窓から外を眺めていた岩根山ルリ子が口を開く。  
「――確かに、ここなら安心できるアジトになりそうですわ、ロックさん」  
「納得したかい?」  
「ええ。では、私達にご賛同いただけますのね?…同志として」  
「おれは君等バンパイヤとは違うと言っただろ」  
ロックは顔を歪めて笑った。  
 
「おれはむしろ、悪魔になりたいんだ。悪の限りを尽くす悪魔にね」  
「………」  
ルリ子の大きな瞳が、ロックの真意を計るように見つめた。  
「だからまあ、利害が一致する者同士、手を組もうってことさ」  
「……信用していいのかしら」  
「手を組んでいる間はな」  
 
まだ少年の面影を残しているのに、恐しく魅力的な表情をするのね。  
抗い難い、魔力のような…。立花トッペイの言った意味が分かったわ。  
仲間になるかどうか、油断は禁物だけれど――、今は彼の協力が必要……。  
 
瞬きもせずにロックの顔を見ていたルリ子だったが、にこりと口元を緩めて言った。  
「結構ですわ、そういうことで」  
「OK、決まりだ」  
ロックが右手を差し出し、二人は握手をかわす。  
「さっそく仲間達に知らせます」  
離れようとしたルリ子を、ロックの冷たい手が引き寄せた。  
 
ルリ子は軽く眉を寄せ、ロックを睨んだ。  
「何ですの?」  
ロックは薄笑いを浮かべている。  
「あんたはパートナー契約をした訳だ、悪魔と」  
「……それで?」  
「悪魔との契約に必要な物を知ってるか?」  
ふ、とルリ子は小さく笑った。  
――何を言うかと思えば。  
 
年下の少年が虚勢を張っているように見えて、つい気安い言葉遣いになる。  
「魂よ。でもあなたはまだ一人前じゃないのでしょう?…高すぎる代償だわ」  
「…ああ……そうだな、…ならまけといてやるよ、体に」  
「なん…ですって?…とんだ書生さんね、あなた」  
呆れたというふうなルリ子を、ロックは底光りする目で見る。  
「もったいぶるなよ。別に、初めてじゃないだろ?」  
端整な顔立ちの少年が発する言葉ではなかった。  
ルリ子は一歩後ずさる。  
 
私達の本質が獣であるように、この子の本質は……。  
少しこわばった口を開いて彼女は答えた。  
「…分かりましたわ」  
「フフ…」  
少年は握ったままの手をぐいと引いて、廊下に出た。  
 
同じような扉が続くうちの一つを開け、部屋に入る。  
生活臭のないベッドの上にロックは寝そべった。  
「ゲストルームはいくらもある。隣がシャワー室だ、浴びて来いよ」  
商売女をあしらうような、場慣れした素振り。  
ルリ子はそそくさと部屋を出た。  
   
シャワー室でワンピースを脱ぐと、すらりとした肢体があらわになる。  
熱い湯が迸り、肌を流れた。火照ってゆく体を両腕で抱く。  
バンパイヤ族の調査で世界各地を飛び回った彼女は、幾度も修羅場を踏んでいた。  
だが、もしかしたら彼の経験はそれ以上なのかもしれない。  
 
バスタオルを巻いて入ってきた彼女を、ロックは寝そべったまま眺める。  
体を守るように腕組みをした姿をにやついて見ていた。  
「どうした?」  
ルリ子はシャワー中に思いついた事を口にする。  
「もしかしたら、あなた…大西ミカも犯したのじゃなくて?」  
 
ロックは肩をすくめた。  
「仲良くしてくれと言うから、してやったのさ。最初だけ少し抵抗したが、あとは  
 言いなりだ。あのお嬢様、淫売でもためらいそうな事を喜んでやったぜ……。  
 まったく、世間知らずってのは怖いねえ」  
そう言ってにっと黒い笑いを浮かべる。  
ルリ子は総毛立つのを感じた。  
血が沸きたって、ぞくぞくする。  
間違いなくこの子は同胞だわ。たとえ姿が獣に変わらなくても。  
 
艶然と笑むルリ子に、ロックは顎を小さく上げてみせた。  
「そんな物、とっちまえよ」  
ルリ子はゆっくり歩みながらバスタオルを緩める。  
「何も知らない女の子に近づいて、さんざん辱めて……」  
白いバスタオルがするりと体を滑って床に落ちた。  
「まんまと財産をせしめたら、なぶり殺したのね…?」  
華奢ながら肉感的な美しい裸身を隠す事もせず、ルリ子はロックの前に立った。  
 
