ふと思いついて書いてみた。
エロ薄め&その他マイナス要素ありありなので洵&詩帆ファンはスルー推奨
「詩帆さん……まだ、目を覚ましませんね」
クレルモンフェラン周辺の深い森の中、焚き火の前にたたずんでいるリセリアが言った。その傍らには、布団代わりの着物を掛けられすやすやと眠る詩帆、その向かいに上半身裸のうえ幾重にも包帯を巻かれている洵の姿。
ここにたどり着く直前、レナスと三人はヴァンパイアの大群に襲われた。何とかレナスのおかげで難を逃れたものの、詩帆はヴァンパイアの放つ瘴気を浴びこの有様。そして洵も右肩を噛まれ、胸を何度も引っ掻かれた。
その傷はリセリアの魔力だけでは完全に治癒しきれず、包帯を巻いて何とか傷が開くのを防いでいる。
レナスは見張りのため焚き火の前にはいない。だが洵は何かを察しているのか、刀をしっかりと右手に持ち、胡座をかいていた。髪は解かれ、膝までもある長さのつややかな黒髪は夜風を受けて微かに靡いている。
「私……ヴァルキリーさんの様子を見に行ってきます」リセリアはそう言うと、使い魔の鳩を連れて離れていった。
今焚き火の前では洵と詩帆は二人きり。いくら洵は神宮流剣術の達人、詩帆は呪歌を操る歌姫といえど、今この状況ではいきなり現れた敵に完璧に対応することは難しい。
「……………………」洵は一人考えていた。おそらく妹の阿衣のことだろう。そしてふと詩帆のほうに目をやる。
そういえば、詩帆はほんの少しだけ阿衣に似ている。目が見えないのを除いても――顔つきだとか、それから同い年だとも聞いた。
彼は彼女のほうへ近寄った。詩帆の青白い肌は焚き火の明かりでほのかに赤く輝いている。その見事なまでの曲線を描く首筋を見た――刹那。
「うっ…………?!」洵の右肩に激痛が走った。そして喉にも奇妙な感覚を覚え、喉を押さえた。
そうだ、ヴァンパイアに噛まれた者はヴァンパイアへと変貌してしまうという話を聞いたことがある。爪と牙に仕込まれた毒によって――
「あ…………がっ……!」体が勝手に動く。彼は詩帆にのしかかるような体制になった。長い黒髪が彼女の顔にかかる。
洵は詩帆の胸元をまさぐり、はだけさせた。形のいい乳房があらわになると、そのまま右の先端を貪った。しばらくして左、もうしばらくして右へと移る。舌でつつき、転がし、甘噛みしてから、強く吸う。
当の彼女はまだ意識を取り戻していないのか無反応だ。洵は顔を上げると右手を彼女の下半身へと忍ばせる。彼は歯を食いしばり、汗だくになって制御の利かなくなった自分の体を止めようとするが、上手くいかない。
その間にも、彼の右手が秘所を見つけると、中指でまさぐる。意識がないせいか、心なしか乾いていた。だがそれにもかまわずに襞を広げ、中に入っていく。
「…………うぅ……」突如、詩帆が呻き声を上げた。それと同時に秘裂から蜜が溢れ出る。意識を取り戻したのだろうか?
(ダメだ……瘴気のせいで……!)洵は彼女が意識を取り戻し、自分を止めてほしかったのだが彼女もまた瘴気のせいで今与えられている快楽に溺れることしか出来ない。
「んっ…………ぁんっ……」
彼女の膣内で指が蠢き、蜜がそのたびに流れ出す。彼は指を引き抜くとそのまま肉芽を擦った。
「ひあぁぁっ……んっ…………」
しばらく愛撫を続けていると、またしても彼の体に異変が起こる。突然、どうしようもない喉の渇きに襲われたのだ。
「ぐっ……!」そのまま口が勝手に開き、詩帆の首筋に今まさに噛み付かんとしている。
(嫌だ…………仲間の血を……吸いたく……ない…………!)
それでも、制御の利かない洵の体は容赦なく動く。そして、彼の犬歯が詩帆の肌に食い込もうとしていたそのとき――
「洵さん!」リセリアだ。異変を感じて戻ってきたらしい。
「リセリア!俺を殺せ!じゃないと――」
洵と詩帆の体が突如白い光に包まれた。
「危ないところだった……あのまま放っておけば、おそらく二人とも無事ではいられなかったかも知れん」右手をかざしたレナスが言った。当の二人は意識を失い、動かない。
夜明けが近い。確かに、このまま放っておけば二人もまたヴァンパイアと同じように紫外線を浴びて魂が消滅してしまうかもしれなかった。そしてレナスは付け加える。
「もう敵の気配は消えた……日が昇ってから出発しよう」