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ギィ!ギイィイイイイ!  
今までより一層に大きく不快な音がふたたび鬼甲虫の口から発せられその黒い体がぶるる、と痙攣を始めると、陽子はハッ、として陵辱者の腹の先に突き出る禍々しい肉器官へと視線をむける。  
蛇腹状の腹部の中で妖しげな蠕動が繰り返されその動きの波が徐々にその肉器官の根元へと向かう。  
肉器官の付け根がもこりと一回りふくらみ、蛇に丸飲みされた獲物のごとく次第に卵管の先端へと移動する様を怯えた目で眺めながら陽子はそれが何を意味しているのかを感じ取っていた。  
陽子の不可侵な砦を打ち壊すべく向けられた恐るべき肉の大砲に次なる白い砲弾が装填されようとしているのだ。  
その砲弾には火薬が詰まっているわけではないが一人の少女の運命に大きな打撃を加えるのには充分な破壊力を有している。  
その目標が例え伝説のレダの戦士であろうとも。  
 
ぶじ・・ぶじゅる・・・  
極めて粘ついた音と共に黄土色の粘液が放出された後、赤黒い肉の砲身に再び砲弾がこめられ、砲口から白い弾頭をのぞかせていた。  
朝霧陽子という白亜の城を陥落させる為の新たな砲撃の準備が整った黒い砲手の行動は迅速であった。  
最初に放った一撃の好ましからぬ結果を確認すると鬼甲虫は着弾を修正すべく再びその体を陽子の下腹部へと移動させ、目標をしっかりと固定し始める。  
「あっ!・・・いやぁっ!!」  
太ももを押さえつけている鬼甲虫の後ろ脚に力がこもるのを感じ陽子は慌てて股を閉じようとするが、もとから毒によって力を奪われた末に開脚を強要されたあげく、先程幻想へと逃避する中自分で更に秘部をさらしてしまっており両足はわずかに動くだけであった。  
 
ぬち・・・  
「う・・うぁ・・やっ・・・だ、だめぇ!」  
粘った水音と認めたくない快感、そして処女を踏みにじる卵管とその先端にある卵の感触に陽子は泣き叫ぶ。  
不気味に息づく腹部が陽子の股間へと折り曲り始めほどなく卵管の先が震える陽子の雌のエキスと汚液で蒸れたビキニパンツへと押しつけらていた。  
その攻撃目標となる場所・・・薄い肉の膜で守られた神聖で秘めやかな洞窟の入り口は一度目の砲撃の時とは違い、突きつけられた砲口から逃れようと必死になっている。  
そんな陽子のぎりぎりの抵抗も本人の意志に反してほとんど効果を現してはなく必死に揺り動かしているつもりの腰も毒の影響と粘着液のせいでその振れ幅はごく小さな範囲にすぎなかった。  
だが、一度目の攻撃に失敗した鬼甲虫は手法をかえて陽子を再び責め始める。  
濡れたパンツとの間に糸をひきながらすっ・・・と離れるとおもむろに勢いをつけて突き込んできたのである。  
 
ぐちゅ!  
「んあっ!」  
一瞬の空白をおいての衝撃。  
勢いをつけて放たれた鬼甲虫の2回目の攻撃は陽子の入り口の上、剥き出しになり赤く充血した肉珠と輝く聖水を吹き出す小さな穴の間一帯に卑猥な音と共に着弾した。  
本来の目標をはずれたとはいえ、陽子の下腹部を守るパンツの濡れそぼり濃く変色した部分はどこもが効果的な攻撃対象といえよう。  
クリトリスと共にしたたかに小突かれた尿道口からも形容し辛いじんわりとした快感が沸き上がってしまい、陽子は思わず声をあげてしまっていた。  
(う・・そん・・な!そこ・・・おしっ・・・のでるとこ・・・なの・・に・・・)  
いきなりの尿道口への刺激にとまどう陽子の恐れに反し、押しつけられていた冷たい固い感触が離れていく。  
「はぁ・・・」  
尿道を犯される、という信じがたい悪夢が遠ざかっていくのを感じ思わず陽子は短い安堵の溜息を漏す  
 
