明滅する光苔が発する、ぼんやりとした緑色の燐光に照らし出された洞窟の奥。  
肉体と精神の双方に痛手を蒙り、麗子の前にその身を横たえた、ヴァリスの戦士・優子。  
ヒルに似た軟体生物のおぞましい責めに屈し、為す術も無く淫欲の虜となった挙句に、  
潮吹きの痴態を晒してしまった無力な自分を呪い、すすり泣く彼女を見下ろしながら、  
麗子は、詰めの一手を繰り出していく・・・・。  
 
「・・・・あと、少しだけ・・・・?」  
 
力の抜けきった声で、麗子の言葉を反芻する優子。  
 
「・・・・そう、あと、もう少しだけ、我慢なさい」  
 
優子の耳元に口を寄せたまま、低い声で囁く麗子。  
流れ落ちた涎の跡も生々しい優子の口元が、  
それでも一度は、「いや」という形に動こうとしたものの、途中で別の形へと変化する。  
 
「・・・・本当に・・・・本当に・・・・あと、もう少しだけ・・・・なの・・・・?」  
 
反問というより、もはや哀願に近い響きを帯びた優子の言葉。  
対する麗子は、少し傷付いたような表情を作って答えた。  
 
「本当よ。・・・・まぁ、信じられないのも無理は無いでしょうけれども。  
でもね、私は、なるべくならば、五分の状態で、貴方との決着をつけたいのよ  
そのことだけは・・・・信じて欲しいわ」  
 
押し黙る優子の、よどんだ瞳の中で、幾つかの感情が交錯する。  
麗子の双眸は、その様子を、あくまで冷徹に追跡し、分析する。  
ややあって、優子は、ためらいがちに麗子を見上げつつ、呟くように言った。  
 
「・・・・ごめんなさい・・・・麗子・・・・その・・・・疑ったりして・・・・」  
 
――――――――その瞬間、麗子の目に、肉食獣の笑みが浮かんだ。  
 
「・・・・そうね、まずは、身体の向きを変えて頂戴」  
 
言いながら、優子の肌に張り付いた軟体生物の姿に、ちらりと視線を落とす麗子。  
 
「・・・・そう、そのまま、体を伏せて・・・・」  
 
麗子に促されるまま、ゆっくりと身体を反転させる優子。  
胸部と腹部で蠢いていた二匹が、一瞬、驚いたように不定形の体を縮ませたものの、  
すぐ、何事も無かったかのように、乳房と下腹部への愛撫を再開させる。  
原形質細胞の集合体に過ぎない彼らにしてみれば、天地が逆になったところで実害などありはしない。  
 
だが、優子の方は、そういう訳にはいかなかった。  
うつ伏せになったことで、これまで、体の上にいた蟲たちが、体の下に潜り込み、  
その上に自分の体重が乗る形になったのである。  
当然、肌への密着度は、これまでとは比較にならないくらいに増大してしまう。  
 
「・・・・ううっ・・・・くっ・・・・いやぁ・・・・くぅっ・・・・んんっ・・・・」  
 
軟体生物と自分自身から流れ出した体液同士が混じり合うヌルヌル感が、容赦なく柔肌を穢していく。  
思わず、体を持ち上げようとした優子の肩に、麗子の手がそっと置かれた。  
 
「気持ちは分かるけど、治療が済むまでの間は我慢して・・・・お願い」  
 
その一言で、優子の動作は、ぴたりと止まった。  
さすがに顔だけは僅かに浮き上がらせたものの、生理的な嫌悪感に対して懸命な抵抗を展開する。  
内心、その健気さに苦笑しつつ、麗子は、続けて、膝を折り曲げて前屈姿勢をとるよう、指示を出す。  
言われるままに、折り曲げた膝を腹部の下に潜り込ませる優子。  
 
(フフッ・・・・大分、物分りが良くなってきたじゃない)  
 
上体を低くして、腰を持ち上げる格好の優子を見下ろしながら、冷ややかな笑みを浮かべる麗子。  
優子の方は、これから始まる「治療行為」の内容に、漠然と思い当たるものがあったのか、  
落ち着きの無い面持ちで、突き出した腰をもじもじと揺らしていた。  
 
「・・・・始めるわよ」  
 
短く宣言するなり、ヴァリス・スーツのスカートをめくり上げ、臀部を覆う薄いショーツを露わにする麗子。  
先刻の潮吹きの名残りである、生温かい半透明の粘液が、その指先を濡らす。  
濡れそぼって重く感じられる下着のふちに手がかけらられると、  
優子の口から、「ああっ」という小さな喘ぎが洩れ、背中が、びくっ、と痙攣したものの、  
麗子は、一切構わず、冷酷なまでに手際の良い動作で、ショーツをずり下ろしてしまった。  
 
