「…外したわ…」  
かすかに震える声の主は一人の可憐な少女。  
乳房の先をその両手で覆うかのように隠しながら、ヴァリスの戦士・  
優子はそのもろ肌をあらわにしていた―。  
 
男を知らぬその白い肌を、なめらかな曲線を描く乳房のふくらみを、  
ヴァニティを侵略し非道を尽くす残忍王メガスの前にさらしている。  
それは彼女―優子にとって戦いの終わり、降伏の意味。  
メガスに抗う正義の戦士である事の放棄を意味していた。  
 
本来悪に屈する事は優子にとっては死よりも堪え難いものである、  
しかしヴァニティの女神ヴァリアの命をタテに降伏を要求されながら、  
それを見捨てて戦い続ける事など優子にはどうしてもできなかった。  
 
だから―降伏した。言われるままヴァリスの剣を床に捨て、ボディスーツを脱ぎ、  
女としてもっとも屈辱的な裸の姿となって、無抵抗の意志を示したのだった。  
 
自分で自分を抱きしめるようにしながら、優子は己の裸体が  
メガスの視線に嬲られているその事実を必死に堪えようとしていた。  
しかし、悪逆の王メガスはこの程度の責めを優子に与えるだけで  
満足するよしもなく、なおも彼女に対しこう言い放った。  
 
「誰が胸を隠していいと言った?―その手をどけろ」  
 
「!!」  
その言葉はなおも優子をたじろかせた。こうしているだけでも  
死ぬほどの恥ずかしさがあるというのに、これ以上―  
乳房の先端を…乳首までも見られてしまわなければならないのか?  
それは戦士ではなく思春期の一人の少女にとって、つらい責め苦。  
 
「どうした優子よ、この期に及んで俺の要求をのまぬつもりか?  
貴様のような聡い女にはわかっているだろう、それができるかどうかは」  
―メガスの言う通りだった。どんなに抵抗したくとももう叶わない現状、  
言われるままに屈し続ける以外ない事は、優子はとっくにわかっていた。  
 
(…拒めない、拒むわけには…いかない…。ヴァリア様を助けるためだもの、  
…例え私がどのような辱めを受けようとも…)  
恥ずかしくて逃げ出したくなる「少女」の気持ちを「戦士」として抑えつけ、  
優子は両の乳房を隠したその腕を、力なく下に落とす。  
 
―優子の白い乳房の先端で映える、淡く澄んだ桃色の乳首。  
メガスの両の眼に、それが艶めかしく差し出された。  
 
「クックック…美しい、美しいぞ!優子よ。あのヴァリスの戦士が  
この俺の前にただの女として立ち尽くすその姿、たまらんぞ…!」  
メガスの嘲笑が優子の繊細な心を切り裂く。嘲られながらなお、  
その素肌を隠す事さえ許されない自分が情けなかった。惨めだった。  
「…っ…」  
顔もずっと真っ赤になったままの優子の目尻に、涙が浮かぶ。その時―。  
 
「…!?…」  
幾多の戦いを経て研ぎ澄まされた優子の感覚は、自分の周囲の空気が  
今、確かに動いた事を察知した。  
 
(え…何…何なの!?)  
気が付けばおぞましいほどのはっきりとした意志の「悪意」に満ちた気配に、  
すっかり取り囲まれている。感じる限り四方八方、全く逃げ場がない。  
そしてさらに優子にとって、恐ろしい事があった。  
―ひしひしと感じる、数多くの悪意の一つ一つに全て覚えがあったのだ。  
今までくぐり抜けた戦いの中で、何度も何度も―剣を振るった度に。  
 
「ヒィヒィヒィ…」  
「グググ…」  
「クェクェクェ…」  
怨念に満ち満ちた唸り声―いや、嘲笑が聞こえる。それはもう気配ではなく、  
はっきりと優子の耳に届いてきた。それが次第に近づいて来る事も、  
認めたくはないが―また、ハッキリとした「現実」だった。  
 
―そして。メガスの配下、ヴェカンティの魔物達に取り囲まれた中で、  
生まれたままの姿となった優子がそこにいた。  
 
ボディスーツはおろか、スカートも…そして、最も大切な場所を覆っていた  
純白のパンティまでもが、今は彼女の足元の床に静かに置かれていた。  
優子はメガスに要求され――魔物達にはたっぷりと好色な視線を浴びせられながら、  
自らの震える手で全裸の姿となったのだった。  
 
乳房―乳首は言わずもがな、さらには豊かに肉付きまろい曲線を描く臀部も、  
そして正面の薄く蒼い茂みも、何ひとつ隠す事は許されなかった。  
許される事は、その均整の取れた美しい全身で―特にその乳房と股間で、  
メガスと魔物達の視線を受け止める事だけ。敵意と嘲笑を体中に浴びる事だけ。  
 
「奴がヴァリスの戦士、優子…」  
「だが女だ…乳もマ○コも丸出しで突っ立っていやがる」  
「いい乳してやがるぜ…」  
「メスだ…それもめったにいねぇ上等のメスだ」  
「ぶち込んでやりてェ…俺のチ○ポをよォ…」  
 
ヴァリスの戦士が一人の女として裸体をさらし立ち尽くしている惨めな姿を見て、  
その数50をも越える魔物達で構成された円は、皆剥き出しの感情を―欲情を口にしている。  
「…イヤッ……!」  
耳に聞きたくもない卑猥な言葉が飛び込み続け、優子は思わず首を振った。  
 
胸を隠せないならせめてこの手で耳をふさいでしまいたい。なのに体は  
緊張と羞恥によって、しびれたかのごとく全く動いてくれない。  
無力―。メガスの与えた恥辱の責めは、ただの17歳の無垢な少女としての優子を  
心身ともに嬲りきり、すっかり力を失わせていた。  
 
「…お願い…お願い…。もう、見ないで…っ」  
すでにただの小娘となってうつむき、震えながら、聞き入れられるはずもない懇願を  
か細い声で口にする優子。だが―メガスは全く容赦の心を持たなかった。  
メガスにとってここまでは単なる余興、まさに前座の所業にすぎないのだから。  
 
「―さて、そろそろ敗残の戦士の処刑を執り行わなければなるまいな。  
ヴァリスの戦士、優子…貴様の手によって数多くの同胞が命を失なった」  
「……」  
そこまで聞いて、優子はふと死を予感した。そしてそれと同時に、  
―ヴァリア様の解放が確認できるなら、それも甘んじよう―と、  
これまでの辱めに麻痺した心は、そんな決意すらあっけなくしてしまった。  
 
だが―残忍王メガスの裁きは、優子の考えた予想をはるかに越える。  
「我々の最大の敵対者であった貴様の罪は死んで償えるものでさえない。  
―そんな貴様に戦士としての誇りある死など与えぬ、その命が尽きる瞬間まで―  
ただの女として、ただの肉奴隷として!その美しい肉体で償い続けてもらおう!!」  
 
「えっ…!」  
思わず優子は弾かれたように顔を上げ、魔物達はそれを嬉々としてはやしたてた。  
「オオッ!!さすがメガス様だ」  
「へへ…あの憎たらしいヴァリスの戦士にザーメンぶっかけられるのか」  
「俺はアナルを徹底的に突いてやるぜッ」  
「ケツとマ○コの二本刺しでよがり狂わせてやる!」  
 
「…これが貴様の降伏を受け入れる最後の条件だ。どうする優子よ?」  
「そ…それは…」  
そう言われても、優子はうろたえずにはいられなかった。  
人外の―下卑た情欲に目をギラつかせた魔物達にこの体を蹂躙される。  
それも一人や二人でなく、おびただしい数を相手として。  
 
