<夢幻界>。ヴァニティ城。  
 
「つぅ・・・・優子ったら、少しは手加減してくれたって良いじゃない・・・・」  
 
鳩尾の少し下、ぬばたまの光沢を帯びた胸甲が途切れて生白い肌が露出している辺りをさすりつつ、  
赤毛の<戦士>は苦々しげに独りごちた。  
先刻――――正確に言うと、数時間前の話になるが、蒼髪の親友からお見舞いされた当て身技は、  
自室のベッドの上で意識を取り戻した後も、深紅の打撲痕となって彼女の腹部に残っている。  
 
(そりゃあ、私も、ちょっと意固地になり過ぎてたのは認めるけど・・・・)  
 
ぶすっ、とした表情のまま、傍らの小卓に置かれたクリスタルの水差しを手に取り、  
コップを使わずに、直接口元に流し込む。  
バラの香りの漂う、程好く冷えた清らかな水が五臓六腑に沁み渡り、痛みと疲労を和らげてくれたものの、  
心の中の苛立たしさまでは取り除けなかった。  
 
「・・・・帰ってきたら、たっぷりとお返ししてあげるんだから、覚悟してなさいよッ!?」  
 
――――事件(という程の深刻なものではないが)が起きたのは、数時間前。  
<変幻戦忍>アスカの逃走先が<鏡面世界>だと判明し、探索隊を送ると決定した時だった。  
 
出撃メンバーに自分を加えるように主張した麗子に対し、  
仲間たちからの推挙によって探索隊のリーダーとなった、優子  
・・・・彼女とは最も深く信頼し合い、自他共にベストパートナーと認める仲だった筈の<ヴァリスの戦士>は、  
その要求をすげなく斥け、あまつさえ、なおも執拗に食い下がろうとした彼女を、  
議論はここまで、とばかりに強烈な当て身を放ち、昏倒させる、という、  
およそ、普段の温厚な性格からは想像のつかない、荒っぽい解決法を用いて強制退場させたのである。  
 
・・・・無論、優子とて、何の理由も無く、親友のたっての願いを無下にした訳ではない。  
あの時点での麗子には、<変幻戦忍>の秘奥義を受けたダメージがまだ残っており、  
万全を期して臨むべき<鏡面世界>への探索行に参加させるには不安があった。  
加えて、優子以下、陽子、妖子、キャロン、レムネア、といった錚々たる面々が出撃すれば、  
ヴァニティ城の守りが手薄となるのは避けられない、という理由もある。  
誰かが城に残り、探索隊には選抜されなかった――――要は、戦力としては二線級の<戦士>たちを束ねて、  
ヴァルナ女王を守らねばならないのは自明の理だった。  
 
勿論、それぐらいの事情は、赤毛の少女とて理解していた。  
――――だが、聡明な彼女にしては珍しく、納得まではしていなかった事  
・・・・これこそが『事件』の原因だったと言って良いだろう。  
 
(・・・・それにしても、今頃、どうしてるかなぁ・・・・優子たち)  
 
今もって完全に得心がいった訳ではなかったが、  
毒を吐いたせいで、幾分かは胸の中のモヤモヤが薄らいだのか、  
水差しをテーブルに戻した赤毛の少女は、  
寝台に腰を下ろし、膝の上で頬杖をつきながら、ラベンダー色の瞳をぼんやりと中空に彷徨わせた。  
 
ヴァルナの開いた次元回廊は、探索隊が<鏡面世界>へと渡った直後に閉じてしまっている。  
再びこちら側から回廊を開くためには、長時間にわたる複雑な魔術儀式が必要であり、  
女王の負担を考えれば、最低でも一日程度は間隔を空けなくてはならないだろう。  
 
(無事でいるわよね・・・・きっと)  
 
漠然とした不安と事態の推移に直接関与できないもどかしさが、胸の奥に沈殿していく。  
今は仲間たちを信じて待つしかない、と頭では分かっているのだが、  
心は容易にそれを受け付けてくれず、感情はどうしても乱れがちだった。  
 
「これで、無事に帰って来なかったら、承知しないんだからね。優子・・・・」  
 
相変わらず、不機嫌な面持ちを崩そうとはしない麗子。  
だが一方で、彼女の両手は無意識のうちに寄り合わさり、祈りの姿勢へと変化している。  
そして、ラベンダー色の瞳の奥では、小さな涙の粒が銀色の光を放ちつつ瞬いていた・・・・。  
 
