: 160%">  
人間界。東京・新宿副都心。廃墟と化したビル街。  
 
「・・・・ハァハァ・・・・助けて・・・・お姉さま・・・・もう・・・・魔力が・・・・」  
 
疲れきった身体を引き摺るようにして、散乱する瓦礫の中を逃走する華奢な体格の少女。  
背後からは、半獣半人の魔族たちが怒号を放ちつつ、包囲の輪を狭めていく。  
破砕された建築物の残骸や黒焦げになった自動車の間を縫うようにして、  
必死に逃げ道を探すものの、追っ手との距離は着実に縮まる一方で、捕捉されるのは時間の問題に見える。  
 
(・・・・ああ・・・・もう・・・・だめ・・・・これ以上・・・・走れない・・・・)  
 
半球状に結った銀灰色の髪は、べっとりと汗に濡れ、煤煙に汚れて、本来の美しさをすっかり失っていた。  
明晰な知性の輝きに満ちていた薄青の瞳は、疲労と憔悴によって力を失い、  
柔和な微笑を絶やすことの無かった唇も、苦痛と恐怖に強ばっている。  
やや小柄で線の細さが目立つ身体は、限界を超えた酷使によって消耗しきり、  
もはや、一歩歩くごとに、足はもつれ、心臓と全身の筋肉は悲鳴を上げる有様だった。  
 
――――優子とはぐれて、一体、どれ程の時間が経ったのだろう?  
襲い来る魔族の群れと必死に戦いながら、姉の姿を探すうち、  
チャムともはぐれ、自身の魔力も体力も枯渇してしまった、夢幻界の女王・ヴァルナ。  
疲労困憊した腕には、魔法呪文の詠唱の妨げとならないように特別に軽く仕上げられている筈の、  
緑柱石の翼竜で飾られた水晶の杖でさえ、ずしり、と重く感じられる。  
足首まである長い水色のスカートの裾にも、綻びや破れが目立ち、  
背中のケープには、魔族の攻撃を間一髪でかわした際に出来た引っ掻き傷が、禍々しく刻み付けられていた。  
 
「・・・・うっ・・・・!?・・・・あああっ・・・・!!」  
 
瓦礫に足を取られ、バランスを崩して倒れるヴァルナ。  
急いで立ち上がろうとした瞬間、ズキン、と、鈍い痛みが足首に襲いかかった。  
 
(・・・・そ、そんな・・・・足が・・・・動かないっ・・・・!!)  
 
挫いた足を庇いながら、絶望的な視線で背後を振り返ると、  
鱗の生えた緑色の肌を無骨な板金鎧に包んだトカゲ人間が数匹、  
刀身が不気味に波打った曲刀を下げて近付いてくるのが目に映った。  
指揮官らしき魔族が、獲物が動けなくなった事に気付いたらしく、盛んに何かを喚き散らしている。  
 
(・・・・ああっ・・・・も、もう・・・・だめぇっ・・・・!!・・・・優子・・・・お姉さまっ・・・・!!)  
 
細い肩を抱きしめながら、迫り来る破滅を前に、がくがくと震え続けるヴァルナ。  
トカゲ人間の指揮官は、部下を散開させて周囲を完全に包囲すると、  
毒々しい紫色をした細長い舌をうねらせながら、ゆっくりと近付いて来る。  
 
「・・・・あああっ・・・・!!・・・・は、放して・・・・いやぁっ・・・・放してぇっ・・・・!!」  
 
激しい恐怖に表情を凍りつかせたまま、路上にへたり込む夢幻界の女王の胸倉に、  
鋭い鉤爪の生えたトカゲ人間の手が掴みかかり、そのまま、力任せに引き摺り上げようとする。  
 
――――――――ビリィィィッッ!!!!  
 
乱暴な動きに耐え切れず、ヴァルナの胸元を覆う水色の長衣が、不吉な音と共に引き裂かれ、  
透き通るように白い、未成熟な胸のふくらみが暴き出される。  
悲痛な叫びを上げ、両手で胸元を覆い隠そうとするヴァルナの横面を、トカゲ人間の平手が殴りつけ、  
少女の華奢な身体は、数メートルばかり宙を舞って、焼け爛れた車のボンネットの上に叩き付けられた。  
 
「・・・・あ・・・・ぐっ・・・・ああっ・・・・うぐぅっ・・・・うう・・・・」  
 
炭化した鉄板に打ち付けられた衝撃で、呼吸する事さえ困難になるヴァルナ。  
再び近寄ってきたトカゲ人間が、無抵抗な少女の上に馬乗りになり、残りの衣服を剥ぎ取っていく。  
水色の薄い絹地が裂けて、雪のように白い柔肌が、トカゲ人間の欲情した視線に晒されるたび、  
目も眩むような屈辱感と無力感とが、ヴァルナの心を打ちのめし、  
やがて、頭の中に薄靄がかかって、意識が、すぅーっ、と遠退いていく・・・・。  
 