「戦いに破れた者はいかような仕打ちを受けても当然だ、貴様もそれをわかっていて  
降伏したのではないか?勝者であるこの俺に貴様の要求―ヴァリアの命を救うという  
要求をのませたいのならば、敗者はその他のどんな要求を聞く事が当然だろう」  
 
「で…も…」  
しかし―優子は男に抱かれた事などない真の処女(おとめ)。それどころか、  
異性に対する初恋の想いすら覚えた事のない、人間界でも無垢にすぎる少女である。  
そんな彼女にとって、初めての相手が魔物である事は―しかもそこに愛もなく、  
性の対象としてただ犯され続けるという未来は死よりも恐ろしく、受け入れ難いもの。  
―だがそれが降伏するための、ヴァリアを救うための条件。  
 
もちろん優子は―この要求すら受け入れなければならない事はわかってはいる。  
だが、無意識下にある女としての本能がそれを拒もうとして、返答をさせない―。  
 
そんな彼女の心の動きをさとったか、メガスは苛立ちを僅かに込めて言い放つ。  
「…拒むのなら降伏は虚偽とみなす、そしてヴァリアには死んでもらう」  
「そんな!!」  
冷酷な言葉に、とめどない思考の中に迷ってた優子はハッと引き戻された。  
「それならば優子よ、迷う事など―」  
 
「…やりなさい!!この私を殺しなさい!!」  
メガスを遮った声の主は―血まみれの女神ヴァリアだった。  
 
「…ほう?」  
優子に気を取られヴァリアの存在を忘れていたメガスだったが、  
予期せぬ妨害も一興と言わんばかりに、ニタリ…と笑みを浮かべた。  
「優子は元々はリアリティの者、このヴァニティにもヴェカンティにも  
本当は関係ありません。この戦いは彼女が降伏した時点でもう終わりのはずです、  
これ以上彼女に辱めを与える事は許しません!さあ、私を殺して優子を解放しなさい!!」  
 
憔悴しきった体から振り絞られるヴァリアの声には、真の決意が込められていた。  
―今まで戦ってくれた優子に、これ以上責め苦を与えさせはしない。そんな真摯な思い。  
「さすがはこの俺が見初めた女、肝が座っている。ではお望み通りにしようか―」  
あっさりとそう言い捨てたメガスの爪が、肉を引き裂く事を求めて鈍くきらめく。  
「…やめて!!」  
それを制するように叫んだ少女は―言うまでもなく、優子。そして。  
 
「…わかったわ。…メガス、もうあなたには…絶対に…逆らわないから…」  
諦めに彩られた言葉が、裸の少女の口元から生まれ落ちる。  
 
「ヴァリア様の命を奪う事は、やめて…!!私は…どうされてもいいから…!!」  
顔を赤く染めきった優子はそこまでを何とか訴えて、また力なくうつむく。  
霞のように淡く光る涙の筋が、その薄い頬をそっと伝った―。  
 
心底愉快そうに―メガスは嘲りを込めてヴァリアに叫ぶ。  
「ヴァリアよ、貴様はまたしてもミスを犯したな。貴様のその言葉で、  
優子はいよいよ無様な性の奴隷となる決心を固めてしまったようだぞ!!」  
「…!優子!!」  
「先程は優子に降伏を決心させ、そして今度は肉奴隷となる決心すらさせるとは―  
貴様は本当に弁の立つ、大した女だ!フハハ!!」  
 
その通り―優子を守ろうとしたヴァリアの言葉は、彼女にかえって致命的な、  
永遠の屈辱の要求を受け入れるだけの勇気を―決断をさせてしまう結果となった。  
常に自分のためでなく他人のために戦い、そして傷ついて、ここまで来た。  
そして今も―自分よりヴァリアを選ぶ。それが心優しき正義の戦士、優子という少女なのだから。  
 
「く…やめなさい、メガス!!苦しめるならば―この私を…!!」  
同じ轍を踏み、またしても優子を窮地に追いやってしまった後悔に押されて、  
ヴァリアはメガスに訴えかける。が―メガスは意に介さない。  
「ふん、あれほどこの俺を拒んでいた貴様がそう言ってくるとはな。  
だが俺は、俺に従わかった女になど興味はない!少々黙って見ているがいい!!」  
そう言ってヴァリアの腕をつかみ直すと、無造作に―壁際へ投げ捨てた。  
 
「ヴァリア様!!」  
ヴァリアの身を案じて優子が声を上げたが、そこにすぐさまメガスが入る。  
「痩せても枯れてもヴァリティの頂点に立つ女神、このくらいでは死にはすまい。  
もっともあの出血量では、動く事は―妙な真似をしでかす事は叶わんだろうがな。  
何にせよ―他人の身を案じるのも大概にするがいい。真の苦しみに身を投じるのは  
ヴァリアではない、優子…俺達に嬲り尽くされる貴様なのだからな。―クックックッ」  
 
「…では誓ってもらおう、この俺と俺の配下達にその肉体で奉仕する永遠の従属者となる事を。  
貴様の口ではっきりと、自らの意志で屈服する事を、誓え…!!」  
勝利者メガスは勝ち誇った己の笑みを抑えもせず、敗残の戦士にそう命じた。  
「…ええ…」  
何一つまとう事も隠す事も許されず、その裸体を魔物達に存分に観賞されながら、  
優子は懸命に震える唇で言葉をつむぐ。  
戻る事の叶わない永久の絶望への扉を開く、言葉を―。  
 
「私…ヴァリスの戦士、麻生優子は…」  
優子の全身がなおも火照る。熱い乳房の先端―美しい乳首は羞恥を感じてピンと立ったまま。  
さらに桃尻はかすかな震えを刻み続け、張り詰めた膝は笑いたがるかのように揺れている。  
「メガスと、その軍の者に…」  
このまま崩れ落ちてしまいたい―。だが、優子はそれでも堪えようとする。  
「…この体を…全て捧げる…事を…」  
―全ては、ヴァリアを救うために―。  
 
「…忠誠を…誓います…っ…!」  
 
優子がそこまで言い終わってしまうと、メガスの唇の端が引きつった様に歪んだ。  
それを合図として、優子を取り囲んでいた幾多の影は一斉に中心へと襲いかかった。  
 
―ヴェカンティの肉奴隷となった、優子を貪り尽くすために―。  
 
 
力任せに魔物に押し倒され、優子の背中は床―石畳に激突した。  
「あうッ!!」  
走った痛みに優子は思わず叫んだが、魔物達は肉奴隷がどうなっても何ら構うつもりはない。  
そのまま少女の手足を押さえ付け、身動きが取れなくなった所に向かって  
一斉に邪悪な指達が―舌達が伸びた。仰向けの獲物の―甘い素肌の上を這い回るために。  
「イヤァッ…!!やめてェ…!!」  
優子は拒否の言葉を口にしてしまう。それはこの期に及んで―と責めるには  
あまりに仕方のない、17歳の乙女の本能から生まれた当然の条件反射とも言えた。  
 
「へへ…随分と物分かりがいいもんだからどうかと思ったが、やっぱり  
それぐらい嫌がってくれねえと俺達は燃えねえぜ。ありがとうよ、ヴァリスの戦士様」  
「ま、どうせしばらくすればチ○ポの事しか考えられなくなるんだ、安心しろ」  
「時間はたぁっぷりとあるんだ、まずは味見といくかァ」  
魔物達は下衆な言葉を放ちながら、醜悪な舌や指を優子の体に滑らせにかかる。  
 
―優子の肌に初めて触れた男の舌。それは突然に乳房の先端をとらえた。  
「いやぁぁんっ!!」  
固くなったままの乳首に、魔物の赤黒く長い舌が絡め取るかのように巻き付いている。  
その瞬間に走った―おぞましさとともに感じたもう一つの感覚。―まだ自覚できない、  
今はまだもどかしさと同然の「ある感覚」に対し、優子は反射的に声を上げてしまっていた。  
 
