――――サザーランド。暗黒の決闘場。  
 
<ヴェカンタ>の闇に閉ざされた漆黒の空間。  
半ば物質、半ば霊体の、不浄な生命によって埋め尽くされた牢獄の中で、  
蜘蛛の巣に囚われた蝶の如く、四肢を揺らす二人の<戦士>・・・・。  
 
一人は、周囲を覆う魔道の障壁と同じ、  
<暗黒界>の加護を受けし甲冑に身を包んだ少女・桐島麗子。  
 
トレードマークは、肩口で切り揃えた、燃えるような赤毛。  
磨き抜かれた白磁の壷を思わせる、美しい、だが、温かみではなく冷たさを感じさせる整った顔立ち、  
分けても、理知的な輝きの奥に、密やかな欲望と残忍さとを隠し持つラベンダー色の双眸が印象的だった。  
 
その表情は、<暗>の力の発現たる無数の触手に全身をまさぐられ、  
最も恥ずかしい場所に乱暴極まりない陵辱を受けてなお、微動だにせず、  
むしろ、己れの置かれた境遇を愉しんでいるのだろうか、薄い笑みさえ浮べている。  
 
もう一人は、<ヴェカンタ>とは対極に位置する<明>の力、  
<ヴァリス>によって守護されし聖なる黄金の輝きを帯びた甲冑を身に纏う、麻生優子。  
 
・・・・とはいえ、いま現在、防具の多くは、  
漆黒の闇より生まれた魔生物によって剥ぎ取られ、彼女の足元に散乱していた。  
代わりに、大小さまざまな触腕から滲み出した色とりどりの体液が、  
護りを失った、健康的な柔肌を覆っている。  
 
本来ならば、主である<夢幻界>の<戦士>が拒み続ける限り、  
外部の者の意志によって、身体から取り去る事など決して出来ない筈の黄金の聖鎧。  
それが、こうして無様に剥ぎ取られて、放り捨てられているという惨状は、  
執拗な責め嬲りの前に、少女の心が折れかかっている事実を如実に物語っていた。  
 
(くううッ・・・・ま、まだよ・・・・あうッ・・・・わたしは、まだ負ける訳には・・・・はくぅうッ!!)  
 
たしかに、間断無い責めにも良く堪えていた優子だったが、  
その表情は(麗子のものと比べれば、明らかに)切迫し、追い詰められていた。  
体力が限界に達している事は、黄金の防具を剥ぎ取られた胸丘の上で、  
豊満とまでは言えないものの、未だ高校生に過ぎない彼女の年齢を考えれば、十分に発育した二つの乳房が、  
肩で呼吸するたびに大きく弾んで、生汗の滴を飛び散らせている事実でも明らかである。  
 
全身を隙間無く覆う醜悪な異形の群れ・・・・、  
彼らを構成している<暗>のエネルギーは、<ヴァリスの戦士>にとっては忌むべき存在であり、  
致命的とまでは言わないまでも、確実に己れの生命を吸い取っていく魔毒に他ならない。  
ましてや、彼らが這いずり回っているのは、未だ青い果実に過ぎない乙女のカラダ。  
目の前にいる赤毛のクラスメイトとは異なり、  
<現実界>にいる間は、異性とのセックスはおろか、デートの経験さえ無い少女にとっては、  
(<暗黒界>の怪物や五邪神との性交を強要されたとはいえ)恐怖と羞恥を覚えずにはいられなかった。  
 
(フフフ、意外と頑張るじゃない。でも、本番はこれからよッ!!)  
 
にんまり、とほくそ笑む麗子。  
一瞥を受けて、ひときわどす黒く濁った肌合いの触手が猛々しく鎌首をもたげ、  
生ける牢獄に繋がれた美しい獲物へと襲いかかる。  
 
「こ、今度は、何ッ!?」  
 
色とりどりの淫液にまみれた顔面を固く強張らせる、蒼髪の少女。  
すでに何本もの肉槍によって深々と貫かれ、掻き回されているにも関わらず、  
本能的に両脚を閉じようと足掻く様子は滑稽ですらあったが、本人は真剣そのものだった。  
 
