アシャンティ。森林地帯。潅木の林の中。  
 
青白い月の光が、背の低い樹木の群生を幻想的に浮かび上がらせる。  
地面に横たわった巨大な食虫植物の骸の陰で、一心不乱に互いの肉体を求め合う二人の少女。  
絡み合う乙女の柔肌から発散される甘酸っぱい汗の香りと、  
熱く蕩けた媚肉から流れ出す愛汁の牝臭とが混じり合って周囲に漂い、淫靡な雰囲気を醸し出していた。  
 
長く伸ばした美しい濃紺の髪を地面の上に大きく広げて、  
官能の大波が襲い来るたびに敏感なよがり声を上げているのが、「ヴァリスの戦士」麻生優子。  
その身体の上に跨ってしなやかな太腿を両腕で抱え込み、充血して厚みを増した花弁に舌を這わせながら、  
頭の横で結わえた赤色のポニーテールを打ち揺らしているのが、「レダの戦士」朝霧陽子。  
傍らの地面に突き刺さった各々の愛剣が見守る中、少女達の愛の営みは最高潮に達していた。  
 
 
 
「・・・・んっ・・・・あぁん・・・・くっ・・・・ふぁっ・・・・ああっ・・・・んむっ・・・・くむぅうっ・・・・!!」  
 
陽子の小さな舌が、濡れそぼった蜜壷を丹念にしゃぶり上げる。  
羞恥心で顔を真っ赤に火照らせつつ、小指を噛んで懸命に喘ぎ声を堪えようとする優子だが、  
既に五感は快感に蕩け、思考は麻痺して、性愛への欲求を食い止める事など到底不可能だった。  
細かい汗の粒にびっしりと覆われた身体からは、黄金作りの胸当ても肩当ても取り去られた上、  
膝まである白いブーツも、片方は陽子の手で外されて無造作に放り捨てられ、  
残るもう片方も、激しい身悶えによって自然に脱げかけて、柔らかいふくらはぎが露わになっている。  
 
「・・・・うむっ・・・・くっ・・・・んんっ・・・・あふぅっ!!・・・・ふはぁっ・・・・ああ・・・・ふぁっ・・・・んあああっ・・・・!!」  
 
麗子直伝の緻密な技術に、自分なりのアレンジを掛け合わせて編み出した陽子の舌技に、  
優子の膣襞はグジュグジュに蕩け、沸騰した愛液をとめどなく噴出し続ける。  
薄い恥毛に覆われた隆起の上では、包皮の中から顔を覗かせたピンク色の真珠玉が、  
今にも破裂しそうなくらいに膨らみきってピクンピクンと敏感な反応を示し、  
アーマー・ショーツを脱ぎ捨てた陽子の丸尻の下でも、搗き立ての餅のような乳房が軽快なダンスを踊っていた。  
もう絶頂が間近いのだろう、陽子の体の重みなど、まるで感じていないかのような力強さで、  
優子の背筋が、グググッ、と持ち上がり、見事なアーチを形作っていく。  
 
「あっ!!ああっ・・・・!!ひああっ・・・・ひぃうあぁああっっっ!!!!」  
 
白い喉を露わにし、尖った頤を夜空に向かって突き上げる優子。  
ぱっくりと口を開けた膣口から濃厚な牝臭を帯びた熱い飛沫が噴出して、陽子の顔面をビショビショに濡らす。  
しかし、陽子は嫌がる素振りなど露ほども見せず、それどころか、優子の敏感な反応に口元をほころばせると、  
グチュグチュに熟しきった肉の果実にかぶりつき、芳醇な果汁を美味しそうに飲み干していった。  
 
「・・・・あっ・・・・ああ・・・・うはぁっ・・・・ハァハァ・・・・ふはぁっ・・・・んううっ・・・・くふぅん・・・・」  
 
頂上まで上り詰め、陶然とした表情を浮かべて恍惚感に浸る優子だが、  
快感の大波は留まる所を知らず、次々と打ち寄せてきては、弛緩した身体に新たな欲情を注ぎ込む。  
絶え間なく、ビクンッ、ビクンッ、と悶え続ける少女の顔の上では、  
陽子の美尻が力強く弧を描きながら舞い踊り、太腿の内側から幾筋もの愛蜜を滴らせていた。  
休む間も与えられず責め立てられながら、トロトロに蕩けた視線でその動きを追っていた優子は、  
やがて、引き込まれるように白桃色の柔肉に顔を近付け、うっすらと汗の滲んだ谷間へと唇を押し付ける。  
 
「・・・・ひゃうんっ!?ゆ、優子っ・・・・そ、そこはっ・・・・んふぁっ・・・・!!」  
 
菊門に触れた柔らかい唇の感触に、少女の腰が、ギクギクッ、と鋭く震え、急停止する。  
想定外の出来事に、思わず顔を上げた陽子だが、  
口をついて出てきたのは、隠しようの無い興奮を秘めたよがり声に他ならない。  
すぼまりの表面に軽く唇を押し当てたまま、やや上目遣いに陽子の反応を窺っていた優子は、  
そこに嫌悪の感情が存在しない事を確かめると、唾液で湿らせた舌先をうねらせつつ、  
細かい皺の一本一本を引き延ばすかのように、丹念に舐り始めた。  
 
「あぁううっ!!あひっ・・・・ひぃうっ!!ひゃっ・・・・ああっ・・・・ああああっ!!!!」  
 
攻守入れ替わって、今度は、陽子の方が受け手に回り、優子の身体の上で悶絶する。  
ややざらついた感触を帯びた優子の舌が、恥ずかしい排泄器官の入り口に触れるたび、  
下半身全体を何万もの蟻の大群が這いずり回るようなゾクゾク感が湧き上がり、毛穴という毛穴が逆立っていく。  
舐めしゃぶられる肛門が異様に熱く感じられて、半ば本能的に尻穴をすぼめようと試みるものの、  
その部分の筋肉がゴムに変じてしまったかのようにグニャグニャとなり、まるで力が入らない。  
やがて、充分にほぐれた尻穴から、優子の舌先が直腸内への侵入を果たすに至って、  
陽子の抵抗は完全に潰えて、めくるめく官能の火照りに焙られながら、肛門愛撫の虜と化していった・・・・。  
 
――――――――森の中。  
 
「ゴ命令ノ通リニ、配置ヲ完了イタシマシタ。現在、目標ハ、完全ニ我ガ部隊ノ包囲下ニアリマス」  
 
対「戦士」用にチューンナップを施されたロボット兵士が、耳障りな合成音声でメディアスに状況を告げる。  
フン、と、つまらなそうに鼻を鳴らした金髪の女闘奴は、  
手元の情報端末に目を落とし、二つの「目標」と配下の戦闘ユニットとの位置関係を再確認した。  
 
油断を誘うために放ったものとも知らず、触手生物との戦闘の勝利に安堵して警戒を怠った「目標」共が、  
我を忘れて乳繰り合っている間に、森の中に敷いた包囲網は完璧だった。  
無論、戦闘ユニットだけではヴァニティの「戦士」二人に太刀打ち出来る筈もないが、囮の役には立つ。  
優子と陽子の注意を引き付け、可能な限り連携を乱した上で自分が出て行き、まず確実に一人を仕留めるのだ。  
 
(・・・・一対一の戦いならば、たとえ相手が「ヴァリスの戦士」であろうと敵ではない。  
実際に、麗子はアタシが仕留めたのだからな・・・・)  
 
声を立てずに笑いながら、前の戦いの経過を反芻するメディアス。  
今回も、前回と同じく、まず補助戦力である陽子を無力化した後に、本命である優子と相対するつもりだった。  
触手生物との戦いぶりを見る限り、陽子の能力は、前の戦いよりは向上しているように見受けられるが、  
まだまだ熟練の域に達したというには程遠い状態であり、問題なく片付けられる筈だ。  
 
(・・・・問題なのは、優子・・・・!!  
多元宇宙に存在する無数の世界を見渡しても、これに勝る戦士を見出すのは甚だしく困難であろう最強の「戦士」。  
――――――――だが、その不敗の伝説も今夜で終わりだ!)  
 
確信のこもった目で端末画面を睨みつけ、短く、作戦開始を命令するメディアス。  
戦闘ユニットを示すモニター内の光点が、中央にある二つの赤い光点に向かって一斉に動き出す。  
戦いを目前にした生体兵器の体内でも、アドレナリンの分泌量が勢いを増し、  
プログラムに従い、順次、薬物を注入されていく筋肉や内臓が、細胞レベルで機能を活性化させていく。  
 
(阿修羅の助けなど不要だっ!!  
アタシのこの手で最強の「戦士」を倒し、ガルバ城に連れ帰る!!)  
 
