「・・・・・・・・陽子・・・・陽子・・・・起きてったら・・・・陽子・・・・!」  
 
がくがくと身体を揺すられて、陽子は、まだ眠い目をこすりながら、不承不承薄目を開けた。  
身体のあちこちがずきずきと痛み、頭の芯が、ぼうっ、として、ひどく重い。  
 
「・・・・何よ・・・・いいでしょ・・・・もうちょっとくらい・・・・」  
 
まとわりつく睡魔を追い払うのに苦労しながら上体を起こして、気だるそうに周囲を見回す陽子。  
疲れきった表情の麗子に、涙で目の周りを赤くした優子、驚愕と戦慄に蒼ざめたヴァルナ・・・・。  
 
(・・・・えっ・・・・ヴァ、ヴァルナさまぁっ!?)  
 
目の前のヴァルナの姿に、一瞬、瞳を輝かせる陽子に対し、  
力ない眼差しを浮かべた麗子は、ゆっくりとかぶりを振った。  
 
「・・・・そんな・・・・ヴァルナ様まで・・・・。じゃあ、ヴァニティもリアリティも・・・・もう・・・・」  
 
一転、絶望のどん底に突き落とされ、牢の石床に突っ伏す陽子を正視出来ず、  
ヴァルナがくぐもった声で嗚咽を漏らすと、優子と、やや遅れて麗子も、それに続いた。  
 
 
・・・・・・・・あれからどれくらいの時間が過ぎたのか、もはや三人の中の誰にも分からなかった。  
「ヴェカンタ」の魔力に屈したあの日以来、三人は、浮遊城の牢獄の中で、  
徹底的に陵辱され、性奴隷として調教され、肉体と精神を弄ばれ続けている。  
本来ならば、とうの昔に体力も気力も消耗し尽くし、廃人と化している筈だったが、  
幸か不幸か、ゼルにもダリスにも、お気に入りの玩具を簡単に壊してしまう気は毛頭無く、  
三人もまた、ヴァニティとヴァルナある限りは、希望の灯火が失われる事はないと信じて、  
悪夢のような日々によく堪え続けていた。  
 
――――だが、最後の光が潰えた今、彼女達の目の前には、永遠に続く暗黒だけが広がっている。  
 
(・・・・こんな・・・・こんな事って・・・・最後の頼みの綱の・・・・ヴァルナ様が・・・・。  
・・・・今までずっと・・・・耐えてきたのに・・・・何もかも・・・・無駄になってしまったというの・・・・)  
 
ぬかるんだ石床にへたり込み、子宮の中に植え付けられた寄生生物の蠢動がもたらす、  
鈍痛まじりのゾクゾク感に全身を細かく震わせる優子。  
胸元では、邪悪な手術により、元の大きさの倍以上に膨張させられた乳房が揺れていた。  
乳腺や乳頭にも手を加えられた結果、溜まった乳液を数時間おきに放出しなければ、  
それこそ気も狂わんばかりの欲情に責め苛まれる、淫乱な性器官へと変貌を遂げている。  
 
(・・・・ああっ・・・・ヴァルナ様が・・・・ヴァルナ様が見てる・・・・ううう・・・・。  
・・・・・わ、私の・・・・あうっ・・・・こんな姿・・・・ヴァルナ様に・・・・お見せするなんて・・・・ひっ、あああっ!!)  
 
全身の毛穴から脂汗を垂れ流しながら、ピンク色に上気した肌を、ビクビクと痙攣させる麗子。  
外見上は、特にこれと言った変化は無い様に見えたが、その発情ぶりは只事ではない。  
調教に対して幾度となく抵抗を繰り返し、ダリスの不興を買った麗子は、  
懲罰として、全身の交感神経を性感帯へと作り変えられ、視床下部に特殊な装置を埋め込まれていた。  
性への欲求を高水準で維持し続けるべく、脳神経と意識をコントロールされた麗子の肉体は、  
今では、ちょっと手足をこすり合わせただけでも、鋭い快感が神経を突き刺すようになっている。  
 
(・・・・いやぁ・・・・もう、いやぁ・・・・どうして・・・・どうして、こんな目に遭わなくちゃならないの・・・・。  
・・・・ああ・・・・お願い・・・・お願いだから・・・・ここから出して・・・・元の世界に帰して・・・・)  
 