・・・・むっとするような濃密な匂いが、周囲に充満する。  
繊維の間に多量の蜜を含み、さながら一枚の粘膜の如く、蜜壷の出口を封じていた布切れが取り去られたことで、  
せき止められていたドロドロの液体が、糸を引きながら一斉に溢れ出す。  
ネバネバの愛汁が、柔らかい内股から、しなやかな太股へと滴り落ちていく淫靡な感触が、  
優子の中の、忘れかけていた罪深い感覚を呼び起こす。  
 
「・・・・あっ・・・・ああっ・・・・うう・・・・ふぐっ・・・・うぐぅぅ・・・・」  
 
再び、くぐもった喘ぎ声が口をついて漏れ出ていくのを、抑える事が出来ない優子。  
金色の肩当て覆われた細い肩に、びくん、びくん、と不規則な痙攣が現れはじめ、握り締めた掌の内側がじっとりと汗ばんでいく。  
その変化を、本能的に察知したのか、背中に張り付いていた軟体生物が、  
高く突き上げられた腰の頂上を目指し、ピチャピチャと不快な音を立てつつ前進を開始する。  
額に大粒の汗を浮かべ、眉根をきつく寄せた優子は、  
下唇を、きゅっ、と噛み締め、何度も何度もかぶりを振って、  
体の奥底からこみ上げて来る、ねっとりとした熱気を振り払おうとするが、所詮は儚い抵抗に過ぎなかった。  
 
「駄目よ、優子。もっと体の力を抜かないと。  
・・・・いいわ、私も、手伝ってあげる」  
 
笑みがこぼれそうになるのを懸命に我慢しながら、麗子は、さも深刻そうな口ぶりで「患者」への「助言」を行い、  
その直後、フルフルと震える白桃色の尻丘の顔を近付けると、その頂きに、優しく唇を這わせた。  
 
「・・・・んんっ・・・・!!」  
 
ヒクン、と、優子のヒップが跳ね上がる。  
そのまま、ふっくらとした形の良いお尻の曲線に沿って、唇を動かしていく麗子。  
押し殺した悲鳴を上げる優子の背中が、みるみるうちに、鳥肌立ち、弓なりに反っていく。  
 
「・・・・うううっ・・・・い、いやっ・・・・だめよ、そんなところ・・・・汚いわ・・・・ああっ・・・・!」  
 
流石に恥ずかしさの方が優ったらしく、麗子の唇から逃れようと、優子の腰が左右に動き回る。  
麗子も、今度は言葉ではなく、両手を使い、力ずくでその動きを封じ込める。  
顔を真っ赤にして、ぎゅっ、と目を瞑った優子の、内股の筋肉が、キュッ、と、きつく引き縛られるのを見てとると、  
麗子は、舌先を尖らせ、谷間に沿って、すううっ、と、上下に走らせ始める。  
 
「・・・・はぁぁっ!・・・・ふっ、うぅん・・・・んぐっ!・・・・ひはっ・・・・くあああっ!!」  
 
麗子の舌が触れるたび、むず痒いような快美感が、優子の尻肉を悩ましげに揺り動かす。  
まずは、外周部を固める括約筋に、攻撃の主軸を振り向け、  
固く閉ざされた排泄器官に対しては、時折、思い出したように、ふうっ、と軽く吐息を吹きかける程度にとどめる。  
やがて、切なさに身悶えする優子の柔肌がピンク色に色付き、  
脂汗が滲んでキラキラし始める頃合いを見計らい、  
腰の動きを封じていた両腕を外して、尻たぶ全体を揉みほぐしにかかる。  
すっかり敏感になった弾力のあるふくらみが、巧みに強弱を加えられて揉み込まれていくにつれ、  
優子の口から発せられる甘い喘ぎ声は激しさを増し、ほとんど嬌声と言って良いまでになった。  
 
「・・・・ふうっ・・・・んんっ・・・・!も、もう、ゆるしてぇっ!・・・・んんっ・・・・ああああっ!!」  
 
蒸れたような牝臭が立ち上る、うっすらと色素が沈着した谷間の奥では、  
散々に焦らされ昂ぶらされてきた、セピアピンクのすぼまりが、  
放射状の細やかな襞を官能の疼きに震わせながら、柔らかく蕩けかけている。  
麗子が、双丘を左右に割り開いて、舌先を突き入れると、それは苦もなく崩れ落ちた。  
すぼまりの中心に差し込まれた麗子の舌が、角度を変えながら、グニグニと回転するたびに、  
優子は、激しくかぶりを振り、顔をクシャクシャにして嫌悪と羞恥の涙を流す。  
しかし、口をついて洩れ出す喘ぎ声は、もはや隠しようもない悦楽のわななきに支配され、  
ぷっくりと隆起した恥丘の上では、包皮の剥けきった陰核が、  
まるで自らが責めに晒されているかの如く、充血して、ヒクヒクと震えていた。  
 
