最近ルーファスは私のことを避けてるみたい…。そんな思いで胸がいっぱいになり、  
アリーシャは溜め息を吐いた。壊滅したディパンを出て、精霊の森へ向かう途中の宿でのこと。  
(ディパンを発った頃には優しくしてくれてたのに、最近は話かけても素っ気無いし、  
目を合わせてくれることも無くなったわ…)  
気を抜くとじわりと溢れてくる涙に慌てて鼻をすすった。強くなると決めたはずなのだが、  
それ以上に今は心の支えが欲しかった。  
「悩んでいても始まらないよね。直接訳を聞いてみないと…」  
アリーシャは意を決して腰掛けていたベッドから立ち上がった。  
 
 俺はアリーシャにどうやって接すればいいんだよ…。一方のルーファスも  
自身にあてがわれた宿の一室で溜め息をついていた。  
決して短くはない旅を続けてきた結果、どうしようもなく彼女に魅かれている自分に  
気付き始めてきてから彼女には少しキツめに当たってしまっていた。  
表向きは神を目指しミッドガルドを救う使命を果たすには感情を優先させる  
わけにはいかないという正義感だと自分に言い聞かせていたが、  
本音ではレザードもブラムスもいなくなった今、二人きりの状態で理性を  
抑えきれないかもしれないという不安があった。  
彼女に嫌われたくないという想いが逆に彼女を悲しませていることには  
彼の気は回っていなかった。  
「ああ〜…ったく!」  
頭を掻き毟るルーファスであったが、ノックの音に意識を引き戻した。  
 
「あの…ルーファス…、ちょっといい?」  
遠慮がちに部屋に入ってきたのはアリーシャだった。  
「…何か用か?」  
とっさにルーファスは目をそらした。その仕草にショックを受けながらも  
アリーシャは続けた。  
「あ、あのね、ルーファス…最近私のこと避けてる…?」  
「…そんなことねぇよ」  
「私…何か気に障るようなことした…?」  
「別に何もねぇよ…」  
泣き出しそうな声で問いかけてくるアリーシャを視界に留めておけず  
ルーファスはアリーシャに背を向け窓枠に肘をついた。  
鼓動が普段の倍のスピードで高鳴るのを感じ、頭を冷やそうとゆっくり息を吸う。  
「で、でも…」  
アリーシャがゆっくり近づいてくる足音が聞こえる。  
「用がそれだけなら早く出て行ってくれないか?俺は疲れたからもう休みたいんだよ」  
なるべく感情を込めずに冷たく言い放つとアリーシャの足が  
はたと止まったのがわかった。  
(そう、それでいいんだ。もう出て行ってくれ…)  
そう思ったルーファスの心情を無視するかのように、僅かな逡巡のあとアリーシャは  
ルーファスの後姿に駆け寄ってきた。  
「ごめんなさい…!私が…力不足で頼りないから…  
ルーファスにいつも迷惑かけてて…それでっ」  
思わず振り返ったルーファスは、彼の服の裾をぎゅっと掴んで  
涙を溢すアリーシャと目が合った瞬間  
自分の努力が無駄になったことを悟った。原因はアリーシャ自身にある  
という苛立ちもあり、彼女の嗜虐心をそそる潤んだ瞳は  
ルーファスの理性を吹っ飛ばした。  
 