――――同時刻。城内。朱鷺田茜の居室。  
 
「はぁっ・・・・はぁっはぁっ・・・・」  
 
純白のシーツを敷き詰めたベッドの上で、  
スポーツで鍛えたスレンダーな肢体が、生汗を飛び散らしつつ跳ね回っている。  
 
朱鷺田 茜(ときた あかね)。  
赤みがかったショートヘアがトレードマークの17歳。ミッション系の私立校・白風館高校の2年生。  
勉強は少し苦手だが、スポーツ万能で、陸上部やバスケ部、女子サッカー部等、いくつもの部活を掛け持ちし、  
快活で親しみやすい性格から友人も多い。  
 
どのような巡り合せによるものか、同じ学校に通う紺野 藍子(こんの あいこ)、竹川 みどり(たけがわ みどり)と共に、  
異世界アルテナの『灰色の魔術師』と黒猫のドナによって地球から召喚された彼女は、  
『邪なる黒』と呼ばれる邪悪な存在と戦う、<アルテラの三剣士>に選ばれた、と告げられ、  
その日以来、剣と魔法の支配する異世界でハードな戦いの日々を送っていた。  
 
現在は、(優子や陽子たちと同様)女王ヴァルナによって<夢幻界>に召喚され、  
全時空において<明>の<戦士>たちを次々と襲撃している正体不明の敵との戦いに加わる身である。  
 
・・・・とはいえ、<戦士>としての力量は平均的で、  
<ヴァリスの戦士>には遠く及ばないのは仕方ないとしても、  
彼女たちに準ずる水準にある<レダの戦士>や<ラルの剣士>とさえ、互角であるとは言い難かった。  
侵入したアスカの秘奥義の前に、さしたる抵抗も出来ないまま敗北を喫してしまったのは記憶に新しい。  
 
そのため、茜と藍子、みどりの三人は、危険が予想される<鏡面世界>への探索チームには選抜されず、  
麗子やシルキスと共にヴァニティ城の守りに残されていたのだったが・・・・。  
 
「あうう・・・・んうぅうッ!!」  
 
恥ずかしげも無く、M字に股を拡げて、敏感なポイントに指先を這わせる。  
中指を使って、肉莢から剥き出した真珠珠を、下から上にコリコリと掻き上げると、  
ピリピリとした快感が秘裂の間を駆け巡り、  
こんもりと生い茂った縮れ毛で飾られた、淫靡なあわいを深いピンク色に染めていった。  
部活の際に邪魔にならないよう、短く切り揃えられたショートヘアは、  
汗に濡れてキラキラと輝き、この年代の少女特有の甘酸っぱい芳香を漂わせている。  
 
「ああッ・・・・くッうンッ・・・・はくッ・・・・あくうぅううッ!!」  
 
こりこりこり・・・・。  
転がせば転がすほどに、揉み込めば揉み込むほどに、硬度を増していく、いやらしい宝玉。  
茜は自らの一点を執拗に掻き毟る。  
己の一番弱い場所を剥き上げ、擦り回し、弄り続けるうちに、  
性感はいよいよ昂ぶり、自制心は消え失せて、あさましい牝の欲情が赤裸々に暴き立てられていく・・・・。  
 
(あああッ・・・・ど、どうして!?  
手が勝手に動いちゃう!!アソコが疼いて、熱いのが止まらないッ!!)  
 
もうかれこれ小一時間近くもの間、  
ショートヘアの少女は自分の指先で秘蕾を慰め続けていた。  
絶頂に達し、蜜壺から噴水のように潮を噴き上げたのも、一度や二度の話ではない。  
にも関わらず、スポーツで鍛えた引き締まった肉体は火照りを増す一方で、充足感を覚える事は無く、  
むしろ、昇り詰めるたびに更なる衝動が湧き出してきては、より強く、甘美な刺激を求めてしまう。  
 
「だ、だめぇッ!!イ、絶頂く・・・・また、絶頂っちゃうううッ!!」  
 
細長くしなやかな人差し指が、包皮ごと陰核を押し潰した瞬間、  
サーモンピンクの充血粘膜がビクビクッと痙攣を発し、甘い雫が鉄砲水の如く溢れ出した。  
膣奥に鎮座する聖なる肉の炉に火が入り、燃え盛る欲求が臨界点に達する。  
 