・・・・だが、哀れな女囚の予想に反して、  
狡猾な陵辱者は、大きく割り拡げられた太股には見向きもせず、  
野太い胴をうねらせながら秘部の下を通り過ぎると、背後へと回り込んでいった。  
 
(・・・・た、助かった・・・・)  
 
――――そう、思った瞬間。  
 
触手生物の先端部分が、もはや襤褸切れ同然に汚れ切ったスカートの下、  
ショーツを剥ぎ取られて、生まれたままの姿を晒している尻たぶへと突き立てられる。  
 
「あひぃッ・・・・ま、まさかッ!?」  
 
反射的に手をやろうとする優子だったが、  
無論、ぬばたまの拘束具に阻まれて、空しく両腕を揺らしただけに終わった。  
 
(お尻の穴を・・・・いやぁッ!?)  
 
最悪の事態への恐怖に、たちまち表情を凍りつかせる蒼髪の少女。  
正確には、不浄の穴にもすでに先客がおり、  
非常に緩慢な動きながら、狭苦しい肛門を抜けて直腸にまで達しようとしていたのだが、  
そんな事は頭の中からすっかり消え去ってしまっていた。  
 
(ああッ・・・・だ、駄目ェ、挿入って来ないでッ!!)  
 
弱々しくかぶりを振りたくり、かぼそく震える声で抗議の言葉を漏らす  
・・・・勿論、<暗黒界>の怪物に、そのような哀願が通じる事などありはしない。  
むしろ、彼は、獲物の反応を愉しむかのように、ゆっくりと臀部を這い進み、  
適度に引き締まった桃尻の脹らみをいやらしく愛撫していった。  
 
ぎゅむ・・・・にゅぬぬぬ・・・・。  
 
不浄の排泄器官へと到達した異物が、  
すぼまりに向かってジワジワと蛇体を押し付け、突き入れようとする。  
すでに狭穴を埋めていた同胞は、しぶしぶながら、といった様子で獲物を諦めると、  
腸液にまみれた身を引き抜いて、何処かへ消えていった。  
 
極太触手による侵入が本格化するまでの僅かな時間、  
<ヴァリスの戦士>は下半身に残された全ての力を振り絞って、括約筋を引き締めようと試みる。  
途端に、膣内を犯していた異形たちがジュボジュボと卑猥な水音を立てて抜き差しを再開し、  
同時に、子宮の奥壁に催淫効果のある粘汁を吐きかけて、  
腰椎全体に、快美な熱感と甘い痺れをもたらし始めた。  
 
抗い難い性感に、我知らず、抵抗を忘れて腰を浮かせてしまう蒼髪の少女・・・・。  
気が付いた時には既に遅く、迫り来る陵辱者を防ぐ手立てはもはや何一つ残されてはいなかった。  
 
「んふぅううッ・・・・ダメ・・・・お尻の穴が・・・・拡がっちゃう・・・・」  
 
囚われの少女には直接目にする事は叶わないが、  
侵入を図る魔生物は、先端の部分を人間の男性器に酷似した形状へと変化させ、  
ズリズリとすぼまりの皺を延ばしつつ、狭隘な穴の中へと身を乗り入れてくる。  
 
押し寄せてきたのは、秘唇への突入を許した時と同じ感覚。  
最初に覚えた痛みや異物感は完全になくなりはしないものの、潮が引くように薄らいでいき、  
代わって、悪寒にも似たゾクゾクが下腹部を満たしていった。  
先刻まで、別の触手に侵入を許していたせいだろう、  
一度中に入ってしまえば、アナルにもそれに続く結腸部にも、膣内ほどの吸着感は無く、  
すんなりと奥の方まで貫通してしまう。  
異物の側も興奮してきたのか?本物の男根の如く脈打ち、  
生温かい腸壁に包まれて、ビュクン、ビュクン、と妖しくひくつき始めた。  
 
(ふあぁああッ!!な、なに、何なのッ!?  
も、もしかして・・・・わたし、感じてるの・・・・こんなトコロでッ!?)  
 