「そうさ。何が悪い?」  
「悪くないわ。本能がそうしろと言ったなら…」  
ロックは無遠慮に目の前の体を眺め回す。  
濃いめの栗色の頭髪と薄く生えた恥毛以外、産毛すらないような白い裸体は、  
獣とはかけ離れた物だった。ただ、全身にみなぎる生命力のようなエネルギー、  
それが溢れ出しそうな瞳の輝きが、普通の人間とは違う印象を与える。  
   
「さっさと来いよ」  
人差し指をちょんと曲げて、ルリ子を誘う。  
「あなた、シャワーは?」  
ベッドに片膝を乗せたルリ子が尋ねる。  
「終わってからゆっくり浴びるさ」  
ロックはルリ子の腕を引き寄せると、自分の上にまたがらせた。  
服越しに、固くなったペニスが柔肉にめり込む。  
ロックを見下ろすルリ子の唇から、かすかな吐息が漏れた。  
 
両腕が伸びて、張りのある乳房を下から掴む。  
「…ん…」  
ぴくんと体を震わせるルリ子を見上げ、ロックはつぶやく。  
「この体が狼になるなんてな…」  
両手の指が強弱をつけて二つの丸みを歪める。  
「……さっき、見た…でしょう…、ん…、っ…!」  
尖った乳首を二本の指がきつく締めると、ルリ子が小さく仰け反った。  
 
「さっきは訳が分からないうちに獣に囲まれたって感じだったからなあ」  
乳房を放した手は締まったウエストを二、三度上下すると、脚の付け根まで下り、  
太腿をぐいと外に広げた。  
「…ぁ」  
ほんのり熱のこもったそこが男の眼前に晒される。  
淡い茂みの間から、バラ色の肉の尖りがのぞいた。  
「もうこんなに濡らしてるのか、感じ過ぎだぜ。服が汚れちまう」  
 
ルリ子がつんとして言う。  
「…なら、お脱ぎなさいな」  
ネクタイを緩め、シャツのボタンを外しながら、ロックはすまして答えた。  
「脱がせてくれよ」  
「こんな人、初めてだわ」  
あきれ顔のルリ子は体を離してロックの横に座り、まず両足の靴下を脱がせた。  
次にベルトを外して、ゆっくりとジッパーを下ろす。  
下着の下で固く脹らんだものを細い指でなでてから、下着ごとズボンを脱がせ、  
サイドテーブルに置く。  
と、ロックがその上にシャツを投げた。  
 
ルリ子はロックの腰の横に手をついて、それを上から覗き込む。  
「大きい…」  
そう言ってすっと人差し指でなぞると、屹立したペニスが小さく跳ねる。  
「ああ……」  
快感に顔をしかめた表情を見て、ルリ子はそこに唇を寄せた。  
ペニスの根元に指を巻き付けると、ちろりと舌を出して、下から上に舐める。  
熱い肉茎が跳ねながら太さを増した。  
 
ルリ子は音を立てながら、下から上に、上から下に、舐め続ける。  
「大きいわ……。ん、ふっ…、こん…な…っ、大きな…ものを…、初めての女の子の  
 ……んっ、な…かに、あ…む、ん……っ、ねじ入れた…の、ね……」  
舌を這わすと、唾液がぴちゃぴちゃと音を立ててからまる。  
「フフ……最初が最高だったな。悲鳴をあげる口をふさいで、狭い割れ目を広げ、  
 むりやり入れた…。力任せに押し込むと、肉が裂けてくのがわかったぜ……」  
 
「…んっ……、ふ…ぅっ…、悪…魔ね…、あなた……」  
「そうさ。言ったろ…?」  
ルリ子は上目遣いにロックを見て、さらに一回り太くなった赤いペニスを口に含んだ。  
「ん――んっ…。ん、む、む……ぅ、……ん、は…あぁっ……」  
ごつごつした肉茎に舌を当て、唇をすぼめて頭を上下させる。  
ペニスを根元まで飲み込んでから、ゆっくりと顔を引き、先だけをくわえると、  
肉の反り返りや割れ目を尖らせた舌でなぞる。  
 
ロックは宙を見ながら喘いだ。  
「……体液と血でぬるついた肉の中…、かすれた泣き声…。きしむような隙間から…  
 漏れてくる……鮮血…」  
汗ばんだ手がペニスを包んで動くと、ぬちゅぬちゅと音を立てた。  
「…は……ぅん…、ん、ん…っ、ん、ふ…、ん・ぁ、…ん…っ」  
ルリ子は肉茎の中程を激しくしごきながら、張りつめた先端を舌の上で滑らせる。  
「んっ、んんっ…、は…ふ、……は、…む…!」  
ロックが手を伸ばし、ルリ子の頭を押さえつけた。  
「何度も中で…出した、おれの…と…、混ざっ…、――あぁ、……う、ぅ…ッ…!」  
ぐぐっと脹らんだペニスは大きく震え、叩き付けるように、繰り返し吐精した。  
 
