「アーリィ様って真面目だよな」  
「槍の腕も凄いよな」  
「美人だしなー」  
「恋人とかいないのかな」  
「いないみたいだぜー」  
「仕事一直線ってかんじだしなー」  
「たまったりしないのかね?」  
「それもなさそうですね」  
「アーリィ様は不感症なんだよきっと」  
「何か当てはまりすぎて怖いんだが」  
「ああ、鉄の女いや鉄の戦乙女だもんな」  
「それって絶対当たってるって」  
「そーだ、きっとそうなんだ!」  
 
彼等は知らない。  
この会話を能面ような表情で怒りを隠し聞いていたのがそのアーリィ本人であることを。  
 
 
アーリィ様のはじめて  
 
 
「エインフェリア共め、好き勝手言わせておけば……!」  
だがその想像も大半が当たっているので強く出られないのが悲しいところである。  
仕事人間であることは否定のしようがなく恋人も居ない。性欲もほぼない。  
だが、不感症という言葉だけは聞き捨てならなかった。  
まるで女性として不完全であるかのような扱いだけは許せなかった。  
「そもそもまだ早いのだ。しなければならない仕事だって山積み、  
 シルメリアだって取り戻していない。やはり結婚式には妹二人に来て欲しいし、ぶつぶつぶつ」  
自室で酒をあおりながら一人先ほどの言葉に文句を言うアーリィ。  
その姿はどうみてもいき遅れた独り者である。  
「そもそも快楽を得るためにまぐわうなどというのは間違っているのだ。  
 あれは子をなすための大切な儀式なのであり、愛する者と愛を確かめ合う儀式なのだぞ。  
 最近の人間と来たら性欲に耐えられなくなったというだけでしようとするなどまちがっている。  
 だいたい……………………(以下省略)」  
古い貞操観念を持つアーリィであった。  
 
一人愚痴を言っているうちに気も収まってきたのかアーリィは黙ってしまった。  
思い出すのは『アーリィ様は不感症なんだよきっと』という言葉。  
それは違うと信じてはいる。  
神は人とは異なり完全なものである。故に欠陥などないとそう思っている。  
しかしアーリィには性の記憶はあるが経験はない。  
アーリィとてヴァルキリーだ。休眠状態では人として生きているのである。  
そしてその中で何度も男と交わっているのである。  
男のものが自分の中に入り、擦り上げ、精をぶちまけた記憶もある。  
それによって目も眩むような絶頂を迎えた記憶もある。  
そしてそのアーリィではないアーリィの記憶が経験のないアーリィに疑問を抱かせていた。  
―― もし同じことをしたとしてあれほどの快楽が得られるのだろうか?  
―― もしかしたら全く快楽を感じないのではないだろうか?  
普段のアーリィであれば悩みを抱えたままずぶずぶと深みにはまっていっただろう。  
だが今のアーリィは酒が入っており普通ではなかった。  
「……案ずるより産むが易しだな」  
ようするに実際にやってみようということである。  
「しかし男とまぐわうのはだめだな。万が一妊娠したら仕事に差し障る。  
 それに相手もおらぬ。我が夫に相応しい者も見つからぬしな。  
 女となどもってのほかだ。そんな道理に外れた行為など認めぬししたくもない。  
 となると……、自分でするしかないか」  
幸いにして人間だった頃の記憶として自慰の仕方は覚えている。  
まずは鎧のマテリアライズを解き服だけになる。  
そして寝台に腰掛けブーツを脱ぎ寝台に乗った。  
「さて、準備は良し」  
独り言が多いのは緊張のためか己を奮い立たせるためか。  
「ええい、臆してどうする。私は戦乙女ではないか」  
両方だったようだ。  
そして支離滅裂であるが当人には効果があったようでスカートをめくりあげた。  
そうすると当然ショーツが覗くことになる。  
「……やはり脱がねばならんのだろうな」  
自らの鎧に合わせた黒いショーツを脱いでいく。  
膝の上あたりまで下ろしまずは右足を抜き、左足からショーツを抜き取る。  
自らの手で股間を露わにしてしまったという事実に顔を赤らめながらアーリィは仰向けに寝た。  
そして右手を顔の前にかざした。  
「この手で私自身を……」  
目を閉じ息を吸う。  
そして右手をおそるおそる股間にあてがいおずおずと動かし始めた。  
 
「ん……はぁ……、ふっ……あぁ……」  
秘裂に刺激を与えていくうちにアーリィは興奮していた。  
初めは何でもなかった。ただ変な感覚がするだけだった。  
しかしある時を境にそれは変化した。  
むず痒いのにもっと欲しい、そんな感覚だった。  
アーリィはそれを求めて段々と強く擦っていった。  
だが物足りない。触れていない胸も自己主張を初めている。  
仕方なく自慰を中断し服を脱ぐことにした。  
普段だったらマテリアライズを解けばいいのだが今の精神状態ではそれも出来そうになかった。  
右手を股間から離し起きあがる。そして服のボタンを外そうとして止めた。  
「私の手が濡れている……」  
自分の体が女として十分に機能していることの証のようで誇らしかった。  
口に近づけ人差し指と中指を舐めてみる。  
「変な味だな……」  
だがその言葉とは裏腹に顔には笑みが浮かんでいた。  
 
ボタンを外し上着を脱ぐと豊かな乳房が露わになる。  
「ふふ……普段より大きくなっているな」  
左右の乳房に手を当てゆっくりと揉みしだく。  
紅潮した膨らみが手の動きに会わせて形を変えていく。  
これも気持ちがいいがやはり気になるのは疼く乳首だ。  
ゆっくりと指を近づけ擦ってみると胸を揉むのよりも強い快楽を得られたのでしばらく続けてみたが、  
そんな弱い刺激ではすぐに慣れてしまい余計にもどかしくなるだけだった。  
「はあっ、くぅぅ、せつ……ないな」  
もっと強く刺激しようか?  
そう考えすぐにしてみることにした。  
親指と人差し指で乳首を挟み転がしていく。  
「あっ、ひうっ、……はあっ!」  
気持ちいい。それだけしか考えられずまたそれだけを追い求めていく。  
だが足りない。股間の疼きが胸の快感の邪魔をする。  
だからアーリィは両方を弄ることにした。  
右手で秘裂を擦り左手で胸を揉む。  
その刺激は今までよりアーリィをずっと満たしていく。  
「あっ、ああ、くふぅ……、あ、やぁぁ……」  
だがあと少し足りない。もう少しでたどり着けるのに少しだけ足りない。  
自分を責め立てながら靄のかかった頭でアーリィは必死に思い出そうとする。  
人だったときの自分はどうしていたのか。どうやって自らを満足させていたのかを。  
そして思い出す。自分は秘裂の上にある突起を刺激し満足させていたことを。  
右手で陰核の周囲を擦り立てて慣らしていく。  
そして頃合いを見計らって陰核を刺激し始めた。  
「んあっ、ああああっ」  
効果覿面だった。  
このまま刺激を続ければきっとあそこに届く。  
そう理解したアーリィは胸と陰核を段々と強く刺激していく。  
乳房をこね、乳首を押しつぶし、陰核を擦りあげる。  
「ああっ、もう、あああああっ!」  
そして自らへの止めとして陰核をつまみ上げた。  
「っ!ああああああああああっ!」  
 
 
 
「んぁ、ふ……、は、はぁぁぁぁぁ」  
絶頂後の気怠い感覚の中アーリィは満足していた。  
見たかエインフェリア達め。私は不感症ではないぞ。  
そんなことを思いながらアーリィはまどろみに落ちていった。  
 
ちなみに余談だが翌日このことを思い出したアーリィは真っ赤になり、その後真っ青になって倒れたらしい。  
 

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