しかし。  
どちゅ!  
「うはぁ!」  
気の張りが緩んだ次の瞬間に加えられた3撃目は膣の入り口のすぐ右脇の肉ひだに命中し陽子は目を見開きもだえてしまう。  
直撃を免れたとはいえ至近弾をうけた陽子の秘裂はわずかに開かれ処女膜がみちり・・と音をたててきしむ。  
(はぁ・・はぁ・・・こ、この虫・・・なにを・・?)  
またしても目標からそれた卵管は何の未練も感じさせず再びパンツから離れると、陽子の思考を妨げんかの様にたて続きに先端をたたきつけ始める。  
4撃目は3撃目のやや下、5撃目はクリトリスの左側とパンツの際の間、6撃目は会隠部・・・・  
ずちっ!ぬちっ!びちゅ!・・・  
「ひゃうっ!ふあぁっ!うわあぁ!・・・」  
連続して突き込まれてくる卵管は速度をつけて陽子の股間全体のあらゆるところに命中する。  
 
勢いがある分、着弾した時の刺激は今まで以上に強烈ではあったがすぐさまに卵管が離れていくため快感その物の持続もごく短い物であった。  
しかし、快感が消えきる前に次の刺激が与えられてしまい陽子は短くもどかしい快楽のループに翻弄されひっきりなしに喘ぎ続けていた。  
この一撃一撃が今まで同様にじっくりとした嬲り方であればその回数分陽子はいかされてしまったに違いないが、まるで鳥についばまれている様なこの責めでは絶頂に押し上げられそうもなかった。  
そのことは本来、陽子にとっては不幸中の幸いというべきであるし、実際、衝撃に翻弄されつつも陽子自身頭の中ではそう考えていた。  
考えてはいた、のだが・・・  
 
(あぁ!はぁ・・んっ!あっ、そこ・・・!あふっ・・!)  
なまじ中途半端な刺激を受け続けているため陽子は事態を好転させる為の手段を考えだせず、かといって理性が消し飛ぶ程の快楽も与えられずに完全な生殺しの状態であった。  
それまでの散々に嬲られ媚薬を塗り込められ、火照ってうずく体にとってはその状態はむしろ災いしたといってもいい。  
しかも例え絶頂にまで至らなくとも突き回されている内に陽子の性感のボーダーラインは少しずつ上昇しているのである。  
卵管の突き込みの衝撃故に色に溺れきることもかなわず、かといってせり上がりつつある快感を押さえ込むこともできず喘ぎながら髪を振り乱す陽子にとって鬼甲虫のその責めはまさしく拷問に等しい物であった。  
 
ぶちゃ!!  
「うわ、うわあぁ!」  
十何回目かの突き込みがクリトリスのごくわずか上に着弾すると剥きあがった包皮ごと小さな真珠を押しつぶすと、一瞬陽子の頭の中は真っ白になってしまう。  
(あっ・・・もう・・・もう・・ちょっと・・で・・・)  
『いっちゃう』という心の声を懸命に押しとどめ陽子は両の手をぎゅっ、と握りしめる。  
ぶぴゅ・・・と、新たな多量の蜜が膣から吹き出る音が聞こえたような気がし、陽子は絶頂の予感に身震いしながらその瞬間を待ち受けた。  
ほんのあと一押しさえあれば。いや、2秒でもその場で小さな肉の珠を押さえ続けていたのなら陽子はこの生殺しの状態からとりあえず解放されていたに違いない。  
「あ・・・・そんな・・・」  
だが、卵管は陽子の内なる願望に応える事無く再び遠ざかってしまい、絶頂を目の前にしていた陽子の性感はふたたび7合目近くまで引き降ろされてしまうと思わず失望の言葉が漏れてしまう。  
 