「あひゃああぁあああッッッ!!!!」  
 
眉間に皺を寄せて絶叫する<アルテナの剣士>。  
切れ長の眼尻から大量の涙が溢れ、全身の産毛が一気に萌え上がる。  
体中の血管を、シュワシュワと白い気泡が走り抜けていく感覚。  
頭の中では迸る性の喜悦が真っ白な光となって渦を巻き、物凄い勢いで高速回転している。  
 
「ううっ・・・・うく・・・・あくぅううッ!!」  
 
ベッドの上で上体を大きくのけぞらせたまま、  
ショートヘアの女子高生は、陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクさせた。  
健康的な柔肌は内側からの熱によって朱を帯び、  
毛穴から浮かんできた無数の汗粒がキラキラと光り輝いている。  
 
『フフフッ、他愛も無い。  
アナタのカラダもココロも、もはやあたしの操り人形。  
永遠に覚める事の無い夢の中で、生命果てるまで踊り狂うがいいわ・・・・』  
 
・・・・一体、何時から部屋の中にいたのだろうか?  
不敵な笑みを浮かべつつ、茜の痴態を眺めやる小柄な少女。  
 
年の頃は13、4歳。  
ディープ・ブルーの瞳に、腰まで伸ばしたエメラルド・グリーンの髪。  
額には神秘的な光沢を湛える輝石が嵌め込まれた美しいティアラ、  
身体に纏っているのは、黄金の縁取りで飾られた深紅の甲冑。  
 
その容姿は、<夢守りの民>あるいはドリーム・ガーディアンと称される、  
太古の昔より、人類社会の闇に潜む夢魔たちとの戦いを繰り広げてきた異能の一族の末裔、  
<ドリームハンター>綾小路 麗夢に酷似していた・・・・寸分違わない、と言っても差し支えないほどに。  
 
『・・・・』  
 
だが、自慰に耽る<アルテナの剣士>に向けられたその視線は、  
<明>の陣営に属する<戦士>にはおよそ似つかわしくない昏い翳りを帯び、クチビルには酷薄な笑みが浮かんでいる。  
 
――――数週間前、麗夢は、本来存在していた時空から、何の痕跡も残さず、忽然と姿を消している。  
同時期に失踪したライディや飛鳥たちと同様、<鏡面世界>の奥深く、幾重にも巡らされた鏡の迷宮に囚われの身となった彼女は、  
邪悪な<鏡使い>の力によって、これまで数度にわたり、魂の一部を吸い取られ続けていた。  
今、茜の居室に忍び込み、部屋の主の痴態を冷ややかに眺め下ろしている少女・・・・  
ヴァニティ城内に潜伏し、先に侵入した<変幻戦忍>が果たし得なかった、城内の攪乱と女王ヴァルナの拉致を企図している張本人は、  
奪い去られた魂の欠片を利用して生み出された魔道生命、オリジナルから複製されたダミー人形に他ならない。  
 
『アスカの忍術は、強力な幻覚をもたらす媚毒を用いて標的の神経を冒し、暗示にかかり易い状態とするもの。  
即効性があり、効き目も抜群な点は認めるけれど、  
術をかけられた相手の自我を完全にコントロールは出来ないし、  
並外れた精神力の持ち主であれば幻覚成分への抵抗も可能だわ・・・・麗子のようにね』  
 
ひときわ甲高く放ち上げられた嬌声に、妖気を宿した双眸がすっと細められる。  
 
『その点、あたしの能力は、狙った獲物の無意識下の思考域へと侵入し、情報を自由に書き換えられる。  
相手に気付かれる可能性はまず無いし、  
万に一つ、気取られたとしても、無意識の世界・・・・夢の中で自由に行動する術を持たぬ者にはどうする事も出来無い・・・・』  
 