下半身で発生した異変を受けて、  
先刻まで真っ青に蒼褪めていた優子の顔色は、今や羞恥心で真っ赤に染まっていた。  
妖しい快楽に翻弄され、理性は完全に掻き乱されてしまっている。  
自分がどんな事を口走ったり、あるいは、思い浮かべているのかさえも、全くと言って良いほど分からなくなり、  
ただただ拘束された身体を捩り、くねらせ、卑猥極まるダンスに打ち興じるだけ。  
表情はだらしなく蕩け崩れ、<戦士>としての凛々しさなど微塵も無くなっていた。  
 
「ひぶッ!!はぁうッ・・・・んぅぐ・・・・あむゅうううッ!!」  
 
後ろからだけでなく、前からも、ずんずんと突き上げられて、  
背中が弓なりに反り返り、ギシギシとしなっていった。  
脊髄を突き抜けて、脳天と子宮の間を何度も何度も行ったり来たりする快楽電流が、  
思考を痺れさせ、ショッキング・ピンクの光彩で埋め尽くしていく。  
 
(はぁっ・・・・はぁっ・・・・カ、カラダが・・・・熱い・・・・焼け死んでしまいそうッ!!)  
 
幾つもの快感と衝動が肉体の奥で激しくぶつかり合い、  
荒々しく攪拌されて、より巨大で容赦の無い疼きへと収斂されていった。  
下半身に喰い込んだ異物の存在を意識させられるたびに、  
下腹の底で、解放を待ちわびる欲情が澱のように沈殿し、脹らみ続けていく。  
 
(だ、だめぇッ!!このままじゃ、わたし・・・・わたしィ・・・・!!)  
 
――――『絶頂』という言葉が脳裏をよぎる。  
 
カラダを犯され、ココロを穢された挙句に味わう、  
天に向かって放り投げられた次の瞬間、地の底まで突き落とされる、禁断の感覚。  
暗黒五邪神たちやヴェカンティの魔物たちによって、  
幾度となく刻み付けられた恥辱を、今度はお尻の穴で・・・・、  
そう、直感した蒼髪の少女は、恐怖に両目を見開き、息を荒らげずにはいられなかった。  
 
(だ、だめよ・・・・あれだけはッ!!  
麗子の前で・・・・あんな醜態を晒すのだけはッ・・・・!!)  
 
チラリ、と視線を送り、数メートルを隔てて向かい合う、元クラスメイトの表情を盗み見る優子。  
自分と同様、触手生物を尻穴に迎え入れた<ヴェカンタの戦士>は、  
陶然とした顔付きのまま、間断なく排泄器官を嬲られていた。  
肛虐のヨロコビに頬を緩めたばかりか、  
艶めかしく濡らした口元からは雌犬のようにはしたなく舌先を突き出しながら・・・・。  
 
(あああ・・・・麗子・・・・なんて気持ち良さそうなのッ!?  
ううッ・・・・だ、だめ・・・・目が離せないッ!!)  
 
欲望の赴くまま、己れの性癖を惜しげもなく披瀝する赤毛の少女は、  
同性である優子にとってさえ、ぞっとするほど官能的で蟲惑的だった。  
 
(――――このまま責めを受け続けたら、わたしも・・・・。  
いや、むしろ、あんな風になれたなら、どんなにか気持ち良いだろう・・・・)  
 
僅かな瞬間、脳裏をかすめた黒い考えを、  
<ヴァリスの戦士>は必死にかぶりを振ってかなぐり捨て、頭の中から追い払った。  
少女の肉体は兎も角、精神の方は、  
未だ快楽に流されつつある自分を素直に認める程には堕ち切ってはいない。  
・・・・だが、それは、魔生物によって、強制的に引き摺り出された肉欲の滾りが、  
発散の機会を妨げられ、行き場を失くしてしまう、という事でもある。  
そして、それを見逃す程、<暗黒界>の女使徒は、快楽に浸かり切っていた訳ではなかったのだった・・・・。  
 
(あううッ!?な、何ッ・・・・お腹の中に何かがッ!?)  
 