防衛本能から幻想の中で無意識に快楽に身をゆだねていた時と違い今は陽子の意識ははっきりと現実を認識している。  
認識しているからこそ例え身体がうずき性感の極みに達したいと心の奥底で思っても、『いかせて欲しい』などとは死んでも口にはできなかった。  
いうまでもなく鬼甲虫は自らの種の保存本能に突き動かされて陽子を責め立てているにすぎない。  
彼、いや彼女にとって大事なことは『いかに陽子をいかせるか?』とではなく、『いかにして陽子に卵を産み付けるか?』というただ一点であり、未だ目標に直撃しない執拗な突き込みはその為の行為であるのだ。  
 
一見、一方的に責め立てる鬼甲虫が陽子の膣口を捉えるのは時間の問題かと思われた。  
しかしこの時、陽子が解りようもないことではあるが鬼甲虫の方も2つの点で限界に近づいていたのだった。  
1点は言うまでもなく卵管から卵を放出する排卵欲求、人間の男に例えるなら射精欲求の限界である。  
卵管を勢いにまかせて突き込むこの責めは鬼甲虫にとっても刺激が強く、今の陽子同様に鬼甲虫も『いきそう』という状態であった。  
そして2点目は陽子に生み付けるべき卵自体の強度の限界である。  
卵がぶつかる場所が陽子の濡れて柔らかな股間であったから今までの激しい衝撃に耐えてきたのではあるが、実際のところどれ程保つかというのは知れた物ではない。  
以上の限界を動物の本能で感知したとはいえ、本能に歯止めをかけるわけにもいかず鬼甲虫は躍起になって卵管を繰り出し続け、  
それを受けとめ続ける陽子もまた性欲という生き物の本質的な欲望に苛まれるのであった。  
 
ぐちゅうっ!  
「う!!」  
それまでとは違う異質な感覚にごく短い呻きとともに陽子の目が大きく見開かれる。  
数にして30回に届かんとしていた鬼甲虫の突き込みがここにきて主要ターゲットのひとつを初めて捕えたのだ。  
しかもこれまでになく精度と勢いで、である。  
屈辱と恐怖に涙する本人の意志に反し、止めどなく愛蜜を垂れ流す膣口の下数センチの所で息づく可憐なすぼまり・・・肛門。  
陽子にかぎらず、人体においてもっとも不浄な場所ともいえる排泄口の中心に卵管の先が叩きつけられたのであった。  
 
卵管の運動エネルギーは先端に装填された卵の中心軸を抜け、強い浸透性を帯びた衝撃となって肛門の窪みを正確に貫くと直腸内で急激に拡散する。  
恥ずかしい穴から全身に響き渡る鈍くもどかしい刺激の中にわずかではあるが快感を覚えつつも陽子は驚愕に身を打ち振るわせていた。  
「え・・・!?ち、ちょっと・・・まさか・・・そんなっ!」  
(そ、そこは・・・そこは・・・お尻の・・穴・・・・!)  
肛門を犯される、という想像すらしたことのないおぞましい予感が陽子の背筋を凍らせる。  
 
男根や射精に対するものと同様に言葉としてのアナルセックスという単語とその意味をおぼろげながらも陽子は知ってはいた。  
だがもっとも他人に見られたくない恥ずかしい排泄の穴に男を受け入れることなど、陽子には到底理解しがたかったし、もし愛しい彼にそこ求められたとしてもそれだけは抵抗があった。  
背徳感と恥ずかしさからか、そもそもあんな狭い穴に男性の物なんかはいりっこない、と頑迷に決めつけてすらいたのである。  
 
