あたしとファーラントが解放されてから、もう一週間。
深夜のカルスタッド。真昼は茹だるような暑さだが、こういう時間帯はまた違った風を味わえる。宿屋の出窓から満天の星空を見上げるクレセントは、深く息を吸い込んだ。
今日は久々にファーラントと会える。まったく、エインフェリアになってからも相変わらずだったから、今日はあたしが徹底的に教育してやるんだから。――彼女はにやりと微笑む。
「……おい、何だよ話って」ファーラントが部屋に入ってきた。それを見たクレセントは急に表情を変える。
「そこ座って。早く!」彼女は急かした。彼がベッドに座ると、クレセントがその隣に来る。――そして。
バシッ。
「……っ!」ファーラントは言葉を失った。彼女のビンタが彼の頬を打ったのだ。
「ばかっ!どうして……どうしてあの時何も……!」
「あっ……それは……」
そうだ、あの時クレセントと口論になって……俺は結局言い返す言葉が見つからなかった。クレセントの言葉に圧倒されて……
「本当に……あんたって気弱なんだから!……だから、今日はあたしがその性格、根こそぎ変えてやるからね!」
ファーラントは話がいまいち飲み込めない。
「ここはベッドルーム。今は夜。そして、あたしはあんたと二人きり。これが何を意味してるかわかる?」
「え……?」
彼が何か言いかけたそのときクレセントにベッドの上に押し倒され、唇を強引に奪われた。彼女の舌が自分の唇をこじ開けて入ってくる。不意を突かれ、思うように息が出来ない。
「ん…………ぶっ……!」
しばらくしてからクレセントが顔を上げる。唇から解放されたファーラントはせわしく息をする。
「ほら……とっとと服脱ぎなさいよ!あたしも脱ぐから!」
「お……おい、冗談だろ?」ファーラントは笑ってみせたが、それはクレセントによってかき消される。
「早く!じゃないとあんたを呼んだ意味が無いじゃない!」
仕方なく彼は服を脱ぎ、彼女に全てをさらけ出した。そして彼女も。
(うっ……)クレセントの一糸纏わぬ姿を見たファーラントは赤面した。そして、彼の分身は天を仰ぐ。
「ここ……触ってみて……」急に彼女の声色が変わる。そして彼の右手をやさしく掴むと、それを自らの秘裂に押し当てる。そこはすでに驚くほど濡れていた。
「あっ……熱…………い……」ファーラントの意識が朦朧とする。こんな、異性に直に触れることなんて思ってもみなかった。
「ここをね…………てほしいの……」
よく聞き取れなかった。
「でもあんたはまだやったこと無いだろうから……あたしが先に……」
クレセントは顔をファーラントの股間に近づける。そして。
「ぅあっ……!」彼は呻いた。彼女が彼自身を根元からくわえ込んだからだ。
「んんっ……」くわえ込んだまま、舌で巧みに愛撫する。不意に肉棒は熱を帯びた。
「や……やべっ……出る……出るって!」
彼は脈打ち、白い液体をクレセントの口に放った。しかし彼女はそれを難なく飲み干し、口を放して顔を上げた。
「……案外エッチな味してんのね、あんた」
ファーラントはすでに汗だくになり、息が落ち着かない。
「これを、今度はあんたがやんの」
「は……?」
「ほら、早く……」
ファーラントは言われるがままに彼女の秘裂へと顔を近づける。そして、試しに秘裂を舌でなぞってみた。そのたびに愛液が溢れ、シーツにしみを作る。
「あんっ……」彼女は満足げに微笑む。彼はそれを何度も繰り返した。
(うわっ……なんかすげぇ……甘い……)
「そう……イイの……んっ……そのまま……中に入れて……」
「……こう?」舌を膣内に挿し込む。そのまま、先ほど自分がされていたときの感覚を思い出しながら愛撫した。
「あっ………ん、っく………んーっ………!」 クレセントは喘ぎ、淫らに腰を動かす。
ファーラントの愛撫は次第にペースをあげていった。
「そっ……それから……上に……突起があるでしょ……んっ!」
「……え?」
「そこっ……擦って……吸ってっ……ぁん!」
言われたとおりにした。硬くなっている肉芽を甘噛みし、舌でもてあそび、それから……吸った。
「はぅん、うんんっ…! あっ…! あっ……、ひぁっ!」
そして、彼女は達した。
「やっ…………あぁぁぁぁあん!」
――翌朝。
「なぁ……もし下の人たちに聞かれてたらまずいんじゃねぇのか?」
「いいってことよ!それだけあたしたちは健康だってことなんだからさ!」
こうして二人は別れた。またそれぞれ第二の人生を歩むのだ。
今日も砂漠には、あつい日ざしが照り付けていた。