 
・・・・その少し前。  
ヴァルナのいる場所から、僅かに数区画を隔てた廃墟の中。  
 
「・・・・うう・・・・くっ・・・・んんっ・・・・!・・・・い、いや・・・・うぁっ・・・・さ・・・・触ら・・・・ないで・・・・ああぁっ!!」  
 
頤を突き上げ、白い喉を惜しげもなく晒しながら、弱々しい喘ぎ声を漏らす「ヴァリスの戦士」・優子。  
束の間の幸福なまどろみから目覚めた彼女が目にしたのは、  
縄目の辱めを受けた自らの身体と、そこに絡み付いて蠢く大小二十本近くに及ぶ極彩色の触手の群れ。  
しなやかな太股も、丸みを帯びた尻丘も、形の良い乳房も、逃れる術とて無く汚辱され、  
無残に抉られ、押し広げられた秘裂や肛門の中から、最低最悪の快楽が引き出されていた。  
 
「・・・・むふぁあああっっ!!だ、だめぇっ・・・・も、もう・・・・!!うむぁっ・・・・んぁああっ!!」  
 
元は何処かの会社のオフィスだったのだろうか、かろうじて倒壊を免れたビルの一室で、  
優子の身体は、両脚をM字型に開脚させられた屈辱的な姿勢に緊縛され、天井から吊り下げられていた。  
先端部が蛸の足のような吸盤状の突起で覆われた触手が数本、  
真ん中から断ち割られた胸甲の中の無防備な乳房に絡み付き、根元からしごき立てながら、  
粘膜から滴り落ちるヌルヌルとした生臭い分泌液を、白桃色のふくらみの表面に塗りたくっている。  
その傍らに佇む占い師レイは、何事か思案を巡らせながら、  
床に置かれた「ヴァリスの剣」と、陵辱に悶え泣く「ヴァリスの戦士」に、鋭い視線を投げかけていた。  
 
(「ヴァリスの剣」・・・・何故に、未だ、優子を主と・・・・見定め続ける・・・・?  
あるいは・・・・責め方が、まだ、生温いというのか・・・・?  
単に、肉体を汚し、精神を辱めるだけでは・・・・まだ不足、という訳か・・・・?)  
 
「・・・・ああっ・・・・いやぁああっ・・・・!!  
・・・・き、気持ち悪いよぉ・・・・あああ・・・・だめえぇっ・・・・触らないでぇ・・・・!!」  
 
邪魔な草摺りをむしり取られ、四方八方から触手の侵入を許しているスカートの表面は、  
優子自身の股座から搾り出された愛汁と、触手生物の体表から滲み出る粘液とが混じり合い、  
出来損ないの現代絵画のような不気味な色調で彩られていた。  
その下では、細かい繊毛にびっしりと覆われた不気味な触手が、  
絶え間ない愛撫によって充血し、限界まで感度の増した陰唇粘膜を執拗に嬲り回している。  
触手本体が不規則な間隔で収縮するたび、大小数百本もの繊毛が一斉に立ち上がって、  
膣内の肉襞を擦り上げ、下半身が溶解するようなゾクゾク感を生み出すのである。  
 
「・・・・んぁああっ・・・・くはっ・・・・んんっ・・・・あふぁああっ・・・・!!  
・・・・だめぇ・・・・あああ・・・・我慢出来ない・・・・!!・・・・ああっ・・・・うむぁあああっ・・・・!!」  
 
あられもない喘ぎ声をほとばしらせながら、拘束された身体をよじり、快楽にのたうち回る優子。  
噴き出した脂汗が柔肌の上を妖しい光沢で覆い、その上を触手の群れが緩急自在に這いずり回る。  
生理的な嫌悪感と同時に狂おしい程の快感が湧き上がり、少女の感覚を快楽の底無し沼へと引き摺り込むと。  
無理やり押し開かれた秘裂から発する痛みも打ち消されて、  
いつしか、異形のモノに犯されているという汚辱感さえ薄らいで、自ら腰をくねらせるようになる。  
 
(・・・・ならば、少し、やり方を変えるとしよう・・・・。  
今のままでは、グラメスさまが、「ヴァリスの剣」を手にされたとて、意味が無い・・・・)  
 
悶え泣く優子の痴態を冷然と眺めながら、再度、水晶球を取り出し、思念を送る占い師レイ。  
だが、ガラスの彫像のように美しいその横顔に、生温い汗の飛沫が飛び散ると、  
僅かにだが視線を上げて、不快げに眉根を寄せた。  
 
(・・・・単純に、生命を奪って、それで終わりにする訳にもいかぬとは・・・・厄介な事だ。  
・・・・いかにも、あの老人の、考えそうな、やり口ではあるが・・・・)  
 
 
 
――――――――白刃一閃!!!!  
 