実際のところ、注入した毒に微量の筋弛緩効果があるといっても「受け入れる」構造の膣と「吐き出す」構造の肛門では外部からの刺激に対する柔軟性に差があるのは明白である。  
いうまでもなく性の知識に疎い陽子にロストバージンより先にアナルセックスの経験もあろうはずもなく、自慰ですら用いたことのない肛門は秘部以上に未開発であった。  
まして極めて伸縮性に富んだ素材で出来ているとはいえ、もとからして無理がありそうなビキニパンツごとの挿入である。  
単純にみる限り陽子の肛門への卵の産み付けは不可能とはいわないにしても極めて難しいと思えた。  
 
陽子の思いはともかく、鬼甲虫としても少ない労力で肛門よりは膣腔に産卵を済ませたいところではあっただろう。  
だが先の2つの限界がすでにピークを迎えつつあり、ここで決めないことにはまた一つ貴重な卵を無駄にしかねない状況であったし、もとより膣が一杯になったら肛門に詰め込む流れである。  
本能によって導き出された鬼甲虫の決断により、それまでの突き込みと同じく卵管が離れていくのを望んだ陽子の淡い期待は見事に裏切られた。  
 
ぐっ・・・ぐぐぅ・・・!  
「うっ!うぁ・・・いやっ!やめ・・・やめてぇぇぇ!!」  
次第に力を増す肛門への圧迫に予感が現実になりつつあることを感じ陽子は堪らず悲鳴をあげ卵管から逃れようと躍起になる。  
だがどんなにもがこうと理想的なまで正確に押しつけられた卵管の先が寸分たりとも離れる様子はなく、その光景はまるで肛門自体が貪欲に卵に吸い付いているかの様に見えた。  
絶好のチャンスに陽子を押さえつけている鬼甲虫の脚に力が込められ鋭い爪先が少女の汗ばむ柔肌に食い込みうっすらと血をにじませる。  
尻の谷間に幾筋も浮かび上がったパンツの皺が加えられている力の程度をまざまざと表していた。  
 
ぐり・・ぐりりっ・・  
「はあぁう!だ、だめぇ!いやあああぁぁ!」  
(やだぁ・・・そ、そこは・・・お尻は・・・いやぁ・・・)  
ぽろぽろと涙を流しながらも卵管の挿入だけは避けようと括約筋を締める陽子。  
だが、軸がぶれない程度な慎重さを伴いながら卵管が細やかなバイブレーションをもって責め立てられると、圧力によって増幅された振動が甘い痺れとなって陽子の肛門と理性を激しく揺さぶり、抵抗の言葉を嫌が上でも濡らすのであった。  
数十秒にわたる執拗だがむずがゆい刺激に頑なだった陽子の肛門がおずおずと口を開き、ゆっくりとだが卵管の先に覗く卵をくわえ込み始めると頃合いとみてとった鬼甲虫は一気に狭隘な肉門を突破しようと最大限の力で卵管を突き出す。  
 
ぐぬうぅぅっ!  
「っあ!・・・あぁ・・・い・・やあぁ・・・いやぁ・・・」  
肛門が広げられていく微かな痛みと確かに感じる卵の質量に圧倒され、自らの肉体の制御すらおぼつかなくなった陽子は絶望的な声をあげる。  
この時陽子の肛門はすでに3cmばかりおし開げられ4cm近くの直径を持つ卵の1/4程度を飲み込んでなお余裕があるように見えた。  
(あぁ・・・だめ・・・もう・・・もう・・・入れられちゃ・・う・・!)  
徐々にめり込んでくるビキニパンツに柔らかくほぐれつつある肛門をこそぎとられる中、遂に陽子は観念した。  
とてつもない徒労感と無力感に捕われ一気に力の抜けた獲物にここぞとばかり鬼甲虫は卵管を推し進め赤黒い肉の砲身から顔を覗かした白い弾頭部、すなわち卵の1/2を陽子のもっとも屈辱的な穴にねじ込むことに成功する。  
 