「・・・・しっかりして、優子。本番はこれからよ」  
 
背中越しに、さも心配そうに言葉をかけながら、  
自分の唾液と優子の汗とで、びちょびちょになった口元を、美味しそうに舐め回す麗子。  
 
(我ながら、名演技というべきかしらね)  
 
声を立てずに笑いながら、両手を肛門の左右に移動させ、  
親指と中指を縁にかけ、丹念にシワを延ばしながら、人差し指を、ゆっくりと沈めていく。  
 
「・・・・ふあっ・・・・ああ・・・・ああああっ!!」  
 
鈍い痛みと、それに数倍する甘美なゾクゾク感を感じて、優子は呻き声を上げた。  
反射的に、肛門の筋肉に力を送り、不埒な侵入者を押し返そうとしたものの、  
その場所は、既に、入念な下準備によって、完全に無力化されている。  
大した抵抗も出来ず、排泄器官の奥深くまで指を突っ込まれ、押し広げられてしまう優子。  
羞恥心のあまり、意識がどこかに飛んでいきそうになる。  
 
――――と、そこに、もう一つ、新たな感触が加わった。  
 
・・・・否、より正確には、麗子の舌と指の動作に五感の全てが集中していたために、  
一時的にその存在を失念していたものが、憤然として、自らの存在感を誇示し始めた、と言うべきだろうか?  
いずれにせよ、その存在、すなわち、軟体生物の不定形の身体の一部は、  
尻たぶの隆起を踏破するや否や、左右に押し広げられた谷間へと雪崩込み、  
優子が気付いた時には、その先端部分は、ぱっくりと口を開けた肛門の中に侵入を果たした後だった。  
 
「・・・・あうっ・・・・あああっ・・・・な、何・・・・!?  
・・・・ひうっ・・・・い、いや・・・・来ないで・・・・ああ・・・・だめ・・・・そこはだめぇ・・・・!」  
 
生汗を飛ばしながら、体をよじり、軟体生物を振り払おうとする優子。  
だが、もっとも肝心な部分が、先刻来の麗子の妙技によって緩みきっているために、  
ジュルジュルと流れ込み、奥へ奥へと進んでいく、半固形物の動きを止める事は出来なかった。  
 
「・・・・我慢なさい、優子。体の中に残った毒素が完全に吸収されるまで、出しては駄目よ」  
 
麗子の言葉だけが、恐慌に陥りかけた優子の意識を、かろうじて引き戻す。  
しかし、排泄器官をしゃぶり回すだけでは飽き足らず、直腸の中にまで浸透を開始した生ける浣腸液に対する、  
肉体と精神の拒絶反応は絶大であり、平静を保つことなど全くの論外である。  
 
「出しても大丈夫、と判断したら、すぐに合図するから、それまでは堪えるのよ」  
 
麗子の声も、もはや途切れ途切れにしか、とらえられなくなった優子の聴覚に、  
代わって、ぐるっ、きゅるるる・・・・、という小動物の鳴き声にも似た奇怪な音が流れ込んでくる。  
それが、自分自身の下腹部から発せられていると気付くまでに、さほど時間はかからなかった。  
押し入ってくる、というよりも、染みわたってくる、と形容する方がふさわしいやり口で、  
軟体生物の体が、直腸の壁を押し広げ、奥へ奥へと分け入ってくるのに正比例して、  
これまで鈍い痛痒感と異物感でしかなかったものは、強烈な便意へと変化していく。  
 
「・・・・ああ・・・・ああああ・・・・くあぁぁ・・・・うむぅぅぅ・・・・むあぁぁぁ・・・・」  
 
身体の奥から搾り出されるような苦悶の声が、優子の喉を震わせる。  
猛烈な排便への欲求が、寄せては返す波の如く、何度も何度も押し寄せてくるたびに、  
全身の毛穴が、サァァッ、と、鳥肌立ち、背中じゅうを冷たい汗が流れ下る。  
中の生き物が蠢くたびに、収縮を繰り返す腸壁と腹筋が、鈍い痛みを醸し出し、  
顔面は蒼白になり、感覚を失って、ヒクンヒクンと痙攣を始めていた。  
 
「・・・・あァん・・・・んぐぅ・・・・はッはッンッ・・・・ふぐぐッ・・・・くぅぅん・・・・」  
 
指の関節が白く浮き出るくらいに、両手を固く握り締め、歯を食いしばって耐え続ける優子。  
すでに、軟体生物の身体のほとんどは、肛門の奥へと潜り込んでおり、  
わずかに尻尾の部分だけが、ヒリヒリするように熱くなっているお尻の穴から、外にはみ出しているに過ぎない。  
単純に体積だけを考えても、とうに限界は超えており、  
あらん限りの力を振り絞って、必死にアヌスを締め付けなければ、すぐにも噴出が始まるのは明白だった。  
 