「ケ、何もしてねェのにいきなり乳首を立派に立たせてやがるとはな。そうか―  
メガス様に、さらには俺達に見られて本当は感じてやがってたんだなあ?」  
「ちっ、違…」  
例え真実がその通りだとしても―それを認める訳にはいかず、優子は否定しようとした。  
「あ・ああんっっ…!」  
が、そうするのもろくに叶わず、新たな甘い悲鳴をもらしてしまう。  
別の魔物の―面積が広くザラザラとした舌が、太腿を這い出したのだ。  
 
「やっ…やめ…っ。ぁあっ…!!」  
幾多の戦いを経たというのが信じられない、ただ女性らしい脂肪がのっただけの  
戦士として似つかわしくない華奢な太腿の上を、舌が遠慮なく行進する。  
「ほほぅ…ヴァリスの戦士様はずいぶんと敏感でいらっしゃるようだ」  
「チマチマやるのももう終いにしようぜ、俺はもう我慢できねー!」  
たった二つの愛撫に脆くも反応してしまう優子を見て、魔物達はいよいよ昂ぶり出した―。  
 
 
魔物の―幾多の罪無き命を奪った腕が、正義の戦士であった少女のふくよかな乳房をつかむ。  
魔物の―ヴァリティの民の生き血をすすった舌先が、純真な少女の首筋を沿っていく。  
魔物の―争いを巻き起こす喜びを感じる度口から溢れた唾液が、心優しき少女の肌を濡らす。  
少女の―なめらかな肌の上で、魔物達の舌と指が踊るように蠢いていた。  
 
「ひぁあっ!…あっ…あん…!ああぅ…!!」  
魔物達の舞いをたった一人で受け止めている優子は、堪えようとしても堪えきれずに  
―甘さを秘めた―吐息を奏で続ける。自分の感じている感覚の正体もつかめないまま、  
ただ責めにひたすらに応え、悶え続けるだけのマリオネット。  
 
「―もういいだろ、そろそろマ○コも頂いてやろうぜ」  
「そうだな、この女もマ○コを責めてもらえないというのは不幸だろうしな。ククッ」  
(……?ど、どこ…を…?)  
魔物達が口にした卑猥な俗語を優子はあまり理解できず、心の中で首を傾げた。  
―さっきも耳にしたが、いったいどこの事なのか―という彼女の疑問は、  
すぐに行為による答えを思い知らされる事で氷解する。  
 
魔物の腕が優子の両の太腿を大きく開かせた。そしてそれを恥じらわせる間すら与えず、  
ニュル…ン  
生温い魔物の舌が、優子の股間の淡い陰毛をかきわけ―秘裂の中へと僅かに侵入した。  
 
「!!ああぁああーっっ!!」  
その瞬間の優子の声は、今までもっとも感極まったものとなった。  
 
甘美な陶酔が股間から背中までを一気に駆け抜けていったその感覚―は、  
彼女にとっては知らぬが故、奇妙な罪悪感すらも引き起こさせるものだった。  
(なっ…何なの…!?私の体…どうしちゃってるの…!?)  
魔物の舌から次々と押しつけられてくる未知の感覚に、混乱を隠せない。  
 
「クックック…この女、もうマ○コをびしょ濡れにしてやがる」  
「この女の乳首は見られて感じるドスケベなんだから、ここもドスケベなのも  
ま、当然って言えば当然だよなあ。ヒヒヒ―すすってやるぜ」  
「それにしても綺麗なマ○コしてやがるぜ、こいつ」  
優子の申し訳程度の茂みから姿を見せているのは、何より清冽な桜色の秘裂。  
純真でありながら、何かを―未だ優子の知らないものを本能で求めてヒクつく双璧。  
 
そこからこんこんと溢れ出す蜜―愛液を舌ですくい、たっぷりと味わった魔物は、  
他の仲間達を自慢するかのように周囲をグルリと見回した。  
「さすがにヴァリスの戦士のマ○コから出るのは、甘酸っぱくていいぜェ〜」  
「てめェ一人だけに独占させるかよ…くそッ!」  
「俺もだ!」  
「俺も吸いまくってやる!!」  
 
「ひゃ!イヤァァアッ!!」  
何枚もの舌が、一斉に優子の可憐な花弁の蜜を求めて滑り込んできた。  
「ああっ、あぅっ、あああっ…!!」  
統制もなく勝手に蠢いてくる幾多の舌。それらが送り込んで来る感覚に―優子は酔う。  
酔いたくもないのに、酔いしれる。―ある「感受性」の才能を、多分に秘めた肉体。  
 
「マ○コの豆をやったらすぐイッちまいそうだからな…他の周りを味あわせてもらうぜ」  
肉のさや―いわゆる包皮にいまだ隠れたままの、女にとって最も脆く繊細な突起  
クリトリスだけは、優子をギリギリの所で焦らすためか魔物達は触れようとはしていない。  
 
が、肉芽のみが責めを免れているだけで、媚肉自体は依然汚らしい舌達の餌食であり続けた。  
さらに再び乳房を、敏感な乳首を吸い出しにかかる者。横から尻の曲線を舐め回す者。  
腹筋などまるで感じさせない、女らしい柔らかな腹を舐める者。へそを舐める者。  
腕を、足を、そして泣き腫らした可憐な顔を―唇を舐め出す者まで現れる。  
 
まさに今―優子の肌のいたる場所で、魔物達の舌が思うままに唾液の筋を残していた。  
 
ビチャ…ビチャ…ベロォッ、ベロォン…  
「ひっ!あひ…ぃっ!はああ…!うっ…!…あぅ!!」  
魔物達の舌の動きが加速していく。―そして優子は滑稽なほどに悶えながら、  
自らの意志とは関係なく、はしたない甘露で割れ目に群がる飢えた魔物達をもてなした。  
もちろんその間も責められっぱなしの乳首は、痛々しいほど固いまま、震えているまま。  
 
「…じゃあそろそろお待ちかねの―本番といこうか!?ヴァリスの戦士様ァ」  
前戯などでは―優子をただ責めて悦ばせるだけでは、いよいよ魔物達は収まらなくなった。  
雄として、この無様なほどにメスらしいメスを、己の存在そのもので責めたてる欲求には  
誰もが逆らえなかったし、もはや逆らうつもりもなかった。  
―ヴァリスの戦士・優子を、皆のペニスで犯し抜く―それが今ここにいる魔物全ての目的。  
 
その目的が果たされた時―優子は、さんざ味あわせられながらも理解できなかった、  
自覚できなかった感覚を、いよいよ一つの「決着」を迎える事で知ってしまう事となる―。  
 
 
魔物のセックスは、獣(けだもの)のそれと何ら変わる事がない。  
 
優子の体をうつ伏せに返し、そのまま腰をつかんで尻を上げさせる。  
丸く可愛い尻の肉が―そしてその奥までもが、欲望にギラつく魔物達に丸見えとなった。  
「イッ、イヤァ…!!見ないでっ、見ないでっ…!!」  
押さえ込まれながらも優子が振り返ると、魔物達は皆―彼女の尻を見下ろしながら笑っていた。  
魔物達は見ている。魔物達に見られているのだ。全てを、優子の恥じらうべき場所の―全てを。  
 
「…見ないで…っ!」  
視線から逃れようと無意識に少女の尻が悶え、それがかえって扇情的に男を煽る。  
 
「…お願いっ、そんなところ…見ないで…!!」  
当然ながら、優子の哀訴は聞き届けられず―今、魔物達の視線は全て、彼女の尻と股間にあった。  
とめどなく愛液を漏らし、太腿を―そして地面の床を―濡らす、肉のヒダを。そして―  
ほとんどくすみなど存在せず、白い肌との差異も感じさせない小さな皺の集まり、アヌス。  
そのどちらも魔物達の視線を浴びて、まるで悦んで蠢くかのようにヒクついていた。  
 