板金鎧もろとも、肩口から脇腹までを袈裟懸けに切り裂かれて、  
トカゲ人間は断末魔の悲鳴を上げながら、自らの血で出来た血溜まりの中に倒れ伏す。  
生命力の強さが裏目に出て、倒れはしたものの、絶命できず、  
ビチャビチャと不快な水音を立てながら、血の海の中でのた打ち回る哀れな魔族の背中に、  
「ヴァリスの剣」の鋭い切っ先が突き立てられ、正確に心臓を貫いて止めをさした。  
 
「・・・・ヴァルナ・・・・ヴァルナ・・・・しっかりして・・・・もう大丈夫よ・・・・ヴァルナ・・・・」  
 
恐怖に頬を引きつらせたまま気を失っているヴァルナの肩を優しく揺する温かい手。  
恐る恐る瞼を開いたヴァルナは、心配そうな表情で自分の顔を覗き込んでいる姉の姿に歓喜の声を上げた。  
 
「・・・・お、お姉さまっ・・・・!!ああ・・・・ご無事だったのですね・・・・!!」  
 
安堵のあまり、ポロポロと涙を流しながら、目の前の女性にすがりつく夢幻界の少女。  
・・・・勿論、彼女の正体が、占い師レイの創造した魔法生物であり、  
変幻自在な変身能力によって優子の姿を写し取っている事など、夢想だにしていなかった。  
 
「可哀相に・・・・怖かったでしょう?  
もっと早く駆けつけたかったんだけど、チャムを助け出すのに手間取っちゃって・・・・」  
 
嗚咽を漏らしながら肩を震わせるヴァルナを抱擁しつつ、まことしやかな虚言を並べ立てるニセ優子。  
偽者などとは夢にも思わない夢幻界の女王は、ひし、と体を密着させ、その温もりを貪った。  
未熟な青い果実を思わせる胸の蕾の感触に、ニセ優子は、用心深く声を立てずに笑いつつ、  
目の前の、薄汚れ、乱れかけた銀灰色の髪毛を優しく撫で上げ、整えてやる。  
 
「・・・・良かった・・・・チャムも無事でしたのね・・・・今、どちらに・・・・あぁっ!?」  
 
鬼族の娘の安否を問いかけて、はじめて自分の格好に気付くヴァルナ。  
背中の白いケープは剥ぎ取られ、ズタズタに切り裂かれて無残に打ち捨てられている。  
その下に纏っていた水色の長衣にも、かぎ裂きや破れが大きく口を開き、  
既に肌を隠すという機能を喪失しているのも同然の惨状に、  
胸の奥から羞恥心が込み上げてきて、瞬く間に、顔面全体を、カァーッ、と真っ赤に染め上げる。  
 
ふふっ、と小さな笑みを浮かべて、うろたえるヴァルナの背中に手を回すニセ優子。  
恥ずかしさ故に、反射的に姉の身体から遠ざかろうとした少女の動きを封じ、逆に自分から肌をすり寄せる。  
驚いて大きく目を見開いたヴァルナの口元に赤い唇が重ねられ、飛び出しかけていた言葉を奪い取った。  
愕然となって低く呻き声を漏らすヴァルナだったが、  
次の瞬間、甘い蜜のような唾液が口腔に流れ込んでくるのを感じ、思わず、ぴくん、と細い肩を痙攣させる。  
 
「・・・・んん・・・・んふっ・・・・ううっ・・・・んうっ・・・・ん・・・・うむぅ・・・・」  
 
とろん、と酒に酔ったような光に包まれる、ヴァルナの双眸。  
唇を重ねたまま、少女の綺麗な歯並びに沿って、舌先を這い回らせるニセ優子。  
ものの数巡もしないうちに、萎縮して微かに震えているピンク色の舌先が無防備な姿をさらけ出すと、  
大量の唾液をまとわりつかせた舌を突き入れて、たちまちこれを絡め取る。  
砂糖菓子のように甘く蕩けるような口唇愛撫の妙技に、  
ヴァルナの理性は吹き飛ばされ、思考は停止して、一切の抵抗は中断した。  
 
「・・・・・・・・プッ・・・・ハァッ・・・・・・・・!!」  
 
口唇の触感を堪能させ、催淫効果のある唾液をたっぷりと流し込んだ後、ようやく唇を離すニセ優子。  
つう〜〜っ、と垂れた銀色の糸が、二人の吐息を受けてゆらゆらと揺れ、とろ〜りと垂れ落ちる。  
両目を潤ませながら、精一杯、抗議の意志を伝えようとするヴァルナだが、  
既にその眼差しにも表情にも力は無く、頭の中もとろとろに蕩けかけていた。  
身動きすらままならない背中の上を、長衣の裂け目から侵入したニセ優子の指がリズミカルに動き回り、  
無数の汗の粒を浮かべる柔肌に隠された性感のツボを巧みに刺激し煽り立てていく・・・・。  
 
 
 
