遠い意識の彼方で聞こえる、あの声……  
その低く艶やかな声は 今宵もまた、私の夢の中でささやく  
 
     “レナス” と―――  
 
 
「ん………」  
 
ゆっくりと、目を開ける……  
 
彼はいつものように 柔らかな白い布に包まれた私を 後ろから きつく抱いている  
 
 
「お目覚めですか?私のレナス」  
 
彼はそう言い、私の髪を撫でながら耳元に唇をよせる  
 
彼が顔を離すと 私の肩から髪がこぼれ落ちる  
もう見慣れた、銀色に輝く長い髪  
私の心を縛りつける “レナスの美しい髪”……  
 
 
もう何度目のことだろう、こうして彼の声を聞くのは  
 
こうして名前も知らない彼を 受け入れるのは―――  
 
 
 
精霊の森からこの場所に連れて来られて以来、私が目覚めるのは彼に抱かれる時だけだ  
 
彼は森で私を連れ去り、この塔で私に言った  
自分の欲望を満たす為に、私を利用するのだ と……  
 
そして次に目覚めたとき、エルフだった私は人間の女性の… “レナス” の姿になって 彼に抱かれていた  
 
慣れた手つきで私を弄び 求める彼  
 
眼鏡の奥の冷たい瞳で優しく微笑む彼  
 
彼が見ているのは私ではなく この “レナス”  
 
 
 
     分かって、いるのに―――――  
 
 
「レナス………」  
 
私を抱きしめる彼の腕に力が入る  
まるでこれが 合図のようになってしまった  
 
彼の冷たい唇が私の首筋を伝い、大きな手が布を纏っただけの乳房をまさぐり始める  
 
背中に感じる彼が、熱い  
 
私の首や背中に愛撫をしながら、彼の手はスルリと布の内へと入り込む  
 
「っぁっ………」  
 
乳首の感触を確かめるように指で擦り合わされると 乳房が張り 快感が走る  
 
思わず顔を横に背けると、彼の唇が私の口を覆い 柔らかな舌がねじ込まれる  
 
「んふぅっ……」  
「ふ……っぁっ……ちゅ…く……」  
 
どれほど “レナス” を愛しているの―――   
 
唇を重ねながら 考える  
 
こうやって舌を絡ませている時の 彼の唇が少し 震えていることを 彼は気付いているだろうか  
 
 
ゆっくりと唇が離され、透明な糸が引く  
目が合うと 彼は意地悪く笑い、指でそれを絡み取る  
 
 
胸が 高鳴る―――  
 
 
彼はその指を 私の秘所へと持っていく  
 
始めはゆっくり…徐々に激しく…腰を覆う白い布が怪しく動くたび 私の体がビクンビクンと脈を打つ  
 
クチュクチュと音を立てて脚の間から蜜が溢れると、彼は頭を埋めてそれを舐め始める  
 
私は彼の頭を自分のほうへと引き寄せ 彼のつむじを見つめながら 快感に没頭する  
 
ようやく彼が顔を上げた頃には 私は一度果てていた  
 
 
「まだまだ、お楽しみはこれからですよ」  
 
そう言って私を押し倒し 彼が服を脱ぎ始める  
 
逞しく引き締まった体で 私を覆う彼が言う  
 
「愛しいレナス…今夜もまた 私とひとつに…」  
 
 
何度も聞いた言葉 何度も受け入れた行為  
 
 
でも今日は 何故か涙が溢れる―――  
 
 
「…レナス?」  
 
彼が不思議そうな顔で見つめる  
 
気付くと私は、彼を抱きしめていた  
 
強く、強く……  
 
 
銀色の髪が、肩から、落ちる―――――  
 
 

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