「ヴァリスの戦士のケツの穴はどんなもんか期待してたんだが―随分と綺麗じゃねェか」  
「こんな所まで上品にされてちゃたまんねェなァ〜ッ」  
そう言って、優子の尻に回っていた魔物は舌を尖らせ、清らかとさえ呼べるすぼまりをとらえた。  
 
「ひゃんっ!!」  
ヌルリとした感覚が突然に肛門を襲ってきたくすぐったさに、恥ずかしさも一瞬忘れて  
優子は可愛らしいくらいの素っ頓狂な声を上げてしまう。  
 
魔物の舌は何度も何度も愛らしいアヌスをねぶり、その度に少女は惨めな反応を示した。  
「きゃうっ、あぅ…はくっ、う」  
一度目では感じなかった―くすぐったさを越えた所にある、切なさを思い知らされながら。  
 
「へ、こんなケツの穴なら全然舐めてられるなァ。さすがはヴァリスの乙女ってとこか!?」  
むしろ落胆したような言葉とともに、魔物の舌は優子の肛門から糸を引きつつ離れていった。  
「…はぁっ、はぁ…はぁ…う」  
自分の中で一番汚い場所―という自覚を持っていた場所を、存分に見られ、責められた屈辱。  
そしてそうされながら、魔物の思惑通りに―反応し、恥ずかしい声を上げ続けた屈辱。  
その悔しさに涙を浮かべながら、優子は自らの中にくすぶる何かを堪えるように息をついている。  
 
「ケツの穴でもそんなに感じちまうと大変だなあー、優子よォー!?」  
「へへ…悪かったな、てめェのケツがあんまりにも可愛かったからまた寄り道しちまった。  
今度こそ―マ○コにぶち込んでやるよ。…俺らのチ○ポを代わる代わるな!!」  
そう言って優子の尻をつかんでいた魔物が、ついに―女を征服する肉の凶器を構えた。  
 
「っ……!!」  
背後に何とか視線をやった優子の目に、思いきり醜悪な―そそり立つ男性器が飛び込んできた。  
これまで彼女が見た事のある男性器というのは父親と弟のものだけであるが、  
その二人とは全く比較にもならない凶悪さに、思わず本能が気圧され、息をのむ。  
 
「へへ…ビビる事ァねえぜ。最初は痛くたってな、てめェみたいなスケベブタなら  
すぐ慣れてヒーヒーよがるようになるぜ」  
そう言って優子の背中に立つ魔物は、己の紫色の亀頭を―生贄の可憐な秘唇にあてがってくる。  
「イッ…イヤッ…助け…て」  
苦しそうに喘ぐ女のヒダに、熱が擦りつけられる悪寒。それは優子の恐怖心を大いに煽る。  
覚悟を決めた―決めたはずなのに、それでも表情は青ざめ、脂汗が滲んできた。  
このような形で貞操を奪われてしまう事への怖れは、乙女には拭い切れるものではないのだ。  
 
しかし、いかに怯えようと、泣いて助けを乞おうと―救いの手など差し伸べられない。  
向けられるものは―欲望と、それに溢れたぎる凶器だけ。  
 
「イヤッ…イヤ…ァ」  
少女の細く華奢な体が震える。―そしてそれを、魔物達の腕が押さえ付ける。  
「じゃあ、頂くぜ…!ヴァリスの乙女を女にしてやる一番手は、この俺だッ!!」  
宣言とともに、優子の尻に回っていた魔物の腰が、思い切り前へ打ち出された。  
 
その刹那、静かに―だが確かに「何か」が、失われた。  
 
「あああああぁ!!」  
優子の悲鳴とともに、繋がった―いや、貫かれた―場所から、鮮血がこぼれる。  
彼女が今まで純潔を守っていた事、そしてそれをついに失ってしまった事の―証明として。  
そしてその紅は、太腿を伝う透明な蜜にも混じっていった。  
 
「うっあっ…ああっ…!」  
破瓜の痛みそのものは、「戦士」であった少女にとって決して堪え切れないものではない。  
だが―魔物によって、それも尻から獣のような態勢で、純潔を喪失してしまったという現実は  
あまりにも辛くて、惨めすぎて―嗚咽を抑える事ができない。  
だが―そんな少女の弱々しい姿は、単に魔物達の加虐心をよりさからせるだけ。  
 
「ヘヘ…キツキツじゃねーか。せいぜい裂けないように我慢しろよ、優子様ァ」  
「早くザーメンぶちまけて替われよ、順番待ってるんだぜ」  
「わかってるぜ…オラッ!」  
喉を重く鳴らすように笑うと、魔物は優子に何一つ気遣う事なく抽出運動を開始した。  
 
「あっ、うぁ、うああんっ…!!」  
既にもたらされた愛撫によって、たっぷりと自身の愛液にぬめった優子の媚肉は  
いたってスムーズに―本人の意志を無視して―侵入者を迎え入れていた。  
しかも乱暴に押し入られたにも関わらず、まるで手厚くもてなすかのような優しさをもって、  
遠慮のない凶暴な雄に吸いつき、絡みつく。―だがそれは、決して無償ではない。  
 
「…ぁっ、あう…!あうぅ…んんっ!!」  
苛まれる少女の声に、悩ましげな艶が織り込まれ始める。どんな男にも従い尽くす女のヒダは、  
その見返りとして―男根の感触からもたらされる感覚を必死に貪ろうとしているのだ。  
じらしにじらされながら、未だ達せない歓喜の瞬間へと―優子を導くために。  
 
心を無視して、優子の肉体は背後からの無慈悲な侵入者を受け入れ続ける。  
 
それどころか―荒々しく突いてくる、肉ヒダに擦りつけられてくる灼熱に  
次第に堪えようとする心までもが―侵食されてしまいそうになっていた。  
そう、優子は―優子の体は―体の奥で覚醒を待つ本性は、女として誰よりも業深く、昏い。  
 
だがそれに未だ気付けない―気付く事を拒否しようとするその心が、悲劇だった。  
甘い媚びた悲鳴を生む体、そしてそれに振り回されて忍ぶ事も叶わぬ心の競演。  
 
(私っ…私、どうなってるの…!?痛い、痛いのに…私っ…い)  
嬌声を鳴らし続けるノド、それはまるで自分のものではない気がしてより心を戸惑わせる。  
 
「ククッ、まさか一発目でヒィヒィよがり出すとは思わなかったぜ」  
「心底嫌がる女を突くのが楽しいのによ、この淫乱はシラケさせてくれる」  
「才能が元々あったんだろうな、戦士なんかよりも娼婦のそれがな」  
さらに取り囲む黒い影―異形の者達からは蔑みの言葉を投げかけられているというのに、  
優子の体はなお燃え上がってしまう。屈辱さえも―もはや炎にくべられる薪に過ぎなくて。  
 
魔物のペニスによる優子への責め。それは実際には今だ1分を越えてもいない、が―  
しかし受ける者にとっては辛く永すぎた時間。だがそれを経て、嬲られ、煽られ続けた  
少女の性は―いよいよ目覚めさせられようと、否、目覚めようとしていた。  
 