「・・・・ああっ・・・・ヴァ、ヴァルナ・・・・!!・・・・いけない・・・・は、早く気付いて・・・・うううっ・・・・!!」  
 
今まさにニセ優子の毒牙にかからんとしている愛妹の姿を、  
臨場感抜群の立体映像として、姉の目の前に映し出す占い師レイ。  
蜘蛛の巣に囚われた蝶のように、縛り上げられた手足を揺らしながら、  
優子は、届かぬと知りつつ、ヴァルナに向かって、危険を告げる言葉を発し続けずにはいられなかった。  
その間にも、グネグネと蠢く触手の群れは、きめの細かい肌の上を執拗に這いずり回り、  
とりわけ割り開かれた両脚から腰にかけての一帯には、大きさも形状もさまざまな触手が群れ集い、  
甘ったるい匂いを放つ粘液を分泌しながら、汗ばんだ肌を穢していた。  
 
「・・・・妹の事が、心配か・・・・?」  
 
冷笑と共に発せられたレイの問いに、喘ぎながらも精一杯の気迫を込めた怒りの眼差しを向ける優子だが、  
すぐに忍耐は途切れて、甘いよがり声が口をついて出てしまう。  
ククッ、と低く笑いながら、目の前のビクビクと揺れ動く乳房に手を伸ばすと、  
硬くしこって屹立した乳首を捕まえ、軽くつまみあげる占い師。  
むああっ、と、鼻についたような声を上げて全身をひくつかせる優子の耳元に、そっと囁きかける。  
 
「心配する必要は、無い。生命までは、奪わぬ・・・・少なくとも、もう、しばらくの間は。  
フフフ・・・・それに、優子、貴女が、妹の身を、気遣うのも、今のうちだけ・・・・」  
 
「・・・・んンッ・・・・くっ・・・・い、一体・・・・うくっ・・・・どういう・・・・事よ・・・・んうっ・・・・むくぅううっ!?」  
 
ざわざわと背筋を這い上がってくる快美な感覚に苛まれ、大きくかぶりを振りながら聞き返す優子に、  
レイは薄笑いを浮かべて、立体映像のヴァルナの姿を指し示した。  
潤んだ目を凝らしながら、その方向に向き直った優子は、  
直後、異様な感覚を感じて、ぶるぶるっ、と手足を激しくわななかせた。  
 
 
 
「・・・・あああ・・・・お、お姉さま・・・・なにを・・・・なにをなされるのです・・・・!?  
・・・・およし・・・・ください・・・・ううっ・・・・わ、わたくしたちは・・・・・んあっ・・・・あああっ・・・・!!」  
 
立体映像の中で、ニセ優子に抱きすくめられ、性感帯をまさぐられて狼狽するヴァルナ。  
勿論、その光景自体、優子にとっては十分に屈辱的なものであったのだが、  
いま、その肉体を駆け巡っている衝撃は、単なる被虐感が形を変えただけのものではあり得なかった。  
天井から伸びる丈夫な皮製の拘束具によって縛められた手首の先、  
淀んだ空気以外には何も無いはずの指の間に、突如現れた、ヒクヒクと震える肌の感触・・・・。  
優子が首をかしげる間にも、その不可解な感覚は消え去るどころか、より鮮明なものへと変じていく。  
 
「・・・・ああっ・・・・お、およしくださいっ・・・・!!・・・・ひゃうっ・・・・そ、そこは・・・・ふああぁっ!!」  
 
湿り気を帯びたヴァルナの悲鳴が、耳朶に突き刺さった瞬間、  
優子は、直感的に、ある可能性に思い至り、立体映像の中の妹の姿に釘付けとなる。  
羞恥心に震えながら、背中をを限界まで仰け反らせて、巧妙な愛撫から逃れようともがくヴァルナと、  
追い詰めた鼠を食らう前に、ちょっとずつ傷を負わせながら、逃げ惑う様を楽しむ猫のように、  
ささやかな抵抗を弄び、玩具にしているニセ優子。  
その両手は、確かに未だ発育の途上にあって固さを残したヴァルナの乳房をゆっくりと揉みしだき、  
周囲の肌とほとんど見分けがつかないような淡い色の乳輪を擦り上げて、幼い反応を愉しんでいた。  
 
 
「・・・・ま、まさか・・・・これは・・・・この感触はっ・・・・!?」  
 
指先に、何か固い物が引っかかるような感触が発生し、優子の疑惑は確信へと変わった。  
目の前では、ニセ優子の指が、コリコリとした芯のようなものが残るヴァルナの乳首を挟み込み、  
指の腹で、キュッキュッキュッ、と、リズム良くしごき立てて、勃起を促している。  
初めての乳首責めに、ピクピクと震えるばかりで為すすべを知らなかった豆粒のような小さな突起が、  
容赦なく追い立てられて、充血し屹立していくその過程が、自分の指先の皮膚の上で再現されるに及んで、  
優子は、自分が如何なる状態に置かれているのかを正しく悟り、そのおぞましさに悪寒を覚えた。  
 
「・・・・そう、優子。貴女は、これから、犯され穢される、貴女の妹を・・・・  
その恐怖と、嫌悪とを、余さず感じるのです・・・・この上ない、快楽として。  
そして、貴女の、肉の悦びを、糧として・・・・あれは、貴女の妹を、犯し続ける・・・・お分かりですね?」  
 
