奇妙にねじくれた植物が繁茂する、陰鬱なヴェカンティの森の奥深く。  
五体の自由を奪い、性欲を増進させる魔性の薬物によって理性を狂わされ、  
麗子の前で痴態を繰り広げる、ヴァリスの戦士・優子。  
自らの野心の実現のため、優子を欲する麗子は、彼女に対する心理的な布石を着々と広げていく・・・・。  
 
「・・・・ん・・・・ふっ・・・・んうぅぅっ・・・・」  
 
汗に濡れて艶やかな光沢を帯びた長い髪が、大きく揺れる。  
頭を左右に転がし、麗子の唇から逃れようともがく優子。  
片手で、その青い髪を優しく撫で下ろしながら、執拗に舌を絡め、唾液を流し込んでいく麗子。  
優子の、大きく見開かれていたつぶらな瞳が、徐々に徐々に、薄目がちになっていく。  
 
(そうよ、優子・・・・私を受け入れて。  
そして、私を、理解したつもりになって頂戴・・・・フフッ)  
 
長く濃密な口付けを終えると、麗子は、呼吸を整えるのももどかしげに、  
優子の桜色をした乳首を口に含み、先端の浅い刻み目を舌先で刺激し始める。  
 
「・・・・あぁっ・・・・ふぁっ・・・・やン・・・・」  
 
文字通り息をつく暇も無く、新たな責めにさらされる優子。  
せつない喘ぎ声が、断続的に口をついて漏れ出し、  
きめの細かい、つやのある柔肌をべっとりと濡らした汗が、妖しく輝く。  
淡くピンク色に色づきつつある優子の身体に覆い被さり、口唇愛撫を続ける麗子。  
鑿で刻んだような乳頭の切れ込みを舌先でチロチロとくすぐりながら、軽く歯を立てる動作を繰り返す。  
 
「・・・・ううっ・・・・れ、麗子・・・・もう・・・・やめて・・・・っ・・・・  
こんなことして・・・・んふっ・・・・一体何になるの・・・・くっ・・・・うううっ・・・・」  
 
発熱したときのように目を潤ませながら、精一杯の抵抗の言葉を口にする優子。  
無論、自分のその思考が、麗子によって巧みに誘導されつつあることなど、想像だにしていない。  
 
(・・・・そう、優子、それで良いわ。  
私は、ログレスに操られ、ヴェカンティの戦士に仕立て上げられた哀れな級友。  
絶望ゆえに自暴自棄に陥っている・・・・それで良いのよ、貴方の目に映る私の姿は・・・・)  
 
優子の言葉など耳に入らない風を装いながら、本格的に乳首にしゃぶりつく麗子。  
ツン、と尖りかけた乳首にねっとりと舌を絡め、転がすように舐め回す。  
もう片方の乳首は、人差し指と親指で摘み上げ、硬くなりかけの触感を楽しみつつ、しごき上げていく。  
 
「・・・・んんっ・・・・麗子・・・・お願い・・・・話を聞いて・・・・!  
・・・・ん・・・・はぁっ・・・・あなたは・・・・くぅっ・・・・ログレスに・・・・うぅっ・・・・騙されているのよ!」  
 
熱い吐息を漏らし、額に大粒の汗を浮かべながら、懸命に麗子への訴えかけを続ける優子。  
頃合いを見計らって、麗子は、根負けしたかのように顔を上げ、優子と視線を交わす。  
 
「・・・・違うわ、優子。ログレスは嘘なんて言っていない・・・・嘘を言う必要なんて何処にも無いんですもの」  
 
渋面を作り、苦々しげな口調で吐き捨てるように言う麗子。  
 
その一方で、両手を優子の胸元へ伸ばし、形の良い乳房を手のひらにおさめると、  
巧みな指遣いで、適度なヴォリュームの乳房を、むにむにと揉みしだきつつ、  
性感帯の走っているピンク色の乳輪の部分に、指の腹で刺激を与える。  
 
「んっ・・・・ふぁぁっっ!・・・・ど、どういうこと・・・・くふぁぁぁっ!」  
 
幼児がむずかるような声を上げながら、快楽に押し流されそうになるのを必死に堪える優子。  
麗子は、口の中で笑いを噛み殺しながら、両手を動かし続ける。  
 
「・・・・貴方もログレスに会ったのなら分かる筈よ。  
ログレスにとっては、私も貴方も、嘘をついてまで何かをさせる必要があるような重要な存在では全然無いということが」  
 
ぷっくり身を持ち上げた乳首の根元を、二本の指で挟み、爪の先で軽く引っ掻く麗子。  
硬くしこった乳首に触れられるたび、くぐもった声を漏らして背中を震わせる優子。  
脂汗にまみれた身体から、がくがくと力が抜けていくのを止める事が出来ず、  
しきりにかぶりを振ることで、何とか自我を保とうとする。  
 
「・・・・んんっ・・・・うっ・・・・そ、それは違うわ・・・・んぐっ・・・・くっ・・・・ああっ・・・・」  
 
だが、麗子が、手のひらを突き上げてくる、極限まで尖りきった乳首を捉まえて、  
力を込めて引っ張りながら、捻り上げるに及んで、優子も堪え切れずに甲高い嬌声をほとばしらせる。  
 
「・・・・もう一度言うわ。  
もう元の世界には戻れないし、仮に戻れたとしても、私達は最初から世界には存在していなかったことになっている。  
・・・・夢幻界の戦士に選ばれるとは、つまり、そういうことよ」  
 
