優子:「どうしたの、麗子。立ち止まったりして?」  
麗子:「・・・・」  
 
夢幻界。ヴァニティ城。  
白亜のアーチの連なる回廊を連れ立って歩いている、優子と麗子。  
中庭にある小さな噴水の前で足を止めた麗子を怪訝そうに眺めつつ、問いを発する優子。  
 
麗子:「ううん、何でもないわ。ちょっと・・・・ね」  
優子:「・・・・?」  
 
首を傾げる優子。身に纏った黄金の鎧が、陽光を受けてキラキラと光り輝く。  
対する麗子は、いつもの漆黒の鎧ではなく、  
ヴァニティ風のゆったりとした白絹の衣服に身を包んでいた。  
 
優子:「どうしたの、麗子?今日は何だか変よ。  
急に会いたいだなんて、いつものように、夜、夢の中で話すだけじゃダメな用件なの?」  
麗子:「そういう訳じゃないけど・・・・いや、違うわ・・・・その・・・・やっぱり直接会って話した方が・・・・」  
 
いつになく歯切れの悪い麗子の口調に、かすかにだが不安を覚える優子。  
やや上目遣いな視線で、最も信頼する親友の表情を見やった麗子は、  
少し間を置いた後、意を決したかのように、話を切り出す。  
 
麗子:「ちょっとだけ、時間を貰えないかしら?・・・・優子に、会いたいってコがいるのよ」  
優子:「?・・・・別にいいけど、それぐらい」  
 
きょとんとした表情で、答えを返す優子。  
思わず、何か言おうとした麗子だったが、  
すぐに(小さく)かぶりを振ると、口元まで出掛かっていた言葉を引っ込めてしまった。  
 
――――――――ヴァニティ城内。一室。  
 
麗子:「レナ、アム・・・・入るわよ」  
レナ:「んァッ・・・・れ、麗子さま!?・・・・んんッ・・・・ち、ちょっとお待ち下さい・・・・!!」  
アム:「・・・・あふぅッ!!・・・・い、今はちょっと・・・・すぐに済ませますからッ・・・・!!」  
優子:「????」  
 
薄暗がりの中、バタバタと慌しい物音が響き渡り、そして、静かになる。  
 
レナ:「・・・・は、はじめまして、優子さま・・・・わたくし、戦士見習いのレナと申します」  
アム:「妹のアムです。ヴァルナ様の許で神官の修行をしています」  
 
部屋の入り口に姿を見せた二人の少女が、  
優子に向かって代わる代わる挨拶をする。  
優子達が訪れるまで、こんな薄暗い場所で一体何をしていたというのだろうか?  
よくよく見れば、二人とも衣服の裾が乱れて、乱雑なシワが出来ている。  
 
麗子:「ごめんね、優子・・・・このコ達が、どうしても優子に会いたい、って言って聞かないものだから・・・・」  
 
目を丸くする優子の後ろで小さくため息をつきながら、  
それでも、麗子は、訳が分からず当惑気味の優子に向かって説明した。  
 
麗子:「このコたち・・・・その・・・・私の、教え子っていうか、後輩というか・・・・「戦士」の卵なの・・・・」  
優子:「ああ、成る程、そういう事だったの・・・・それで、私に会いたいって思ったの・・・・」  
 
必ずしも完全に得心がいった訳ではなかったものの、  
麗子の説明に、優子は、一応頷いてみせると、改めて、目の前の二人の様子に視線を走らせる。  
・・・・どうやら、先程、部屋の中で姉妹がしていた行為には、とりあえず目を瞑る事にするようである。  
 
優子:(・・・・ま、麗子の「教え子」なら・・・・あれぐらいは仕方ないかもね・・・・)  
麗子:(・・・・・・・・)  
 
チラリ、と、麗子の横顔を眺めやる優子。  
何事も起こらなかった事に胸を撫で下ろしたのか、  
明らかに、ホッ、とした表情の親友の姿に、可笑しさがこみ上げてきてならなかった。  
 
――――と、そこへ、レナと名乗った少女が、緊張した面持ちで話しかけてくる。  
 
レナ:「あ、あの・・・・優子さま・・・・」  
優子:「優子、でいいわよ。わたしも、あなたの事、レナ、って呼ぶ事にするから」  
レナ:「・・・・は、はいッ。それじゃあ・・・・優子さん。前々からお聞きしたかったんですが・・・・」  
優子:「何かしら?「ヴァリスの戦士」についての事?」  
 
優子がそう思ったのは、ごく自然な事だろう。  
・・・・だが、レナが発した質問は、それとは全く別のものだった。  
 
レナ:「そ、そうじゃなくて・・・・ええと・・・・その・・・・優子さん自身についての事なんですッ!!」  
優子:「・・・・わたしの?」  
レナ:「・・・・ズバリお聞きしますが、優子さんと麗子さまとは何処まで進んでるんでしょうか!?」  
優子:「!?」  
 