レイの言葉と共に、これまで両手に限られていた感覚の変化が、優子の全身へと広がり始める。  
未熟な性感帯を、実の姉の姿形を借りた邪悪な生物によって弄ばれ、弱々しく打ち震えるヴァルナの肉体  
・・・・それは、触手により、心ならずも昂ぶらされていた優子自身の欲情をも燃え立たせずにはおかなかった。  
 
「・・・・ふあぁぁっ・・・・!!・・・・こ、こんな・・・・こんな事って・・・・!!  
・・・・あああっ・・・・違う・・・・違うのぉ・・・・!!・・・・き、気持ち良くなんて・・・・ある筈無い・・・・!!  
・・・・ああ・・・・違う・・・・こんな気持ち・・・・違う・・・・違う・・・・間違ってるぅっ!!」  
 
汗に濡れそぼった長い蒼髪を振り乱しながら、激しく全身を揺さぶる優子。  
だが、口をついて出る強い否定の言葉とは裏腹に、動揺を隠せない呼吸はますます荒く小刻みになり、  
断ち割られた胸甲からまろびでた乳房も、ビュクン、ビュクン、と大きな律動を刻み出す。  
触手生物の体表から分泌する粘液を浴び、いまや清楚な面持ちは見る影も無い白いスカートの下では、  
開脚を強いられた二本の太腿が狂ったようにのた打ち回り、大量の愛液に濡れて不気味な色艶を帯びていた。  
 
 
「・・・・ああっ・・・・お姉さま・・・・お許し・・・・ください・・・・。  
・・・・どうか・・・・も、もう・・・・これ以上は・・・・んあっ・・・・あううっ・・・・」  
 
潤んだ両目で、ぼんやりとニセ優子を見上げながら、  
ほとんど聞き取れないまでにかすれた抗議の言葉を吐き出すヴァルナ。  
無論、優子に化けた魔生物は、耳を貸すそぶりすら見せず、  
ヴァルナの上半身から、既に衣服としての機能をあらかた失っている薄絹の長衣を剥ぎ取って、  
仄かに上気した白い肌に、ねっとりとした動きで指を這わせてゆく。  
 
(・・・・ああ・・・・何故・・・・ですの・・・・!?  
・・・・お姉さま・・・・一体・・・・どうして・・・・こんな事を・・・・!?)  
 
襤褸同然とはいえ、身に着けていた衣服を脱がされたショックはやはり大きく、  
言葉を発することも叶わず、ニセ優子の腕の中でヒックヒックとしゃくり上げるヴァルナ。  
手足の筋肉から力が抜け、邪悪な抱擁を振り解くことはおろか、  
体中をまさぐる指先から、身体をよじって逃れる事すら難しかった。  
再び唇が重ねられて、生温かい唾液のかたまりが口の中に染み渡ると抵抗心は脆くも崩れ去り、  
このままずっとこうしていたい、という耐え難い欲求が鎌首をもたげて、  
ふやけきった精神を絡め取り、体の芯を熱く焼き焦がしていった。  
 
(・・・・んむぅ・・・・お姉さまの身体・・・・とても・・・・やわらかくて・・・・温かくて・・・・。  
・・・・あふぅぅっ・・・・だめぇ・・・・我慢・・・・出来ない・・・・お姉さまの・・・・指が・・・・むふぁっ・・・あああ・・・・)  
 
禁断の行為への怯えからすくみがちだったヴァルナの表情も、  
いつの間にか緩み出し、口元にはうっすらと微笑みすら見え隠れし始める。  
母であり、先代の女王でもあったヴァリアの身罷ったあの日、その亡骸の前で初めて相見えて以来、  
密かに胸の奥に秘め続けてきた思慕の感情が、メラメラと燃え上がる欲望の炎に煽られて、  
幾重にも張り巡らされた自制心の檻を突き破り、自我の中枢へと流れ込んでいく。  
 
(・・・・あああ・・・・お姉さまの吐息が・・・・こんな・・・・近くで・・・・こんなに・・・・熱く・・・・。  
お姉さまの指が・・・・唇が・・・・わたくしの上を・・・・あううっ・・・・もっと・・・・もっと・・・・)  
 
腰椎の奥で、キュルルッ、という小動物の啼き声のようなか細い音が漏れるのとほぼ同時に、  
堪え難い灼熱感と痛痒感が、小さな丸い尻丘を小刻みに震わせ始めた。  
目ざとくその変化に気付いたニセ優子が、スカートの上から軽い刺激を送ると、  
途端に喘ぎ声のトーンが高まり、扇情的な響きがはっきりと判別できるようになる。  
 