『・・・・まぁ、代わりに、あたしの能力が力を発揮するのは、意識が覚醒していない相手  
――――つまり、眠っている人間に限られるんだけどね』  
 
少しばかり、難しそうな表情になる麗夢。  
・・・・だが、すぐに彼女はかぶりを振り、くくッ、とくぐもった笑い声を立てた。  
 
およそ三界に生きとし生ける知的生物に、  
睡眠という行為を全く必要としない者は殆どいない、と言っても過言ではない。  
亡霊や吸血鬼のような知性を有する不死の怪物や自律思考可能なAIを備えたアンドロイドでも無い限り、  
いわゆる『人間』と総称される者――――妖精や魔族のような亜人を含む――――であれば、  
ほとんど例外なく、一日の内少なくとも一度は、睡眠を摂らねばならないのである。  
それは、目下遂行中の"狩り"における"獲物"・・・・各世界の<戦士>たちとて例外ではなかった。  
 
『それだけじゃないわ。  
生きていく上で眠りを必要としているのは、この城の住人――――<夢幻界>だって同じ』  
 
未だ幼女の面影を多分に残す、少女の貌に、  
数百年を生きた魔女の如き老獪な表情が浮かび上がる。  
 
麗夢自身もその理由までは知悉していないのだが、  
生命活動を維持するために、飲食物を通じて水分や栄養分を摂取する必要も無く、  
衣服や冷暖房によって暑さや寒さを防ぐ事や呼吸によって心肺に酸素を取り入れる事さえも不要な、<夢幻界>の住人であっても、唯一、睡眠だけは必要としていた。  
事実、このヴァニティ城には、<戦士>たちがやってくるまで、  
台所も食堂も風呂場もトイレも、それらの部屋に備え付けられている各種の設備や消費財も一切存在せず、  
各世界から召喚された少女たちを大いに困惑させたものだったが、  
寝室と寝具に限っては城内にも在り、機能の面でも、今日に至るまで特に不満が生じた事はなかったのである。  
 
『・・・・とはいえ、いきなり、ヴァルナや麗子みたいな大物の夢に侵入して無意識下の思考を書き換える、って芸当は、  
いくらあたしでも簡単じゃないケドね』  
 
――――だが、目の前の少女の如く平凡な力しか持たない<戦士>や女王に仕える侍女共ならば、  
さしたる困難も無くやってのける自信はあった。  
実際に、ここに来る以前、茜の二人の仲間、紺野藍子と竹川みどりは、  
睡眠中の夢の中に忍び入り、一切気付かれる事無く、支配下に置くのに成功している。  
今現在は、眠りから覚めて、意識が覚醒した状態にある為、マインドコントロールは働いていないが、  
再びまどろみの底に落ち、無意識が意識に取って代われば、  
改めて術をかけ直さずとも、意のままに動くマリオネットと化すように細工を施していた。  
 
『フフフ。麗子やヴァルナが気付く頃には、城内はあたしの"お人形さん"で一杯になってるわ。  
それにしても・・・・』  
 
ベッドの上で痴態を繰り広げているショートヘアの女子高生を、蔑みの眼差しでねめつける麗夢。  
淫夢の捕囚に堕ち、飽きる事も倦む事も知らず、ひたすらオナニーに没頭している姿に、  
公園を散歩していて、落ちている犬猫のフンを見付けた時のような嫌悪感を露わにする。  
 
『まったく、コイツらときたら、三人共揃いも揃って、とんでもない雌犬ぶりね。  
簡単に堕ちてくれるのは有難いけど、あさましいったらありゃしない。  
普通は、いくら意識が働いていなくても、多少は恥じらいだの理性の抵抗だのが残っているハズなんだけどね・・・・』  
 
「アッアッ・・・・イイッ!!気持ちイイよぉっ!!」  
 
<ドリームハンター>から"雌犬"呼ばわりを受けた<アルテナの剣士>は、  
無論、自分がマインドコントロールされているという事実など知る由も無く、  
欲情に蕩けた表情のまま、ひたすら己の秘所を掻き回し続けていた。  
 
麗夢の異能の技によって無意識の底から引き摺り起こされ、焦点を失った瞳に次々と映し出されていくのは、  
まだ<剣士>として召喚を受けて間もない頃、右も左も分からなかった時期に、  
<邪なる黒>の下僕達――――その正体は、<邪なる黒>によって生命力の源である"源素"を奪い取られたアルテナの住人たちだった――――から受けた、凌辱の光景・・・・。  
 
――――ヘンタイオンナ!  
――――イヤラシイメスブタ!  
――――サイテイノインバイメ!  
 