唯一の希望を打ち砕かれ、異臭の漂う冷たい石床に、拳を叩きつけながら泣き崩れる陽子。  
これまで散々手こずらされた代償として、ダリスの手で、淫靡な責め具へと作り変えられた「レダの鎧」は、  
不規則な間隔でその姿形を変化させつつ、片時も休まずに、陽子の柔肌を嬲り続けている。  
・・・・もっとも、外界から隔絶した牢獄の中で、四六時中、犯し抜かれていた陽子は知る由もなかったが、  
ダリスの手で作り変えられたのは、何も陽子の鎧だけという訳では決してない。  
リアリティ自体もまた、彼女の記憶の中に存る、緑豊かな町など今は何処にも無く、  
「ヴェカンタ」の黒い太陽の下、異形の生物が跋扈する暗黒の大地と化しているのである。  
 
(・・・・うう・・・・やめて・・・・やめて下さい・・・・。  
・・・・もうこれ以上・・・・彼女達を苦しめないで・・・・どうか・・・・)  
 
眼前で展開する惨状に、幼児のようにかぶりを振りながら、固く目を瞑り、耳を塞ぐヴァルナ。  
だが、苦しみ悶える三人の姿は、「ヴェカンタ」を介して、彼女の意識の中に、直接流し込まれてくる。  
たとえ五感を自ら封じたとしても、苦痛と快楽とが綯い交ぜになった三人の顔と声とが、  
鮮烈なイメージとなって頭の中に再現されるよう、意識と感覚を操作されているのである。  
性への免疫に乏しいヴァルナにとって、それはある意味、自らの肉体を嬲られる以上の恥辱だった。  
 
「ふぁぐうぅぅっっ!!んっぐうぅぅ・・・・ぎぃひぃいいっ!!かはぁああっ・・・・ひぃううぅんっっ!!」  
 
悲鳴とも嬌声とも判別がつかない叫び声を上げながら、石床の上をのた打ち回る優子。  
子宮に巣食う寄生生物が、束の間のまどろみから目覚め、この日何度目かの食事に取り掛かったのである。  
旺盛な食欲を満たすべく、何本もの触手を伸ばして肉襞をまさぐり、体液を舐め啜るたび、  
膨れ上がった腹部の表面に、ミミズがのたくったような細長い隆起が、グニョグニョと不気味に走り回る。  
もはやスカートとは名ばかりの薄汚れた布切れの中からのぞく、充血しきった陰唇粘膜の間からは、  
毒々しい色のぬめりに覆われた触手の先端が這いずり出して、陰核や肛門にまで絡みつこうとしていた。  
 
理科の実験で使うスポイドのような器具を使って、優子の胎内に植え付けられた異形の生物は、  
宿主の愛液、特に、絶頂時に分泌される濃密な体液を大の好物として成長を続け、  
およそ数日間で成体に達すると、自らの意志で膣壁を掻き分け、おぞましい身体を現すのだった。  
見た目は千差万別で、何本もの触手の生えたタコのような姿をしていたり、  
人間の赤ん坊をグロテスクに歪めたような姿をしていたりと、同じものは一つとしてなかったが、  
どんな姿形をしていても、産まれ落ちる際に、強力な催淫作用を帯びた粘汁を吐き出す事では共通している。  
その効果は抜群で、優子は、「出産」のたび、気も狂わんばかりの絶頂の連続に襲われて、  
失神する事すら叶わず、逃れる術の無い快楽地獄の中で、ひたすら悶絶し続けるのだった。  
 
「ふあぁぁっっ!!いやぁああっ・・・・来る・・・・出て来るうっ・・・・・!!  
んひぃいいっ・・・・うああっ・・・・だめえっ・・・・また・・・・また・・・・生まれるぅぅぅっ!!」  
 
ろくに手入れもしていないため、汚れて色艶を失った蒼髪を振り乱し、大声で泣き喚く優子。  
催淫液の効果で痛覚が弱められているせいで、意識に変調をきたすような事は無いものの、  
同時に、腰の奥から徐々に高まってくる異物感と圧迫感を遮るものもなく、  
吐き気を催すような気持ち悪さと一体化した快美感が、頭の中でぐちゃぐちゃに渦巻いていた。  
 