「ウフフ、敏感ね、ヴァルナ。・・・・いいわよ、たっぷりと感じて。  
恥ずかしがらなくたっていいわ。・・・・ずっと前から、貴女の気持ちには気付いていたんだから」  
 
――――ああっ、と小さな叫び声を上げ、両目を大きく見開くヴァルナ。  
込み上げてくる嘲笑を噛み殺しながら、あくまで優しい表情で微笑みかけ、  
ニセ優子は、細く引き締まったウェストに巻かれている赤い腰帯を、器用な手付きでスルスルと解いていく。  
地面に滑り落ちるロングスカートを食い止めようと、反射的に伸びたヴァルナの手が足掻く隙に、  
その指先は、間髪を入れず、両脚の付け根の一番恥ずかしい場所から、簡素な薄手の下着を奪い取り、  
すべすべとした無毛の恥丘とぴったり綴じ合わさった肉貝とを、白日の下に曝け出した。  
 
「・・・・あああ・・・・お姉さま・・・・お・・・・お願い・・・・です・・・・。  
くぅっ・・・・やめて・・・・ふぁああっ・・・・これ以上は・・・・もう・・・・あひぃいいっ・・・・!!」  
 
全身をガクガクと揺らしながら、涙まじりに抗議の言葉を口にするヴァルナ。  
無論、ニセ優子は耳を貸すことなく、剥き出しの恥丘に指を伸ばし、大陰唇に沿って這わせていく。  
既に十分な湿り気を帯びて柔らかくなりかけていた幼い秘裂は、  
じわりじわりとこじ開けられ、より深い位置にまで指を沈められていくにつれ、  
より一層熱を帯びて、少しずつではあるが、半透明な液体の分泌も増えていく。  
かすれかけた抗いの言葉の間に漏れ聞こえていた切ない喘ぎが、徐々に大きく激しくなり、  
すぐに主客が入れ替わって、生々しい喘ぎ声の合間に、僅かばかりの抗議が挿入されるばかりとなる。  
やがて、ぐらり、と上体が傾いだかと思うと、膝が砕け、地面に崩れ落ちたヴァルナの上に、  
ニセ優子の身体がゆっくりと覆い被さっていった・・・・。  
 
「・・・・あらあら、もうこんなに濡らしちゃったの・・・・?随分、溜まっていたのね。  
・・・・いいわ、ヴァルナ。貴女の気持ち、全部、受け止めてあげる。  
だから、自分の心を隠さないで・・・・自分に正直におなりなさい」  
 
ヴァルナの心の中に染み通っていくニセ優子の甘い言葉。  
それは、夢幻界の女王として、あるいは、三界最強を誇る「ヴァリスの戦士」の妹として、  
常に気を張って、己を厳しく律し続ける事を求められ続けてきた少女の自我の奥底で、  
長年にわたり、密かに息づき力を蓄えつつあった願望を解き放つ魔法の呪文だった。  
ヴァルナの華奢な胸の中で、心臓の鼓動が高まり、血液が熱くたぎって、どうにも止まらなくなる。  
 
「・・・・ねぇ、ヴァルナ、貴女の本当の気持ちを教えて。  
・・・・貴女は、わたしの事、どう思ってるの・・・・?  
「ヴァリスの戦士」ではない、一人の女の子のわたし、麻生優子の事を・・・・?」  
 
「・・・・あうっ・・・・お、お姉さま・・・・優子・・・・お姉さま・・・・はひっ・・・・くふうっ・・・・」  
 
狭い膣前庭に侵入したニセ優子の細い指先が、肉襞を弄びつつ、処女膜の表面をゆっくりとなぞった。  
思わず、ギクギクッ、と全身を硬直させ、処女特有のぎこちない反応を返すヴァルナだが、  
残った方の手が、ビクビクと震える胸のふくらみを優しく撫で上げ、  
さらに唾液をたっぷりと含んだ赤い舌が、敏感な蕾を転がし始めると、すぐに甘い声を上げてよがり出す。  
ほとんど使い込まれていない綺麗なピンク色の秘貝を擦り立てる指の動きが速度を増すと、  
秘裂の上端に隠れていた肉豆が包皮の下から隆起して触って欲しいと懇願を始めた。  
 
「・・・・ひぃあっ・・・・わ、わたくしは・・・・ヴァルナは・・・・お姉さまが・・・・す、す・・・・好き・・・・です・・・・!!  
・・・・あああっ・・・・ずっと・・・・ずっと前から・・・・初めてお会いした、その時から・・・・!!  
お、お姉さまに・・・・優子さまに・・・・だ・・・・抱いて欲しいと・・・・んふあぁあああっ!!!!」  
 
ぽろぽろと涙をこぼしながら、隠し続けてきた己の情欲を、あられもない嬌声と共に告白する夢幻界の少女。  
一言漏らすたび、膣口の括約筋から力が抜け落ちていき、  
それに反比例するかのように、腰の動きがなめらかに、そして、大きくなっていく。  
どうやら感情だけではなく肉体の面でも、破瓜への恐怖と禁忌を乗り越えたらしい、と確認すると、  
ニセ優子はヴァルナの下半身を抱き寄せ、挿入した指先にゆっくりと力を込めていった。  
 