「あぅ、あうっ…!イッ…イヤアッ、イヤァッッ…」  
突かれている性器から―子宮の奥から押し寄せてくる甘い波動。  
とろけるように全身に絡みつきながら、波のように強く打ち寄せてくる感覚。  
次第に迫ってきているそれが、ついには弾けて精神まで犯しにかかろうとしている事を―  
優子は理屈ではなく本能で感じ取り、怖れた。だが怖れても―抵抗は何一つできなかった。  
「ひ、あぅあっ、ああっ、ああっ、あっ・ああっ…!!」  
感極まる声の間隔はだんだんと短くなり、まるで一定のリズムを刻むかのようなものとなっていく。  
 
唇の端からよだれさえ溢れさせながら、媚びた旋律を紡ぎ続ける少女は無様に過ぎて、  
その姿を道化と重ねて見る魔物達の失笑を呼ぶ。もっとも今の―責められ震える優子には、  
嘲笑う唇の群れに気付けるだけの心の余裕さえありはしないのだが。  
 
(あああっ…あ、ヴァリア様…!!れ、麗子…っ!!)  
どこかに連れ去られていくような衝動があまりにも怖くて、恥ずかしくて―  
何も叶うはずはないのに、女神に―そして今は亡き友に助けを乞う。―その刹那。  
 
「あっ…ああああああああっっー!!」  
祈りも脆く、優子の精神は白に弾けた。そしてそれと同時に、今までの凌辱の宴の中でも  
もっとも大きく、はしたなく、そして淫らな絶叫が響き渡っていく。  
 
それは少女の肉体が、さんざんじらされ続け、迷い続けた果てに辿り着けた答え―決着。  
まぎれもない快楽の絶頂、女の性が最高の瞬間へ到達した証だった。  
 
魔物達に囲まれているのも忘れて―そして今なお魔物と繋がっているという現実も忘れて、  
初めての歓喜へと至ってしまった優子は、その淫らな余韻に震えていた。  
「はぁ…はぁっ、…はぁあ…」  
責めに屈した肉体は一度の絶頂ですでに疲れ切り、涙すら滲ませた哀れな少女は  
床に頬をつけたままで荒い呼吸を繰り返している。  
 
―ヴァリスの戦士を苛む凌辱劇は、まだ幕を開けたばかりなのに。  
 
ましてや―まだ優子を貫く一人目の魔物さえ、射精―つまりは満足へと達してはいないのだ。  
「何勝手にイッて休んでやがる、俺はまだまだなんだぜ!」  
優子は、背後に回られていた―そして、貫かれていた―魔物に腕を強引につかまれ、  
その上体を引き起こされた。その勢いで、美しい両の乳房がプルンと揺れる。  
「あっ!…あああっ!!」  
そしてまた―少女にとって毒々しい淫夢のような抽出運動が再開されていく。  
 
突かれた瞬間に優子の性粘膜は反応を示し、侵入者を締めつけていた。  
もう絶頂に辿り着いたのに―そしてまだその残り香に体は侵食されたままなのに、  
身勝手にも今以上の深い快楽を求めて、少女の肉ヒダはひたすらにうねり続ける。  
 
「ひ・ふぁっ、ふわぁぁっ…!!うぁあっ!!」  
ガンガンと乱暴に子宮へと悦びを押し付けて来る、そして頂点に押し上げようとして来る  
ペニスに対し、優子は憎しみさえ覚えてしまいそうになる。同時に―そんな憎しみの対象で  
思うまま操られてしまう自分に対しては、それ以上の憎しみを覚えていた。  
 
一方、必死に二度目の歓喜へ向かうのを堪える優子の尻を叩きつけるように動く  
魔物の腰の動きは、次第にその速度を早めていた。―魔物もまた達しようとする所なのだ。  
 
「さて、どこに出しちまおうか?やっぱりマ○コの中が一番だろうなァ!?」  
絶妙の感触―男を煽り悦ばせる肉の双璧から、わざわざ逃れ出てやるつもりなど  
魔物にはなかった。このまま一気に少女の胎内へと放出する事を目指し、腰を振り続ける。  
「ダメッ、ダメよ…中は、ダメ…ッ!!」  
優子は、切れ切れになりそうな声を懸命に繋げて訴えようとする。  
 
いかに疎いとは言え優子も性について、学生として学んだ最低限の知識は持ち合わせていた。  
女が男に膣内での射精を許す、それが即ち新しい命を宿してしまう可能性である事は  
―魔物と人間でそれが叶うかはともかく―知っていたし、例え知らなくとも自分の中を、  
愛していない(まして人外の者)相手の精で満たされてしまう事は、もっとも避けたい事だった。  
 
だが―魔物のセックスとは、ただひたすらに性的な、攻撃的な欲求を満たす事にある。  
蹂躙する女がいかに拒もうと、泣き叫ぼうと―何一つ気にかけようとはしないのだ。  
 
「よし決まりだ、このまま膣内に出してやる!」  
 
「そ…そん…なぁっ…!」  
優子の声は絶望に染まる。なのに―男を受け入れる秘唇は、その言葉に満足したかのように  
キュン…と肉の凶器を抱擁してしまった。そしてこの反応を、責め貫く魔物は見落とさない。  
「ケッ!嫌がった割には、ただでさえたまんねェマ○コの締めつけがもっと良くなったぜ!?」  
「うっ、嘘…!嘘よぉっ…!!」  
自分自身でも朧に気付けてしまっていたからこそ、なおの事、必死に優子は否定しようとする。  
だがそうする姿はかえって肯定を示しているも同然であり、魔物達の嘲笑を呼ぶだけだった。  
 
「うるせェ!てめェが嫌がる事をしてやるのがてめェのためなんだよ、俺はもうわかったんたぜ、  
嫌がる事をされて悦ぶのが貴様の正体なんだろうがよォ!?」  
「っ…!!」  
そう、その言葉は真実を射ている―射ているからこそ、優子の心を激しく揺さぶり、打ちすえる。  
 
「ったく、ピーピーうるせェブタめ!!上の口が寂しいならチ○ポくらっとけ!!」  
「んぐぅっっ」  
泣きわめく声を封じるため―というよりもただ性器を貫く順番を待ちきれなかった一人が、  
唐突に肉奴隷の口腔を巨大なペニスで制した。優子は小さな唇を無理やりに割られてしまい、  
その端からよだれをボロボロとこぼしてしまう。  
「うっうう…ん!」  
すえたような味と臭いが口腔と鼻腔に染み渡る、それを―吐きそうになるのを必死に堪える。  
 
「へ…へへ、上の口もさすがにいい感じだぜ。温かくってヌルヌルしててよォ」  
優子の上の唇へ割り入った魔物はそう言うと、己の腰を動かしながらその感触を楽しみ始めた。  
自らの怒張を、生贄のぬめった舌の上に滑らせ―ノドの奥へと押しつけようとする。  
「んぷっ、んぷぅうっ…」  
哀れな少女は新たに強いられる息苦しさに悶えてしまう。その一方、下の唇を奪う魔物は一心不乱、  
獣のように女の膣内へ精を吐き出す事を目指して腰を振り続けている。  
 
「んぐっ、んぐくぅっ…ううっ!」  
前後から上下の唇を貫かれてうめく、優子の姿は―まるで地獄の責め苦を受けているかのよう。  
鬼どもに四方を囲まれ代わる代わる針の棒を打ち据えられる、惨めな罪人のよう。  
 
その罪状は、「正義」―。彼女は正義の戦士であった事を邪悪の法に咎められて、  
今ついに無力な少女として―死よりも堪え難い、炎の如き背徳に服しているのだ。  
 
「んく…ぅんっっ、んっ、んくぅっ…」  
上下の唇を同時に犯されるという心無き凌辱に打ちのめされ、荒波に呑まれる小船のように  
乱れたままの優子の心は、ここに来て―またしても「光」を見つけようとしていた。  
悔しさ、恥ずかしさ、苦しさ―己を苛んでくる感情をただただ赦してくれる、甘い甘い光を。  
 