「ひぎぃっ・・・・た、たすけてぇっ!!むぐぁぁあっ・・・・死んじゃうっ・・・・ああ・・・・おかしくなるぅっ!!」  
 
ほとんど息も注げずに、それでも、声が続く限り、絶叫を上げ続ける。  
胸元では、小ぶりな西瓜ほどの大きさに膨らまされた二つの乳房が、  
まるで、その中にも異生物が仕込まれているかのように、びゅくん、びゅくん、と跳ね回っていた。  
間の悪い事に、丁度、搾乳が必要な頃合いが迫って来ているらしく、  
優子の乳房は、このまま放って置いたら破裂してしまうのでは?と思えるほど膨張し、  
屹立した乳首の先端からは、堪え性も無く、独特な生臭さの漂うクリーム色の乳液が滲み出している。  
無意識のうちに両手が動き、汗でヌルヌルする胸のふくらみを握り締めて、  
溜まりつつある欲情を少しなりとも放出させようとするものの、到底間に合いはしない。  
 
「・・・・ああ・・・・ダメぇ・・・・!・・・・また、また、ダメぇ・・・・!!  
・・・・いやぁ・・・・も、もう・・・・我慢できない・・・・おねがい・・・・いかせて・・・・いかせてぇ・・・・!!」  
 
連続絶頂に息も絶え絶えな優子の傍らでは、  
全身を性感帯に改造された麗子が泣きべそをかきながら、秘裂と乳房を掻き回している。  
あまりに執拗にかき回し過ぎたせいだろうか、その秘裂粘膜は、  
大陰唇も小陰唇も腫れ上がり、無数の引っ掻き傷から血が滲み出していた。  
だが、たとえ尿道口から愛液のかたまりが噴出するまで、膣内をいじり回し、陰核をしごき立てようとも、  
麗子の性感は、今、ある一定の水準以上には、絶対に到達しないようにされているのだった。  
 
「・・・・あぁ・・・・んぐっ・・・・んんっ・・・・おねがい・・・・くうっ・・・・いかせてぇ・・・・ひぃっ・・・・あはぁあっ・・・・」  
 
愛液腸液をはじめとする、諸々の体液が混ざり合った、何とも形容し難いヌメヌメとした粘液が、  
発情しきった柔肌を妖しく彩り、赤茶色の髪の毛にまで、ベットリとこびりついている。  
身に纏っていた筈の漆黒の鎧は、麗子自身の手で、引き剥がされ、床に投げ捨てられて見る影も無かった。  
所々にまだ残っている鎧の残骸も、快感の地雷原と化した皮膚と擦れ合うたび、  
強烈なゾクゾク感を味わせる目的で、わざと取り外せないようにされているだけに過ぎない。  
 
「・・・・あひぃっ!?・・・・いやぁ・・・・どうして・・・・どうしてなのぉ・・・・!?  
・・・・くはあぁっ・・・・こんなに・・・・こんなに感じてるのに!!んぅうう・・・・だめぇ・・・・また、だめぇ・・・・!!」  
 
優子とは反対に、どれだけ感じても決して絶頂には達しないよう、脳神経を操作されてしまった麗子。  
手足がこすれただけでも鋭敏な刺激を感じてしまう肉体にとっては、地獄以外の何物でもない。  
性感帯や粘膜に指を這わせれば、気も狂わんばかりの衝撃が襲いかかるにも関わらず、  
それは、その場限りの出来事でしかなく、決して快楽の中枢に到達して、満足させる事は無いのだった。  
 
「・・・・だめぇ・・・・もう・・・・だめぇ・・・!!気が変になるぅぅ・・・・!!あああ・・・・たすけてぇ・・・・!!」  
 
汗と唾液と鼻汁とでグチャグチャになった麗子の顔は醜く引き攣り、  
焦点の定まらない目は、半ば白目を剥きかけて、大量の涙がだらしなく流れ落ちる。  
とうに発狂していても不思議ではないところだが、麗子の意識を監視する拷問装置が、それを許す筈も無く、  
狂気に陥る兆候を診てとれば、すぐに適切な意識操作を施して、精神状態を回復させてしまう。  
勿論、全てが振り出しに戻るだけの事で、根本的な解決が与えられる訳では決してなく、  
絶頂を得られぬ肉体が激しく疼き、灼け付くような欲情のたぎりが精神を苛み続ける状況は変わらなかった。  
 