 
「・・・・どうやら、貴女の妹は、ずっと以前から、貴女に、ご執心だったようね。  
ならば、優子、貴女は、どうだったの・・・・?彼女の、気持ちに、全く、気付いてはいなかったのかしら・・・・?」  
 
ヴァルナの口から漏れる赤裸々な言葉に呆然となったまま、  
それに続く処女喪失の瞬間の、苦痛と綯い交ぜになった至福の表情を、両目を見開き凝視し続ける優子。  
凍りついたその横顔に口を寄せ、僅かに揶揄するような口調で低く囁くレイの言葉に、  
肯定する事も否定する事も叶わず、半ば呆然としてかぶりを振り続ける事しか出来なかった。  
 
「・・・・やめて!!やめて・・・・!!お願い・・・・こんな事・・・・もう、やめてぇっ・・・・!!  
・・・・わたしを苦しめたいなら、いくらでも責め立てればいいわ・・・・!!  
・・・・だけど、ヴァルナは・・・・あの子を苦しめるのは・・・・お願い・・・・もう・・・・」  
 
「・・・・そういう訳には、いかないのですよ。  
それに、貴女の妹は、今の状況を、別段、苦痛とは、感じていないようですし。  
・・・・それは、貴女自身、一番良く、ご承知の筈でしょう・・・・?」  
 
ちらり、と「ヴァリスの剣」に一瞥を送りつつ、絶望と懊悩に悶える優子の姿を愉しむレイ。  
立体映像の中では、無毛の恥丘をヒクヒクと痙攣させている夢幻界の少女が、  
破瓜の痛みも忘れて、熱っぽい吐息と共に姉の名前を連呼し、快楽に咽び泣いている。  
そのあさましい姿を目にし、欲情にまみれた声を耳にし、あまつさえ、その肉体の疼きを肌に感じる事は、  
レイの読み通り、優子にとって、触手の群れに牝穴を掻き回される以上の精神的拷問に他ならなかった。  
 
(・・・・あああ・・・・ヴァルナの・・・・ヴァルナの乳首・・・・こんなに固くなって・・・・熱く尖って・・・・。  
・・・・んああっ・・・・だめ・・・・だめよ・・・・ヴァルナ、そんなに・・・・動いちゃ・・・・だめぇ・・・・。  
・・・・お願い・・・・お願いだから、正気に戻って・・・・あううっ・・・・でないと・・・・わたし・・・・わたし・・・・)  
 
頤を仰け反らせ、白い喉を惜しげもなく晒しながら、拘束された手足を右に左に揺り動かす優子。  
握り締めた拳の内側では、ヴァルナの陰唇粘膜がビクビクと跳ね回り、愛汁を分泌し続けていた。  
愛妹と肉体を重ねているもう一人の自分を見るにつけ、心の中は、無力感と罪悪感とで一杯になり、  
それはやがて、単なる被虐感を超えた異様な快感となって、上気した肌を粟立たせていく。  
全身に絡みついた触手の群れからもたらされる肉の悦びと相まって、  
その快楽は、猛烈な勢いで優子の理性を狂わせていき、自我の崩壊を促進していくのだった。  
 
「・・・・いやぁっ・・・・こんなの・・・・こんなの・・・・もう、いやぁあああっ・・・・!!  
・・・・ああっ・・・・だ、だめぇ・・・・だめよぉっ・・・・!!・・・・こんなの・・・・こんなの・・・・だめぇっ・・・・!!  
・・・・あああ・・・・お願い・・・・ヴァルナ・・・・許して・・・・!!・・・・お願い・・・・お願いよぉ・・・・!!」  
 
あさましい欲望を抑えきれない焦燥感、不甲斐ない自分に対する怒りと嘆きとが、  
優子の胸の中で渦を巻きながら、互いを煽り立て合い、エントロピーの領域を増していく。  
禁断の快楽に打ち震えるヴァルナの肉体のわななきが伝染したかのように、  
性的興奮へと落ちてゆく自らの感覚は、いくら否定の言葉を重ねても、もはや打ち消す事など出来はしない。  
むしろ、もがけばもがくほど、優子の精神は、ドロドロの溶岩のような熱気に焙られ、蕩けていくのだった。  
 
 
「・・・・あっ・・・・ああっ・・・・お姉さまっ・・・・身体の奥から・・・・何か・・・・何かが・・・・あああっ!!  
・・・・熱い・・・・体が熱いですぅっ・・・・たすけて・・・・こわい・・・・お姉さま・・・・こわいですぅぅっ・・・・!!」  
 
ニセ優子の腕の中で全身を激しく揺らし、狂ったようにかぶりを振りながら、  
快楽の頂きへと続く坂道を猛スピードで駆け上っていくヴァルナ。  
両脚の間からは、粘膜の擦れるジュボジュボという音と共に、濃度と粘り気を増した体液が滴り落ち、  
緩急自在にピストン運動を繰り返す指先は無論の事、ニセ優子の右手全体をべとべとに汚している。  
つい先程、生まれて初めて包皮の覆いを剥き上げられ、真珠のような表面を外気に触れさせた陰核も、  
今では弾け飛びそうなくらいに膨張し、固く屹立して、  
触れられるたびに、じぃん、と熱くなりながら、性感の波動を全身へと送り出すのだった。  
 