それはもう知っている光。心ならずとも―思い知らされてしまった光。  
雄を受け入れ、それに屈する事で味わえるメスの幸福。―「絶頂」という、堕落の光。  
(イヤッ…もぅ、もう…イヤッ…ァ…!!)  
未だ心失くせぬ少女にとっては、もう辿り着きたくない境地。悲劇にも似たカタルシス。  
しかし―もうその光の誘いから逃れられないという事も、少女はハッキリと感じ取れていた。  
 
「出すぞ、出すぞっ…このエロマ○コになァ!!」  
「俺も出すからな…ぶっかけてやる…!!」  
這いつくばる優子を前後から犯す鬼どもの咆哮は、明らかに乙女にとっての屈辱を―  
最悪の悲劇を予告している。だけど―もう、色に震える彼女の耳には届かない。  
(私…私っ、もう…もう…ダメ…ェッ…!!)  
優子の全てが再び絶望と歓喜にとらわれて、弾ける―まさにその寸前だった。  
 
後ろから突き続けていた魔物の腰が、少女の尻と密着する。そうして雄とメスが最も深く繋がった、  
刹那―妖しくうねる肉ヒダにとらえられていた男根は強く脈打ち、爆ぜた。  
 
「!!」  
艶めく火花に逃避しようとしていた優子の心を、内から伝えられる感覚がふいに引き戻す。  
「!?んっ、んぅうっ…!…!!」  
言葉をペニスに封じられたままの少女の胎内に放たれ出したのは、熱い奔流―精液。  
蜜に濡れる純真な女唇の奥深く―子宮を目指して、穢れの白濁がほとばしっていく。  
 
(イッ…イヤッ…!中に…なんてっ…!!)  
自分の一番奥底の場所に、熱くて力強い雄の精液がたっぷりと飛び込んで弾けてきた。  
もっとも避けたかったおぞましき結末に、優子はそのつぶらな瞳を見開き、慄く。  
それなのに―少女の肉体は、膣内で欲望を受け止めて本懐を遂げたとでも言わんばかりに  
一瞬芯からピンと強ばり、そして震えを帯びた。  
 
先程は心の受けた衝撃に立ち止まってしまったけれど―子宮口に精液を叩きつけられた感覚で、  
被虐の才能の開花した少女の肉体は再び「きっかけ」を得て、性の歓喜を得る事が叶ったのだ。  
「ん・んぅうっ…」  
口淫の責め解かれぬ優子のうめき。だがそれは、彼女自身さえ自覚できてない安堵を―  
再び女としての悦びを味わい尽くせたという、本能からの安堵を裏側に偲ばせていた。  
 
「グゥオッ…オ…たまんねェ…」  
少女の尻に爪を立て深く繋がったままの魔物の咆哮は、ひたすらに自己の満足を意味するもの。  
密やかに優子が絶頂に達している事など、ただ射精を目指して腰を振り続けていただけの  
雄には気付けるはずもない。ヴァリスの戦士の胎内に精を放つ征服感と、柔らかく締めつけてくる―  
精を搾り取ろうとしてくる肉弁の快感に酔う事で、既に思考が満たされてしまっていたのだから。  
 
地にひれ伏し余韻にひたる少女の子宮に、人外なる者の男根はドクドクと大量の毒を吐き出し続ける。  
逃れる術もなす術もない肉の贄は―イマラチオを今だ強制されたまま―目の焦点さえ危うい面持ちで  
ただそれを受け止めるだけ。もっとも受け止めるだけとは言っても―肝心の肉壁は心さえ裏切り、  
精液を貪欲に飲み込もうとして、卑猥な蠢きをもって収縮し続けているのだが。  
 
「たまんなかったぜ…優子よ、てめェのオマ○コは間違いなく、最高だ…」  
思う事なく優子の肉壷に精を放った魔物は、ようやく腰を引いて退ろうとする。  
名残惜しそうに―離れたくなさそうになお縋ってくる柔肉を、必死に振り切って男根を引き抜いた。  
「んぅっ……」  
貫かれるのは無論、引き抜かれる際でも、少女の過敏にすぎる性感覚は悦びを知ってしまう。  
優子は口に怒張で栓をされながらも悶えて、そして―支えと力をともに失い震える尻を崩した。  
 
多量のあまり受け止めても飲み込みきれなかった分の白濁を、優子の秘唇は慎ましげにこぼしている。  
そんな中、彼女の口―そしてノドを犯し続けていた魔物も、ついに射精に至る所へと達していく。  
「ヴァリスの戦士様の、その上品ぶったお顔にぶっかけてやらァ!」  
そう宣言した魔物は己自身を優子の口から引き抜くと、その先端を彼女の方へと再び構える。  
「あぅ」  
口腔の奥の奥までの凌辱からようやく解放され、少しだけ楽になれた優子の唇から吐息がこぼれる。  
が、すぐさま前髪をつかまれてしまい、涙とよだれに塗れたその顔を向けさせられた。  
―ペニスへと。  
 
「…あぁっ…!や、めてっ…!!」  
優子のまさに眼前でペニスが待ち構えている。それによる相手の意図が何にあるのかというのを  
幸か不幸か、彼女の聡さは気付いてしまう事となった。  
 
―今度は顔で、受け止めさせられてしまう―。  
 
「イヤァッ、イヤァ…!!」  
思わず顔を背けようとしたが、魔物の腕が頭を押さえ付けてきてほとんど叶わない。  
「ようし、ぶっかけるぞ…優子!」  
迫り来る辱めにどうする事もできず、ヴァリスの戦士は泣き腫らした両の瞳をただ閉ざす。  
―目を閉じた事、それはせめてもの幸いと呼べるだろうか。  
 
魔物はニ、三度と己の手でペニスをしごき上げた後―勢い良く満足の証を放出する。  
 
「あうっっ」  
最初に優子が熱を感じた―精液を受け止めさせられた場所は、右目を覆っているまぶたの上。  
もし一瞬でも遅れれば、間違いなくその瞳の奥さえもが精液に浸る事となっていただろう。  
精が目に染み入ってくる痛みに苛まれずに済んだ分だけ、確かに幸いと言えるのかもしれない。  
ビュック、ビュクッ…  
まぶた、そして長い睫毛を、汚らしい精液の線が蹂躙していく。そしてその軌跡は次第に矛先を変え、  
薄い頬へと向かっていく。放たれる精の勢いにさえ負けてしまいそうな程の―柔らかな頬へと。  
 
「ああっ…!ダメッ…」  
恥辱を堪えきれず、優子の閉ざされた―精液に覆われた瞳から、新たな涙が滲んでいく。  
だけども許されている事は、ただそれだけ。―顔への射精が早く終わる事を、ただ祈る事だけ。  
そしてそんな彼女の表情―精液に彩られて泣く彼女の表情は、男の嗜虐心をより煽ってしまう。  
 
「クックック、そんな顔するなよマ○コ戦士…あァ、たまんねーなァ」  
美しき少女の無垢な顔立ちを、醜悪な汚物で遠慮なく辱める―それは男の本懐とも言える行為。  
その行為に脳髄までも酔った魔物の精も、ようやくひとまずの途切れを見せようとしていた。  
 
「ぶっかけられてすげェエロ顔になっちまったなァ、ヴァリスの戦士様よ…」  
這いつくばる優子の顔に向かって精を吐き遂げた魔物は、己の先端に残った残滓までをも  
彼女の桃色の唇に思う存分擦り付けていく。  
 