ルーファスはアリーシャの細腕を掴み、背中からベッドに押し倒した。  
「ル、ルーファス?」  
異様な雰囲気を察し自分を見上げてくる怯えた顔もルーファスにとっては逆効果だった。  
「そんなにかまって欲しいならいくらでも相手してやるよ!」  
ルーファスは腕を押さえ込んだままアリーシャに覆いかぶさり強引に口付けた。  
「んっ!んん…っ」  
もがき苦しむアリーシャの抵抗を心地よく感じつつルーファスは彼女の口腔を貪った。  
身動きできない状態にしつつ、同時に彼女の服の前をはだけ、下着を剥ぎ取っていく。  
執拗な接吻から解放すると、互いの口からつうっと銀糸が引かれた。  
「や…いやっ…ルーファス!なんで…っこんなこと…」  
アリーシャは荒い息を吐きながら前を隠そうとする。  
ぱしっと音がしてアリーシャは驚きに目を見開いた。  
ルーファスが彼女の頬を打ったのだ。  
「…大人しくしてねぇと痛い目に遭うぞ」  
アリーシャの首筋に舌を這わせ、赤い所有の印を刻みつける  
ルーファスにアリーシャは初めて恐怖を感じた。  
彼はいつもこんなことを考えながら自分を見ていたのだろうか。  
這い回る舌は肩から鎖骨、そして彼女の小振りだが形のいい双丘にまで下りてきた。  
「ひぅっ!」  
先端を口に含まれ強く吸い上げられたアリーシャは思わず声を上げてしまう。  
僅かな快感を感じたが、それを上回るほどの嫌悪感、恐怖にぞくりと身を震わせる。  
長い間幽閉生活を送ってきた彼女にとって性に関する知識はそれほど豊富ではなかった。  
それでもこんな風に無理やり辱められることが正しいやり方では  
ないことくらいは分かっていた。  
「ルーファス…離して…こんなのっ…嫌ぁ!」  
涙ながらに訴えるアリーシャの叫びはルーファスには届かず、  
その大きな掌で乳房を痛いほど揉みしだかれる。  
「っつう…!ああぁ!」  
体を捩って苦痛から逃れようとするアリーシャの下腹部に  
ルーファスの片手が伸びる。  
「…えっ?」  
手はそのまま彼女の未発達の秘所に下り、秘裂に触れた。  
「やっ!だめぇ…!ルーファスっ…そこはダメなのぉ…!」  
自身でさえあまり触れたことのないそこは簡単に  
他人の侵入を許してはならないことを本能で感じ取ったアリーシャは  
精一杯の抵抗を試みた。しかし体格差では圧倒的にルーファスに  
軍配が上がり、虚しい結果に終わった。  
「全然濡れてないんだな…でも綺麗だ」  
口の端に薄く笑みを貼り付けたまま彼女の秘所を指で押し開く  
ルーファスの狂気の宿った目をアリーシャは恐ろしく感じた。  
その瞳が不意に自分に向けられ、アリーシャは息を呑んだ。  
 
「アリーシャ分かってないな。そういうカオ、すごくそそるんだよ」  
ルーファスはアリーシャの涙でグチャグチャになった顔に浮かぶ、  
小動物のような怯えた表情を獲物を追い詰める鷹のような目で見つめた。  
視線を下にずらすと、首筋から胸にかけて自分がつけた赤い痕が  
散らばっているのが見える。白い肌に映えるその痣はとても淫靡で  
彼は満足そうに口角をつりあげた。  
ルーファスはアリーシャを片手で拘束しつつ自身を解放し、彼女がそれを認識する間もなく  
一気に彼女の中心を貫いた。  
「ああああああああぁぁ!!」  
痛みに身体を引き攣らせるアリーシャの腰を掴みルーファスは何度か突き上げた。  
「いやぁ!ぬ…抜いてっ…ルーファス!」  
泣き叫びながら腰に回したルーファスの手を引き剥がそうとするアリーシャにルーファスは  
一層激しく腰を打ちつけた。  
「やあぁ…!う…あぁぁ!」  
未知の痛みに耐え続けるアリーシャは無意識にルーファスの手に爪を立てていた。  
ルーファスは軽く舌打ちをすると怒張を一旦引き抜き、  
アリーシャをうつ伏せの姿勢に押し付けた。  
ぐったりしている彼女の臀部を高く持ち上げ再び挿入する。  
アリーシャの力が抜けているため締め付けは先ほどより弱いが、  
当たる角度が変わったため具合は良かった。  
「アリーシャ…だんだん濡れてきてるみたいじゃねぇか。感じてんのか?」  
「や…ちが…っ!」  
うつ伏せになったことで呼吸が妨げられ、アリーシャは苦しげに漏らした。  
握り締めているシーツだけが頼りであるかのように手が離せなかった。  
ルーファスの腰のグラインドはだんだん激しさを増していく。  
「…くっ!……だすぞ」  
快感に眉根を寄せルーファスはアリーシャの最奥に熱い物を注ぎ込んだ。  
 