上空を浮遊する偵察ポッドのカメラアイを通じて地上の戦況を眺めつつ、  
高見の見物を決め込んでいる筈の怠惰な同僚の顔を思い浮かべながら、拳を固く握り締める女闘奴。  
戦闘用の筋肉増強剤の効果で、普段の倍近くまで膨張した両腕の表面では何本もの太い血管がドクドクと脈打ち、  
筋力のみならず、感覚も思考も鋭敏さを増し、高揚感に包まれた全身がゾクゾクと湧き立っている。  
すでにコンディションは完璧な状態で、いつでも戦場に飛び出す事が可能だった。  
 
――――――――数分間の後。  
 
(・・・・ううう・・・・なんて迂闊だったの・・・・!!  
これだけの大部隊が近くまで来ていたのに気付かなかったなんて・・・・!!)  
 
ロボット兵士達の襲撃は、まさに不意打ちだった。  
熱烈な情交の真っ最中に、その襲撃を受けた優子は、鎧を纏う余裕も無く、  
性交の間も脱がずにいた丈の短いスカートを除いて、ほぼ全裸に近い格好で戦わざるを得なくなっていた。  
そんな状態でも、鎧の防御フィールドはかろうじて機能を維持していたのだが、  
攻め寄せてきたゼルの兵士たちは、火力・装甲共に従来のタイプとは比べ物にならない程強力で、  
樹木の密生する夜の森という悪条件も重なって、防戦一方に追い込まれている。  
 
(・・・・そして、この女戦士・・・・!!。  
不意を衝かれたとは言え、陽子を、たったの一撃で気絶させるなんて、なんて力なの・・・・)  
 
ちらり、と背後に向かって心配気な視線を送る優子。  
必死の防戦の最中、目の前の敵の動きに気を取られて、パートナーとの連携にわずかな乱れが生じたその瞬間、  
横合いからの強烈な殴打を浴びて薙ぎ倒された陽子が、草むらの上に失神した身体をぐったりと横たえている。  
むき出しのままの胸元が微かに上下して、今の所、生命には別状ない事を知らせてくれてはいたものの、  
伏せられた瞼はピクリとも動かず、意識が戻る気配は全く感じられない。  
 
・・・・ハァ・・・・ハァハァッ・・・・ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・!!  
 
荒々しい呼吸を繰り返すたび、プルプルと揺れ動く両の乳房を、左手で覆い隠しつつ、  
右手で「ヴァリスの剣」を構えた優子は、目の前に姿を現した強敵を、厳しい表情で睨みつける。  
臆する事無く、その眼差しを受け止めた長身の金髪女は、  
細腕の陰からのぞく白いふくらみに薄い笑みを漏らしつつ、  
何を思ったのか、突然、自分の胸元を覆う緑色の胸甲に手をかけ、無造作にむしり取った。  
 
(・・・・えっ!?なっ、何ッ!?どういうつもりなのっ!?)  
 
「ヴァリスの戦士」の顔に浮かぶ驚きと当惑。  
フフン、と小馬鹿にするように鼻を鳴らしたメディアスは、  
自らの手で露わにした胸元を傲然と反らし、剥ぎ取った胸当てをこれ見よがしに放り投げると、  
もう一度、挑発的な目つきで、目の前の少女の未発達な乳房を覗き込む。  
 
「・・・・くぅっ・・・・!!」  
 
見事な曲線と質感に満ち溢れたはちきれんばかりの双乳が、威圧するかの如くその存在を見せ付ける。  
迫力満点のその様子に、「戦士」としてではなく一人の女性として、ショックを受けた優子は、  
無意識のうちに身体を固くしながら、胸のふくらみを覆い隠す腕に力を込めた。  
勝ち誇ったように高らかな笑い声を上げるメディアスに向かって、必死に言い返そうとするものの、  
どう足掻いても太刀打ちできそうにない巨乳を前にしては、悔しげに口元を歪めるのが精一杯である。  
 
(フフッ、かかったね・・・・お嬢ちゃん)  
 
目の前の少女の動揺を敏感に感じ取り、密かにほくそえむ金髪女。  
最強の「戦士」といえども、その女性としての内面は未だ熟しきってはおらず、  
意識するしないに関わらず、成熟した「大人の女性」の前ではどうしても気後れを感じてしまう微妙な心理を、  
メディアスは、ここ数日の麗子の言動から分析し、探り当てていた。  
どんな優秀な人間でも、平常心を失えば、100パーセントの実力を出し切る事など出来はしない。  
殊に、一瞬の判断の遅れが敗北に直結する闘争の中にあってはそれは致命的な事だった。  
 
(・・・・この勝負、貰った!!戦いを前にして心を乱した、優子、貴様の負けだ!!  
フフフッ、優子、貴様の運命は、すでにこのアタシの手中にあるのよっ・・・・!!)  
 
心理戦の勝利に手ごたえを感じつつ、じりじりと間合いを詰めていくメディアス。  
その動きにハッとした優子は、依然として目の前の成熟した肉体に上目遣いな視線を送りつつも、  
意を決したかのように、乳房を覆っていた左手を外して、「ヴァリスの剣」の握りへと移動させた。  
すると今度は、手のひらで押さえ付けていた乳首が夜気にあたってジワジワと固さを増していくその感触が、  
つい先刻まで全身を覆っていた甘い火照りの残滓を呼び起こしたらしく、  
集中力が回復するどころか、却って、いつになく多くの雑念が湧き上がってくる羽目に陥ってしまう。  
 
「あらあら、ひょっとして、興奮しちゃったのかい?・・・・フフッ、可愛いねぇ。  
まったく、こんな甘ちゃんな小娘の何処が、三界最強の「戦士」なんだろうねぇ?」  
 
手入れの悪い金髪を揺らしつつ発せられた女闘奴の嘲弄の言葉が、優子の懊悩に拍車をかける。  
無論、優子とて、これが自分を動揺させようとする策略である事は承知しているのだが、  
憎むべき敵とはいえ、自分と同じ女性に、無遠慮な眼差しで全身をくまなく眺め回されると、  
罠だと分かっていながらも、心の中はさざ波立ち、劣等感が湧き出してくる。  
 
(ダメよ・・・・優子ッ!!あいつの策に乗せられてはダメッ!!  
落ち着くのよ・・・・落ち着いて、今は陽子を守る事だけを考えなくてはッ・・・・!!!!)  
 
内心の動揺を打ち消そうと、近付いてくる敵を必要以上の厳しさを込めた視線で睨み据えた優子は、  
相手を牽制して前進を食い止め、同時に有利な攻撃の機会を作り出す事を狙って、  
左右に小刻みなステップを踏みつつ、積極的なフェイントを繰り出し始めた。  
だが、動けない陽子を抱えて後退の許されないこの状況下では、確かに有効な策かもしれないこの戦術も、  
本来の効果を発揮するためには、相手の出方を読み、その上を行く、冷静な計算が不可欠である。  
それが備わっていない以上、どれだけ変幻自在にフェイントを繰り出してみたところで、  
最初から成功の可能性はほとんど無く、破綻は不可避だったと言っても過言ではなかった。  
 
「・・・・ホラホラ、動きが鈍いよっ、お嬢ちゃん!!  
ハンッ、そんな動きじゃ、一晩かかったって、このアタシを出し抜く事なんて出来やしないよッ!!」  
 
実際、メディアスは、フェイントに幻惑されて動きを鈍らせるどころか、  
逆に、驚異的な反応速度でその動きをトレースし、時には先回りさえして、  
優子を翻弄し、その心身に重圧と焦りと疲労を蓄積させていった。  
危機感を募らせる優子だが、陽子を庇わなければならない以上、選択の余地は限られている。  
一方、メディアスの視点に立てば、その場所で闘った場合に陽子に被害が及ぶ可能性のある地点に関しては、  
最初からフェイントと分かりきっている分、どれだけ優子が知恵を絞った所で動きを予想するのは容易だった。  
 
(・・・・フフフ、とことん甘い性格だねぇ、お嬢ちゃん。  
ま、一瞬で終わらせたんじゃあ、面白味ってものが無いから、もうしばらくは付き合ってあげるけどさ・・・・)  
 