全く予期していなかった質問に、目を丸くする優子。  
・・・・その隣では、麗子が引っくり返っていた。  
 
優子:「・・・・ど・・・・何処まで、って・・・・一体・・・・何が、かしら・・・・!?」  
麗子:「・・・・ちょ、ちょっと、レナ!?いきなり、なんて事聞くのよッ!!」  
 
異口同音に、狼狽した言葉を並べ立てる二人。  
――――だが、夢幻界の少女は、すでに開き直っているらしく、動じる気配さえ見せなかった。  
 
レナ:「麗子さまは黙ってて下さいッ!!  
・・・・さもないと、あの事、ヴァルナ様に告げ口しちゃいますよッ!!いいんですかッ!!」  
麗子:「・・・・うぐっ!?」  
 
レナの剣幕にたじろぐ麗子。  
想像もしなかった展開に、優子は、しばしの間、呆然となった。  
 
アム:「アハハッ!!さすがの麗子サマもカタ無しねぇ!!  
・・・・ま、そりゃあ、ヴァルナ様に黙ってあんな事してるのがバレちゃったら、  
いくら麗子サマでも、お城に居られなくなっちゃうかもしれないけどねぇッ!!」  
 
今まで黙って様子を眺めていたアムが小悪魔的な笑いを浮かべて囃し立てる。  
完全に黙り込まされてしまった麗子を尻目に、一気にまくしたてるレナ。  
 
レナ:「・・・・優子さん。誤解の無いように言っておきますが、私、あなたの事はとても尊敬しています。  
でも、麗子さまだけは譲れません・・・・あなたであれ、他の誰であれ・・・・!!」  
 
決定的な宣言が、それに続く。  
 
『愛してるんです、麗子のことを』  
 
優子:「・・・・!!」  
 
レナ:「・・・・だから、今ここで、私と勝負して下さい。  
正々堂々、一対一の勝負を。  
もし、わたしが負けたら、麗子さまの事は諦めます。  
・・・・でも、もし、わたしが勝ったら、その時は、麗子さまを譲って下さいッ!!」  
 
眦を決して言い放つレナ。その目は真剣そのものだった。  
 
優子:「・・・・ちょ、ちょっと待って、レナッ!!  
・・・・急に、そんな事言われたって・・・・第一、勝負って・・・・!?」  
レナ:「わたしと優子さん、どちらが麗子さまにふさわしい女性か、麗子さま自身に決めて貰います。  
・・・・では、優子さん、参りますッ・・・・いざッッッ!!!!」  
 
優子の意志など完全に無視して、戦いの咆哮を上げるレナ。  
懐から取り出したのは、何と、ファンタズム・ジュエリーだった。  
 
レナ:「バトル・チェンジッッッ!!!!」  
 
気合一閃、レナの身体が、ファンタズム・ジュエリーの放つ白い輝きに包まれる。  
・・・・次の瞬間、優子の前には、ブルーを基調とした「ヴァリスの鎧」に身を包んだ戦士の姿が現れていた。  
 
レナ:「これで、パワーは互角。・・・・行きますよ、優子さんッ!!」  
優子:「・・・・ちょ、ちょっと、待ってよ・・・・うあああッ!?」  
 
全力で突っ込んできたレナをかわし切れず、床に押し倒されてしまう優子。  
息つく間もなく、夢幻界の少女の身体が覆い被さってくる。  
 
優子:「むぐっ!?ううっ・・・・んむぅッ!?」  
 
強引に唇を奪われ、ショックに目を白黒させる優子。  
驚きのあまり、意識が飛びそうになる。  
しめた、とばかりに、レナは、鮮やかなピンク色をした舌を繰り出すと、  
半開きになった口腔内に捻じ込んで、柔かくスベスベとした粘膜を執拗に舐めしゃぶった。  
 
優子:(な、何ッ!?・・・・この娘のキス・・・・わたしの弱いところばっかり・・・・ふあぁっ!!)  
レナ:(フフフ・・・・優子さんの弱点は、全部、麗子さまから聞き出してあります。  
口の中だけじゃなくて、他の場所もぜ〜んぶッ・・・・!!)  
優子:「・・・・ひいっ!!うああああああッッッ!?」  
 
弱点を知り尽くしたレナの責めに防戦一方となる優子。  
・・・・一方、麗子の方もまた・・・・。  
 
アム:「あははは、ダメですよ、麗子さまッ。一対一の闘いに手を出すのは反則です。  
そんな事考える悪いコには、あたしがお仕置きしちゃいますからッ!!」  
麗子:「ひぁっ!!ア、アムッ・・・・そこはダメぇッ!!」  
 
アムに組み敷かれ、床に四つん這いになる麗子。  
下半身を覆っている、レオタードに似た形状の衣服の股布部分が捲り上げられ、  
キュッとすぼまった、愛らしいお尻の穴がカオを覗かせた。  
 
優子:「・・・・いやぁっ・・・・や、やめてッ・・・・そこ・・・・弱いのォッッッ!!!!」  
麗子:「・・・・んあああっ・・・・ダメ・・・・そんなに激しく・・・・・吸っちゃダメぇッッッ!!!!」  
 
