ!!」  
 
「何言ってるのさ。普通はこっちを触るもんでしょ?」  
 
皐月ちゃんの手が私のアソコに……。トイレの時やお風呂に入る時にそれとなくアソコに手を触れる事は  
あったけど、自分の意思でアソコを……という行為はまだした事がありません。  
……それは、オナニーをしてみようと思った事はありましたが、いざスカートを下ろして、ショーツ越しに  
自分の敏感な部分に触れようとしても、やっぱり恥ずかしくなってしまい、行為に至れずにいた私です。  
人前で、それも他人に、生理中のアソコを触れるなんていう事に耐えられずに、今のみなさんに逆らったり抗議しようとしたら  
どうなるかという事も忘れ、私は自由になった左腕で皐月ちゃんの私のアソコへと伸びてる手を掴み  
抑えようとしましたが、皐月ちゃんの手は既に私のアソコに触れているので私の抵抗は意味をなさないのでした。  
そして片腕だけで手をつく体勢になった私は体を支えきれずに、上半身をその場に突っ伏し、  
お尻を突き出すという格好になってしまいました。  
 
「だ、ダメですッ!私、今日あの日だからッ! ……汚いッ……ッ!」  
 
私のアソコから出た液を、アソコに塗るように伸ばしたり割れ目に指を入れたりされ、初めての刺激に  
私は快感よりも、他人にアソコを触られているという気持ち悪さと恥ずかしさが勝っていました。  
 
「ぅぁッ……んん……っんく……ひぅッ!?」  
 
私が抵抗して体勢を崩したため、お尻を舐めるのを中断していた未知留ちゃんがお尻を舐めるのを再開したのです。私は抵抗しようにもアソコとお尻を刺激され、全く体に力を入れる事が  
出来なくなり、やがて声も出せずはぁはぁと荒い呼吸をするのがやっとに。   
トイレには私の荒い息づかいと、私のアソコから聞こえてくるピチャピチャという水音……。 抵抗するのは諦めたけれど  
こんな状況が恥ずかしくない訳が無く、掴んでいた皐月ちゃんの腕に顔をうずめるように隠しました。  
 
「一夏ちゃん、ここはど〜こだぁ?」  
 
「ひあッ!?」  
 
不意に刺激を変えられ、私はビクンとなり、思わず顔をあげてしまいました。すると、目の前に皐月ちゃんの顔があり、  
私は恥ずかしくなり目を逸らしました。  
 
「ほらほら、保健体育で習ったでしょ? ここは何ていう部分かな?」  
 
「あうぅッ……! あッ……ああんッ! ……っはぁ……あひぃッ!?」  
 
そこは私の一番敏感な部分。皐月ちゃんの言う通り、そこの名前は授業で習ったので知っています。でも、それをこうやって口にするのは恥ずかしい事です。  
それが分っていて、私にその名前を口に出させようとしているのでしょうけど……。  
 
「早く答えを言わないと……」  
 
「ぎッ……! 痛、痛ぁッ!」  
 
私の一番敏感な部分を撫でたり指先で触れたりするのではなくって、皐月ちゃんは指でつまみだしたのです。  
今までも刺激の中で強く擦れたりすると、快感よりも痛みがある事もありました。でも、今は私に苦痛を与えるためだけにそうしているんでしょう……。  
抵抗しても無駄。それならこの苦痛を少しでも早く終らせるためには、恥ずかしくっても私は言う通りにするしか道が無いのは分っていました。  
 
「……ク、クリ……トリス……です……」  
 
「え?聞こえないよ? も一回大きな声で! これは何?」  
 
「!!!」  
 
一番の刺激……いえ、激痛が私の一番敏感なところに加えられました。指で一番敏感な部分を弾かれたのです。  
その激痛は背中から頭、足の先まで伝わったように感じられました。その瞬間、私は目を見開き、声を上げる事も出来ずに、時間にしては一瞬なのでしょうけど、  
激痛の波が収まるのを待つ事しか出来ませんでした。  
 
「ねぇ一夏ちゃん?これは何って聞いてるでしょ? ……じゃあ、3数える間に答えなきゃ、もっかい痛くするからね。 はい、いーち、にーい……」  
 
「うっ……く、クリトリス……クリトリスですッ……!」  
 
私は声を絞り出し、一番敏感な部分の正式な名前を告げました。  
 
「ピンポ〜ン。せいかーい。 おしっこが出るとこなんだけどさ、一夏ちゃんアソコから出たおつゆと生理の血の他になんか混じってない?  
もしかしてお漏らししちゃったのかな?」  
 
そう言い、皐月ちゃんは私のアソコを嬲っていた方の手を私の顔のすぐ側で見せびらすようにしました。  
汗のような液の匂いと生理中のアソコの匂い……それにお漏らしもしてしまったようでおしっこの匂い……。とてもじゃないけど、嗅いでなんかいられないツンとした臭い……。  
それが自分から出たものだと思うと、恥ずかしさと嫌悪感がこみ上げてきます……。   
 

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