「・・・・そう、もう限界なのね。いいわ・・・・それじゃあ、イカせてあげる。  
・・・・いいこと、ヴァルナ。本当に我慢出来なくなったら、“イク”と叫ぶのよ・・・・判ったわね?」  
 
妖艶な笑みを浮かべながら、灼熱の快感に悶え狂う少女の潤みきった瞳を覗き込むニセ優子。  
だが、既にヴァルナの意識は朦朧として、自分の声が耳に届いているかどうかさえ定かではない。  
やや残念そうに舌打ちを漏らしながら、ニセ優子は、真っ直ぐに伸ばした人差し指と中指を、  
鮮やかなサーモンピンクの膣孔の中へと沈めていき、天井部分を丹念にまさぐって、その場所を捜し出した。  
指の先がとらえた小さな窪みから放たれた衝撃の波は、瞬く間に狭い膣内を席巻すると、  
細身の肉体の中を無茶苦茶な勢いで暴れ回り、ヴァルナを生まれて初めての絶頂へと突き上げる。  
――――無論、そのショックは、ヴァルナの精神の許容出来得るものでは到底無く、  
意識も感覚も何もかも、砕け散り、弾け飛んだ挙句、欲望の業火に焼き尽くされ、溶解していったのだが・・・・。  
 
 
「・・・・うあぁああっ・・・・!!・・・・いやぁっ・・・・だめぇええっ!!・・・・気持ち良いよぉっ・・・・!!  
・・・・んむぁあっ・・・・ヴァルナの・・・・ヴァルナの・・・・あそこが・・・・絡みつくぅぅっ・・・・!!  
・・・・あひぃぃっ・・・・!!もう、だめぇ・・・・!!イク・・・・イク・・・・イッちゃうぅっ!!!!」  
 
脳天を直撃した極大の快感に、声を嗄らしながら泣き叫ぶ優子。  
失神した妹の代わりに言いつけに従うかの如く、イク、イク、と卑猥な単語を連発しながら、よがり狂う。  
煮えたぎった子宮は激しく痙攣しながら収縮を繰り返し、  
その度に、興奮で尖りきった尿道口から、沸騰した愛液の迸りが高々と吹き上がった。  
頚骨の耐え得る限界まで頤を仰け反らし、甲高いよがり声を連発しながら悶絶するその表情は、  
完全に正気を失って、際限ない絶望と嫌悪と被虐感に染まりきっている。  
 
・・・・・・・・そして、レイの待ち望んでいた変化がやってきた。  
 
 
――――――――ピシッ!!  
 
唐突に、優子の身体を覆う白銀の鎧の表面に鋭い亀裂が走り抜け、破砕された銀の小片が宙を舞う。  
亀裂は次々に転移して、鎧全体を蜘蛛の巣状に覆いつくし、  
美しい光沢と共に、堅牢な防御力をも永遠に奪い去っていく。  
からん、という妙に空虚な音がして、肩当ての一枚が剥がれ落ちたかと思うと、  
優子の目の前で、無残にも真っ二つに割れて砕け散った。  
 
「・・・・ああああっ・・・・!!いやぁっ・・・・いやぁあああっ・・・・!!  
だめぇ・・・・!!・・・・だめぇ・・・・こんなの、だめぇぇェェッ!!!!」  
 
わずかに残った「戦士」の本能ゆえか、哀切な絶叫をほとばしらせながら、  
失われてしまった聖なる鎧・・・・「ヴァリスの剣」の加護を呼び戻そうとする優子。  
だが、身も心も汚辱され、弱りきった今の優子からは、既に「剣」の主たる資質は失われていた。  
打ちひしがれ慟哭する優子の濡れそぼった蒼髪の上から、  
輝きを失って鈍い鉄色に変じたティアラが転げ落ち、足元の地面の上で、ぐしゃり、と潰れる。  
 
「・・・・これで、この「剣」は、真の意味で、グラメスさまのものに。  
・・・・あの老人とて、もはや、妨げる術は、ない・・・・ククッ、クククッ・・・・アーッハッハッハッ!!!!」  
 
主を失った「ヴァリスの剣」を拾い上げ、天を仰ぎ見ながら哄笑する占い師レイ。  
傍らでは、「戦士」としての本性を喪失し、守るべき世界も果たすべき使命も失った少女が、  
白目を剥き、口泡を吹き出しながら、敗北の代償たる快楽地獄の中に溺れ沈んでいた。  
 
「・・・・今こそ、見るがいい・・・・!!天上なる我が母君、妹君よ!!  
汝らが、我を、闇に放逐した、その結末を・・・・!!その報いを・・・・!!ハーッハッハッハッ!!!!」  
 
 
――――――――TO BE CONTINUED.  
 
 

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