独りごちながら、にんまりと余裕の笑いを浮かべるメディアス。  
すでに勝負の行方は明らかであり、優子がどの位置からどんな攻撃を繰り出してきたとしても、  
ほぼ確実にこれをかわし、返す刀で致命的な打撃を与える事が可能だろう。  
否、その気になりさえすれば、こちらから一気に間合いを詰めて攻勢を浴びせる事も困難ではないし、  
その場合でも、優子が最初の一撃を完全にかわしきれる可能性は限りなく低い筈だ。  
・・・・だが、そこまでの自信を持ちながらもなお、女闘奴は、冷酷な笑みをたたえたまま、  
相手の動きを封殺し、ジリジリと追い詰めていく基本戦略を変えようとはしなかった。  
 
(・・・・だ、駄目だわ・・・・全然、隙が無い・・・・隙を作る方法も、思い付かない・・・・)  
 
一方、優子は、今や、それがほとんど意味の無いものである事に薄々気付きながらも、  
現状で他に取りうる手段も無く、フェイント動作を続けるしかない苦境に陥っていた。  
すでに疲労は全身を覆い尽くし、手足の動きも徐々にキレを失って大味なものとなりつつある。  
 
(・・・・どうしよう・・・・このままじゃ、いずれ・・・・。  
・・・・でも、一体、どうすればいいの・・・・?一か八かの勝負に賭けるしかないの!?  
・・・・ダメよ・・・・危険すぎるわ、その程度の事はとうに見透かされてる筈だもの・・・・)  
 
迂闊に踏み込んだら最後、最初の一撃は、まず確実に見切られて空を切らされ、  
体勢を立て直して次の攻撃動作に移るまでの僅かな間隙に、狙い澄ました逆撃が返ってくるだろう。  
それを避け損なえば、逆転のチャンスは永遠に失われ、  
後は、戦闘不能に陥るまで一方的に叩きのめされて、陽子共々囚われの身となるだけの筈だ。  
 
精神的な重圧が喉元を圧迫して、ひと呼吸毎に息をするのがひどく苦しく感じられる。  
焦ってはならない、落ち着かなければ、と、必死に自分に言い聞かせるものの、  
全く打開策の見当たらない現状を前にしては、単なる繰り言でしかない。  
「ヴァリスの剣」を構えた両肘が鉛と化したかのように重く感じられ、  
まるで地面から強烈な磁力で引っ張られているかのように、切っ先の位置がどんどん下がっていく・・・・。  
 
――――――――破局の瞬間が訪れたのは、丁度その時だった。  
 
・・・・・・・・ン・・・・ん・・・・ぅん・・・・・・・・。  
 
倒れ伏していた陽子の身体が微かに動き、かすかにではあるが、呻き声も漏れる。  
優子がその異変に気付いたのは、大きくサイドステップを踏んだ、その瞬間の事だった。  
・・・・実際の所、注意が逸れたのは、ほんの一瞬、否、半瞬に過ぎなかったのだが、  
タイミングとしてはほぼ最悪で、空中でバランスを崩した身体の重心は、  
その僅かな時間のうちに、回復不可能なまでに傾いてしまう。  
 
(そこまでかい、お嬢ちゃんッ!!!!)  
 
反射的に地を蹴って前方に飛び出したメディアスが、肉食獣の笑いを浮かべつつ、強烈な突きを繰り出してくる。  
かろうじて身体を捻り、直撃だけは免れたものの、そこまでが限界だった。  
着地に失敗して転倒した優子の背中が、地面に叩きつけられ低くバウンドする間に、  
驚異的な切り返し速度で体を半回転させたメディアスの身体は再び宙を舞い、  
そして、回避はおろか、受け身すら取れない状態の哀れな獲物を完璧に仕留めたのだった。  
 
「・・・・ぐっ・・・・!!・・・・あっ・・・・あがぁあっ・・・・!!!!」  
 
充分に体重を乗せた人間兵器の膝が、「ヴァリスの戦士」の贅肉一つ無い引き締まった腹部を捕捉し、  
防御フィールドによっても吸収し切れない衝撃波が、腹腔を貫通して背中へと抜ける。  
直後にほとばしった悲痛な叫び声は、すぐさま苦悶の呻きに取って代わられ、  
さらに、ダメージを負った内臓から逆流してきた大量の血反吐によって掻き消されてしまう。  
凄まじい激痛に、優子の全身は狂ったような痙攣を発し、視界全体が無数の火花で覆い尽くされた。  
 
(・・・・あああ・・・・だ・・・・だめっ・・・・!!よ、陽子を・・・・守らなくちゃ・・・・ううっ・・・・陽子を・・・・っ・・・・!!)  
 
気力を振り絞り、意識を保とうとする努力も空しく、  
見開かれた瞳孔が拡散を始めると、閃ゆい光に満たされていた筈の視界が、一転して闇に閉ざされていく。  
必ず生かしたまま捕えよ、というゼルの厳命に従って、生命には別状の無いように手加減していたものの、  
そうでなければ、確実に優子の命を奪っていたであろう、文字通り、必殺の一撃である。  
元より抵抗など不可能であり、むしろ、僅かな時間とはいえ、意識を保っていられた事の方が不思議なくらいだった。  
 
(・・・・ごめん・・・・陽子・・・・約束・・・・守れそうにないよ・・・・。  
ずっと一緒にいるって・・・・どんな時でも・・・・・守ってあげるって・・・・約束・・・・したのに・・・・)  
 
夜空を仰ぎ、高らかな勝利の笑いを響き渡らせるメディアスの姿がグニャリと歪み、  
目の前の世界全てが、渦を巻きながらグチャグチャに溶け合い、混じり合っていく。  
視力を失った双眸から、じわっ、と涙が滲み出し、血の気の失せた頬を流れ落ちていった。  
意識が完全に混濁して、何も感じなくなるまでの最後の数秒間、  
優子は、すぐそばの陽子に向かい、血を吐くような悔悟の言葉を連ねて赦しを請い続けていた。  
 
「・・・・フフ、フフフッ!・・・・フハハハッ!!ハーッハッハッハッ!!!!」  
 
「ヴァリスの戦士」の身体が、ガクリ、と力尽き、昏倒するのを確認して、  
有頂天になったメディアスは、感覚の失せた優子の右手に向かって手を伸ばし、  
強ばった指を割り開いて、意識を失ってなお、放そうとはしなかった「ヴァリスの剣」を強引に引き剥がした。  
 
――――――――ザクッッッ!!  
 
白目を剥いて気絶している少女の傍らに、まるで彼女の墓標であるかの如く突き立られたその刀身に、  
青白い月の光が降り注いで、力尽き倒れた主の白い肢体を幻想的に映し出す。  
 
(・・・・・・・・・・・・!?)  
 
高らかな哄笑を迸らせながら、勝利の喜びに酔い痴れるメディアス。  
不意に、その背中がビクンと揺れ、強烈な性的昂奮が、電流となって脊髄の間を駆け上っていく。  
抗し難い衝動に駆られて、仰向けに倒れている優子の上に屈み込み、改めてその身体に視線を走らせた女闘奴は、  
つい今しがたまで、嘲弄と軽蔑の対象に過ぎなかった筈の未成熟な果実が、  
間近で見ると、不思議と、まんざら馬鹿にしたものでも無いように思える事に気付いて、思わずニヤリとした。  
 
(・・・・フフ、一体、どうしたというんだろうな?  
こんな小娘に欲情を感じるなんて、私らしくもない・・・・フフフ・・・・)  
 
苦笑気味に独りごちたメディアスだが、無論、阿修羅ほど極端ではないものの、  
自分もまた、性的な欲望と無縁な存在ではありえない事は理解している。  
殊に、戦闘の直後には、身体の各所に残る激闘の余韻が、気分を高揚させ、感覚を鋭敏にして、  
全身の血液を熱く滾らせ、ズクンズクンと本能を疼かせる事も多々あるという事も、  
そして、そういった場合にはどう行動すれば、欲求を鎮め、沈着冷静な自分を取り戻す事が出来るのか?も・・・・。  
ギラギラと欲情した眼差しが、意識を失った少女の肉体をねぶるように行き来して、戦利品の価値を吟味する。  
 
・・・・ひどくゆっくりとした心臓の鼓動に併せて、弱々しく震え慄いている胸のふくらみは、  
メディアスのそれには及ぶべくも無い大きさではあるが、見た目にも柔らかく揉み心地が良さそうだった。  
・・・・内出血によって青黒く変色している腹部の上には、純白のミニ・スカートが捲り上がり、  
薄い恥毛に覆われたデルタ地帯の中心を走る、貝の様にぴったりと閉じ合わさった秘裂が露わになっている。  
・・・・そして、戦いの間、重圧と苦痛によって醜く引き攣っていた「戦士」の顔は、  
全ての意志と感情を失った今、すっきりと整った目鼻立ちと可愛らしい口元が印象的な少女のそれに戻っていた。  
 