 
部屋には息遣いの音が聞こえるだけになった。ルーファスはアリーシャの膣内から  
用を終えた一物をずるりと引き出した。荒い呼吸を繰り返す中、彼ははっと息を止めた。  
頭の芯が急激に醒めていく感覚とともに彼の目に映ったのは、  
薄暗い部屋の乱れたベッドの上に一糸纏わぬ姿で倒れている  
アリーシャのあられもない姿だった。  
赤く腫れた秘所からは白濁した液体が流れ出し、シーツに飛び散った破瓜の血と一緒に  
白い太腿を汚している。腕や背中には力で押さえつけたためにできた痣や  
シーツと擦れてできた怪我が所々に跡を残していた。  
顔は髪と顔の傍に付いた手に隠れて見えないが、弱弱しく乱れた呼吸で  
身体を震わせているのが分かる。  
「あ…あぁ……」  
ルーファスは呆然とアリーシャを見下ろした。誰よりも愛しく思っていたはずの彼女に  
苦痛と痛みを味わわせ陵辱したのは他でもない自分自身なのだ。  
「あ…アリーシャ…」  
振り払われることを承知でルーファスは彼女の手に触れようと腕を伸ばした。  
アリーシャはルーファスの手をはねのけようとはしなかった。しかし、  
触れられた手をびくりと震わせ自分を守るように身を縮めた。  
 
「…もう……痛いこと…しないで…」  
 
か細く涙に濡れた声はルーファスの耳朶を強く打った。  
手を振り払われることよりも強い拒絶の色だった。  
「アリーシャ……俺は…取り返しの付かないことを…」  
ルーファスはがくりと膝をつき俯いたまま拳を握りしめた。  
 
ルーファスの呻き声にアリーシャはそろそろと顔を上げた。  
ベッドに膝をつき項垂れるその姿はさっきまでの獣のような彼とは別人のように思えた。  
アリーシャはゆっくりと上体を起こした。  
「ルーファス…ルーファス、泣かないで」  
「……え…?」  
驚いたように顔を上げ、赤く腫らした目で彼女を見つめるのは、  
アリーシャのよく知っている気の弱い、ぶっきらぼうだがいつも  
アリーシャのことを一番に気にかけてくれるいつものルーファスだった。  
「私は大丈夫だから。ちょっとびっくりしただけ…」  
アリーシャはぎこちなく腕を上げ、ルーファスの頬に指を這わせた。  
ルーファスの顔が自己嫌悪に歪む。  
「アリーシャ…俺…どうかしてたんだ…。君に酷いことを…。本当にごめん」  
「ルーファス…」  
「俺はもう…君と一緒には居られない。ごめんな…アリーシャ…」  
その言葉にアリーシャははっと息を呑んだ。  
「違う…違うのルーファス!そんなこと言わないで…」  
「アリーシャ?」  
「私はあなたがいないとダメなの。一緒に居られないなんてそんなこと…」  
アリーシャの涙の跡がまだ残る頬に新たに流れ出した涙が筋をつくった。  
「アリーシャ…俺を憎まないのか?」  
恐る恐る問いかけたルーファスにアリーシャはふるふると首を横に振ってみせた。  
「…そうか…。俺もアリーシャがいないとダメみたいだ」  
彼女が愛おしかった。愛情故に、などと言っても自分のした行為が  
許されるものではないことは分かっている。それでも彼女が  
自分のことを好いてくれていることがルーファスには嬉しかった。  
 
ルーファスは腕を伸ばしアリーシャを抱き寄せた。彼女は一瞬身を強張らせたがすぐに  
ルーファスの胸に顔を埋めた。  
「ルーファスの腕の中ってすごく落ち着くわ…」  
そう言って彼の背に手を回すアリーシャは柔らかく目を瞑った。  
 
しばらくの間そうしていると彼女は少し不安げな目でルーファスを見上げた。  
「ねぇ、もう一回…、今度は優しくして?」  
思いがけない言葉にルーファスは一瞬たじろいだが、彼女が彼女なりに  
忌まわしい記憶を塗り替えて克服しようとしていることに気が付いた。  
(…俺はこんなアリーシャを置いて、自分だけ逃げようとしてたのか…)  
後悔の悪循環に陥る前に彼は自分にできる限りの責任を取ろうとした。  
「ああ。今度は優しくするから…安心してなって」  
ルーファスの手が慈しむようにアリーシャの頭を撫でると、  
彼女は幸せそうに目を細めた。  
 

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