「くはあああぁ・・・」  
卵の直径分まで広げられた肛門から伝わる、充足感にみちた圧迫に思わず陽子の口から切なげな溜息が洩れるとともに新たな涙がこぼれおちる。  
巨大な蠱の卵を肛門に産み付けられる、という常人ではまったく想像の及ばぬ異常で背徳的なエロスをはらんだ行為が今まさに自分の身体で完遂されようとしているのだ。  
股間に充分にまぶされた粘液かそれとも体内をめぐる毒の影響か、思っていたほど痛みがないのが陽子にとって唯一の救いであった。  
加えていうならば蠱が尻に産み付けることで満足して立ち去ってくれるのならば処女を奪われない分、陽子としてはむしろ御の字であるといえよう。  
あとは一刻も早くこの悪夢の様な行為が終わるのを祈るだけである。  
抗うことをやめ、全身から力を抜いてその瞬間を受け入れようと静かに目を閉じる陽子。  
だが、そんな彼女の覚悟をあざ笑うかのごとくなおも現実は陽子に対し過酷であった。  
 
イボの浮き出た卵管の先に残る卵の後ろ半分。  
それさえ陽子の肛門に押し込こんでしまえばとりあえず鬼甲虫にとって最低限の目的を達することになるのだがそこには一つ大きな問題が残っていた。  
卵巣に溜まった粘液の圧力を用いて卵を苗床に産み付けるという生殖の仕組み上、確実な産み付けには最低でも卵管の半分が対象の穴に入っていなければならなかったのだ。  
本能の取り決めに従って最後の仕上げを施すべく、卵管ごと残りをねじ込もうと鬼甲虫は陽子の肛門への圧迫を強める。  
 
めり・・・・  
一層の拡張を強いられた肛門が微かに軋むと卵管の先が1cmちかくパンツのよれた中心に沈んでいくにつれ、留まっていた卵その物も殆ど陽子の中に埋没しようとしていた。  
7割がた成功を収めていた肛門への産卵。  
しかしそこが限界点であった。  
最初の産み付けに失敗し、通常以上に高まっていた鬼甲虫の排卵欲求が最後の一押しによってピークを迎えてしまったのである。  
動きを止め懸命に排卵を堪えようとする鬼甲虫の腹部がぐねぐねと不気味に波打つと、絶頂の鳴き声をあげる間もなく決壊が唐突に始まった。  
 
ぶっ・・!ぶぷっ・・・ぶ・・・ぶりゅりゅりゅっ!  
「んあぁっ!?」  
蛇口からはずれたホースよろしく勢いよく肛門から抜け落ちた卵管は痙攣しながら下痢を催した時の様な下品な音をたてて熱い粘液をぶちまける。  
(な、なに・・・なにを・・・?)  
実に数秒にわたって続いた粘液の噴射が、状況を把握できずに困惑する陽子の股間を粘液まみれにしてようやく治まりをみせると、力尽きたかのごとく卵管が地面へとへたり込む。  
淫靡で凄惨な生殖の場に短く奇妙な静寂が訪れていた。  
 
(・・・・・・?)  
女陰から尻の割れ目までふりかけられた粘液の感覚に前後して肛門への圧力が無くなった事に気付いた陽子。  
不安と期待に恐る恐る目を開き視線を下腹部を陣取る鬼甲虫へと向ける。  
欲望を満たして満足したのか単に余韻にひたっているだけなのか、それまでの無慈悲な行為がまるで嘘の様に黒い陵辱者はおとなしくなっていた。  
両の太ももと腰をがっちりと押さえ込んでいた脚の力も今は心なしか弱まり、陽子の体内に巡る麻痺毒の効き次第では自力で戒めから逃れそうに思えた。  
頭の片隅で再び小さな希望の灯がともるのを感じた陽子は鬼甲虫を刺激しないようそれとなく脚を閉じようと試みる。  
 