(・・・・ウフフフ、大したことないって思ってたけど、こうして見ると、意外にいいカラダしてるじゃない・・・・)  
 
にやけた笑みを浮かべつつ、メディアスは優子の顔に手を伸ばし、  
血の気を失った頬にかかった、長い青髪を払いのける。  
目の前の少女の体を包んでいる、自分の内には存在しない無垢な雰囲気に対して、  
無意識のうちにではあるが、嫉妬、もしくは、羨望にも似た感情を覚えたのも手伝って、  
収まりの悪い金髪を掻き上げた女闘奴は、優子の顔を覗き込みながら、  
半分土気色に変色しかけたその口元に、たっぷりと唾液を含んだ唇をそっと近付けた。  
 
(・・・・ホントに可愛い顔だな・・・・麗子があれほどご執心だったのも無理もない。  
・・・・フフッ、もっとも、城に連れ帰れば、もう二度とこんな表情は拝めなくなるだろうがな・・・・)  
 
復讐心に凝り固まったゼルとダリス、そして、変態性欲のかたまりの阿修羅の顔を思い浮かべ、  
目の前の、まだあどけなささえ残る少女の末路に、僅かにだが憐憫の感情を催す女闘奴。  
あの麗子ですら、城を出る直前に目にした時には、  
昼夜を分かたず続けられた陵辱と調教に完全に屈服して、被虐の喜びに溺れきっていたのだ。  
この清純そのものな少女とて、せいぜい数日もすれば、「戦士」の誇りも少女の純潔もかなぐり捨てて、  
与えられる苦痛と快楽に淫汁を垂れ流し、自ら尻を振り立て肉の悦びに悶える牝犬と化すだろう。  
 
(・・・・そうなる前に、この場で頂いておくのも悪くは無いな。  
生かしたまま連れ帰れとは命令されているが、手を触れるなと言われた覚えはないのだから・・・・)  
 
――――――――だが、メディアスの唇が優子の口元に触れようとした、その刹那。  
 
ドスン、と何か重く硬い物が、女闘奴の背中、丁度背骨と肩甲骨の中間辺りにぶつかって、鈍い音を立てた。  
何事か、と、背後を振り返ろうとしたメディアスだが、何故か身体が言う事を聞こうとしない。  
不思議に思う間もなく、今度はゾッとするような冷たさが背中を走り抜け、その後を激痛が追いかけてくる。  
 
「・・・・・・・・ぎゃああああああああっ!!!!」  
 
狂ったように悲鳴を上げ、優子の体を放り出したメディアスは、  
そこだけ鎧を剥ぎ取って露わにした己の乳房が、  
ざっくりと断ち割られて、鋭い輝きを放つ白刃が突き出しているのに気付いて愕然となる。  
大きく開いた傷口から噴出した大量の血しぶきが、自慢の胸元を深紅に染め上げるのと前後して、  
喉の奥からこみ上げてくる気泡まじりの濁った血液が、口腔内をなまぐさい臭いで一杯にした上、  
さらに、口蓋を突き破らんばかりの勢いで外へと溢れ出していく。  
 
「・・・・ハァッ、ハァッ・・・・優子を、放せ・・・・ハァッ、ハァッ・・・・この、化け物っ・・・・!!」  
 
胸元から剣を生やした女に向かって、怒りと憎悪に満ちた言葉を突き立てる陽子。  
ラピス・ブルーの鎧をあらかた脱ぎ去って、僅かな装身具を身に着けただけのその身体には、  
目の前の女から受けた打撃が青黒い痣となって残り、引き攣った頬にはまだ血の気が無い。  
足元はフラフラとおぼつかなく、口元からはひっきりなしに激しい喘鳴が漏れ続けていた。  
完全に油断した状態だったとは言え、最強の人間兵器相手に一太刀浴びせる事が出来たのが不思議なくらい、  
その体力は消耗しきり、それどころか、いつ倒れてもおかしくないようにすら見える。  
 
(・・・・許さない・・・・こいつ・・・・麗子だけじゃなく・・・・優子にまで・・・・!!  
・・・・絶対に・・・・絶対に・・・・許さないんだからァァァッ・・・・!!!!)  
 
・・・・だが、両目に宿った意志の光は、死の淵から生還したばかりの人間のそれではありえなかった。  
赤い瞳を憤怒の炎で燃え上がらせつつ、足元に落ちていたもう一本の剣を拾い上げる陽子。  
メディアスの目が驚きに見開かれ、血泡で一杯の口元が「ありえない」という形に変化する。  
しかし、「ヴァリスの剣」を構えた陽子が、その切っ先を女闘奴の血染めの胸元へと向けると、  
金髪女の目の前で、刀身に幾つもの白い輝光が現れて、剣の先端部へと集まっていき、  
ゆっくりとではあるが、途方も無く強大なエネルギーを秘めた光の砲弾を形成し始める。  
つい先刻まで三界最強を自認していた女は言葉を失い、傷の痛みすら忘れてその場に立ち尽くした。  
 
(・・・・バ、バカな・・・・こいつ・・・・まさか・・・・「ヴァリスの剣」を・・・・使えるというのか・・・・!?  
・・・・そ、そんな・・・・バカな・・・・そんな事・・・・デ、データには・・・・何も・・・・!!)  
 
こめかみから冷たい汗が噴き出したメディアスの顔が、  
おそらくはこの世に生み出されて以来、初めて感じた筈の死への恐怖によって、醜く凍る。  
あらゆる予測を超えた事態に、遺伝子のレベルで刻み込まれたプログラムが次々と破綻を来たし、  
無敵の筈の人間兵器は、恐慌に駆られて全身を震え慄かせながら、喉の奥から無数の血泡を吐き続けた。  
 
「・・・・絶対に・・・・絶対に、お前だけは・・・・許さないィィィッッ!!!!」  
 
咆哮と共に、「ヴァリスの剣」から放たれた聖なる輝きが光の飛礫となって襲いかかり、  
断末魔の悲鳴を上げるメディアスの身体を包み込むと、圧倒的なエネルギーで破砕していく。  
 
「・・・・・・・・こんな、バカなぁぁあああっっっ!!!!」  
 
全身を覆った頑丈な緑色の鎧が、飴細工のように一瞬にして砕け散った。  
強化組織と生体部品によって極限まで強靭さを高められている筈の、皮膚が、筋肉が、骨格が、  
次々に、こそぎ取られ、断ち切られ、へし折られた挙句、シュウシュウと耳障りな音を立てながら蒸発していく。  
 
・・・・最期の数秒間、女闘奴は、白い光の渦の中で、その様子を茫然と眺めている事しか出来なかった・・・・。  
 
(・・・・やった・・・・わ・・・・優・・・・子・・・・)  
 
――――カラン、と乾いた音を立てて、「ヴァリスの剣」が陽子の手の中から滑り落ちる。  
直後、ガクッ、と地面に膝をついた「レダの戦士」の身体が、そのまま力を失って倒れていく。  
精根尽き果てた少女は、もはや、ピクリ、とも動けないまま、  
かすむ双眸を凝らして、前方の焼け焦げの向こうに横たわる最愛の人の安否を確かめようと試みた。  
 
(・・・・良かった・・・・優子・・・・無事・・・・だったの・・・・・ね・・・・)  
 
焦点がぼやけ、色彩が失われて全てが灰色の帳に覆われる寸前、  
かろうじて瞳に映った優子の胸は、弱々しくはあるものの規則正しい律動を刻んでいた。  
それを確認した陽子は、最後に安堵しきった微笑みを浮かべ、深い眠りの底へと落ちていく・・・・。  
 
(・・・・ごめん・・・・優子・・・・ちょっとだけ・・・・眠っちゃう・・・・ね・・・・。  
・・・・目が・・・・覚めたら・・・・ちゃんと・・・・麗子を助け・・・・に・・・・行く・・・・から・・・・――――)  
 