唐突に、強烈な違和感が下腹部を襲う。  
肛門の奥・・・・ピクピクと脈動する直腸壁に向かって、  
触手の先端部から、ドロドロとした淫汁が放出されているのが分かる。  
それ自体の気色悪さは勿論だが、  
男性器による射精を連想させずにはおかない、放出時のビクビクという痙攣が、  
理性を直撃し、生理的な嫌悪感を呼び覚ました。  
 
「いやぁああッ!!やめてぇ・・・・お願い、もう出さないでェッ!!」  
 
拘束されたカラダを弱々しく打ち揺らし、悲痛な哀願の言葉を発する蒼髪の少女。  
言葉が通じた訳ではないだろうが、  
肉ミミズは侵入を一旦中断し、すぼまりに突き入れた身体をゆっくりと引き抜き始めた。  
 
束の間、安堵に包まれる優子の相貌。  
・・・・だが、少女の表情が、更なる絶望に覆われるまでにさしたる時間は要しなかった。  
<暗黒界>の陵辱者は、亀頭部分の全てをアナルから取り去ろうとはせず、  
逆に、これまでに放出したヌルヌル液と彼女自身の腸管から滲み出した分泌液を潤滑油代わりにして、  
本格的なピストン運動を開始したのである。  
 
「ひぎぃいッ!!ら、らめぇ・・・・やめて、もうやめへェええッ!!」  
 
奥は角張ったエラで抉られ、出口は太幹でこそぎ取られていく。  
獣根を押し込まれる時は、尾てい骨の辺りまで圧迫感が上昇し、  
反対に引き抜かれる際には、排泄の原始的な喜悦が尻穴を駆け抜けた。  
 
もっとも、今の優子は、<ヴァリスの戦士>として<夢幻界>に召喚されて以来、  
飲食物の摂取によってエネルギーを得る必要のない存在となっている。  
必然的に、<現実界>に戻った際にも食事らしい食事をしていなかったために、  
腸内には糞便のひとかけらさえ残っていなかったのが、せめてもの救いと言えた。  
とはいえ、排泄行為そのものに対する羞恥心が消えるまでには至っていなかったし、  
また、この種の行為によって、性的な快感を覚えてしまう事へのタブー意識も、根強くこびりついている。  
 
麗子が触手生物に命じた責め嬲りは、まさにその点を衝くものだったのである。  
 
ぬちゅッ!!ぐちゅッ!!ぬちゅるるるッ!!  
 
粘り気を帯びた水音が、体感的な抽送運動と絶妙にシンクロしつつ、  
白濁しつつある意識の内側で幾重にも響き合った。  
どんなに強くかぶりを振って、否定の言葉を並べ立てても、  
はちきれんばかりに膨張した異物が行き来するたびに、  
菊門からは蜜が溢れ出し、尻たぶを、太股を、ドロドロに汚していくのを止められない。  
 
(あああッ!!どうして・・・・どうしてなのッ!?  
こんなトコロ・・・・あくぅッ・・・・感じて、気持ちよくなっちゃうなんてェッ!!)  
 
真っ赤に焼けた鉄の棒で、体の中をゴリゴリと抉られるような感覚。  
それでいて、痛みは殆ど無く、快美感のみがどんどん大きくなっていく・・・・。  
排泄物をひり出すための不浄の穴を、野太い触手に穿ち抜かれて、  
にも関わらず、嫌悪や苦痛よりもずっと強い悦楽を覚えているという事実が、  
優子の心をグチャグチャに掻き乱し、打ちのめしている。  
 
(と、止めて!!ああッ・・・・お願い・・・・もう、これ以上はぁッ!!)  
 
止まる所を知らず、高まり続ける官能の大波、  
それが、何時、理性の堤防を乗り越え、矜持の城壁を粉砕して、自我を呑み込んでしまうのか?  
想像するだけでも恐ろしく、気力が萎え縮んでいく。  
 
寒気がして、ぞわり、と鳥肌が立つ。  
爪先立った両足はピクピクと痙攣し続け、背筋はギシギシと限界まで反り返っていた。  
心臓はバクバクと早鐘の如く動悸を打ち、  
呼吸は乱れ切って、吸い込む空気の量と吐き出す量のバランスが完全に狂ってしまっている。  
不浄の窄まりが捲れる都度、ハラワタが灼き千切れんばかりに燃え盛り、  
衝撃波となって押し寄せる法悦が、少女の意識をエクスタシーの頂に向かって押し上げていく。  
 
