力も技量も数段上回る麗子に対して、果敢にも戦いを挑んだヴァリスの戦士・優子。
半ば弄ばれるような一方的な闘いの後、あえなく敗北。
当て身を浴びせて意識を奪った優子を、麗子はログレス城内の自室に連行する。
ヴァリス・スーツの出で立ちのまま、漆黒のビロードの敷かれたベッドの上に
仰向けに寝かせられ、両手両足を革紐で四隅に繋がれている優子。
「・・・・くっ・・・・ううっ・・・・。麗子!」
「・・・・お目覚めのようね、ヴァリスの戦士さん」
本能的に立ち上がり、身構えようとする優子。
無論、彼女の身体を拘束する4本の縛めは、それを許しはしない。
渾身の力を振り絞って拘束を振りほどこうと試みるものの、
鈍い光沢を帯びた革紐の表面には微塵の変化も見られない。
ハァハァと荒く息をつきながら、口惜しさに唇をかみしめる優子を、冷ややかに見下ろす麗子。
「ふふっ、いいザマだこと。優子」
きっ、と睨み返す優子の視線を、麗子は平然と受け流す。
そして、白く細い指を、黄金色に輝くヴァリス・スーツの胸当ての縁に沿って、ゆっくりと這わせる。
「麗子、何を・・・・あっ!」
麗子の指先が、優子の鳩尾から胸の谷間へと滑り込む。
少し力を入れるだけで、優子の弾力に富んだ柔らかな胸の隆起は、易々と麗子の右手を招じ入れた。
邪魔な胸当てを、起用に少しずつずらしながら、優子の張りのあるみずみずしい乳房を揉みしだいていく。
「・・・・どう?気持ち良いでしょ?」
麗子の指が、優子の淡いピンク色の乳輪に迫る。
先端の突起を、軽くつまんでは柔らかく転がし、指の腹でつぶし、そっと引っ張る。
二度三度、それを繰り返すと、
麗子の手の中で、優子の乳首は、みるみるうちに固さを帯び、尖り始めた。
「・・・・や、やめて・・・・麗子っ・・・・くうっ・・・・」
乙女としての羞恥心に顔を赤らめ、戦士としての屈辱感に歯を食いしばって堪える優子。
四肢にありったけの力を込め、身をよじらせて、執拗な愛撫から逃れようとするが、
結果は、己れの置かれた無力な状況と相手の巧妙さを再認識させられるだけに終わる。
少しずつ火照って、薄く桃色に上気しはじめた優子の色白な肌の上に、細かな汗の粒が無数に浮かび出る。
乱れる呼吸が上半身を大きく上下させる。
きつく閉じられた瞼の端から、知らず知らず零れ落ちる一筋の涙・・・・。
その時、麗子は、はじめて笑った。
抵抗する術を持たない無力な獲物に対する嘲りと嗜虐。
歪んだ情念に満ち溢れた笑みを満面に浮かべて、なおも優子を責め続ける。
「・・・・ああ・・・・だ、だめ・・・・お願い、やめて・・・・」
あまりにも惨めな自分の立場に、眉根を寄せて、何度もかぶりを振る優子。
やはや涙声に近い、かすれた哀訴の言葉に、いよいよ欲情を掻き立てられる麗子。
「あらあら、もう降参なの?・・・・がっかりさせないで頂戴、ヴァリスの戦士さん」
胸への愛撫はそのままに、麗子は優子の耳元に口を寄せ、耳たぶに軽くキスをする。
柔らかい唇の感触とねっとりとした息遣いに、ピクン、と電気が走ったかのように敏感に反応する優子。
「ふふふっ、ここも感じるみたいね」
麗子は、優子の耳の中に、細く尖らせた舌の先端を入れ、震える耳たぶに、丹念に唾液をなすりつけていく。
時には、ピチャピチャと音を立ててねぶり回し、あるいは、軽く歯を立てて甘噛みしたりもする。
「あああぁっ!いやあぁっ・・・・!」
普段は意識することも無い耳朶の奥に隠された鋭敏な感覚を引きずり出され、
優子は、たまらず目を見開くと、大きく叫び声を上げた。
途端に零れ落ちる大粒の涙。
頬から首筋へと、優子の敏感な部位を的確に探し出し、舌を這わせていく麗子。
すすり泣く優子の、涙でぼやけた視界の向こうで、もう一度、麗子が陰惨な笑みを浮かべた。
「まだよ、優子・・・・まだまだ、終わらせてあげない」