「・・・・あらま、大変!メディアスったら、ホントに災難だったわねぇ。  
クククッ、まぁ、お陰でアタシは楽が出来るってもんだけど・・・・ホーホッホッホッ!!」  
 
足元に転がっている炭化した骨のカケラをつまみあげ、相も変らず気色の悪いオカマ口調で独りごちる阿修羅。  
さすがに酷く驚いてはいるものの、特段慌てている風でもないのは、  
アシャンティにおける魔道科学の粋を結集したガルバ城の研究室ならば、  
文字通り骨の一片でも残っている限り、再生は可能と知っているからである。  
・・・・もっとも、ここまで破壊された状態からでは、さすがに完全に元通りという訳には行かないだろうし、  
再生が完了するまでに膨大な時間と労力が必要となるのも明らかだろうが。  
 
「・・・・それにしても、このコにあんな力があったなんてねぇ・・・・。  
フフ、それとも、これが、「愛の力」というヤツかしら・・・・?」  
 
興味深げな眼差しを浮かべて、地面に倒れ伏した紅髪の少女をじっと観察するオカマ魔人。  
優子の危機を救うために持てる全ての、否、それ以上の力を使い果たした陽子は、  
再び訪れた危機に気付く事すら出来ないまま、無防備な姿を晒している。  
「レダの剣」もまた、意識を失った主に倣って、刀身を消失させ、  
ある種の甲殻生物を思わせる円形の柄の部分だけとなって、焼け土の中央に転がっていた。  
そこから少し離れた場所では、彼女と同様、全く抵抗の叶わない状態の蒼髪の少女が、  
均整の取れた美しい肢体を青白い月明かりの中に浮かび上がらせ、微かな寝息を立てている。  
 
「・・・・どっこらせっ、と・・・・ウフフ、これは大漁だわねぇ。  
ゼル様とダリス様の喜びようが目に浮かぶようだわ・・・・クックックッ・・・・」  
 
意識を失った優子と陽子の体を小脇に抱え込んだ阿修羅は、  
「ヴァリスの剣」と「レダの剣」、それについ先刻までメディアスだったものの残滓を手中に収め、  
残った六つ目の手で携帯用の通信端末を操作して、ガルバ城に向けて「任務完了」の報告を送る。  
もっとも、その時すでに、変態男の関心は、帰還後にゼルとダリスから与えられる筈の賞賛や褒賞などではなく、  
両脇に抱えた少女達の発散する、女性としての成熟を迎える手前の時期に特有の甘酸っぱい薫香へと移っていた。  
鼻腔をくすぐる瑞々しい汗の匂いと、両手に感じるなめらかな柔肌の感触とに、  
自然と表情を緩ませたオカマ男は、意識を無くしたままの二人に向かって、いらやしい目つきで笑いかける。  
 
「・・・・麗子の調教は、もう完璧な状態に達してるから、明日からは早速アンタ達の番よ。  
フフフッ、心配なんて無用無用・・・・屈従と被虐の快感を、たぁっぷりと教え込んであげるんだから。  
立派に牝奴隷になった後は、ゼル様とダリス様が死ぬまで可愛がって下さるわ・・・・麗子のようにねぇ!!!!」  
 
――――――――ガルバ城内。拷問牢。  
 
「むふぅあぁああぁっっ・・・・!!!!」  
 
冷たい石床の上に両手両脚をつき、機械兵の両脚の間に顔を押し付けた麗子の口から、くぐもった悲鳴が上がる。  
背後から忍び寄ってきたロボットが、金属製のアームを軋ませながら少女の尻たぶを割り開き、  
すでに何度と無く犯されて真っ赤に腫れ上がっていた肛門の様子を、  
赤外線カメラを用いて冷酷に観察し、データの羅列として人工頭脳に流し込んでいった。  
 
「・・・・ピピッ・・・・解析完了・・・・現在ノ目標ノ肛門拡張率117パーセント・・・・。  
・・・・ピッ・・・・前回計測時ヨリ3ポイントノ増加・・・・ピピピッ・・・・擬似男根ヲ『タイプB』ニ換装シマス・・・・」  
 
ガルバ城の中にごまんといる、衛視ロボットたちとほとんど変わりない外見のこの機械たちには、  
ただ一箇所、両脚の付け根部分に、各々微妙に異なる形状の突起物が付け加えられている。  
今、麗子の背後に立っているロボット兵のそれには、工事用のドリルを思わせる螺旋状の溝が付けられており、  
「目標」の状態に応じて、長さや太さを自在に変更できる仕様になっていた。  
 
それを防ぐべき漆黒の鎧は、未だ辛うじて原型を留めてはいるものの、見るも無残にひび割れや変形を生じ、  
もはやいかなる防御力も伴わず、少女の肌を多少なりとも覆い隠しているだけの代物に成り下がっていた。  
・・・・否、覆い隠している、というのは正確な表現ではないだろう。  
今となっては、むしろ、度重なる暴行と調教の結果、理性も自制心も完全に失くして性欲の虜となり、  
あさましい声を上げながら快楽地獄の中でのた打ち回る事しか出来なくなった麗子の体に、  
より扇情的な彩りを添えて、見る者の目を愉しませる装飾物と言った方が適切かもしれなかった。  
 
「・・・・ひっひっひっ、さすがは阿修羅、見事なまでの仕上がりじゃて。  
あの小生意気な麗子の、かくもブザマな姿を拝めようとは。  
・・・・ククッ、これまで待った甲斐がござりましたなぁ、総統閣下?」  
 
目も口も全て曲線で構成されたカエルのような顔をにやつかせながら、隣に立った主を見上げる宦官ダリス。  
白皙の面に酷薄な微笑を湛えたアシャンティの絶対君主は、  
側近の言葉に首肯して、紅を点した唇の端を吊り上げてみせる。  
頭上に頂いたターバンにあしらわれた巨大な紅玉、そして、中性的な美貌を漂わせる切れ長の双眸が、  
共に嗜虐の炎を燃え盛らせながら、目の前で機械兵に犯される「ヴァリスの戦士」を、じっと愛でている。  
白絹の布地をたっぷりと使った豪奢な衣服の下では、煮えたぎる牡の欲望が股間の逸物へと集まり、  
今にもはちきれんばかりに、硬く、熱く、充血を促し続けていた。  
 
「そぅれ、麗子の尻をもっと持ち上げて、総統閣下に、よくよくご覧頂くのじゃ。  
・・・・違う違う、もっと高く・・・・そうじゃ、そのまま、尻の穴をこっちに向けるのじゃ・・・・」  
 
主の期待に応えるべく、矢継ぎ早に発せられるダリスの指示を、少女を取り囲む機械兵が黙々と実行していくと、  
欲情した視線の見つめる前で、ピンク色の花弁がおずおずと開き、  
縮れた草叢に覆われた恥かしい場所が、半透明な露に濡れそぼっていく。  
目ざとくそれを見付けたダリスが命令を下すと、進み出てきた新たな機械兵が、  
無造作に摘み上げた大陰唇を、グニュ〜ッ、と割り拡げた上、膣道の入り口を水銀灯で明るく照らし出した。  
 
「・・・・んぶっ!?・・・・んんんっ・・・・んむぅううううっ・・・・!!!!」  
 
色惚けしきった中にも、自分がどんな状況に置かれているのか把握できる程度の知性と、  
そして、それを恥辱と感じる事が可能な程度の羞恥心は残されているのか、  
麗子は屈辱に顔を赤らめ、大粒の涙をポロポロ流しながら、左右に激しくかぶりを振る。  
だが、阿修羅の手で、陵辱に対する「奴隷の作法」を徹底的に教え込まれたその肉体は、  
その行為に、怒りよりも恐怖よりも嫌悪よりもずっと強烈な快感を覚え、打ち震えずにはいられなかった。  
 
「・・・・ふむぅ・・・・聞きしに勝る仕上がりだな・・・・」  
 
感嘆の呟きを漏らしつつ、腰を屈め、目を凝らして、淫らにひくつく肉襞を覗き込む総統ゼル。  
尻肉にかかる生温かい吐息の感触に、麗子の背中が、ビクン、と跳ね上がったかと思うと、  
子宮の奥から溢れ出したヌルヌル液が尿道口を突き破り、勢い良く、シャシャシャ〜〜ッ、と迸る。  
周囲に立ち込めた淫靡な牝臭を胸一杯に吸い込み、満足そうな笑みを浮かべたゼルは、  
更なる好奇心の対象を、細かい汗の粒にびっしりと覆われた白い尻肉に求めつつ、忠実な側近を招き寄せた。  
 