「・・・・あああ・・・・優子・・・・たすけて・・・・!・・・・おねがい・・・・いかせて・・・・いがぜでぇ・・・・!!」  
 
狂う事も出来ない麗子は、限界ギリギリまで鬱積し、爆発寸前の欲望を抱えて悶絶しつつ、  
夢遊病患者のようにフラフラと優子の傍へと近付いていく。  
自分が、今、喉から手が出るほど欲しい快楽を、これでもか、とばかりに享受している優子に向かって、  
まるで施しを求める乞食のように手を伸ばし、膨れ上がった乳房に無我夢中でむしゃぶりつく麗子。  
途端に、白濁した母乳液が、奔流となって口の中に流れ込んできた。  
 
・・・・だが、甲高い悲鳴をほとばしらせながら、激しく全身を痙攣させたのは、  
またしても、優子の方であり、麗子ではないのだった。  
 
「・・・・ひぐっ・・・・ううっ・・・・熱い・・・・はふぅっ・・・・おっぱいと・・・・あそこが・・・・熱いよぉ・・・・」  
 
目の前で展開する、痴態というには凄惨過ぎる交合を眺めながら、蕩けきった声を発する陽子。  
ダリスの手で作り変えられた「レダの鎧」は、緩急自在な動きで陽子の肉体を嬲り回している。  
間断なく動き続ける青黒い胸当ての下で、じっとりと蒸し上げられた、やや小ぶりなふくらみが揉み込まれ、  
ビキニ型の鎧の中では、大きく割り広げられた秘裂から重い水音が鳴り続けていた。  
 
「・・・・ひぎぃいいっ・・・・お、おしっこ・・・・おしっこが・・・・!ああっ・・・・もう、がまん出来ないよぉ・・・・!!」  
 
邪悪な生命を吹き込まれたビキニ鎧の内側では、表面にびっしりと繊毛を植え付けられた触手が  
じゅくじゅくと愛液を滴らせる秘裂の中を這い回り、膣壁越しに探り当てた尿道を、巧みにそよがせている。  
勿論、膀胱もしごき立てられ、利尿作用のある液体を塗りたくられて、赤紫色に腫れ上がっていた。  
排泄器官の内と外から、鋭く激しい衝動に襲いかかられた陽子は、  
それでも、羞恥心と嫌悪感の方が僅かに優ったらしく、急速に勢いを増す尿意に対して抵抗を試みた。  
 
「・・・・んんっ・・・・くっ・・・・うううっ・・・・だめぇ・・・・おしっこ・・・・おしっこが・・・・!  
・・・・いやぁ・・・・おなかの中で・・・・動いてるぅ・・・・!一杯になって・・・・ビクビク動いてるよぉっ・・・・!!」  
 
情けない声を上げながらも、懸命にかぶりを振って、排尿欲求を振り払おうとする陽子だが、  
既に、尿管も膀胱も、はちきれんばかりに膨れ上がり、気力だけで支えている有様だった。  
無論、その気力とて、極限状況の中で、いつまでも持ちこたえていられる訳では決して無い。  
悪寒に震える、食いしばった歯の間から漏れる苦悶のうめき声が、徐々に間隔を狭めていくのと前後して、  
きつく握り締めていた拳からも、じわじわと力が抜け落ちて、だらしなく弛緩していく。  
 
「・・・・ああ・・・・あああ・・・・だめぇ・・・・やっぱり・・・・だめぇ・・・・もう、堪えられない・・・・!!。  
・・・・おしっこ・・・・おしっこがぁっ・・・・!!出ちゃう・・・・ああ・・・・も・・・・漏れちゃうぅぅっ!!」  
 