―凄惨。今しがた汚液の化粧を施されたヴァリスの戦士の顔は、まさにそう呼ぶ他にない。  
 
延々とほとばしった末に異臭を放つ精は、どっぷりと―彼女の右眼の視界まで奪うようにして―  
美顔の全体に遠慮なくまたがっている。しかもその量も秘裂に射精した魔物のそれと同様に、  
人間の何倍にも及ぶ尋常ならざるもの。となれば当然、被害は顔面だけにとどまってはいない。  
濁液を吸って濡れた髪までもが額や頬にベットリと、撫でつけられたように貼りついていた。  
 
「あ…あう…」  
顔面を乗っ取るスペルマがゆるゆる肌を撫でながら、首筋―鎖骨の辺りへと伝っていく感触が  
まるでなおも愛撫の責めを加えられているようにも思えて、優子は精液まみれの唇を微かに震わせる。  
先程までペニスをもてなしていた―瑞々しさで雄を酔わせた、上下の唇を。  
 
「ヘッ、あのアマぶっかけられて感じてるのか?世話ねーな…」  
少女の吐息の悩ましさを目ざとく嗅ぎつけて、取り囲む円(魔物の群)の内から声が上がる。  
(…え…?そ、そんな…私…っ…)  
呆然としていた所に不意にはしたなさを指摘されて、優子は白濁に覆われた頬を熱くしてしまう。  
だけども―もう、否定の言葉を叫ぶ余力さえなかった。  
 
「さて…次は誰の番だァ!?こいつに顔射するのはたまんねェぞ」  
「しかもマ○コ具合も最高と来てやがる、これならきっとケツの穴も期待大だぜェ」  
真っ先に優子を犯して、彼女のその顔と膣内に射精を果たした後に退がった二つの声が、  
観客―正確には順番待ちだが―の他の魔物達をけしかける。  
 
「もう…もう我慢なんてしねえっ。あの女が壊れようと知った事か」  
「5人くらい一気に相手させちまえばいいんだ!行くぞ!」  
ここまでの凌辱ですでににケダモノ達の興奮は限界に達していた。優子の肉体が、優子の反応が―  
あられもない優子の痴態の全てが、ここにいる雄達の本能をことごとく煽り立ててしまうのだ。  
 
―犯してやる。射精してやる。ぶっかけてやる。死ぬまで精液の臭いが取れない女にしてやる。  
凶暴な欲望をそそり立つペニスに漲らせながら、今度は4、5匹の魔物達が優子に歩み寄った。  
 
「ホラ、いつまでも寝そべってるんじゃねーよ!」  
「…あ・う…」  
精液にまみれてうずくまる少女の体を、両脇から2匹の魔物が抱えて起こそうとする―が、  
もう肝心の彼女には力が残っていない。  
「あっ…」  
優子は立った側からくず折れて膝をつき、上体まで倒れ込む寸前で両手をつくのが精一杯。  
片腕を魔物につかまれる事で、何とかまた地を這う事は免れているという様子だった。  
 
「…はぁ…はぁ……はあ…っ」  
とはいえ―膝で立つ格好となっているものの、今の優子は魔物の誰にも責められてる訳ではない。  
絶え間なかった快楽が僅かに途切れた事で、ようやく感じられる休息の欠片。  
「…はぁ……はぁ…」  
肩を上下させながら、自らの顔に貼りついた精の臭いの絡む空気を深く吸い込み続ける内に―  
酔いしれて狂いかけていた心の温度が、少しずつだけど平常に向かって下がり始めていた。  
 
(私…私…どうして…)  
いっそもう、狂える事ができれば楽に違いなかったのに―そうなれなかった少女の心は  
今までさんざ浴びせかけられた凌辱を回顧してしまい、引き裂かれるような思いにかられる。  
 
幾多の腕と舌に辱められ、純潔を散らされたのに―心はまだしも、この肉体は抗わなかった。  
あまつさえあっけなく感じて、最後には恥知らずにも悦びを知って身悶えた―。  
その事実を振り返ると、後悔と嫌悪感、そしてやるせなさが膨れ上がって、吐き気すら覚える。  
「…もう…イヤ…ァッ…」  
顔と自身の奥にたっぷり広がる、熱い粘液のあまりの気持ち悪さが、その嘔吐感を煽る。  
待ち構えている未来―予定調和の内にある地獄が、心の気圧を下げる。  
 
「じゃあ次も俺のチンポを口でしゃぶってもらうとするかな」  
「オイ…今度は手コキもやってみろよ」  
「そろそろアナルにも挑戦してみっかな…ケヒヒッ」  
「…あ…っ…。…やめ…て…」  
魔物達は相変わらずの醜悪な笑顔とペニスを自分に向けている。また自分を傷つけようとしている。  
―また自分を狂わせようとしている。覚悟を決めたはずの少女の思いが―勇気が、打ち崩されていく。  
 
「イヤッ、もう…もう、来ないで…!…許して……!!」  
魔物の手にアゴをつかまれて男根を唇に擦り付けられそうになると、優子はまるで子供のように  
いやいやをしながら哀訴した。涙をポロポロこぼし、魔物から―ペニスから少しでも離れようとする。  
「このガキが…まだ素直にならない気か!?おい、さっさと咥えろよ!」  
「…イヤアッ…!!」  
灼けるような胸の奥から声を振り絞り、いかに顔中に熱を―カウパー腺液さえ押し付けられようと、  
決して口の中に受け入れようとはしない。  
 
―もう、堪えられない―。  
何もかもが真っ白になって、ただ迫ってくるものから逃げ出したくて、優子は強く顔をそむける。  
 
「チッ、面倒な女だぜ…」  
フェラチオを拒否された魔物が優子を見ながら舌打ちをする。「ヴァリアがどうなってもいいのか」  
―そう言おうとした瞬間だった。  
 
「もう誓いを果たすつもりはないのだな!?優子よ!!」  
 
突然の怒号。それは唯一凌辱劇に加わる事無く、王座から見下ろしていたメガスのものだった。  
「…うっ…うぅっ…」  
泣きじゃくる優子はそれに答えない―いや、答えられない。たった一言の肯定も否定もなく、  
うつむいたままで途切れ途切れの嗚咽を続けるだけ。  
 
そんな彼女に失望したような目を向けながら、魔物の王は己の指を閃かせる。  
その指先に収束した魔力を、石の畳に捨てられていた優子の装備―ヴァリスソードへと向ける。  
「な、何をなさるのです!?メガス様!?」  
メガスの魔力―念動力によって地を離れ、浮かび上がった剣。それが何の意図によるものなのか、  
他の魔物達は誰一人理解できなかった。困惑する彼らを無視して、浮遊する剣はゆっくりと移動する。  
 
そして、その剣は―今は魔物に左右を挟まれ座り込む、本来の持ち主の少女の目前の床に突き刺さった。  
「…!?」  
要請された通りに捨てたヴァリスソードが、再び少し手を伸ばすだけでつかめる場所へと戻ってきた。  
このメガスの所業が何の為なのかなどわかる訳もなく、少女は力なく王座を見上げる。  
魔物の群の視線の行方も同様であった。―注目を浴びる、そこから放たれた言葉とは。  
 
「貴様がこれ以上その者達の慰み者とされるのが堪えられないというならば、その剣を取れ!!」  
「!!」  
視線の先から鳴り響いたその意外な言葉に対し、優子も魔物達も一斉に驚きの声を上げた。  
「この女に再び剣を与えるという事など…メガス様…」  
魔物―配下達の動揺を気に止める事もなく、メガスの眼光はただ一点、優子のみを向き続ける。  
 
「この俺を裏切ってみせるのならば、その剣を取って思うままに振る舞うがいい」  
「メ、メガス…何を…?」  
地を貫いたまま、まるで主の手に戻る事を待ちわびるのように清澄な光を放つヴァリスの剣。  
それと頭上のメガスを交互に見やりながら、優子は思ったままの疑問を口にする。  
 