・・・・・・・・。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・」
麗子の執拗な愛撫の前に、優子の意識は、着実に官能の境地へと追い上げられていく。
あらゆる抵抗は、麗子の絶妙な指遣いの前に、惨めな敗退を重ねるしかなく、
いまや優子の均整のとれた肢体は、大粒の汗に覆われ、時折、ぴくん、ぴくん、と不規則な痙攣すら発している。
刺激を与えられる度、身体を大きく仰け反らせ、よじりながら、
麗子の魔性の指先から逃れようとするが、到底叶う筈も無い。
つい先程までは、きつく握り締められていた拳にすら、満足に力を込めることも困難になり、
麗子の欲するがまま、とめどもなく新たな快楽を引き出されていく優子の肉体。
知らず知らずのうちに、食いしばった奥歯の間から漏れる苦悶の息遣いの中にも、悦楽の響きが混じり始める。
麗子は、一旦、優子の胸のふくらみから手を離すと、
立ち位置を変え、優子の左足首を拘束している革紐の長さを調整する。
その上で、優子の腰の位置から上半身を屈める様にして覆い被さり、
彼女の左ひざを立てさせると、右腕でしっかりと抱え込む。
ぴちゃり。
唾液をたっぷりとふくませた舌先を、目の前の白い健康的な太ももに走らせる麗子。
とりわけ、その柔らかい内側の部分を、丹念に丹念に舐め上げていく。
「・・・・くぅっ・・・・うぅっ・・・・うくぅ・・・・」
小動物の鳴くようなせつない喘ぎ声を漏らしながら、
それでも優子は、眉根をきつく寄せ、何度もかぶりを振って理性を保とうとする。
しかし、性感帯を探し当てた麗子の舌先が、ぴちゃぴちゃと淫靡な音を立て始める頃には、
徐々に徐々に上体が持ち上がり、弓なりにしなり始めるのを止める事が出来なくなっている。
薄目を開けてみると、麗子のつややかな漆黒の胸当てに包まれた形の良い胸の隆起が、
汗に濡れて、自分の下腹部の上、ほんの数センチのところで、リズミカルに揺れている。
麗子のものであろう、上品だが濃厚な香水の香りと、ほとばしる汗の蒸気が入り混じり、
むせかえるような独特な匂いとなって、優子の鼻腔に侵入してくる。
「・・・・あぁ・・・・あぁ・・・・あぁっ・・・・!」
身体の奥底から湧き上がってくる、どうしようもなくせつない感覚が、
優子の全身をわななかせ、喉の奥から、荒い呼吸と共に、甘やかな声を吐き出させる。
麗子は、余った左手を、再び優子の胸へと潜り込ませ、
既に熱を帯びて固くしこっている乳頭を、容赦なく責め立てる。
「・・・・あああ・・・・ああああん!!」
ついに我慢の限界に達した優子の口から、あられもない嬌声が発せられる。
頭の中で、羞恥と快感とが、交互に爆ぜて、
意識はぐらつき、全身の感覚が妙に頼りなく感じられた。
「うふふ。準備完了、ね」
麗子は上体を起こし、汗と唾液にまみれた優子の太ももを拘束していた右腕をほどく。
支えを失った優子の左ひざは、フラフラと揺れたかと思うと、力尽きたかのようにパタリと倒れ、
時折、ピクピクと不規則に痙攣する以外には、一切の動きを止めてしまっている。
そして、麗子の右手は、ゆっくりとした動作で、ヴァリス・スーツの白いスカートに伸びる。
「・・・・あぁあ・・・・いやぁ・・・・」
ぼんやりと薄らいでいく意識を必死に引き戻しながら、最後の抵抗を示す優子。
せめて内股を閉じようとするものの、
もはや、彼女の下半身からは全ての力が抜け去り、まるで言うことを聞きつけない。
スカートをたくし上げ、優子の一番恥ずかしい部分を覆う、たった一枚の薄い布切れを露わにする麗子。
「・・・・いやぁ・・・・麗子・・・・それだけは・・・・ううぅ・・・・」
麗子の指先が、既にじっとりと湿り気を帯びている純白のショーツに、そっと触れる。
優子は、いやいやをする幼児のように、何度も何度もかぶりを振り、か細い声で哀訴の言葉を繰り返す。