ブジュッ、という鈍い圧搾音と共に、限界を迎えた陽子の尿道口が決壊した。  
消防車のホースから放たれる集中放水の如く、気泡の混じった薄黄色の排泄物が噴出し、  
ビキニ鎧の裂け目から、1メートル近くも吹き上がって、周囲に飛び散っていく。  
我慢に我慢を重ねた末の放尿は留まる所を知らず、  
まるで陽子の体内にある水分が全て膀胱に集まったのではないか?と思える程だった。  
後から後から噴き出して、優子にも麗子にも、勿論、自分自身にも降り注ぐ小水の雨を、  
陽子は、脱力しきった表情で眺めながら、異様な恍惚感にガクガクと打ち震えていた。  
 
「・・・・もう・・・・もう、やめて下さい・・・・お願い・・・・します・・・・」  
 
三人が陰惨な責めに晒されている広めの牢とは、透明な仕切り壁で隔てられたヴァルナの独房は、  
壁も床も天井も、室内に置かれた調度類までもが、磨き上げられた鏡面で覆い尽くされていた。  
無数の姿見が、表情を歪め、涙ながらに哀願の言葉を繰り返す王女を、様々な角度から映し出している。  
苦しみ、悶え、泣き叫ぶ三人の「戦士」の姿を、連日連夜、意識の中に焼き付けられた結果、  
恐怖と無力感と自責の念とで、ヴァルナの精神は、すでにボロボロの状態だった。  
幾分あどけなさの残る清楚な面立ちは、まるで瀕死の病人のように生気が感じられず、  
泣き腫らして真っ赤になった目は、輝きを失ってどんよりと濁っている。  
 
「・・・・お願い・・・・します・・・・どうか・・・・もう、これ以上・・・・彼女達を苦しめるのは・・・・」  
 
苦吟に満ちた声は弱々しく、ヴァニティの王女としての威厳など微塵も見当たらない。  
国を奪われ、虜囚の辱めを受け、最も大切な同志であり友である少女達が目の前で陵辱される様を、  
為す術も無く見ているしかない無力な自分が、ひたすら口惜しかった。  
いっそのこと、彼女達と共に、淫らな行為を強要され、おぞましい責めに晒されている方が、  
気分的にはずっと楽だっただろうが、捕囚の身とはいえ、王女たるヴァルナの待遇は決して悪くは無く、  
意識こそ操作され、監視されているものの、肉体的には、改造はおろか、拘束すらされていない。  
 
・・・・だが、まさにその事こそが、ヴァルナをより深い苦悩の境地へと追い詰めていくのだった。  
 
「・・・・ふああ・・・・んっ・・・・どうか・・・・あっ・・・・どうか・・・・お願いです・・・・ううっ・・・・。  
彼女達は・・・・ひうっ・・・・許して・・・・くっ・・・・苦しめるのならば・・・・ああっ・・・・どうか・・・・わたくしを・・・・」  
 
やがて、自分一人が安穏としている後ろめたさに耐え切れず、自らの肉体を責め始めるヴァルナ。  
自ら衣服をはだけ、まだ充分に熟しているとは言い難い乳房や秘裂に、ぎこちなく指を這わせる姿は、  
勿論、独房の中を埋め尽くした鏡の中に、余すところ無く、そのあさましい動きを映し出される。  
だが、もはや自虐の中にしか逃げ場を見出せなくなったヴァルナは、  
鏡の中の、メス犬のように欲情にまみれて自慰に没入する、惨めな自分の姿を確認する事によってのみ、  
自分自身を納得させる、否、自分自身を欺く事が出来なくなっていた。  
 
「・・・・むふぁああっ!!・・・・で、出てくるぅっ!!・・・・うっ・・・・産まれるぅっ・・・・おあぁあああっ!!」  
 
息つく間もなく押し寄せる快感のあまり、半狂乱になって、全身をびくつかせる優子。  
今にも引きちぎれそうなくらい、押し拡げられた膣口から、ぎちゅっ、ぎちゅっ、と、湿った音が発せられ、  
脱臼する寸前まで大きく左右に開かれている股関節から、ミシミシと骨の軋む音が漏れてくる。  
顔をのぞかせたのは、食虫植物を思わせる濃緑色の胴体に、ヤモリのような脚が何本も生えた醜悪な生物で、粘液に覆われた細長い身体を、子宮口から引きずり出そうとする様子は、  
まるで、脱肛した直腸が、自らの意志で外に這い出そうとしているかのように奇怪だった。  
 
「・・・・ヒッヒッヒッ、どうじゃな、麗子。これで、潮を吹いたのは何回目じゃ?  
望み通り、どんな責めも通じぬ体にしてやったのじゃが、気に入って貰えたかのう?んん〜〜〜?」  
 
様子を見るため現れたダリスを、すがりつくような目で見上げる麗子。  
既にまともに言葉を紡ぐ事すらままならなくなった口の中は、鼻汁と涎で一杯だった。  
ニタニタ笑いながら、ダリスは、麗子の乳房を手にとり、充血しきった乳首を、グニユッ、と、捻り上げる。  
麗子は、がぁアアッ、と悲鳴を上げ、何度か全身を痙攣させたものの、やはり達する事は叶わない。  
落胆のあまり、顔を上げる事も出来ない無様な姿を、しばらく眺めていたダリスは、  
ニヤりと笑みを浮かべると、その耳元に口を寄せ、二言三言、低い声で何事かを囁いた。  
 
「・・・・んんっ・・・・ぐうっ・・・・ひぃぐぅうっ!!・・・・ひぁああっ・・・・だめぇっ・・・・漏れちゃうぅっ!!」  
 
下腹の奥から、キュルキュルッ、ゴボゴボッ、という濁った水音を響かせる陽子。  
邪悪な責め具と化した「レダの鎧」に、尿の通う道を執拗にまさぐられ、何度も何度も失禁を強制された上、  
今度は、床に大きく染みを作ったその排泄物を、もう一つの排泄器官へと注入されている最中である。  
勿論、身体に密着した鎧のこと、逃れる術などあろう筈もなく、  
なけなしの力を振り絞り、固くすぼめた肛門も、難なく押し広げられて、管状の触手を突き入れられている。  
一度防壁を破られて、侵入を許してしまうと、これまでさんざん排尿を強制されてきた下半身は、  
どんな抵抗も無意味と悟ったのか、急速に力を失っていき、新たな屈辱を受け入れるのだった。  
 
「・・・・おやおや、これは一体、いかがした事ですか、ヴァルナ殿?  
失礼ながら、敗れたりとは言え、一国の主だった御方のなさる事とは思えませんぞ・・・・  
それに第一、これほど激しく手淫に耽られては、お身体に毒でしょう」  
 
自慰に没入した頃合いを見計らって踏み込んできたゼルに、顔面を真っ赤に紅潮させるヴァルナ。  
冷やかな視線と口調とで、あさましく、はしたないその行動に、侮蔑の感情を露わにするゼルに対して、  
ヴァルナは反論の言葉とてなく、石像のように硬直したまま、全身をぶるぶると震わせるしかない。  
頬を流れ落ちる羞恥の涙を拭う事すら出来ない王女の姿を、嘲りの笑みを浮かべて眺めていたゼルは、  
ややあって、その視線を、隣の牢の少女の一人へと移し、唇の端を僅かに歪めて、小さく頷いた。  
 
「・・・・あうう・・・・だめぇ・・・・!やめて・・・・麗子・・・・おねがい・・・・もうやめてぇ・・・・!!  
・・・・もう・・・・いや・・・・おねがい・・・・ゆるして・・・・!・・・・もう・・・・いきたく・・・・むがあぁぁっ・・・・!!」  
 
必死の抗議と哀訴の言葉も耳には届かないらしく、壁際に追い詰められた優子の上に、  
麗子の汗まみれの身体がのしかかり、ゆっくりと沈んでいく。  
異形の怪物を産み落とした直後で、身も心も脱力して衰弱しきっている優子には、  
鬱積した欲望の捌け口を求めて襲いかかる麗子の手から逃れる事は不可能だった。  
 
(・・・・優子・・・・責めれば・・・・解放される・・・・優子を・・・・いかせたら・・・・この苦しみから・・・・)  
 
そう、ダリスに唆された麗子は、その言葉を、口の中でうわ言の様に呟きながら、  
熱に浮かされたような目で、優子の表情を凝視する。  
ぼやけた視界の向こうで、優子が何かを必死に訴えている事だけは、辛うじて分かったものの、  
混濁しきった麗子の思考はそこで力尽き、身体の奥底から湧き上がる衝動に取って代わられた。  
獣のように目の前の乳房にかぶりつき、勃起した乳首に歯を立てると、  
口の中に、生臭い匂いと甘い味のする白濁した液体が溢れ返り、優子の身体が大きく撥ね上がる。  
欲望の赴くまま、麗子は、口に含んだ乳首を容赦なくしごき立て、吸い続けるのだった。  
 
「・・・・んぁううっ・・・・いやぁっ・・・・ヴァ、ヴァルナさま・・・・ダメですぅっ・・・・!!  
・・・・うふぁああっ・・・・もう、もうダメ・・・・我慢できない・・・・ヴァルナさま、ゆるしてぇっ・・・・!!」  
 
うつ伏せになった陽子の脂汗にまみれた身体が、何百もの鏡の中で、妖しくわななく。  
直後、体内からの圧力によって限界に達した尻穴が、ブピュッ、と、奇声を発し、  
突き上げられた尻の間から、攪拌されてドロドロになった大量の糞便が噴出を開始した。  
飛散した汚物の一部が、背後で震えているヴァルナの元へと達して、  
恐怖と嫌悪に歪みきったその顔を汚辱していく様子が目の前の鏡に映し出されると、  
陽子の中に残っていた、最後の人間らしい感情も、音を立てながら崩れ去っていく。  
 
(・・・・んんっ・・・・陽子・・・・ごめんなさい・・・・本当に、ごめんなさい・・・・。  
・・・・全ては・・・・わたくしのせい・・・・わたくしが不甲斐ないばかりに・・・・また、辱めを・・・・ううっ・・・・)  
 
すすり泣くヴァルナの尿道口には、ゼルの手で、陽子の鎧と同じ材質の細長い管が挿入され、  
その端は、陽子の肛門に突き入れられた触手の根元へと繋がっていた。  
排尿欲求に耐え切れなくなった王女が、あさましく身体を震わせながら小水をほとばしらせるたび、  
陽子の直腸は膨れ上がり、やがて、耐え切れなくなって、汚物を撒き散らす事になる。  
それを何度となく繰り返すうち、苦痛と恥辱のどん底に突き落とされたヴァルナの口許からは、  
白濁した涎の糸と共に、否定しようも無い被虐の悦楽に震えるあえぎ声が漏れ始めた。  
 
(・・・・ハァハァ・・・・これは、罰・・・・罪深く、愚かな私に与えられる罰・・・・。  
・・・・そう、わたくしは罰を受けねばならない・・・・王女の務めを果たせなかったわたくしは・・・・)  
 
汚穢にまみれ、異臭に咽せ返りながら、悟りきったような目で、目の前の光景を眺めるヴァルナ。  
気絶する事すら叶わぬ絶頂の連続に息を切らし、木偶人形のように気をやり続ける優子。  
禁じられた快楽への妄執に取りつかれ、我を忘れて、優子を責め続ける麗子。  
失禁と脱糞とを絶え間なく繰り返しながら、意志を持つ鎧に媚肉を嬲られ続ける陽子。  
 
――――頭から垂れ落ちる陽子の汚物を、ペロリ、と舐め、ヴァルナは、陶然とした視線を周囲に走らせる。  
未熟な果実を思わせる硬い乳房をこね上げ、無毛の秘裂をかき回す両手の動きが速さを増し、  
ねっとりとした吐息と共に、銀色に輝く唾液の糸が、半開きになった口許からこぼれ落ちた。  
 
(・・・・んぁっ・・・・これは、罰・・・・んんっ・・・・罪深く、無力なわたくし達に与えられた、罰・・・・!  
・・・・ふぁうっ・・・・だから・・・・未来永劫・・・・くぅっ・・・・ここで、こうして罰を受け続ける・・・・  
ううっ・・・・それが、世界を救えなかったわたくし達の・・・・唯一の贖罪・・・・あぁっ・・・・うぅぅん・・・・!!)  
 
 
                        ――――――――BAD END.  
 

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