「はぁッ、はぁッ、はぁッ!!・・・・き、きもちいいッ!!  
オシリの穴・・・・ふはぁああッ・・・・熱いのが止まらないよぉ・・・・ひはあああッッッ!!!!」  
 
いつしか、優子の肛門は、邪悪な陵辱者によってただ突き回されるだけでなく、  
自らも異物の動きに合わせて蠕動し、収縮を繰り返すようになっていた。  
 
淫槍の先端部分が押し込まれてくれば、  
これを拒むのではなく、進んで括約筋を解きほぐし、直腸まで迎え入れる。  
存分に粘膜を掻き回し終えたら、彼の意志で後退するのを待たず、  
まるで、排泄物をひり出すかのように狭穴全体が力ばんで、肉の塊りを押し戻していく。  
亀頭冠が引っ掛かるところまで捻り出したら、ベクトルを逆転させて、今度はズブズブと引き摺り込み、  
力の続く限り暴れ回らせてから、またひり出す・・・・。  
 
――――もはや、どちらが触手を動かしているのかも分からない。  
回数を重ねるたびに喜悦は強く、甘美になって、熱にうなされる頭の中をトロトロにしていった。  
 
どぴゅッ・・・・じゅぴゅッ・・・・ぷしゃああッ!!  
 
時折、触手生物は、亀頭の先端部分から白濁した体液を放出し、  
腸管の内面をドロドロに染め上げるのも忘れなかった。  
放出された液汁の多くは粘膜襞の間に浸透していくのだが、  
あまりにも粘り気が強すぎて、すぐには吸収できないものは、  
タール状の蓄積物となって留まり、少しずつ少しずつ、容積を膨らませていく。  
 
(ふあああッ!!お、お腹がぁ・・・・ゴロゴロ鳴ってるぅッ!!)  
 
時間と共に、腹腔内での存在を増していく体内ヘドロに圧迫されて、  
少女の下腹からは地鳴りにも似た不気味な音が響き始めていた。  
極太の肉蛇によって犯されているアナル発の熱感とはまた異なる、  
切迫したゾクゾク感が、下半身全体をガクガクと震え慄かせる。  
『便意』という名の新たな脅威は、肛虐の苦痛や快楽とは異なり、未知の感覚という訳ではなかったものの、  
それだけに一層、感情を掻き乱し、恥辱感を増幅させずにはいなかった。  
 
――――ぎゅるる、ぐぎゅるるるぅッ!!!!  
 
鋭敏な痙攣に包まれた下腹部から、粘り気を帯びた水音が間断なく響き続ける。  
今の所、咥え込んだ逞しい剛直が栓となっているおかげで、  
腸奥で煮え滾っている汚物が外に溢れる事態だけは避けられていたが、  
その分、排泄への熱望とそれが満たされない事から来る苦しみは倍増していた。  
 
(はぁぐうううッ!!く、くるしい・・・・お腹が破裂しそう・・・・くはぁああッ!!)  
 
大小様々な触手が群れ集って形作られている奇怪な磔刑台の上で、  
肛門を行き来する異形のピストン運動に合わせて気をやりながら、  
同時に、身体をモジつかせ、原初的な欲求に苦吟する蒼髪の少女。  
 
執拗なピストン運動に屈して、アナルで絶頂に達するのが先か?  
あるいは、排泄欲求が限界を越えて、尻穴の中身をぶち撒けてしまうのが先か?  
 
ドロドロに白濁した意識の内にある思考は、もはや、この二つだけ。  
腸内を満たした汚汁とガス圧とで、  
自分の腹が妊婦のように脹れ上がり、醜くせり出している現実さえも自覚出来てはいなかった。  
 
・・・・だが、この期に及んで、狡猾な淫魔の責めは、未だ留まる所を知らなかったのである。  
 
「あッ・・・・ああッ!?」  
 
太股の間に感じた違和感が、  
(皮肉な事に)久方ぶりに少女を正気付かせ、現状把握の能力を蘇らせる。  
もっとも、本人にしてみれば、認識など出来ない方が幸福だったかもしれない現実ではあるのだが。  
 
(い、嫌ぁッ・・・・そ、そんな所まで・・・・あああ・・・・だ、だめぇッッ!!)  
 