(・・・・ま、まだなの・・・・麗子・・・・?・・・・ああ、もう・・・・もう我慢出来ない・・・・漏れちゃう・・・・)  
 
脂汗にまみれ、苦痛に歪んだ顔を、何度も何度も左右に振る優子。  
もはや、身体はがくがくの状態で、気力だけで何とか保たせている状態だが、到底長続きはしそうに無い。  
それどころか、既に何かがジクジクと沁み出しているような感触さえある。  
一刻の猶予も無くなっていた。  
 
(・・・・そろそろ、限界のようね)  
 
断末魔の喘ぎ声を洩らす優子の姿を、冷ややかに見下ろしながら、摺り足で、少しずつ間隔を取り始める優子。  
十分に安全な距離を確保できた事を確認した上で、おもむろに声をかける。  
 
「・・・・よく我慢したわね、優子。もう大丈夫よ、出しちゃって構わないわ」  
 
・・・・その効き目は、まさに致命的だった。  
 
まさに一分一秒を争うような心境で、その言葉を待ち侘びていた優子の口から、  
心底からの、安堵のため息が洩れる。  
緊張の糸が、ふっ、と途切れ、身体が、フワッ、と浮き上がるように感じられた。  
 
・・・・その、次の瞬間。  
 
ブブッ!ブビッ!!  
 
地獄の底から湧き上がってくるような、押し潰された気泡破裂音が、優子の鼓膜に突き刺さる。  
時を同じくして、熱く煮えたぎったドロドロの物体が、両脚の間から間欠泉のように噴き上がり、周囲に飛散していく。  
 
・・・・一瞬にして、優子の表情は凍結し、頭の中は真っ白となった。  
 
・・・・ビビッ、ブブッ、ブビュビュッ・・・・!!・・・・ブバッ、ギュル、グジュジュッ・・・・!!  
 
くぐもった炸裂音が、断続的に洞窟内の空気を振動させる。  
細長く捩れた、半透明なゼリー状の原形質の塊りが、後から後から捻り出され、  
両膝の間に、小山とも沼地ともつかない不気味な地形を作り出していく。  
優子の死に物狂いの努力も空しく、一度はずみのついたものは止める事など全く不可能で、  
直腸と肛門括約筋とが、交互に収縮運動を繰り返すたび、  
体表を黄色く染めた軟体生物の体が、  
一体何処にこれだけの量が溜め込まれていたのか、不思議になるぐらい、次から次へと放出されていく。  
 
「・・・・あ・・・・ああっ・・・・うあ・・・・ああ・・・・ああああっ・・・・」  
 
自分の身に起こった出来事が信じられず、大きく目を見開いたまま、硬直している優子。  
その間にも、異臭を漂わせる軟体生物の身体は、優子の周囲を、ビチビチと跳ね回りながら、  
少女らしい適度な弾力を帯びた形の良いヒップも、しなやかに延びた、やや色白ではあるが健康的な太股も、  
清楚な純白の、ヴァリス・スーツのスカートとブーツも、全てをベットリと汚して、醜悪な黄土色へと塗り変えていく。  
 
「・・・・うそ・・・・こんなの・・・・うそよ・・・・。  
・・・・ああ・・・・お願い・・・・夢なら覚めて・・・・お願い・・・・夢だと言ってぇ・・・・」  
 
屈辱感、羞恥心、無力感、自己嫌悪、絶望・・・・それら全てを一緒くたにして、数倍に増幅したような、  
凄まじい負の感情が、黒い嵐となって荒れ狂い、あらゆるものを吹き飛ばしていく。  
慈悲深い闇のとばりが、意識の上にするすると垂れ落ちてくるまでの間、  
優子は、破壊し尽くされた表情のままで泣きじゃくりながら、汚物の海の中に突っ伏していた。  
 
・・・・そして、麗子の冷え冷えとした双眸は、その様子を、薄暗がりの中から、じっと見詰め続けていた。  
 
「・・・・そうね、優子。  
貴方がそれを望むというなら、これは、悪い夢の中の出来事だった、という事にしておいてあげる。  
・・・・人は、結局、目の前の事実ではなく、  
頭の中で、こうありたい、と欲する幻想の方を、真実としてとらえるもの。  
・・・・フ、フフッ、だからね・・・・優子。  
貴方の真実は、全部この私が用意してあげるわ・・・・これまでそうであったように、これからも、ずっと・・・・」  
 
 
     ――――――――TO BE CONTINUED.  
 

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