しかし、麗子は、優子の哀願など一切耳に入らぬかのように、愉悦の笑みを浮かべ、
愛液をたっぷりと含んで肌に張り付いている薄い布地の感覚を楽しみながら、
その指先で、恥丘の上を行ったり来たりして、優子の反応を確認していく。
なけなしの気力を振り絞り、体の芯からこみ上げてくる官能の大波に、儚い抵抗を試みる優子。
だが、その最後の抵抗も、麗子の指が、下着をめくり上げ、
薄い恥毛に覆われた、なだらかな隆起の上へと滑り込むに至って、空しく潰え果てる。
「・・・・うっ・・・・あうっ・・・・うぅっ・・・」
乙女の一番大切な場所を、為す術もなくいじり回される恥辱の前に、
もはや優子は、くぐもった嗚咽を漏らし、むせび泣くことしか出来ない。
そんな優子の感情とは裏腹に、麗子のしなやかで的確な指先の動作によって、
摘み上げられ、こすられ、捻られ、こねくり回されるピンク色の花弁からは、
半透明の液体がとめどもなく分泌され続ける。
「・・・・あぁぁぁっ・・・・うぁぁぁっ・・・・くはぁぁぁっ・・・・」
秘所に挿入され、前後左右に蠢く麗子の指。
既に限界まで持ち上げられた優子の腰は、その動きに合わせて律動を始める。
時に大胆に、時に繊細に、麗子は、主にその人差し指と中指を使って、
優子を快楽の頂きへと追い上げていく。
弄ばれる子宮の奥から全身の神経へ波打ちながら伝わる淫靡な波動に、
優子の全身の感覚は麻痺し、頭の中はとろとろに蕩けきって、
靄がかかったように、何も考えられなくなっていく。
(・・・・駄目・・・・だめ・・・・だめぇ・・・・気持ち・・・・良すぎる・・・・あああああっ・・・・)
優子の全身が小刻みに震え始める。
勝利を確信した麗子は、最後の仕上げに、
これまで敢えて手を触れずに取っておいた、優子の最も鋭敏な感覚の集中する場所に指を伸ばす。
じっくりと時間をかけ、全ての抵抗の試みを徹底的に排除していくために、
唯一手を出さずにおいた場所・・・・ヴァギナの核へと。
「・・・・さぁ、もういいわよ、優子」
赤く充血して、豆粒大にまで脹れあがっている、剥き出しのままの陰核を、
麗子の二本の指が摘み上げ、押し潰した瞬間、
優子は言葉にならない叫び声を上げ、両手両足を拘束する革紐を引きちぎらんばかりの勢いで大きくのたうち、
・・・・そして、意識を失った。
・・・・・・・・。
「何故、ヴァリスの戦士を逃がした?」
虚空に浮かぶヴェカンティの支配者の巨大な立体映像から発せられた言葉は、
いつものように無機質な響きではあったが、どことなく苛立ちを含んでいるようにも感じられた。
「決まっているじゃない。優子とのゲームを、もっともっと楽しむためよ」
麗子は、動じることなく、用意していた科白を返す。
「今ここで、優子の首を胴体から切り離すのは、赤子の手を捻るより簡単なこと
・・・・面白くも何ともないわ。
だから、逃がしてやったの。
忘れたくとも忘れられない、心と身体に刻み込まれた屈辱の中から、必死の思いで這い上がり、
力をつけて戻ってくる筈の優子を、あたしは、もう一度、完膚なきまでに叩き潰すの。
どれだけ必死になって、何をどう努力してみたところで、
あたしの才能には決して太刀打ちできない、ってことを、
骨の髄まで味わわせて、最悪の絶望の中で殺してやるのよ。
・・・・ウフフ、素敵でしょ?」
一瞬だけ、仮面の奥のログレスの視線が、凍てつくような光を帯びたように感じられた。
が。
「・・・・フム、まぁ、それも一興ではあるな。良かろう、好きにするがいい」
軽く一礼して、暗黒界の王に謝意を表す麗子。
ほどなく、立体映像は、ログレスの圧倒的な威圧感と共に消えていく。
頭を上げた麗子の瞳には、歪んだ微笑と共に、暗い野心の炎が燃えていた。
--------TO BE CONTINUED.