周囲を取り囲む人垣から、嘲笑と侮蔑のこもった罵りの言葉が口々に吐きかけられる。  
 
与えられたばかりの甲冑を剥ぎ取られ、乳房と陰部を暴き立てられたスポーツ少女は、  
自分の優に倍以上も背の高い、プロレスラー並の屈強な体躯を誇る奴隷たちによって、  
両手首と両足を押さえ付けられ、屈辱的な開脚姿勢を強いられて、口惜しさと恥ずかしさに総身を震わせていた。  
今いる場所からでは死角になっていて視認する事は叶わないものの、  
共に捕囚の身となった二人の仲間、藍子とみどりも、広い刑場の何処かに引き据えられて、  
同じく開脚を強いられ、乙女のカラダの中で一番恥ずかしい場所を衆目に曝しているのだろう、  
時折、異形の人波の向こうから、弱々しい叫び声が木霊してくる。  
 
「ああっ!!見ないで・・・・お願い、後生だからッ!」  
「は、恥ずかしい!!こんな仕打ち、もう耐えられないッ!」  
 
蜘蛛の巣に絡め取られた蝶々の如く、  
拘束された肢体を弱々しく打ち揺らしながら、羞恥に声を震わせる仲間たち。  
 
幸か不幸か、その無残な有様を茜が直接目にする事は無かったのだが、  
彼女たちの股間は、未だ初潮を知らぬ、幼児の時分に戻ったかのような、ツルツルスベスベの惨状を呈しており、  
ぷっくりと隆起した恥丘の脹らみ具合も、その真ん中に穿たれた大陰唇の形状も、一目瞭然だった。  
つい先刻まで、恥ずかしい谷間を覆っていた縮れ毛の繁りは、冷酷非情な剃刀の刃先によって残らず剃り落され、  
今やサーモンピンクの陰唇の周囲に、僅かな産毛を残しているだけ。  
 
――――そして、二人の女囚への恥刑を終えた剃刀使いは、  
最後の仕上げ、とばかり、残るもう一人の獲物・・・・茜の方に向き直ると、  
鈍い光沢を放つ剃刀を手に、ノソリノソリと近付いてくるのだった。  
 
「あ、ああッ!!だ、だめ・・・・お願い、ゆるしてェッ!!」  
 
最初のうちこそ、一切言葉を発する事無く近付いてきた男の意図を量りかねて、訝しげな眼差しを向けるだけだった茜だが、  
彼が手にする鋭利な剃刀――――刃先には、藍子とみどりから刈り取った陰毛が未だ張り付いたままだった――――を一瞥した途端、  
先に二人の身に起こった・・・・そして、今から自分に降りかかろうとしている、恐るべき災厄を悟り、思わず目元から涙を溢れさせてしまう。  
 
無論、<邪なる黒>の忠実なる下僕は、涙ながらの懇願など一顧だにせず、  
大きく割り拡げられた股間の前に顔を寄せた。  
そして、懐中から、どす黒く濁った、得体の知れないローション状の薬液の小瓶を取り出すと、  
慣れた手つきで、眼前に広がる生白いデルタ地帯・・・・  
とりわけ、その一番奥まった場所に位置する茂みへと注ぎかけ、塗りたくる。  
 
「ひあッ・・・・あ、熱いッ!?アソコが・・・・オ○ンコが、熱くなってきたッ!!」  
 
恥丘を覆う赤みがかった縮れ毛に蜂蜜色をした媚毒ローションが絡みついていくにつれ、  
スレンダー少女の声が徐々に熱を帯び、裏返っていった。  
てらてらと輝く黄金色の淫液は、こんもりと繁る恥毛の群生を水浸しにしたかと思うと、  
真下にある柔肌を潤し、秘裂へと流れ込んで、最も敏感な粘膜の間に浸み通っていく。  
 
「やめてッ!!これ以上はもう・・・・くはぁあああッ!!」  
 
恥も外聞も無く泣き叫びつつ、哀願の言葉を並べ立てる茜。  
だが、<黒>によって意志を奪われた木偶人形にそんな泣き言が通じる筈も無く、  
やがて、気も触れんばかりの快美な感覚を伴った狂熱は、割れ目の奥深く、膣孔の中にまで達してしまう。  
 