ロックの荒い息を聞きながら、ルリ子は喉を鳴らして精液を飲む。  
丁寧にペニスの白濁を舐め取り、最後に自分の唇を舐めて、はあ、と息をついた。  
「…舌…遣いが、上手いな……」  
「どういたしまして」  
主導権を取った形のルリ子は、ロックを見下ろし誇らしげな笑みを浮かべた。  
 
「上に来てくれよ……。返礼するぜ…」  
「まだ休んでいらっしゃいな」  
そう言いながら、ルリ子は四つん這いになりロックの上に乗る。  
獲物にのしかかるように、頭を低くしてその首筋を舐めた。  
ロックの手がルリ子の内腿に触れる。  
「ぁ、ん…」  
「こんな方まで濡れてら……」  
上に手を滑らせ、指で柔肉をかき分ける。  
「熱い…」  
「…は…ぁ…」  
ルリ子が震えると、柔らかな乳房がぷるんと揺れた。  
 
ロックは粘液をたたえた秘裂に指を当て、前後に動かす。  
襞をなぞり、中央をそっとかき混ぜる。  
「……あ、はぁっ…」  
指の腹がぬるりと陰核を押し上げ、後ろに移動して肛門をくすぐる。  
ルリ子はくいと背を反らし、腰を捩った。  
「…ん…っ!――上手ね…、あなた……」  
「そうか?」  
今度は目の前で揺れる乳房の、尖った乳首を強くつまんだ。  
 
「きゃ、ぁ…っ!」  
嬌声が上がると同時に秘裂がきゅっとすぼまり、指を挟む。  
「――ん…、も…う…」  
「なんだい?」  
にやにやしながら、ロックは指を浅瀬に留めている。  
「…何でもないわ……」  
潤んだ目を閉じて首を振る。  
 
「ふふふ……我慢するなよ」  
手の動きが速くなり、にちゅにちゅと卑猥な音を立てる。  
「ね…ぇ、もう、いや…っ……、あぁ…」  
ルリ子はさらに首を振った。  
 
指の入って来ないもどかしさと、ぬるつく摩擦の快感に、意識が霞む。  
白い肌が桃のように色づいて、湯気を立てそうなほどだった。  
指をくわえこもうとしているのか、腰がくねくねと淫らに動く。  
焦れた表情を見ながら、ロックは揺れる乳房を引き寄せ、赤い乳首を強く吸い上げた。  
 
「…あぁ……ん…」  
ちゅっと音を立てて吸いながら、もう一方の乳首をきりりとつねる。  
「…ぅ…っ!」  
三点を攻められ、ルリ子は限界に達していた。  
ロックは唇を離し、にやりと笑う。  
腫れた肉芽を乱暴にこね回すと、肉襞の中にぐいと指を差し込んだ。  
根元まで入った指を素早く出し入れして、指の腹で膣壁を擦ってやる。  
 
「…あ、は…ぁ、ぁ、あ――っ!!」  
ロックの肩をつかんで仰け反ると、ルリ子は下半身をがくがくと震わせた。  
「ぁ・あ……っ、ぁっ…、あ……」  
肉襞が大きく痙攣してロックの指を締め上げ、秘裂からは粘液が一筋、二筋と  
糸を引いて垂れていった。  
苦しそうな呼吸を続け、やがてロックの横に崩れ落ちる。  
 
「満足したかい?」  
背を向けているルリ子の呼吸が落ち着くと、ロックは声をかけた。  
「…まだよ……」  
ルリ子は顔を傾け、余裕の笑みを浮かべる。  
「――おれもさ」  
ロックは横向きのルリ子の背後から、湿った茂みに手を伸ばした。  
熱い蜜のあふれかえった中をゆっくりと探る。  
 
「さっきより狭くなってるな」  
「いったばかり、ですもの…」  
ルリ子は後ろ手に肉茎を探し当てる。  
指を回して握り、愛しそうにしごいた。  
「もう…こんなに固い……」  
「…早く入れたくてさ、ここに」  
ロックは蜜まみれの手で柔腿を持ち上げると、ルリ子の弾力のある尻に腰を近づけた。  
ペニスをつかんだルリ子の手が、濡れた襞の中にそれを導く。  
 