ぐりっ  
「・・・・・っ!!んっ・・・!」  
(あぅ・・・こ、これ・・は・・・!)  
陽子にしてみれば充分に用心しながらごく僅かな力を太ももに込めたに過ぎず、鬼甲虫も生ける苗床の動きに気付いた様子はない。  
にも関わらず肛門の入り口から発せられた強い異物感に陽子は口から出かかった呻きを必死にかみ殺し、一瞬忘れかけたその存在を思い知らされたのだった。  
 
(あぁ・・・!お尻の・・中に・・・た、卵が・・・!)  
尻の穴に卵を産み付けられたという残酷な現実に陽子が愕然とするのも無理からぬことである。  
レダの戦士として覚醒し伝説と謳われるにふさわしい姿と力を手にしたとはいえ、その本質は未だ恋に恋する17歳の純情な少女なのだから。  
アシャンティに流れ着いて半日、覚醒をへて精神的にも幾分かは強くなってはいたが鋼の様な心がそう易々と備わるものではない。  
絶望的な状況に観念してしまっていたとはいえ肛門を苛む明らかな異物感と屈辱の涙は抑えようがなかった  
 
実のところ、この時陽子に産み付けられた卵は決して完全な体勢ではない。  
鬼甲虫による最後の押し込みが失敗したために、パンツによってそれ以上の侵入を阻まれた卵は直腸の極々浅いところに留まり、その球体の一部を肛門から覗かせていたのである。  
もっとも、着床の状態やそこに至る過程がどうであれ陽子の肛門に卵が産み付けられたことは厳然とした事実であり、事実は彼女に『肛門を犯された』というぬぐい去りようのない恥辱を極めた  
記憶を刻みつけたのであった。  
 
卵の異物感にまた一つ、しかも初めて身体の中を汚されたことを再認識させられ、陽子は声を押し殺してむせび泣いた。  
一人になりたかった。  
一人になれば号泣することで少しは傷ついた心を慰められるだろうから。  
願い空しく、涙が溢れる陽子の瞳に映る鬼甲虫は力を使い果たしたのか死んでしまったかの様に動かない。  
死んでしまったかの様に----  
悲しみに打ちのめされていた陽子は、はっ、と我にかえるとやや不規則に上下する胸元に目を向ける。  
そこには数分前と変わらず無惨に潰れた卵と蠱の幼生であった物のなれの果てが未練たらしく虚ろな姿を晒していた。  
それが指し示す意味と少し先の未来を正確に読み取った陽子の上気した顔から音を立てて血の気が引いていく。  
 
(・・・いけない・・・!・・卵、出さなくちゃ・・・・)  
そう、肛門を塞いでいるのは4cm径のただの白い玉ではなく巨大な蠱の卵なのだ。  
陽子が悠長に涙に暮れている間にも、その中ではゆっくりとだが確実におぞましい生命が形作られているのである。  
それから先のことなど考えただけでも恐ろしく、青ざめた陽子は慌てていきみ始める。  
 
「んっ・・!ぅぅんっ!くぅ・・・・んっ!」  
肛内に巣くった悪魔の種子を押しださんと懸命に歯を食いしばる陽子。  
卵によってもたらされる肛門の逼迫はさしづめ便秘に近い感覚といったところであろうか?  
同年代の少女達と比べ偏食のない陽子は幸いなことにこの生理現象に苦労した経験はほとんどなく、卵の位置も相まって排出にはさほど苦労はかからないと思われた。  
しかし・・・  
 
「ふんんんっ!ぐ、ぐうぅぅっ!ふぅんっ!!」  
尻穴に力を込めるたびに再び青から赤へと目まぐるしく変化する陽子の顔に嫌な脂汗とともに焦燥の色が浮かび上がる。  
陽子の予想に反しなかなか吐き出されない卵その物に別段特別な何かが作用していた訳ではない。  
強いていうならば卵に付着した汚液が独特の粘りを持って糊の様な働きをしていただけに過ぎなかった。  
問題は苗床と化した少女の異常に起因していたのである。  
 