「ここはどうなっているのだ?たしか、レーコの一番の泣き所だった筈だが?」  
 
興味津々な視線の先では、入念な調教の成果を物語る腫れ上がった菊門が、ひくんひくんと息づいている。  
傍らのダリスが、パチン、と指を鳴らすと、  
機械兵のロボット・アームが、無数の小皺が集中したすぼまりへと伸びていき、  
固く食いしばった括約筋をものともせずに、直腸の通路を強引に割り開いた。  
 
「・・・・うぶっ・・・・うぐぐっ・・・・!?・・・・んむぅんっ・・・・んぐっ・・・・むぐぁううっ・・・・!?」  
 
口に含んだ鋼鉄製の一物を力一杯噛み締めながら、額に大粒の脂汗を浮かべる麗子。  
冷たい金属の指先によって容赦なく拡げられた少女の排泄器官が、  
ミチィッ、ミチィッ、と不気味な音を立てながら、引き延ばされていく。  
ある程度まで拡張が進んだのを確認すると、ダリスは再び合図を送って機械兵の動きを止め、  
元の大きさの倍近くまで開いた尻穴に、太い指を一本ずつ順番に沈め始めた。  
 
「・・・・ふぇっふえっふぇっ、ど〜したのじゃ、麗子?少しは抵抗してみたらどうじゃ?  
ひひひッ、このまま降参では「ヴァリスの戦士」の名が泣こうというものじゃて・・・・  
ホ〜レホレ、遠慮はいらぬぞ・・・・思うておる事を、好きなだけ口に出すが良いわ・・・・」  
 
嘲りの言葉と共に、人差し指が難なく滑り込んだ後、さほど苦労することも無く、中指がそれに続き、  
さらに、かなり窮屈さは増したものの、薬指までもが根元まで飲み込まれてしまう。  
合図と共に正面の機械兵が麗子の顎を振りほどき、しゃぶらせていた股間の金属突起を強引に引き抜くと、  
擬似男根に舌を絡める事で、辛うじて判別可能な言葉とならずに済んでいた煩悶の呻きが、  
淫らな熱に冒された荒い吐息と共に、拷問牢の石壁に響き渡った。  
 
「・・・・ひぃぁあっ・・・・き、気持ちいいっ・・・・気持ちいいよぉっ・・・・!!  
あひぃいいっ・・・・お、お尻・・・・お尻の穴っ・・・・熱くて・・・・あああっ・・・・もう駄目ぇっ・・・・!!」  
 
もはや麗子の目元は完全に蕩け、表情は力を失って、だらしなく崩れきってしまっている。  
運動量に呼吸が追いつかないのか、空気を求めて口元をパクパク動かすたび、  
肛門の肉襞がピクピクと不規則な痙攣を発して、ダリスの指先に絡み付いてきた。  
その表面から滲み出した腸液の、愛液とは微妙に異なる触感を堪能しつつ、  
ヴェカンティの宦官はさらに奥深くへと指先を突き入れ、肉襞の表面を執拗に嬲り続ける。  
 
「ひぐぅううっ!!オジリ・・・・オジリのあながぁっ・・・・ぎ・・・・ぎもぢいいっ・・・・!!  
あが・・・・あびぁああっ!!もっど・・・・もっど、がぎまわじでぇっ!!オジリのあな・・・・もっどぉっ・・・・!!」  
 
脳内に溢れ返る快楽物質が言語中枢を惑乱させ、  
麗子の声帯は、ビブラートのかかったような震え声しか出せなくなる。  
ダリスの指が直腸の内壁をこねくり回すたび、脊髄を駆け上る快感の電流は、  
頭頂部に達した瞬間にバァンと弾けて、脳細胞をグチャグチャに攪拌しつつ、  
巨大な衝撃波へと変換されて、神経索を伝い、全身の隅々にまで伝播していく。  
 
「いびぃぃっ!!いび・・・・いびぃよぉっ・・・・!!  
びぎぃいいっ・・・・だ・・・・だずげで!!オジリのあなぁぁっ・・・・ぼうだべぇぇぇっ・・・・!!」  
 
汗と涙と唾液と鼻汁とで牢の床をベトベトに汚しながら泣き叫ぶ麗子。  
繰り返された調教によって、本来の内径を遥かに超える拡張を施されているとはいえ、  
常人よりも二回りは太いダリスの指を三本も呑み込まされ、思い切り掻き回されては堪らない。  
真っ赤に充血した肛門は、たちまちのうちに今にも張り裂けんばかりの有様となり、  
ミチィッ、ミチィッ、と鈍い悲鳴を上げながら、鋭い痙攣に包まれていった。  
 
「びぎぎぃいいっ・・・・!!イッ・・・・イグゥッ・・・・もう、イグゥッッッ!!  
・・・・びあああっ・・・・オジリで・・・・オジリのあなで、イッぢゃうよぅッッ・・・・!!!!」  
 
野太い指が狭い肉襞の間で蠢くたび、ビキビキッ、ミシミシッ、と軋みを上げる尻肉から、  
突き刺すような鋭い痛みが湧き上がり、快感の後を追うように頭の芯を串刺しにする。  
示し合わせているかのように、入れ替わり立ち替り、交互に襲ってきては、  
頭の中を引っ掻き回し、滅茶苦茶にしていく強烈な快感と激痛・・・・  
そのハーモニーの前に、麗子の精神はもはや抵抗する術とてなく、絶頂に向かって追い上げられていくしかない。  
近付きつつあるその気配に、ダリスとゼルの視線が熱気を増し、残忍な喜びに満たされていく・・・・。  
 
「オオッ!!危ない危ない・・・・何という締め付けじゃ。危うく指を食い千切られるところじゃったわい。  
さすがは麗子、こんな状況でも反撃の機会を狙っておるようじゃな・・・・まっこと、油断なりませんぞ、総統閣下」  
 
ひときわ甲高い絶叫をほとばしらせた直後、今日最初の絶頂を迎えた麗子を見下ろしつつ、  
冗談めかした口調で揶揄の言葉を口にする宦官ダリス。  
もっとも、達した瞬間に、肛門の収縮を司る括約筋が信じ難いほどの力を発揮したのは事実らしく、  
ダリスの指には、赤い噛み跡が、くっきりと残っている。  
だが、アシャンティを支配する青年独裁者は、からからと高い笑い声を発すると、  
自信たっぷりに丈の長い上衣の前をはだけ、突入の準備を整えて号令を待つばかりとなった男根を披露した。  
 
「・・・・はぁっ・・・・はぁっ・・・・ふはぁっ・・・・だ・・・・だめぇ・・・・もう・・・・だめぇっ・・・・。  
・・・・あああ・・・・おしりの・・・・あな・・・・いじめないで・・・・はふぅ・・・・もう・・・・いじらないでぇ・・・・」  
 
頂点を極めた快楽の余韻が生々しく残る体を揺らしつつ、弱々しくかすれた声で哀願を繰り返す麗子。  
絶頂に達した事で一時的に性欲が充足され、意識を覆い尽くしていた狂熱も少しは弱まったのか、  
僅かにではあるが、麻痺していた理性がその働きを取り戻す気配を見せ始めていた。  
だがその一方で、肉体も感覚も、つい先程まで燃え盛っていた甘美な興奮を忘れ去っている訳では決して無く、  
疲れきり、弛緩しきっている筈の手足の各所に、ピクン、ピクン、という不規則な痙攣が生じるたび、  
麗子のカラダの中で性への欲望がマグマとなって蓄積していき、再噴火のエネルギーを溜め込んでいく。  
 
「・・・・フフ、そう邪険にするものではない。  
ダリスの指も良かっただろうが、わたしの男根は、もっと丈夫で深くまで貫けるぞ。  
まずは、一度、味わってみるがいい・・・・きっとお気に召すと思うのだがなァ・・・・クックックッ」  
 
ダリスと位置を交代すると、背後から麗子の腰を抱きかかえる総統ゼル。  
女性と見紛うばかりの流麗な外見からは想像し難い事ではあるが、  
ゆったりとした白い衣服の下のゼルの肉体は、さながら磨き上げられた鋼鉄の彫像のようで、  
無駄な贅肉一つ無い、見事なまでに鍛え上げられた筋肉の鎧に覆われている。  
その肉体の中心に聳え立つ固い勃起した肉棒を、ぐじゅぐじゅになったすぼまりの上にあてがうと、  
案の定、この上なく逞しい感触に、少女は、はぁふうっ、と悩ましげな吐息を漏らし、尻肉を大きくよじらせた。  
フフッ、と冷やかな笑いを漏らした青年は、そのままゆっくりと腰を振りかぶると、  
トロトロに蕩けたアナルに狙いを定めた肉の大槍を突進させ、一気に奥まで押し込んでいった。  
 
――――――――アアッ、アガァアァァッッッ・・・・!!!!  
 