麗子直伝の秘術を駆使して、着実に優子を追い詰めていくレナ、  
師をも凌ぐ淫乱さを武器に麗子の身体を弄ぶアム。  
姉妹の攻撃を受けた二人の「戦士」は、  
反撃の糸口すら掴めないまま、あられもない悲鳴を上げ続けるしかなかった。  
 
・・・・しばらく後。死闘は未だ続いていた。  
 
レナ:「・・・・なかなかやりますね、優子さん。  
・・・・私のテクにここまで耐えたのは、麗子さま以外では、あなたが初めてです」  
アム:「フフフッ、どうしたんですか、麗子サマ?  
お尻の穴がヒクヒクしてますけど、もうイッちゃいそうなんですか?」  
 
ハァハァと荒く肩で息をする、レナ・アム姉妹。  
対する優子と麗子の消耗はそれ以上だったが、  
二人とも、絶頂に達する一歩手前ながら、よく踏み止まっている。  
 
麗子:「・・・・ううう・・・・ま、負けないで・・・・優子・・・・」  
優子:「・・・・んぁっ!!・・・・くっ・・・・大丈夫・・・・わたしは・・・・絶対に・・・・」  
 
押し寄せる快感に必死に抗いながら、互いを励し合う優子と麗子。  
形勢的には、圧倒的に有利を確保していたものの、  
気圧されているのは、今や姉妹の方だった。  
 
レナ:「・・・・くううッ・・・・このままじゃ、いけないッ!!  
・・・・こうなったら、一気に決めるしかないッ!!アム、準備して!!」  
アム:「OK、姉さんッ!!いつでもいいわ!!」  
 
背面座位の態勢で抱きかかえた二人の獲物を、向かい合わせにする姉妹。  
予想通り、絶頂寸前の快楽に喘ぐパートナーの姿を目の当たりにした優子と麗子は、  
ひときわ激しい興奮に苛まれて、蜜壷から熱い飛沫を噴き上げる。  
 
優子:「・・・・あああッ!!麗子ッ・・・・・麗子ォッッ!!!!」  
麗子:「ひぎぃいいッ!!優子、わたし・・・・わたし、もうダメェェッッッ!!!!」  
 
高々と愛液を吹き上げながらも、必死に意識を保ち、互いの名を呼び合う優子と麗子。  
力など全く入らない筈の腕を懸命に伸ばして、相手を求め合う。  
 
震える指先が、相手の指に触れた、と感じた、その瞬間・・・・!!  
二人の中で何かが弾けて、真っ白な光が全ての感覚を飲み込んでいった――――。  
 
レナ:「うあっ・・・・ああんッ!!ゆ・・・・許して下さいィィィッ!!」  
アム:「アアアッ、麗子様ぁ・・・・もう限界ですッ・・・・これ以上は・・・・ヒィィィッ!!」  
麗子:「・・・・フンッ、二人ともだらしないわね。そんな事じゃ、まだまだ正式な「戦士」とは認められないわよ!?」  
 
スースーと静かな寝息を立てている優子の傍らで、  
甘い悲鳴を上げながら、ビクビクと身体を痙攣させるレナとアム。  
・・・・そして、鬼の形相で二人を責め立てている麗子。  
 
麗子:「・・・・ったく、もう。二人とも、試験は落第よ。明日からはまた修行のやり直し。  
私が、一から叩き直してあげるから、覚悟しときなさいッ!!」  
レナ:「ヒィィィッ!!そんなぁ、先にイッたのは優子さん達の方なのにィィッ!!」  
アム:「そうよそうよッ!!ルールを勝手に変更するなんて、麗子様ったら何て横暴なの・・・・!!」  
 
――――より上位の「戦士」を一人指名し、彼女と、一対一で戦って打ち克つ事、  
それが、古来から夢幻界に伝わる「戦士」への昇格試験だった。  
なお、戦いの手段は挑戦者に任されているため、今回のような性技による攻防も一応は認められている  
・・・・認められているだけで、実際にその方法が用いられたのは、今回が初めてだったのだが。  
 
麗子:「・・・・やかましいッ!!私の優子を、やりたい放題散々弄んでおいてッ!!  
これが昇格試験じゃなかったら、タダでは済まさなかった所よッ!!」  
 
こめかみにぶっ太い青筋を浮き立たせ、教え子達に鉄拳を振るう麗子。  
・・・・どのみち、タダで済ませる気など無いらしい。  
 
レナ:(・・・・ど、どうしよう・・・・麗子さま、本気で怒ってるわ・・・・)  
アム:(・・・・な、何よ、麗子様だって、最初にこの話を持ちかけた時は、  
ノリノリで、『優子とのエッチも最近マンネリ気味だから、時々趣向を変えてみるのもいいわ』なんて言ってたくせにッ!!)  
 
・・・・姉妹の悲鳴まじりの嬌声は、いつ果てるとも無く続いたのだった・・・・。  
 
 
<完>  
 
 
 

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