「く、苦しいッ!!オマ○コが、熱くて、疼いて、変になりそうッ!!」  
 
顔面を真っ赤に紅潮させながら、呻き声を漏らす。  
既に剃毛刑を受刑し終えた藍子とみどりも、同じように恥裂に媚毒を塗られ、  
容赦なく襲ってくる快楽に身悶えしつつ、拘束された手足をいやらしく打ち振っているのだろうか?  
宵闇のしじまに響き渡る三者三様の喘ぎは、切迫したトーンを増していく一方だった。  
 
――――と、次の瞬間、  
鈍い光沢を放つ薄刃の刃物が、密生した恥毛の真ん中へと押し当てられる。  
 
「ひぃうッ!?」  
 
最も敏感な場所の真上へと突き付けられた、冷たく研ぎ澄まされた刃の感触に、  
一瞬にして表情を凍りつかせる、<アルテナの剣士>。  
だが、両手両足はがっちりと拘束されており、  
逃走はおろか、身体を捩って刃先を躱す事すら不可能である。  
 
ぞりっ、ぞりりりりっ!!  
 
ひんやりとした鋼の薄刃が股間に当てられ、滑るように引き寄せられると、  
たったそれだけで、深い茂みの一部が大きく刈り取られ、薄青色の剃り跡が剥き出しになる。  
 
「あ、ああ・・・・やめて・・・・やめてぇ・・・・」  
 
剃刀が無慈悲に振り下ろされるたび、  
縮れ毛の繁りは、じょり、じょり、と剃り落され、面積を狭めていく。  
茫然とその惨劇を見つめながら、悲しげに鼻を鳴らし続ける事しか出来ないショートヘアの少女。  
 
――――も、もうだめだ・・・・。  
 
<剣士>として選ばれた自分が、為す術も無く囚われの身となり、  
大切な乙女の純潔をこんな卑劣極まりないやり方で穢されていく、屈辱感、そして、無力感。  
堪えようも無い哀しみが心の中に絶望を生み出し、抵抗の意志を殺いでいく。  
 
(・・・・もう、どうなってもいい)  
 
敗北に打ちひしがれ、ついに目を伏せてしまう茜。  
・・・・だが、たとえ瞼を閉じようとも、  
振るわれ続ける剃刀の感触を五感から消し去る事など出来る筈もない。  
 
陰核を取り囲むデルタ部分を丁寧に一掃した後、  
襞の左右、猫の額ほどの面積も無い、皺だらけの地肌を清め、  
更には、短い毛がみっともなく生えている肛門の周辺までも。  
 
何重にもKOされてしまった少女に、最後の仕上げとばかり、淫液ローションが注がれる。  
無残に剃刀を当てられ、殻を剥かれたゆで卵の如き沃野と化した恥丘には、  
もはや、その流れを押し留める何物も存在せず、  
魔性の媚薬は、一滴も余さず、粘膜の奥へと吸い込まれていく――――。  
 
「あうう・・・・んんッ!!あむぅ・・・・んふぅうううッ!!」  
 
喪失の悲しみが少しずつ消えていく。  
代わって、少女の感覚の支配者となったのは、  
カラダの奥底からじゅくじゅくと湧き出してくる滾り、そして、熱い疼き。  
 
「ふはぁああんッ!!あ、熱いィッ!!オマ○コがぁ・・・・火傷しちゃいそうッ!!」  
 
顔を火照らせ、大きく胸を弾ませる。  
陰唇粘膜が焼け付くような灼熱感に包まれて、  
未だかつて経験した事の無い、性への渇望に啜り泣いている。  
 
――――オカセッ!オカセッ!  
――――モットハズカシメロッ!モットナキサケバセロッ!  
――――ヘンタイオンナヲオカセッ!インバイノホンショウヲアバキタテロッ!  
 
情け容赦なく暴き立てられたあさましい痴態に、周囲を取り囲んだギャラリーも湧き立ち、  
ありとあらゆる種類の嘲りと蔑みの言葉が投げ付けられる。  
 
(ううっ、く、口惜しいッ・・・・恥ずかしいッ!!でも・・・・あああ、でもォッ・・・・!!)  
 