諦念をにじませた麗子の呟きに対して、激しくかぶりを振ることで応える優子。  
 
「・・・・ああっ・・・・だ、だからって・・・・諦めたら・・・・ひぅっ・・・・そこで終わりだわ!  
・・・・くぅぅっ・・・・何か、方法がある・・・・んっ・・・・はずよ・・・・あぁぁぁっ!!」  
 
次々に押し寄せる快楽の波状攻撃に、次第次第に追い詰められながらなお、  
自分への説得を止めようとしない優子に、麗子は、内心、苦笑を禁じえない。  
 
(上出来よ、優子。・・・・でも、今夜は、この辺りまでで良いわ。  
・・・・むろん、「方法」は存在するわよ。  
そのために、こうして、骨を折っているんですからね)  
 
優子の乳房を両手で包み込み、力を加えつつ下から持ち上げるように揉み込んでいく麗子。  
掌から少しはみ出るくらいの大きさの、豊かな弾力のある乳房がリズミカルに動作するにつれ、  
優子の上半身がぷるぷると小刻みに震え始め、ゆっくりと弓なりに反り返っていく。  
 
「・・・・何を偉そうに・・・・今の貴方に、何が出来るって言うのよ!」  
 
不快そうに言い放つ麗子。  
その直後、もはや何も話す気はないことを示すかの如く、乳首への口唇愛撫を再開する。  
柔らかい唇の粘膜と少しざらざらした舌の表面とを巧みに使い分け、  
時々軽く歯を立てて甘噛みしながら、強弱を織り交ぜて官能を燃え立たせていく。  
快感が高まるにつれ、優子の背中に、ビクッビクッ、と不規則な痙攣が現れ、  
そのたびに、喉の奥から甘やかな喘ぎ声が押し出されてくる。  
 
「・・・・あ・・・・あはッ・・・・いや・・・・麗子・・・・お願い・・・・話を・・・・ううっ・・・・」  
 
乳房全体をべとべとになるまで丹念に舐め回した麗子の舌が、優子の腹部に滑り降りる。  
臍の穴を奥までしゃぶり、窪みに溜まった汗を嘗めすすると、  
紅い宝玉をあしらった金無垢のベルトの裏で、柔らかい下腹部がぴくぴくと震えるのが感じられた。  
余程恥ずかしいのか、優子の声もひときわ高くなる。  
 
麗子は身体を起こすと、器用に体位をずらし、優子の背後に移動する。  
長い髪を濡らした汗の匂いを嗅ぎながら、  
白い首筋の下でヒクヒクと脈打つ血管に沿って、すすぅー、と唇を滑らせる。  
微細な刺激に、悩ましげな喘ぎが口をついて出てくるのを止められない優子。  
麗子は、さらに、目の前の形の良い耳たぶに口を寄せ、清潔そうな耳孔に向かって、ふうっと息を吹き込む。  
 
「・・・・ひっ・・・・ああぅっ!・・・・んん・・・・ふぁぁぁっ!」  
 
性感帯を嬲られ、純白のスカートの下で、尻たぶをもじもじさせる優子。  
麗子は、腋の下から両腕を回し、背中から覆い被さるように肌を合わせると、  
優子の胸の白いふくらみに手をやり、さわさわと動かす。  
 
「・・・・や・・・・やめて・・・・やめて・・・・も、もう・・・・」  
 
はぁはぁ、と熱い息を吐き出し、喜悦に身体をくねらせながら、途切れがちに精一杯の抗いを口にする優子。  
時折、ほとんど本能的に麗子への説得の続きを口にしようとするものの、  
次々に押し寄せる快楽の大波がそれを許す筈も無い。  
麗子は、薄笑いを浮かべつつ、乳首をとらえた指先に力を入れ、きゅっきゅっと締め付ける。  
 
「・・・・あぅ・・・・あっぁっ・・・・だめ・・・・あぁぁぁっ!!」  
 
半ば呼吸困難に陥りながら、悲鳴とも嬌声ともつかない喜悦の叫びを上げる優子。  
しなやかな上半身を弓なりに仰け反らせ、頤いを上げて、白い喉元をさらしながら、  
麗子の腕の中で喘ぎ、快感に身をくねらせ続ける。  
容赦ない責めを何度も何度も執拗に浴びせられ、ちぎれんばかりに硬く熱く尖りきった乳首に、  
麗子が、とどめとばかりに、強烈な捻りを加えると、  
極限大の苦痛と快感とが電流の如く背中を突き抜け、目の前の視界一杯に火花が乱れ飛ぶ。  
 
・・・・もはや、絶頂の刻が間近に迫っていることを、優子自身も認めざるを得なかった。  
 
――――そして。  
 
ひときわ甲高い声をほとばしらせながら、優子の肢体がブルッと震える。  
びくびくっ、と全身を大きく痙攣させつつ、崩れるように麗子の腕の中に倒れ込み、  
ぐったりと脱力した身体をあずけて、恍惚の表情でぼんやりと麗子の貌を見上げる優子。  
 
麗子は、にこりともせずにその顔を見下ろしながら、独りごちる。  
 
「・・・・あるいは、とも思ったけれど、やはり、まだまだ不足ね。  
今のままでは、計画の完遂に必要な水準を満たしているとは到底言い難いわ。  
フン、まぁ、いいわ。焦らず、入念に仕上げていきましょう。  
何にせよ、チャンスは一度きりなのだから、完璧の上にも完璧を期さなければ・・・・」  
 
優子の身体の火照りを膝の上に感じつつ、麗子は、凍てつくような眼差しで密生する木々の遥か彼方を睨み据える。  
この場所からでは、未だその姿を視界に収めることはかなわなかったが、  
その視線の先には、ヴェカンタリアの城塞の尖塔が、周囲を圧しつつ聳え立っていた。  
 
――――――――TO BE CONTINUED.  
 

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