粘膜の締めつけに抗いながら、ぐぐ、と肉茎が潜り込んでゆく。  
「あ…ぁっ…!…ぁ…ん……」  
「うーっ…。きつい…」  
ロックが思わずうめき声を上げる。  
「あっ…熱いわ…」  
ルリ子が苦しそうに喘ぐ。  
 
ロックはルリ子の膝を曲げると、結合部を晒すように脚を大きく広げさせた。  
さらにペニスを押し込む。  
「はぁ…あ…!」  
「…そんなに締めるなよ」  
嬌声を上げたルリ子の耳を舌でなぞって囁き、腰を密着させる。  
「んっ…、く…ぅ…」  
「全部入ったぜ、……うぁ!」  
 
ルリ子の尻が押しつけられ、淫らにグラインドする。  
温かな粘膜がうねうねとペニスにまとわりつく。  
「うっ……。は…あぁっ……」  
たまらずロックは息をついた。  
その表情をエロティックな横目で窺うと、ルリ子は肘を曲げ、射精の衝動を抑えている  
少年の頬をなでた。  
彼は苦笑しながら声を絞り出す。  
「まだ…だ…」  
 
そう言って、持ち上げていたルリ子の腿を自分の大腿に乗せると、手を前に回して  
柔らかな乳房をわしづかみにした。  
「あぁ…っ」  
大きく開いた肉襞の奥へ杭を打ち込むように、腰を打ちつける。  
「ひっ、…あ・ぁっ、はぁ、あ、あぁ…ん!」  
ルリ子の体がゆさゆさと揺れ、ベッドがぎしぎしと軋んだ。  
 
ロックは斜めに上体を起こして、結合をより深めた。  
ペニスが出没するたび、充血した肉襞がぐちゅぐちゅといやらしくぬかるむ。  
「んっ、…ぁ、まっ…!…だ…、めっ、ぁ、あ…!」  
「だめ?……いいんだろ、え…?」  
唇を半開きにしたルリ子は、小さくうなずいた。  
「ふふ…あんたの中も、すごくいいぜ……」  
 
肉襞と肉茎の間から漏れ流れる粘液を指ですくうと、赤い唇に差し入れる。  
「……ん、ぅ…むっ、ぁ…ふ…」  
無心に指を吸うルリ子を見ていたロックは、腰を引き、それから大きく数回突いた。  
熱く柔らかな膣の最奥を肉茎の先が責め苛む。  
「ん…っ、ん・んーー…っ!!」  
るつぼのようなルリ子の体内が、びくびくびく、と短い間隔でペニスを絞り上げる。  
「くっ……」  
ロックは快感に耐えながら、再びの絶頂に至ったルリ子を眺めていた。  
 
ぐったりしたルリ子から体を離し、ロックはヘッドボードの裏に手を回す。  
出てきた手枷で細い両手を拘束され、ルリ子は驚く。  
「なに……」  
「ノーマルプレイばかりじゃ面白くないんでね、ちょっとした趣向さ」  
白い裸身をうつ伏せにすると、脚を広げて左右の足枷に固定する。  
「い…やよ…」  
「充分動けるって。…楽しもうぜ」  
ロックは喉の奥で含み笑いをしてベッドを下りた。  
 
すぐにルリ子の後ろに来ると、丸みの美しい尻に手をかける。  
上体はうつ伏せのまま、膝をつかせ尻を上げさせた。  
形良くすぼまった肛門の下に、ピンク色の粘膜が熟れはじけている。  
そこに粘液まみれの怒張した肉茎をあてがい、先端を上下に滑らせた。  
「あっ、はぁ、あ…」  
堪えられずに身悶えると、手足の枷がかちゃかちゃと鳴る。  
ひくつく肉襞の中央に、ずるり、とペニスが沈んだ。  
 
「あ――っ…!」  
頭を反らせてルリ子が呻く。  
臀部をよじり、深々と刺さった楔にのたうった。  
体内の肉のうねりが爆発寸前のペニスを飲み込む。  
「く……ッ…。ヤバい、いっちまいそうだ…」  
ロックは大きく動かないように用心しながら、小さな密閉容器を手に取り、開けた。  
「…見せてもらうぜ、もう一度」  
そう言ってルリ子の顔の前にそれを投げる。  
 
小さな叫び声が上がった。  
「……これ…!…ど…、どう…して…?!」  
「タマネギで変身するんだってな、あんたは」  
ロックはにんまりと笑い、ぶるぶる震えだしたルリ子の艶やかな尻をなでた。  
「あ…っ、ぁ、あ、あ……!――いやっ、見ないで…っ!!」  
熱にうかされたように小刻みに震え、ルリ子は泣き声で訴える。  
「…お…、お…ねが……い…」  
「フフフ……」  
 