眉間に深く皺を寄せて、ショートヘアの女子高生は苦しげに呻く。  
完全にスイッチが入ってしまった肉体は潤いを渇望していた。  
その飢えを満たす手段は、<剣士>としてのプライドも、乙女としての純潔も、何もかもをかなぐり捨てて、  
おぞましい凌辱者たちの情けを乞い願う事でしか得られない・・・・。  
 
「ダ、ダメッ!!止められないッ!!これ以上、もう・・・・もう・・・・ッ!!!!」  
 
一本も余さず恥毛を剃り落されて、生まれ落ちたままの姿となり果てた、己れの股間を見下ろしながら、  
完全に打ちのめされた茜は、フラフラと正体も無くかぶりを振りたくっている。  
恥刑を終えた剃毛吏が、相も変わらず無言のまま、だが、片頬にチラリと満足そうな笑みを浮かべつつ、後ろに下がると、  
間髪を入れず、今度は全身筋肉の塊と見紛うばかりの、屈強な奴隷が進み出てきて、  
申し訳程度に前を覆っていた、粗末な股布を取り払った。  
 
現れたのは、はちきれんばかりに怒張した、赤黒い肉棒。  
表面にはミミズのような太い血管を浮き立たせ、ビュクン、ビュクン、と、荒々しい律動を刻み続けている。  
加えて、禍々しく聳え立つ牡の兇器は、  
饐えたような、それでいて、途方も無く蠱惑的でもある、何とも形容し難い薫香に包まれていた。  
 
「あ・・・・ううッ!?」  
 
グロテスク極まりないシルエットを一瞥しただけで、  
少女の理性は、僅かに残っていた羞恥心と共に、粉々に砕け散ってしまった。  
 
「あああ・・・・ほ、欲しい・・・・それ、欲しいよぉッ!!」  
 
トロトロに蕩け切った視線で目の前の逞しいイチモツを凝視しつつ、  
あさましい欲情に身を委ねる、<アルテナの剣士>。  
青々とした剃り跡に囲まれてヒクヒクと息づく艶めかしい二枚貝・・・・  
既にその表面は愛蜜に濡れそぼり、てらてらと卑猥な光沢を湛えていた。  
 
「お願い、オチ○チ○、挿入れてェッ!!  
このぶっといのを・・・・早くッ・・・・あたしのオマ○コ、オマ○コにィッッッ!!」  
 
拘束されたカラダを、狂気に駆られたかの如く、ガクガクと打ち揺らす茜。  
理性のタガが外れて、性への衝動を抑えられなくなった彼女は、  
自分がどんなに恥ずかしく、あさましいセリフを口にしているのか?すら理解できないままに、  
赤裸々な欲望を次々と連発し、全身を灼き焦がしている熱を鎮めて欲しい、と訴えかける。  
 
――――オカセッ!ツラヌケッ!ブチマケロッ!!  
 
怒号とも歓声ともつかない、淫獣たちの大合唱が響き渡る中、  
<邪なる黒>の忠実なる下僕は、黒光りする巨大な男根を振り立てつつ、悶え泣く獲物にゆっくりと近付いていき、  
おぞましい肉の破城槌をサーモンピンクの潜り戸へと押し付ける。  
 
「あひぃッ!!くあッ・・・・あくうぁあああああッッッ!!!!」  
 
恐怖と歓喜とがグチャグチャに入り混じった絶叫が、  
闇に閉ざされたアルテラの夜空へと放ち上げられ、幾重にも垂れ込めた黒雲の奥へと吸い込まれていった・・・・。  
 
『・・・・ハイ、一丁上がり。もう少し時間が必要かと思ったけど、存外呆気なかったわね・・・・』  
 
ベッドの上に大量の愛液を飛び散らせ、大の字になって気を失っている茜。  
その痴態を見下ろしつつ、碧髪の女戦士は冷ややかにクチビルの端を吊り上げた。  
これで、目の前の少女の意識の奥底には、消え去る事の無い肉奴隷の焼き印が刻み付けられ、  
自分の命令には決して逆らえない、否、もはや、命令に逆らおうとする考えすら浮かばない、  
木偶人形の仲間入りを果たしたという訳である。  
 
『フフフ、あと、城内に残っている主な<戦士>は、シルキスとかいう王女騎士とあの赤毛娘だけ。  
順調に行けば、今夜のうちに女王を淫夢の虜にするコトだって十分に可能だわ・・・・』  
 
 
 
――――――――TO BE CONTINUED.  
 

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