(だ、だめ・・・お尻に・・力が・・・力が入らない・・・)  
レダの戦士に覚醒する以前の陽子だったとしても、体調が万全ならばこの程度の異物をひり出すことなどたやすかったといえよう。  
だが、はしたなく股を広げ粘液のマットに横たわる今の陽子は鬼甲虫の神経毒に冒されており自由の利かない身体であった。  
しなやかな四肢から力を奪い去った毒は全ての随意筋に威力を発揮し、肛門の括約筋もまたその例外ではなかったのだ。  
陽子の排泄を司るそれは、大脳からのひっきりなしの排出指令に本来の3割程度の力で応じるのが関の山だったのである。  
かといって排出そのものを断念するわけにもいかない陽子にはただただ肛門に力を入れ続ける事しか選択の余地が無かったのだが。  
 
・・・ぶっ・・・ぷすぅぅっ・・・  
「あぁっ!?」  
頼りなげに収縮を繰り返す肛門の縁から奇妙に間の抜けた音が洩れ、陽子の顔が一瞬にして恥じらいの色に染まる。  
大小の排泄行為に続く恥辱の生理現象である放屁・・・すなわち一般的には『おなら』と言われる物。  
卵を肛門から押し出す過程において陽子の意志にかかわらずそれが洩れてしまうのはいたしかたないところであったし、勢い自体は殆ど陽子本人しか解らない程度の微弱な物である。  
だが、一向に無くならない尻穴の異物感に焦りを募らせる陽子には、その些細な音が森全体に響きわたってしまった様に感じられたのであった。  
 
いかに肛門近くで留まっているとはいえ、ピンポン球大の球体の8割方がめり込んでいるのである。  
例え毒の影響がなく一息で排出できたとしても、その際にはそれ相応の放屁が伴っていたに違いない。  
ただ、仮にそうであったとしても放屁の恥辱は1度きりで済んでいただろうし、何より排卵への安堵感の方が遙かに大きかったであろう。  
現在陽子がおかれている状況は全く正反対であった。  
 
「んっ!んんっ・・・!」  
 ぷっ・・ぷぷぅ・・・ぷぴぴっ・・・  
恥ずかしさをおして力を込める度に立て続け肛門から発せられる小さな破裂音には心なしか水っぽい音が混じり始めていた。  
そうかといって尻から奏でられる汚らしい音色に躊躇を見せた途端、卵は陽子の苦悩を嘲笑うかの様に元の位置に戻るのである。  
数回にわたる葛藤の末、唇を噛みしめて陽子は決意した。  
どんなに苦労しようとも、どんなに恥ずかしくともどのみち卵を体外に摘出しなければならないのだ。  
今のところ、卵をひり出そうとする陽子の動きを鬼甲虫が邪魔をする気配は感じられない。  
腹の上でじっとしている黒い陵辱者が新たな行動をおこさぬうちに出来ることはやっておかねばならなかった。  
一瞬、愛する彼の優しい顔が脳裏をよぎったが、全てを振り払うように陽子はかぶりをふると全神経とエネルギーを肛門へと向け力み始める。  
 
ぶううぅっ!ぶびっ・・ぶびび・・  
「くううう!ううっん!ふぅんんんんっ!!」  
水気を含んだおならが驚くほど大きく鳴り響くのも構わず陽子は力を振り絞り続ける。  
粘液に捕われた両の手のひらを爪が食い込むほど固く握りしめ、苦しげに眉根をよせた顔は汗ばんで濡れた髪が貼り付いていた。  
(くうぅっ!も、もう少し・・・もう・・少しで・・・!!)  
力がこもるほど、粘液と腸液が攪拌されるぶちゅぶちゅという卑猥な音とともに肛門の中がひりひりと熱くなっていく。  
息を止めて気張る陽子の必死な思いに、手放すのが惜しいといわんばかりにくわえ込んだ卵を離そうとしなかった肛門が渋りながら徐々に開きつつあった。  
体中に浮き出た汗が流れ落ち、押さえつけられた腰と太ももが緊張に張りつめていく。  
 
(うっ・・・くぅっ!・・・で、出る!・・・出ちゃううぅっ!!)  
すらりと伸びた足を守るロングブーツの中できゅっ、と指先をすぼめると絶頂を迎えたかの様に激しく身体を震わせる陽子。  
向かい入れた時と同様にじれったい勢いで肛門を内側からこじ開ける卵が1/3程外気に晒されるとあとは加速度的であった。  
むりゅうぅっ!  
圧力に屈した肛門をいっぱいに押し広げながら通過していく鬼甲虫の卵。  
その質量がもたらすとてつもない圧迫感と肛門を擦りあげられる快感に目を剥いて息を飲む陽子に間髪を入れず恥辱の瞬間が襲いかかる。  
 
ぶっ、ぶぴっ!ぶぷ、ぶぷぷうううううっ!!  
「う!うあぁぁん!!」  
それは腹の中にある全ての物を吐き出したかの様に壮絶で、当の陽子本人でさえ耳を覆いたくなる様な破廉恥きわまる物であった。  
卵のみならず僅かではあるが自らの排泄物までもひりだしてしまった陽子は短く叫びのけぞってしまう。  
 
・・・ちゅぽっ・・・ぷちゅ・・  
周囲に木霊する程の音からは信じられないほどゆっくりと肛門から全身を現わした卵はパンツの凹みとの間に粘液の糸をひきながら、ぬとり、と地面に転がり落ちる。  
直腸にたまった粘液とそれ以外の内容物が勢い余って二度、三度と粘っこい水音をたてるが今の陽子には気にならなかった。  
「はぁ・・・はぁ・・・ふぁ・・・」  
息を切らせながら脱力した身体を横たえる陽子は卵を押し出した安堵感とそれに伴った快感に浸りきっていた。  
渾身の力を使い切り、目的を果たした陽子の上気した肌を木々の間をすり抜けてきた風が心地よく撫で上げていく。  
 
(・・・お、終わった・・の・・・?)  
無論、まだ全てが解決したわけではないことぐらい陽子にも充分解ってはいた。  
毒の抜けきらない身体は未だに粘液のぬかるみにとらわれ、両脚は蠱によって限界近くまで割開かれたままの無防備な状態なのである。  
それに加えて大事な卵がうち捨てられたという重大事にも関わらず、鬼甲虫はなんらリアクションを返さないでいるのだ。  
結果的に失敗したとはいえ、陽子に卵を産み付けたことに満足したのか、それとも単に卵を出し尽くしただけなのかは定かではないが蠱がこの場を去る可能性もにわかに高まりつつあった。  
そうなってしまえば、あとはこのあられもない姿を誰にも見られないうちにこの場を立ち去るだけである。  
少々楽観的にすぎる見解ではあった。  
だが、異常な状況に心身ともに振り回され続けた陽子からすると希望的観測の一つも持ちたくもなるというのが偽らざる気持ちだったのである・・・  
 
この時、レダの戦士朝霧陽子は大きく2つ判断を見誤っていた。  
1つは救世主たる少女にあるまじき不浄な排卵ショーを念視によって遠く浮遊城ガルバにいる総帥ゼルに余すところ無く鑑賞されていたということ。  
そしてもう1つは腹の上に居座る巨大な蠱による陵辱がこれで終わりを告げたと思いこんでしまったことである。  
1つ目はともかく2つ目の判断がいかに甘かったか、数分後にはその身をもって痛烈に思い知らされることとなるのだが、今はただ、安堵感と排泄の快感にしどけなく身を委ねる陽子であった・・・  
 
 

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