熱く濡れた体内がひくひく動き、さらに焼け付くような熱さになる。  
白く滑らかな素肌にぷつぷつと毛穴が生じ、栗色の体毛が伸びて体を覆っていく。  
美しい頭髪はたてがみと化し、体毛と区別がつかなくなる。  
耳が立ち上がり、細い首は太く、胴が伸び、手足は拘束されたまま関節の形を変える。  
尻の割れ目から伸びた尾骨は、ふさふさした尻尾になる。  
ロックの目の前で、すべてが同時にゆっくりと進行し、ルリ子は狼の姿になった。  
 
「人間の痕跡すらない…。どんな犯罪も思いのままじゃないか……」  
興奮に喘ぎながら、ロックは低い声でつぶやく。  
「…あんたたちが羨ましいぜ……」  
そう言うと尻尾の付け根を無造作につかみ、腰を引き寄せた。  
きゃうん、と狼の声で鳴いて、ルリ子は背後から犯され続ける。  
「獣になっても感じるか?――おれもメス狼相手は初めてさ!…フフッ……」  
自分も獣になったかのように、ロックは荒々しく腰を打ち付けた。  
じゅぶじゅぶと泡立った淫液がその太腿を滴り落ちていく。  
「あっ、…は…ぁ、あぁ…んっ……」  
「ふう…っ…、は……っ…」  
はげしい息遣いが二つ重なる。  
 
「……そろそろ…、いかせて…もらうぜ……」  
ロックは腰をぶつける勢いで張りつめたペニスを突き入れた。  
固い肉柱が容赦なく膣壁を押し広げ、削る。  
「ひ…っ、…あ…あぁっ…、ロック…さ……!」  
枷につながれたルリ子の四肢が硬直する。  
「…ん…っ…!…く・うぅ――ッ!!」  
さらに一回り膨張したペニスは、何度も脈打ちながら大量の精液を吐き出した。  
 
 
気を失い、人間の姿に戻ったルリ子は、枷を外されてベッドに横たわっている。  
うっすらと上気した素肌は、ぬめるように艶やかだった。  
左右の腿を重ねた間から、白濁に濡れた柔肉がのぞいている。  
 
シャワーを浴びたロックが部屋に入ってくる。  
裸の肩にバスタオルをかけ、濡れた髪を拭きながら、ルリ子の裸身を眺めていた。  
「…ん……」  
気配を感じたのかルリ子が目を覚ます。  
大きな瞳がロックを捉えると、彼は肩をすくめた。  
「悪く思わないでくれよ。噛まれやしないかちょっぴり心配だったもんでね」  
そう言ってにっと笑う。  
 
言ってみればだまし討ちだったが、不思議と咎める気はしなかった。  
ルリ子はゆっくり上体を起こし、上目遣いでロックを見る。  
「…変身しても理性はありますのよ、覚えておいて下さいな。それにしても、  
 油断のならない人ね……あなたって」  
「褒め言葉と受け取っておこうか。――いやあ、あんたは……あんたたちは、  
 最高のパートナーになりそうだ。今からわくわくしてきたぜ」  
悪事の計画を思い描いているのか、ロックは不敵な笑みを浮かべた。  
 
端整な面立ちに幼さを残していながら、悪魔の所業を繰り返してきた残忍さ。  
屈託ない笑顔を浮かべていても、背を向ければたちまち牙を剥くような狡猾さ。  
油断すれば危ういと分かっているのに、目の前の少年に魅入られている自分に気づき、  
ルリ子は視線を外した。  
「ロックさん……、今夜の事はご内密に願えます?」  
「…ああ、もちろん」  
 
ロックは肩のバスタオルをルリ子の体に放り投げると、自分はサイドテーブルから  
シャツを取って袖を通し始めた。  
「シャワーを浴びたら送るぜ。下で待ってる」  
「ええ……」  
ネクタイを締め終えると、足早に部屋を出て行く。  
 
胸にバスタオルを抱え、ルリ子はベッドから下りて立ち上がった。  
脚の間から、とろりと熱い液体が流れ出る。  
「ぁ…」  
体の奥深くにたっぷりと注がれた精液が、腿の内側を伝い落ちていく。  
「…ロッ…ク……」  
唇の先で小さくつぶやくと、胸のどこかが切なく痛んだ。  
 
悪魔が代償を多く持っていきすぎたのかも知れない。  
ふと浮かんだそんな考えを振り払い、ルリ子はシャワーを浴びるために部屋を出た。  
 
 
      (終)  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル