〜恋は真夏のように・後〜
「ん…あ、和人…ん…ぅん……。…あれ…和人…変身…しないよ…。」
長い長いキス。お互い目を閉じているのだが、ワるきゅーレの体からは変わらぬままだった。
いつもと変わらぬキス。少し長めだったが8才のワるきゅーレは不安そうに僕を見つめる。
…不安。今のワるきゅーレの気持ちは僕にも理解できる。
「‥‥‥‥ワるきゅーレ。これはきっと神様が僕たちのために与えてくれた特別な時間なんだよ‥‥‥?」
“何が特別なのか”は行動で。僕はワるきゅーレの服をゆっくりと手をかける。
自分でも驚くほど大胆な行動。今はそれに何の迷いもないから…。
「え…? 和人…本気なの‥‥?」
戸惑うワるきゅーレに対し、僕は無言でうなずいた。
「今までずっとワるきゅーレを抱いてあげられなかったし…。だから、さ……。」
再び、キス。今度は優しく抱きしめて…。
「ぷはぁ…和人に優しくされるのは嬉しいよ…。でも、そんなことされるとワるちゃん痛がっちゃうよ…。
だから…。あっ‥‥ん‥‥‥んぅ‥‥あん‥‥‥はぁ‥‥。」
服の上から胸を撫で上げると、ワるきゅーレの言葉を途切れ途切れに。まだ発展途上の胸…。
・ ・ ・
思えばワるきゅーレに手をかけるなんて自分では思っても見なかったことだった
手をつなぎながら寝るのを見とってやったことはよくある…。
おやすみのキスをしてあげることもあった…。
でも、そんな意識で…お互いがお互いを…。
でも悪ふざけから禁断の愛に踏み入れたことが1回だけあった。
僕はその時の事を鮮明に憶えている。
やはり、ワるきゅーレにはまだ早かったのだ。
僕を受け入れてくれたのだが…その姿は見るからに、とてもつらそうだった。
しばらくしてから僕はワるきゅーレに一言かけ、途中でやめた。
ワるきゅーレは続けて欲しいと言うのだが…無理をする、痛々しい姿は僕には耐えられなかった。
それ以来、一緒に寝る事はあっても…その事があって本気で抱く事は無く、
普通に抱く事があっても…僕は'負担'しか与える事ができなかった‥‥‥。
「あぅ…うん…ん、ん‥‥‥。あ、和人…や、やっぱりよそうよ…こんな所で‥ひっ…。」
現実に戻される。居間。部屋にいる全員はまだ起きてる時間帯。
ワるきゅーレの服のボタンは全て外れており、僕は首筋や胸を愛撫している。
「ワるきゅーレ‥。今は何も考えずに‥‥。僕を感じて‥‥。」
再び、ワるきゅーレの胸に。今度は顔を近付けて。
「あ、あぁ‥‥和人…。なにか、今日は、凄く…和人を感じちゃう…。」
胸の先端の敏感な部分に、口で直接触れる。
ワるきゅーレに全てを忘れてもらおうと…ワるきゅーレに感じてもらおうと…何度も何度も、あらゆる所を愛撫する。
「ひ、ひぁ‥‥ああぅ‥‥‥。和人…ワるちゃんはもう…うぁ‥‥んん‥あふぅ‥‥。」
目からは涙を、口から喘ぎ声を絶え間無く流す。
今日の出来事。夜空の下。僕の愛撫。さまざまな要素が入り交じり、ワるきゅーレを高めているのだろう。
僕自身もかなりどきどきしている。
「‥‥‥ここに…。横になって…。」
僕はYシャツを脱ぎ、地面に引く。簡易シーツ。クッションは木の床。クッションのないベッド。
ワるきゅーレは焦点の合ってない目で僕を見つめ、こくんとうなずく。
優しく抱きかかえて、そっとシーツの上に降ろし、スカートと…下着を…脱がす。
「綺麗だよ…ワるきゅーレ。」
ワるきゅーレの方を向き一言。今度は効果あり。
「やだぁ‥こんなに明るい所で‥。‥‥和人‥あまり見ないでぇ‥‥‥。」
恥ずかしそうに胸と大事な所を隠す。身につけてるのは小さめなソックスだけ。
「ワるきゅーレ。…こんなにも感じてくれて…。」
体を隠している手を、両手で包み込んで胸の上へと移動させる。優しく優しく。
今度は大事な所を愛撫。口と手で。
「あぁ! ‥‥あう‥あぁ‥‥! ひぁ‥和人‥‥‥そんなトコロを‥‥あぅ‥あふぅ‥!」
とめどなく溢れさせているワるきゅーレ。初めて見る淫靡な姿にあてられ、意地悪な一言。
「そんなに大きな声を出さないで…。でないと、誰かが…。」
反射的に、両手で顔を隠す。
「いやぁ‥‥、やだよ…。和人以外の人に‥‥見られるのは‥‥ひぁん‥はぁ‥‥。」
ほんのひとかけらの理性で反応。でも、与えられる刺激で精一杯。もう止まらない。
その姿に激しい愛おしさを感じながら、最も敏感な部分を強く吸う。
これだけ激しく責めてしまうのは、負担だけでしかなかった僕自身の、負い目なのかもしれない。
「あぁ‥‥ひっ‥‥なにか‥あ、ぁ‥‥ひぁぁ!」
ワるきゅーレの体が大きく、びくりと震える。
ワるきゅーレが達した後も、飽きることなく僕は責め続けた。
僕自身が快楽を得るよりも、ワるきゅーレに対して与えたい…なぜかそういう気持ちが支配していた。
たまに奥の方から物音が鋭く響く。
その度にワるきゅーレの体はびくりと震え、さらに蜜を溢れさせる。
…でも、そろそろ‥‥‥。
「ワるきゅーレ。…こっちに来て‥‥。」
僕はソファーの上にあぐらをかいて座り、ワるきゅーレを抱き上げる。
「いくよ‥‥。」
僕のがワるきゅーレの中へ。息を長く吐いて、なんとか受け止めようとしてくれているのがわかる。
‥‥キツイが、大丈夫そうかな‥‥。
「ふあ‥あぁ…、入ってくるのがわかるよ‥。‥和人のが‥‥中で‥‥‥うぅん‥。」
そう言い、目をつむるワるきゅーレ。苦痛無しで僕を感じられる事に集中しているのだろう。
僕のモノが優しく、きつく締め上げられる。
「今から動くけど…。苦しくなったら、遠慮無く言って…。」
慣れない体位だが、ワるきゅーレの体を何とか抱きかかえると、優しく出し入れする。
「うぅん‥‥。あ‥あふぅ‥‥和人を‥‥あぅ‥‥はあん‥‥‥‥感じるぅ‥‥。」
根元まで受け止めてくれるこの感覚に、僕は出してしまいそうな衝動に駆られる。
しかし、なんとか我慢しながらワるきゅーレの中を往復する。何度も何度も。
「ひぁ‥‥これ以上は‥‥‥もう‥‥あん‥‥あ、ひぁ‥‥‥うぅん‥‥。」
そういえば、ワるきゅーレはすでに1度達している…。さすがにそろそろ限界かな…
「ワるきゅーレ‥‥‥。いくよ‥‥‥。」
僕はそう言い、ワるきゅーレの中を強く感じながら放った…。
「あ、あ、あぁ…。和人のが中で、初めて‥‥。…なんだかすごく…嬉しい…。」
ワるきゅーレはそういって僕にキスをすると、僕の胸にもたれかかり、気を失った‥‥。
「もー、和人ひどいよ…。急に…あんなことを…するなんて…。」
僕の背中ごしに非難めいた声が聞こえてくる。
あの後も足の痛みは引かなかったみたいで、結局は僕がおぶって部屋に行く事にしたのだ。
回りの視線が気になる‥‥‥訳が無い。さきほどよりかはずっと自然体だから。
「ん?僕はよかったと思うんだけどなぁ?…ワるきゅーレもあれだけ感じてくれたんだし…。」
と背中に向けて、ちょっと意地悪な感じで小さく答えを返す。
「も、もう…、和人ったら知らないもんだ!」
肩にまわしていた小さな手に力が入り、ぎゅっと僕の背中に顔を押し付けてくる。
…そして、一呼吸おいて小さな声でそっと付け加える。
「……でもね、…あんなに感じたのは…ワるちゃんは初めてなの…。」
かわいい反応だよなぁ…。顔が真っ赤になってるのが容易に想像できるよ…。
ちょっと間をおき、四葉は続ける。頭を持ち上げ、僕を見つめながら。
「和人。…和人には、今のワるちゃんがついているから」
真剣な言葉。僕にも、自分にも言い聞かせるようにしながら。
「もう、…大人のワルちゃんじゃなくても大丈夫。 だからもう、さみしいなんて思わないでね…。」
ワるきゅーレの純なココロ。晴れないな心のモヤモヤもちょっぴり昇華。
「…ふふ。それに…和人の秘密を…久し振りに…わかっちゃったもん‥‥‥‥すぅ‥‥。」
と、背中に頬が押し付けられ、小さく満足げな声が聞こえてくる。
「まあ、たまにはそういう事を話す時もあるよ…。」
不思議と誰にも見つからなかったことをあまり深くは考えてない。
だって今日のさっきのこの時間は神様がワるきゅーレと僕のために与えてくださった
特別な時間なんだとあらためてそう思ってるから。
寝息をたて、幸せに眠っているであろうワるきゅーレの寝顔を想像しながら、僕は2階へと歩みだす。
月光の美しい空を見上げながら‥‥。