囚われの優子に更なる絶望をもたらしたのは、  
先程、漆黒触手によって尻穴の既得権を奪われてしまった小触手。  
転んでもタダでは起きない、とばかりに、乙女の全身を隅々まで愛撫した末、  
仲間達の誰もまだ手を付けていない穴を探し当てる事に成功していた。  
俗に、『蟻の門渡り』と呼ばれる、前後の牝穴を結んだ人体の最も奥まった部分。  
発見した処女地とは即ち、排泄物を放出するためのもう一つの器官・・・・尿道口に他ならない。  
 
「ひぎッ・・・・いぎぃいいいいッ!!」  
 
正確には、彼の同胞たちも、この小穴の存在は既に把握していた。  
ただ、膣口や肛門、あるいは、乳房、口腔粘膜、耳朶、うなじなどと異なり、  
人体のこの部分には、通常、性感帯と呼べるものは存在していない、という事実を、  
本能的な感覚によって感知して、陵辱の対象から外していたというだけである。  
だが、アナルからの立ち退きを余儀なくされた肉ミミズにしてみれば、  
(もし、彼に感情や思考があったとすれば)この際贅沢は言っていられない、という心境だったに違いない。  
 
――――みにゅうッ、みちみちみちぃッ!!!!  
 
先端部分をこより状に細く捻らせて、  
きゅッ、と固く口を結んだ窄まりを穿ち破るや否や、狭い管の中を猛然と突き進んでいく小触手。  
対する優子は、身体の真ん中に焼け火箸を突っ込まれたかのような激痛に、悲痛な叫び声を放ち上げた。  
いくら胴を細くしたと言っても、侵入者は自分の指よりも太く、  
普段の内径は、せいぜい1、2ミリに過ぎない尿道に強引に侵入されて痛みを感じない訳は無かった。  
ましてや、その場所は、今までどの触手も敢えて手を出そうとはしなかった、未開発の器官である。  
 
(や、やめて・・・・オ、オシッコの穴が、破けちゃうううッ!!)  
 
灼けつくような激しい痛みが脳髄を貫き、意識を激しく攪拌する。  
一瞬、否、数瞬の間、蒼髪の少女は、  
子宮を埋め尽くした肉蛇も直腸を責め嬲る肉槍も忘れ去り、  
尿道を穿り進む肉ミミズの動きに、全身の神経を集中させた。  
 
――――そして、次の瞬間。  
 
プシャアアアアアッッッ!!!!  
 
強引に尿管を遡り、膀胱にまで達した陵辱者の前に、  
排泄器官はいとも簡単に限界を迎えてしまった。  
伸びやかな手足が、ピーン、と突っ張り、感極まって小刻みに震える中、  
黄色く色付いた生臭い飛沫が、床を埋め尽くした異形たちの上に、勢い良く迸る。  
耳朶が赤く染まり、焦点を失った瞳はユラユラと揺れ、喘ぐ唇からは涎の糸が垂れ落ち、  
激痛と恐怖に引き攣っていた表情が恍惚に蕩けて、だらしなく弛緩していく・・・・。  
 
(あはぁ・・・・オ、オシッコまで・・・・漏らしちゃったぁ・・・・)  
 
くなくなと頭を振りたくりながら、優子は、トロン、と酒に酔ったような眼差しを、  
前方・・・・自分同様、触手の群れに肉体を貪られている赤毛の元クラスメイトに向かって投げかける。  
すでに焦点が合わなくなってしまった双眸では上手く像を結べなかったが、  
おぼろげに映る顔には、最大限の軽蔑と嘲笑が浮んでいるように感じられた。  
 
(ああ・・・・ダメだわ・・・・わ、わたし・・・・もう・・・・)  
 
尿道口から最後の一滴が流れ出すのと同時に、  
役目を果たし終えた肉ミミズが、ズルリ、と抜け落ちる。  
激痛が急速に鎮まり、代わって、全身を覆った性感が息を吹き返した。  
少女の意向を全く顧みない、遠慮容赦ない暴虐の直後でもあり、  
それらの愛撫は、皆、とても優しく肌に馴染むかの如き錯覚を生じさせる。  
――――いや、たとえ単なる錯覚、まやかしに過ぎない、と分かっていたとしても、  
彼らの行為が(先程の尿道責めと同じく)愛情など欠片も含んでいない、という事実を、  
受け止める事が出来るだけの意志の力は、今の彼女には残ってはいなかった。  
 
「あッ、ああッ・・・・ふはッ・・・・んはぁああッ!!」  
 
あさましい律動が止まらない。  
触手によって突かれるたびに子宮が激しく跳ね回り、  
下半身全体がねっとりとした熱感に覆われていく。  
生ける磔柱に抱き留められた背筋が悩ましくくねり、頭の中がピンク色の靄に包まれていった。  
 
(らめぇ・・・・き、きもちいい・・・・きもちいいのが・・・・ガマンできないよぉ・・・・)  
 
触手というよりは繊毛と呼ぶ方がふさわしい、朝顔のツルほどの太さしかない肉ミミズが、  
包皮から、ぷるん、とまろび出した陰核の根元へと巻き付き、  
キュルキュルと締め付けつつ、ぐぐぐっ、と引っ張り上げた。  
花芯を犯された秘裂が、縦に引き伸ばされ、  
野太い魔茎を口一杯に咥え込んでいる膣孔も、円から楕円へと変形する。  
普通の人間であれば、神経の塊りである突起を千切れんばかりに吊り上げられたなら、  
激痛のあまり、失神に至ってもおかしくないところだが、  
皮肉にも、<ヴァリスの戦士>である優子には、(この状況下では、むしろ、救いとも言える)それすらも許されないのだった。  
 
「ひぁあッ!!ひへぁあああッッッ!!」  
 
しなやかなカラダを弓なりに逸らしながら、情けなくよがり啼く蒼髪の少女。  
張り裂けんばかりに大きく開かれた口元からは、  
栓を抜かれた直後のビールの如く白泡が溢れ返り、  
痙攣した舌先が、ビクッ、ビクッ、と、奇怪なダンスを舞い踊っている。  
 
無慈悲に犯し尽くされた秘唇は、すでに少女らしい慎ましさとは無縁な存在となり果てていた。  
襞という襞、溝という溝に、透明な蜜を滲ませ、  
小刻みに波打つ秘粘膜で出入りする陵辱者をしゃぶり立てている。  
粘り気を増した愛液がメレンゲ状に泡立てられ、  
擦れ合う淫肉の狭間で卑猥極まりない楽の音を奏で続けていた。  
 
――――そして・・・・。  
 
ぷしゃああああッッッ!!!!  
 
先程、黄金色の小水を放出したばかりの尿道口から、  
今度は、半透明な愛潮が噴き上がった。  
沸騰したドロドロの蜜汁が、綺麗な放物弾道を描いて高々と宙を舞い、  
地面を埋め尽くした触手の波間へと降り注ぐ。  
 
「はひぁあッ・・・・あはぁあああああッッッ!!!!」  
 
伸びやかな手足が、ピーン、と突っ張り、感極まって小刻みに打ち震える。  
一瞬だけ閃いた羞恥の表情が、たちまち恍惚に蕩けて、淫猥に弛緩していった。  
耳朶が赤く染まり、瞳からは焦点が失われ、唇からは涎の流出が止まらない。  
意識はとうに弾け飛び、真っ白な光に覆い尽くされた視界一杯に、  
極彩色の火花が何度も何度も大輪の花を咲かせていた。  
 
「はぎひぃいいッ!!い、イッちゃうぅうううッ!!!!」  
 
限界を超えた領域まで堪え続けていた反動なのだろう、  
理性の箍が外れ、肉欲の暴走を止めるものがなくなったエクスタシーは、留まる所を知らなかった。  
下半身の何処かが痙攣するたびに灼熱した快感が迸り、絶頂感が全身を波打たせる。  
ピン、と反り返った背筋を、高圧電流を流されたかのような衝撃が何度も往復し、  
喩えようも無く快美な衝動が生み出されては、哀れな女囚を悶え狂わせた。  
 
どぴゅッ・・・・びぴゅッ・・・・びぷしゅるッ!!  
 
