「なんでダメなんだよ!! いいだろ。ちょっとだけだよ。 ……頼む、先生」
「まあた。そんなのダメよ。 先生を困らせないで、ね?」
「んだよ! ガキ扱いすんなよ!」
「私、そんなつもりは……」
「だってそうだろ! 俺の事、生徒だ生徒だって……どうせ俺はいつまでたってもガキだよ!」
「……まあ、否定はできないわね」
「っ!!く、くそ。 なんでそんな事言うんだよ。 ヒデーよ先生」
「でも、聞けるお願いと聞けないお願いがあるって、君も解るでしょ?」
「………………ちくしょう。……ちくしょうちくしょう! こうなったらムリヤリにでもハメてやる!!」
「きゃ!ちょっと、もう止めてったら一君、いい加減にしなさい…………もー、仕方ないなぁ」
「………、なんだよ。 なんで本気で拒否らないんだよ……。本気ださねぇとマジでヤッちまうぞ、コラ」
「……うーん、まあそこまで言うなら……。いいけど」
「ほ、ほんと!?」
「でも誰にもナイショだからね」
「うん、うん。 やったー!!」
「そんなに嬉しいの? クスクス。 しょうがないわねぇ。 ほら早く貸しなさい、その『ネコミミ』カチューシャ」
「先生にぜってー似合うと思ったんだ。 コレ。 ついでにさー、ネコのしっぽも付けてよ」
「ハイハイ。解りました。 でもこれ付けたらちゃんと補習受けてね?」
「あー、解った」
「良かった。 じゃあ付けるわね。 これでいい?ちゃんと付いてる?……えっと……にゃぁ〜ん?」
「ね、ねこにゃん……、ねこにゃんだ……。センセー……すげー可愛い。 ハーハー……マジ俺もうダメ」
「きゃあああああああ!!」
以上、「『ネコにゃん変身セット』をビンゴの景品で手に入れたハジメ君のある日の補習にて」でした。