続けざまに発せられた、悲鳴とも嬌声ともつかない金切り声が、陰鬱な石牢の壁に反響して共鳴し合う。  
見事な半月形に反り返った背筋の内側を、ダリスの指に抉られた時と同じ、否、それ以上の電撃が走り抜け、  
爆発的に広がった抵抗不可能なゾクゾク感が、全身の毛穴を総毛立たせる。  
ずちゅっ、ずちゅっ、と、湿った音を立てながら、ゼルの陰茎が麗子の尻の中に出入りするたび、  
肩口で切り揃えた赤い髪が切なげに乱れ散り、憂悶の声は更に響きを増して木霊し続ける。  
 
「むううっ、こ、これは!?・・・・フフフッ、ダリスよ、どうやら体を張った甲斐はあったようだな。  
きつ過ぎず緩過ぎず、実に具合が良く仕上がっている・・・・まるで膣を犯しているような感覚だぞ!!」  
 
男根を包み込む生温かい粘膜の感触にある種の感動すら覚えつつ、傍らに立つダリスに声をかけるゼル。  
やや口惜しそうな顔を見せつつも、「それは良うござりました」と愛想笑いを浮かべる側近を軽くいなしながら、  
より一層の密着感を求めて、麗子の両腕を掴み取り、そのまま自分の身体を後ろに倒していく。  
後背位から突き下ろしていた肉の大槍が、今度は背面座位で斜め下から突き上げる格好になり、  
麗子の肛門は、自分自身の体重も手伝って、巨大な凶器を根元まで完全に飲み込んだ状態に陥ってしまった。  
 
「・・・・かっ・・・・ああっ!?・・・・はっ・・・・ぐぅっ・・・・あぐうぅぅっっっ!!!!」  
 
白い頤をほぼ垂直に近い角度にまで仰け反らせつつ、断末魔の喘ぎに口元を震わせる麗子。  
必死に体をよじり尻穴を抉る切っ先から逃れようとするものの、  
ゼルは、薄笑いを浮かべたまま、屈強な両腕で少女の体にがっちりと閂をかけ、それを許さない。  
逃げ場を無くした哀れな生贄の下腹部の中で、一層興奮して怒張を増した肉塊が存在感を倍加させると、  
極限に達した激痛が鋭利な刃となって、体内の臓腑をズタズタに切り裂き、引き千切っていく。  
 
「ああ・・・・あああ・・・・い・・・・いやぁ・・・・抜いて・・・・お願い・・・・抜いてぇっ・・・・!!  
・・・・ひぃぃっ・・・・痛い・・・・痛いよぉ・・・・お、お尻が・・・・裂ける・・・・ああっ・・・・破れるうぅっ・・・・!!」  
 
火の付いたように泣き叫ぶ麗子の哀願など一顧だにせず、肛門を貫いた肉の凶器は動き続ける。  
尻肉の間を、はらわたを叩き延ばすかのような激しさが往復するたび、  
腸壁の粘膜が、じゅちゅっ、じゅちゅっ、と重く湿った音を立て、引き攣った悲鳴が天井に向かって迸る。  
それでも、時間が経つにつれ、あまりの激痛の連続に痛覚が鈍磨したのか、痛み自体はあまり感じなくなり  
代わって、ヒリヒリと灼け付くように熱い不可思議な感覚が尻穴の中に充満し始めた。  
 
「・・・・んふぁああっ!!・・・・あ・・・・熱いよぉっ!!・・・・お尻の穴が・・・・も、燃えるぅっ・・・・!!  
んんっ・・・・だめぇっ!!・・・・お尻・・・・お尻が熱くて・・・・・むぁああっ・・・・力が・・・・入らないィっ・・・・!!」  
 
ゼルの腕の中に抱きかかえられた姿勢のまま、壊れかけの自動人形のようにガクガクと体を揺らす麗子。  
無論、尻肉の間の排泄器官を貫かれ陵辱され続けている事が、その震えの原因である事に変わりはないのだが、  
時と共に、少女のスレンダーな体を覆う痙攣は、痛みや恐怖に対する肉体の拒絶反応というよりも、  
そこから派生した各種の被虐の感情が、肉体に作用して顕れた変化としての要素の方が強くなっていく。  
やがて、充血しきったすぼまりが悪寒にも似たゾクゾク感の巣窟と化すに及んで、  
抑え難い衝動に突き動かされた麗子の腰は、ゼルの下半身の動きに合わせてリズミカルなうねりを発し始めた。  
 
「・・・・ふぇっふぇっふぇっ、何ともまぁ、節操のない小娘じゃて。  
さっきまであれほど嫌がっていたというに、自分から腰を振り乱すとは・・・・麗子、お主も大した牝犬じゃのう」  
 
あさましい欲望の虜となり果てた乙女の痴態を、侮蔑の感情も露わにジロジロと見つめるダリス。  
心の奥底にへばり付くようにして残っていた最後の羞恥心が刺激され、必死に顔を背けようと試みた麗子だが、  
肛門を抉るゼルの巨根の猛威はそのささやかな抵抗さえ見逃そうとはしなかった。  
あられもないよがり声と共に、改めて、大きく割り開かれた秘裂の間から濃厚な淫汁を噴出させる少女に向かい、  
けたたましい笑い声と共に、速射砲のような嘲弄の連撃を浴びせかける宦官の目の前で、  
牝犬の劣情に浸りきった鮮紅色の粘膜がヒクヒクと悶え、後ろの穴と同様、トロトロに蕩け解れていく。  
 
「クックックッ・・・・どうじゃ、悔しいじゃろう?惨めじゃろう?無力な自分が憐れじゃろう?  
そうじゃ、その顔じゃ・・・・!!屈辱に歪み、恥辱に悶えるその顔じゃ・・・・!!  
ひひひっ、悔しがれ・・・・もっと悔しがれ・・・・そして、もっともっと拝ませてくれ・・・・お主の惨めな顔を!!」  
 
なおも続く言葉責めに反応し、かろうじて莢の中に踏み止まっていた陰核が、覆いを撥ね退け、まろび出る。  
先程肛門で痛い目に遭いかけた仕返しという訳か、性感の集中するその突起へと伸びたダリスの指が、  
ツン、と身を尖らせた真珠玉を、根元から、キュッ、キュッ、と扱き上げると、  
麗子の全身が、ビクン、と大きく跳ねて、肉棒を呑み込んだままの腹腔が狂ったようにのたうち回る。  
躍動する腸壁粘膜を通じて、その興奮を感じ取ったゼルからも、むくぅっ、という小さな呻きが漏れ、  
込み上げてくる射精欲求が、屈強な下半身を無数の鳥肌で埋め尽くした。  
 
「ヒャーハッハッハッ、そうじゃ、このまま昇天してしまうがよいわっ・・・・!!  
ホレホレ、もっと良い声で啼けっ!!溢れ返る淫汁で股をズブ濡れにしろっ!!  
泣け!!喚け!!もがけ!!イキまくれ!!そして、もっともっと、苦しむ顔を見せるのじゃあっ・・・・!!」  
 
悪鬼のような形相を浮かべつつ、ひたすら麗子の媚肉を嬲り続けるダリス。  
陰核だけでなく、恥丘にも、陰唇にも、膣道にも、容赦なく陵辱の魔手が降り注ぐと、  
再度の、より巨大な絶頂に向かって急き立てられていた少女の肉体が、うねりを生じて捩れ上がる。  
ゼルもまた、さすがに今までのように余裕綽々という訳にはいかなくなったものの、  
きつさを増し続ける肛門の締め付けにも動じる事無く、下半身のストロークを徐々に高めていく。  
粘膜に舐られ扱かれて限界まで怒張した陰茎内に、沸騰した精液がドクドクと流れ込むのを感じつつ。  
 
「あひィィィッ!!・・・・ふほぉイィィッ・・・・ふほぉひいオォォォッ・・・・!!!!  
ああっ・・・・うあああっ・・・・はあへぇふうぅっ・・・・!!ひぃっ・・・・はあへぇひゃウゥゥッッ!!!!」  
 