凛とした相貌は愉悦に蕩けきり、もはや、見る影も無かった。  
しなやかな<戦士>の肉体を護っている美しい黄金の甲冑も、  
無数の触手が吐き出した、色とりどりの分泌液によってドロドロに穢されて、輝きを失ってしまっている。  
勿論、汚濁した淫汁は、甲冑に覆われていない乙女の柔肌にもべっとりと塗り込まれていた。  
リズミカルに弾む胸乳も、薄い腹筋に囲まれたアーモンド形の小さなお臍も、  
半ば襤褸切れと化したスカートの下で敏感にひくついている尻たぶも、  
饐えた異臭を放つ魔生物に容赦なく舐めしゃぶられ、隠された性癖を容赦なく暴き立てられている。  
 
そして、徹底的に嬲り抜かれた前後の牝穴は、絶え間ない絶頂を繰り返していた・・・・。  
 
「あああッ!!ま、またぁ・・・・イッちゃう、ひはぁあッ!!飛んでいっちゃうううッ!!  
ダ、ダメぇッ!!イクのが止まらないいいいッ!!ひぎぃあああああッッッ!!!!」  
 
頚椎の許容する限界ギリギリまで大きく頤を突き出し、絶叫する優子。  
常人ならば、既に廃人と化していてもおかしくないほどの回数、二穴絶頂を迎え続けた末に、  
彼女の心は完全にへし折られ、打ちのめされていた。  
 
犯し抜かれた膣襞がおぞましくも甘美な感触に痙攣する。  
生物とも非生物ともつかない、<暗黒界>の化け物が、  
子宮の中で、びくん、びくん、と蠢き、ドロドロの粘汁で蜜壷を満たしていく。  
 
自分の手首ほどもある、野太い剛直に貫かれている肛門でも、  
情け無用の陵辱ショーは最高潮に達している。  
黒ずんだ肉ブラシが直腸粘膜を擦り上げるその都度、括約筋の締め付けが失われて、  
腸奥に溜まったガスが、ぶぴッ、ぶじゅぴッ・・・・、と泣き声を漏らし始めていた。  
 
(・・・・も、もう、だめ・・・・わたし・・・・もう・・・・もう・・・・)  
 
――――しばらくの後。  
 
(くくくっ・・・・散々、大口を叩いてくれただけあって、盛大なイキっぷりだったわねぇ)  
 
ラベンダー色の双眸に冷笑を浮かべつつ、  
赤毛の少女は、目の前でぐったりと脱力している優子の全身を眺めやった。  
凄絶なまでの絶頂地獄を経験したにも関わらず、  
かろうじて意識を失わずにいる点は、賞賛に値する、と言っても良いかもしれないが、  
この状況では、その事実にさしたる意味があるとも思えない。  
 
(まぁ、良く頑張った、と誉めてはあげるわよ。  
・・・・ふふふ、そうね、さすがは<ヴァリスの戦士>、とでも言ってあげるべきかしら・・・・?)  
 
くつくつと低く笑った麗子は、  
未だ自分のカラダに巻き付いたままの触手の群れに向かって、『もう良いわよ』と念を送った。  
ご主人様の命令に忠実に、シュルシュルと解け落ちていく肉ミミズ達の感触を背中に感じて、  
<ヴェカンタの戦士>は少しばかり名残惜しげな感覚を覚えつつ、  
ゆっくりと前に踏み出そうとし――――唐突に、躓いた。  
 
「な、何ッ!?お前たち、もう良い、と言ったのが分からないのッ!?」  
 
驚きを表情に滲ませながら、  
足首に絡みついたまま離れようとしない触手生物を見下ろす麗子。  
 
――――だが、次の瞬間、その驚愕は恐怖へと急変する。  
 
「ヒィッ!?は、離せッ!!私の言葉が聞こえないのッ!?」  
 
予想外の事態に、金切り声を上げる<戦士>を無視して、  
異形たち――――中には、先程彼女の命令に従い、拘束を解いたばかりのモノも含まれていた――――は、  
猛然と上位者への反逆に邁進し始めた。  
手足を絡め取り、力ずくで抵抗を抑え付け、地べたに這い蹲らせる。  
・・・・そして、交尾に臨む雌犬の如く、下半身を高々と持ち上げた屈辱的なポーズを強制し、  
つい先刻、哀れな捕囚に行ったのと同じ、前後の牝穴に対する徹底陵辱を開始するのだった――――。  
 
「ば、莫迦な・・・・いったい、何が起こって・・・・あくぅうッ!?ひぐぁああああああッッッ!!!!」  
 
 
 
――――――――TO BE CONTINUED.  
 
 
 

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