―対する王の言葉は、決して彼女にとってのほのかな期待を裏切るものとも言えなかった。  
「その剣で自害するのも良かろう、悪あがきとして俺の命を狙って飛び込んでくるのも良かろう。  
どちらにしても結果は死以外にないが…それで貴様が満足するというのならそうさせてやる。  
戦士の誇りというものに酔って死にたいのならな」  
 
「な…!!メガス様…!?」  
ヴァリスの戦士を取り囲んでいた魔物の軍団が、一斉に巻き起こす懐疑のざわめき。  
たった一人の美しき少女を存分に嬲り犯すという勝利の宴を中断されただけならばまだしも、  
何故その獲物(優子)に再び戦いの術さえ与えようとするのか?その利は一体存在するのか?  
狂気の王に面と向かって問い質す者こそいないものの、それでも彼らは怪訝な表情を隠さない。  
 
「……」  
一方、その言葉を虚ろであれ確かに聞いていた優子は―唇の奥の唾を軽く飲み込む。  
そして、自らの死を選ぶためか、勝算なき最期の闘いに挑むためか?どちらのためなのかは  
誰にも―おそらく彼女自身にもわかるまいが、ゆっくりと剣の柄を求めて腕を伸ばしていった。  
 
―これ以上、こんな生き地獄になど堪えられない―。そんな思いに、ただ突き動かされて。  
 
だが―次に付け加えられてきた言葉を聞いた瞬間、その細腕は怯えたかのように静止する。  
「ほう、さっそく剣を取るつもりか?確かにそうしようと寂しい事などはあるまい。  
…この俺がちゃんと、三途の川の向こうにヴァリアを先回りさせておいてやる」  
あと僅かで柄を握り締める事ができる―その寸前で手を止めた少女の表情が、サッと蒼白した。  
 
「ヴァリスの戦士の黄泉路は、女神ヴァリアの血と肉で飾ってやろう…!!」  
「!!」  
ハッとして見上げる優子が捉えたメガスの表情、それは―優子がいつか見た悪夢と同じもの。  
見る者の心臓を絞り上げて、ひねり潰そうとしてくるような―幽鬼の如き冷たい微笑。  
 
―例え一瞬であろうとも、誓いを反故とするのならばヴァリアは殺す―。そう、告げていた。  
 
「そ、そんな…」  
伝えられた残酷な意思は、逃避に憧れを募らせた少女の意志を瞬く間に凍てつかせる。  
「貴様が誓いを破るのならばそれは当然の事。俺がヴァリアを未だ殺さないままでいるのは、  
貴様がその身を俺達に捧げる事を誓ったからに他ならぬ。一度捧げたはずのものを身勝手にも  
取り戻したいというならば、俺もまた予定通りにするだけだ」  
 
メガスの言っている事に偽りはない―と言う事などは、優子は容易に察する事ができる。  
―おそらく、いや間違いなく、ヴァリスソードに触れた瞬間にヴァリアの命は奪われるだろう―。  
 
それをはっきりと悟った上で、なおも剣を求める事など、彼女には到底できるはずがなかった。  
「…………」  
結局は―何もかも、ただメガスの掌(たなごころ)で転がされていただけに過ぎなかったのだ。  
残忍王にとって状況がどう動こうと構う事はない、ただ逆らおうとする者―優子の心に  
僅かばかりの希望(その希望さえも「死」である)を抱かせ、残酷にいたぶる為だけだったのだ。  
 
垣間見えてたはずの光が、「死」という名の救済の扉が、目の前で暗転し消えていくような気がして  
―少女の全身からは、抗いのための最後の力さえもが消えていく。  
 
「どうした―さあ、ヴァリスソードを取ってここまで来てみるがいい、優子よ!」  
心の逃げ道までをも無くしてガクリとうなだれる優子に向かって、メガスは悠々と挑発してみせる。  
―しかしそうされようとも、もう彼女には剣を取る意志など全くなかった。代わりに、  
まるで自らが過っていたとでも認めるかのように、弱々しく首を横に振ってしまうだけ。  
 
「…フン、それは何だ?では聞こう、貴様はまた俺に従いたい―とでも言いたいのか?」  
そう問われると、全裸で震える美しい少女は、ためらいの末に小さくうなずいてみせた。  
本当に微かな動き―ほとんど瞳を伏せたのと変わらないような仕草だったけれども、  
それが今の彼女に在る精一杯の―ヴァリアの為に取り戻さざるを得なかった―勇気だった。  
 
だが―その勇気さえも、今は魔王に踏みにじられ弄ばれるだけの格好の玩具にすぎない。  
 
メガスは優子の前方―ヴァリスソードのほぼ真横の位置に立っていた一匹の魔物を指差した。  
「そうか…ではソードではなく、その隣りにでもいる俺の配下のペニスを握りしめるがいい」  
「え!?」  
そっけなく言い放たれたのは、逆らう術を捨てた健気な少女を髄まで貶める邪悪な命令―。  
囃したてる魔物達の中、あまりに予想外―乙女として恥じらうばかりの要請に頬を赤らめた  
優子が声を上げる。が、この状況において、それは何の意味も効力も持たない。  
 
「言葉などいらぬ―ただ貴様は黙って意志を示せばいいのだ。貴様の目の前にいる魔物のペニス、  
またはヴァリスの剣を取る事でな。―ともに貴様を待ちわびている事には変わらぬぞ」  
魔物の軍団からは歓声が昇り、続けざま優子に向かい罵声に似た―もとい同質のコールが巻き起こる。  
「オラ!何やってんだ…チンポ握れ!握るんだよ!!」  
「握れ!その可愛いお手々でつかんでやるんだ!」  
「それとも剣を握るのかァ!?正義の戦士は、ヴァリア様を見捨てるつもりかよ!?」  
 
もう優子が剣を握る事などないと確信しきったからか、魔物達の増長は加速していくばかり。  
王に指名された幸運な魔物も唇の端をつらせながら、逡巡を続ける優子のさまを眺めている。  
 
神々しい輝きを見せるヴァリスソードと、その隣りにあって暗い紫色をした怪奇な男根。  
一方は地を貫き、また一方は天を向きそそり立つ―神聖と下劣をともに極める対照的な二つを、  
憂いの優子は憔悴のまなざしで見つめていた。白濁まみれの頬をまた、熱くしながら―。  
 
「ヴァリスソードを取り、戦士としての死を―ヴァリアを巻き込んでの全滅を選ぶか、  
それともその者達のペニスを取り、貴様一人が犠牲となる永久の凌辱の主役となるか―  
正真正銘、最後の選択をさせてやる。貴様の行く道が戦士か―肉奴隷か、決めろ!!」  
 
「好きにするがいい―ここまでは俺に従ってきた褒美として、どちらであろうと叶えてやる!」  
―戦士として気高き死か、汚辱にまみれた生か。これがもしも自分自身の事だけで済むのなら、  
無論優子は前者を誇りとともに選んでいた。しかし今は―ここで示す最後の意志が、  
ヴァリアの生の明暗をも分けてしまうという非情な現実があるのだ。  
 
そうである以上は―やはりどうあっても選択肢などは無い。―いや、最初から無かったのだ。  
全てが決まっていた事。―最初にヴァリスソードを捨てた瞬間に、終わっていた事なのだ。  
(…そうよ、優子…。もう…諦めるしかないのよ…)  
いくらかの宛てなき迷いの時を経て、ついにヴァリスの戦士の意は決してしまう。  
―正確には逃避への憧れを、未練を、ようやく完全に断ち切ったと言うべきなのだろうか。  
 
静かに伸びていく右腕。その細くたおやかな指先が選んだもの。握りしめたもの。  
―それは、脈打つ雄の肉茎。  
 

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