直腸の中で誕生した極限大の激痛と極限すら超越した快感とが、全身の血液を煮え滾らせる。  
張り裂けんばかりに大きく広げられた口元から発したよがり声からは、子音のほとんどが消え失せて、  
麗子の身体を走り抜ける衝撃の巨大さを雄弁に物語っていた。  
僅か数秒の間に、呼吸が止まり、心拍が限界を超え、身体中の筋肉が弾けて無秩序な壊走を開始するのを、  
絶大なショックに失神さえ叶わなくなった意識の中で、麗子は、もはや為す術も無く受け止めているしかない。  
 
「ひぃあァアアッッッ!!・・・・ひふぅうっ・・・・ひんひゃうゥッ・・・・!!!!  
はひゃあああっ・・・・ひんひゃう・・・・あはぁひぃ・・・・ほぉ・・・・はぁへえエェェェッッッ!!!!」  
 
全身の感覚が熱暴走し、思考も感情もグジュグジュに溶け崩れて、煮えたぎる悦楽が全てを支配したその瞬間、  
麗子の肉体はゼルの肉槍に貫かれたまま、凍りついたように硬直して動かなくなった。  
そのまま数秒間が過ぎた後、ようやく、張り裂けんばかりに開ききった口元がわなわなと震え、  
もはや如何なる手段を以ってしても聞き分ける事が不可能となった言葉の残骸を幾つか吐き出される。  
視界全体を埋め尽くした星屑が燦然と輝きを発しつつ押し寄せてくる中、  
力尽きたその腰は、今まさに波間に消えようとする船の如く、大きく斜め後ろに傾いてゆっくりと沈んでいった。  
直後、ゼルの一物もまた限界に達し、大きく脈打つ筒先から白濁した液体をぶち撒けて、  
絶頂地獄の中で喘鳴を漏らし続ける少女の腹腔内に、熱いヌルヌルを幾重にも塗り重ねていく・・・・。  
 
「・・・・・・・・・・・・」  
「・・・・・・・・・・・・」  
 
狭い監視窓の向こうで繰り広げられる酸鼻な光景に、重苦しい沈黙の和音が共鳴しあう。  
生理的嫌悪感を伴った恐怖によってガラガラになった口腔からは、まともな声は発する事が叶わず、  
優子も陽子も、時折、・・・・うぐッ、・・・・はぐッ、と苦しげな呼吸音を漏らす事しか出来ないでいる。  
両手両脚を重く冷たい金属の枷で拘束されたその身体の上では、  
意識を失っている間に、わざわざ再度着せられたのであろう、各々の鎧が空虚な輝きを放っている。  
無論、剣は取り上げられて、ヴェカンタを利用した特殊な密閉容器の中に封印されており、  
鎧にも何か細工が施されたらしく、多くの機能を失って、実質、単なる飾りと変わらない状態に置かれていた。  
 
「・・・・ウフフフ、よぉく見ておくのよ。  
いずれ、アンタ達も、ああやって、あのお二人に下僕としてお仕えする事になるんだからねぇ」  
 
ゼルとダリスによって犯され続ける麗子の姿を横目で見やりながら、  
阿修羅は、囚われの身となった二人に向かって、虫唾が走るような笑みを浮かべてみせた。  
壁一枚を隔てた場所で陵辱されている友の姿を、無力に傍観しているしかない「戦士」たちは、  
怒りと嫌悪に表情を歪めつつ、重い械によって縛められた両手の拳をきつく握り、震わせ続けている。  
フフン、と冷やかに鼻を鳴らしたオカマ男は、頬杖をつきながら腕を組み、  
今後、どのようにこの二人を馴らし込んでいくべきか、具体的なやり方の検討に取り掛かった。  
 
(・・・・メディアスの再生には、どう考えたって、かなり時間が必要よねぇ。  
そうなると、麗子のような短期間での調教は難しいかしら・・・・?)  
 
優子と陽子には聞こえないよう、口の中で小さく舌打ちを漏らす六本腕のオカマ魔人。  
内心では、戦闘しか能がない体力バカ、と軽蔑していた同僚だったが、  
麗子を調教していく過程において、メディアスの果たした役割は、決して小さくはない。  
情け容赦ない暴力によって、「戦士」の誇りを粉々に打ち砕く事無くしては、  
これほどの短時日のうちに、麗子の精神をあの体たらくにまで失墜させる事は不可能だった筈である。  
その彼女が不在の今、調教作業を二人で分担して実行しなければならないもどかしさこそ無くなったものの  
阿修羅の前には、時間の制約という、より厄介な障害が立ち塞がっていた。  
 
(・・・・勿論、時間をかけて、じ〜っくり、責め続けるという手もあるにはあるケド・・・・。  
・・・・でも・・・・いや・・・・やっぱり・・・・それはちょっとマズイわよねぇ・・・・あの二人の性格を考えれば・・・・)  
 
微量の苛立ちを含んだ視線が、監視窓の内側と外側とを往き来する。  
隣の牢で淫行に耽る、自らの主人であり創造主である二人の男は、  
今の所、調教を終えて引き渡した麗子に夢中になり、優子と陽子については無関心なようだが、  
あと何日かすればそれにも飽き、新しい玩具が欲しいと言い出すに違いない。  
しばらくは引き延ばせるにせよ、二人を牝奴隷に仕上げるのに手間取っていれば、  
あの主従の性格から考えて、自分たち自身の手で調教を行おうとする可能性は充分にあった。  
そうなれば、メディアスが消えたお陰で、めでたく独り占め出来る運びとなった最高の「素材」を、  
みすみす手放さねばならない羽目に陥るのは目に見えている・・・・。  
 
(・・・・う〜〜ん・・・・そ〜なる前に何とかするとなると・・・・やっぱ、あの手しかないかしら?  
誰にでも使える訳じゃないケド・・・・ま、このコたちなら、まず大丈夫でしょ・・・・)  
 
ブツブツ言いながら、拘束された身体を寄せ合い、挫けそうになる心を精一杯励まし合っている少女たちの上に、  
解剖台に送られる直前の実験動物を眺める科学者のような眼差しを投げかける変態男。  
この二人の間の信頼と情愛、それらを上手く利用する事が出来れば、  
一人ずつ別々に屈服させる手間が省けるばかりか、相乗効果により調教自体の効率化も図れる筈だった。  
二人の間の心の絆が強ければ強いほど、大きな効果を期待する事が出来る。  
 
そう、心から信頼し合い、単なる友情や同志愛を超えた感情すら抱き合っている相手が、  
犯され、痛めつけられ、穢されていく姿を目の前にすれば、  
そして、陵辱者あるいは陵辱行為そのものに対する、歪んだ欲望に囚われていく様子を目に焼き付けたなら・・・・・・・・。  
 
「・・・・ムフッ、フフフッ、きっと、いや、間違いなく、面白い事になるハズだわよねぇ・・・・。  
・・・・いいわ・・・・他に良い方法も無さそうだし、それにき〜〜めよ、っと・・・・!!」  
 
調教の成功した瞬間を脳裏に思い浮かべながら、思わず、この場にはおよそ不似合いな陽気な声を発する阿修羅。  
出来の悪い道化役者のようなオーバーなセリフに嫌悪感を露わにしつつも、  
自分の言葉に耳をそばだて、必死にその意図を探ろうと試みる二人の囚人を眺めやり、  
邪悪な知性と歪み切った性癖に満ち溢れた双眸に、嗜虐の炎を燃え立たせる。  
 
(・・・・お前の言いなりになんてなるものか!!優子と麗子を連れて、絶対にここから脱け出してやるッ!! )  
 
キッ、と、烈しい視線で阿修羅を睨み返した陽子の双眸は、まだまだ負けん気の強さを残している。  
現在は囚われの身にあるとはいえ、メディアスを倒した事が自信につながっているのか、  
隙を見付けて窮地を脱し、あわよくば一矢報いてやろうとすら考えている様子がありありと浮かんでいた。  
 
(・・・・私たち、これからどうなってしまうの・・・・?  
・・・・まさか、みんな麗子と同じように・・・・!?ああっ、ダメよ、優子ッ・・・・そんな事、考えちゃダメ・・・・!!)  
 
一方、優子の方は、明らかに動揺の度合いが大きく、麗子の痴態を目にした落ち込みも激しいように見える。  
陽子を守り切れなかった自責の念と、麗子の悲惨な現状に陽子の未来を重ね合わせての絶望、  
二つのマイナスの感情が心の中に重く垂れ込めて、陽子に比べると表情も言動も明らかに生彩を欠いていた。  
 
(・・・・さぁて、陽子と優子、先に堕ちるのはどっちかしら・・・・ウフフ、楽しみだわ〜〜)  
 
 
――――――――――――TO BE CONTINUED.  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル