「っと…肌襦袢と長襦袢はなんとか着れたから次は…」  
 私は翼君と一君の3人で初詣へ行くことになった。  
行くのはいい。問題は永田さんが用意してくれたというこの着物。  
着物を着るのは成人式の振袖以来、でも振袖は専門の人に着付けてもらったから着方はわからないのよね。  
知ってるのは着る順序くらい…詳しい着方はわからない。  
「えっと…このまま着物を羽織っていいのよね?次は帯?もう、わからないわ…」  
 なんとか着物を羽織るものの形はぐちゃぐちゃ。これじゃあ帯も締められないわ。  
「うーん…どうしよう…」  
 
「おい担任!遅いぞ!!」  
 扉の外から翼君の怒鳴り声が聞こえてきた。  
姿が見えなくても物凄く怒っている翼君の顔が目に浮かぶ。  
「翼君?ごめんね、もう少し待ってて…」  
「少しとはどれくらいだ!一体俺たちを何時間待たせるつもりなんだ!」  
 翼君の言葉を聞き時計を確認する。  
時計を見て驚いた、私が着物と格闘を始めてもう2時間になるところだった。  
「嘘!?もうこんなに時間が経ってたの!?」  
「そうだ!この俺をこんなに待たせるとは…」  
「ごめんね、着物の着方がよくわからなくて…」  
「What?日本の女性はみんな知っているものじゃないのか?」  
「うーん…今の時代は知ってる人の方が少ないわね」  
「…もういい!入るぞ!」  
「えっ!?ちょっと翼君!?待って…」  
 今入って来られちゃ困る。  
今の私は一応着物を羽織ってはいるものの思い切りはだけた状態。  
なんとか急いで下着だけは見えないように整える。  
 そんな私を気にもせず翼君は部屋の中へと入ってきた。  
 
「なんだ担任、そのブザマな格好は」  
「だって着方がわからないんだもの、って翼君早く出て行ってよ」  
「なぜ出て行かねばならん。この俺自ら着付けてやると言っているんだぞ?」  
 翼君は私の目の前に立つと着物へと手をかけた。  
その手つきは手馴れたように見える。  
「翼君、着物の着付けを知ってるの?」  
「いや知らん」  
 …手馴れたように見えたのは私の見間違いだったようだ。  
翼君は着物の襟を掴み何やら色々動かしている。  
その動きは柔道でもしているのかというような動きだった…  
 柔道の動きは胸元がはだけるものだ。その所為か先ほど隠したはずの下着が見えそうになってしまった。  
「ちょっと…翼君、もう動かさないで…」  
「なぜだ?…ん?」  
「えっ…?どうしたの?」  
「着物というものは下着は身につけないものなんじゃないのか?」  
「下着…って2枚着てるじゃない。肌襦袢と長襦袢って言うのよ?」  
「いや、そうじゃなくてブラジャーが…」  
「…!!」  
 気付くと全てがはだけていてブラジャーまでが見えていた。  
私は急いで翼君の手を振り払いなんとかブラジャーが見えないように整え直した。  
「ブラジャーはするものなのか?」  
「っ、ブラジャーの事はもういいから!…ちなみに着物用のブラジャーっていう物があります。今は用意されてなかったから普段のだけど…」  
「何!?それならそれもすぐに永田に手配させなくては…」  
「いいです!いいからとにかく出て行って!なんとか一人で着るから」  
「今俺が出て行ったらまた2時間待つ事になるだろう!だから出て行かんぞ!」  
 出て行け、出て行かないのやり取りが続く。  
この不毛のやり取りを続けていると不意に翼君の足が私の着物の裾を踏んだ。  
急に踏まれたものだから私はバランスを取れず後ろに倒れそうになってしまった。  
 
「きゃっ…!」  
「あぶない!!」  
 尻餅をついて倒れこんでしまった。  
頭は翼君が手を差し出してくれたおかげで打たずに済んだ。  
 今の私と翼君の状態は、私が下になり翼君が私の頭の下に手を置き私を押し倒している状態。  
もし誰かに見られたら変に勘違いされてしまいそうな感じ。  
「…ありがとう」  
「手が痛い…」  
「ごめんね…?今起き上がるから」  
「いや、このままでいい」  
「えっ…?」  
「さっきよく見えなかったものがよく見えているからな」  
 翼君の目線は私の胸元。  
私は胸元に目をやるとそこははだけて胸があらわになっていた。  
「っ!見ないで…」  
「見ないでと言われて見ないヤツがいるか…んっ」  
「つ、翼君!?」  
 翼君は私の胸にキスをした。  
突然の出来事で私は何もする事が出来ずにいた。  
「…担任の胸は柔らかいな…っ」  
 キスは吸い付くような強いものへとなっていく…  
翼君を止めなきゃ…そう思うものの身体が動かない。  
 しばらくその熱いキスが続き翼君が胸元から口を離すとそこには桜色の痣が出来ていた。  
「…翼君…」  
「もう片方にも欲しいか…?」  
「や…だめ…」  
 翼君が反対側の胸にもキスしようとしたその時…  
 
「おーい翼ー、先生呼びに行くのにどれだけ時間かかってんだよ」  
「チッ…一か」  
 一君!?どうしよう、今のこの状態を見られちゃ困る!  
「翼君!起きて!!」  
 翼君に起きるよう促すが、遅かった…  
静かに扉が開き、一君が部屋の中へ入ってきてしまった。  
「なんだ翼も部屋ん中いるのか…って、うわ!!二人で何やってんだよ!?」  
「一君っ、これはそのっ、違うの!事故みたいなもので…」  
 一君はポカンと口を開けたまま私たちを見ている。  
なんとかこの状態を説明しなきゃ。とりあえず起き上がろう。  
 翼君を押し上げて起き上がる。翼君は一君が来たからか渋々立ち上がった。  
「翼……」  
「なんだ?一」  
「……ズルいぞ!!」  
「一君!?」  
「何二人きりになって先生を押し倒してるんだよ!…羨ましすぎる!!」  
 一君は顔を真っ赤にして怒鳴っている。  
これは羨ましがる事なの?  
「押し倒したわけではない、担任もさっき言っていたがこれは事故だ」  
「事故だろうと押し倒したもんはそうだろ!?」  
「まあな。良いaccidentだったな、なあ担任?」  
 翼君は不敵な笑みを浮かべてそう言う。  
そう言われても…一君に変に思われちゃうじゃない…  
でも実際言えないような事をしていたのかもしれない…  
 私は何も言えずにいた。  
「おい、翼!一体先生に何したんだよ!?先生、下向いたまま何も言わねぇじゃないか!」  
「別に何もしていないぞ?何なら直接担任に聞くといい。俺は取りに行くものがあるから少し出るぞ」  
 そう言うと翼君は出て行ってしまった。  
今度は一君と二人きり。翼君との事を聞かれたら何て答えよう…  
 
「なあ先生、翼に何か変な事されなかったか?」  
「何もされてないわよ。もう、一君心配しすぎよ?」  
 心配そうにそう聞いてくるものだから私は笑顔を作ってそう答えた。  
そう、あれは事故…ちょっと行き過ぎた事故だったけどね。  
「そうか…って先生、凄い格好だな」  
 私は着物がはだけたままの格好だった。  
なんとか胸元は隠してあるのでさっきの翼君のつけた痕は見えないようになっている。  
「うん…着付けが出来なくてね…」  
「んじゃ俺に任せろって!」  
「一君、出来るの!?」  
「いや、ごめん、今勢いで言った…」  
「……そう、よね。あ、じゃあ着るから出て行ってくれる?ごめんねせっかく来てくれたのに」  
 これでようやくゆっくり着替える事ができるかな?  
着付けには自信ないけどなんとかなるはず。  
「うーん…せっかくだから何か手伝える事ない?帯とかさ」  
「それくらい一人で大丈夫よ」  
「いや、先生の事だから帯に絡まって困ってる姿が目に浮かぶぜ」  
「…う、じゃあ…、帯巻くのを手伝ってもらおうかな?」  
「おう!まかせとけって!」  
 笑顔でそう言う一君。帯くらいなら一君がいても大丈夫だろう。  
一応着物の裾には気をつけておこう。さっきみたいな事がまた起こっても困るしね。  
「っと、その前に着物の形整えたほうがよくね?」  
「あ、そうね…」  
「ちょっと貸してみ」  
「えっ、大丈夫よ。一人で出来るわよ」  
「いいからいいから、ほらピシッと立って!」  
 一君のお母さんオーラに負けてしまい私は一君の言葉に甘えることにした。  
本当に一君ってお母さんみたい。面倒見がいいって言えばいいのかな?  
「お、これって着物の下にも何枚かあるのな。ごめん、そっちも乱れてるからちょっと触るな?」  
「う、うん…」  
「一体何でこんなにちゃんと着れてないんだよ。先生って不器用?…ん?」  
「そんなに不器用じゃないと思うけど…ん、何?一君どうかした?」  
 一君の着物を整える手がピタッと止まった。  
「なあ、先生ほんとに翼に何もされてないか?」  
「…さ、されてないけど…」  
「じゃあさ、この痣は何なわけ?…今の時期蚊もいないよな?」  
「っ!!」  
 見つかった…。私は一君の優しさに甘えていてすっかりあの痕の事は忘れてしまっていた。  
どうしよう、これはもう言い逃れは出来ない…?  
「黙ってるって事はやっぱり翼?」  
「それは…」  
「翼だけズルいよなー。先生の白い肌にこんな痕つけちゃうなんてさ」  
「一君、これは…」  
「…俺もつけていい?翼だけ特別ってわけじゃないよな?」  
 一君がじっと見つめてくる。その目は冗談を言っているものではなかった。  
「一君…」  
「な、いいよな?」  
 一君の手が胸元をまさぐる。  
あっという間に翼君にされたのとは反対側の胸があらわになってしまった。  
「一君、だめ…」  
「翼はいいのに?」  
「だって、あれは…っ」  
「…んっ」  
 私の言葉を聞こうとはせず、一君は胸元にキスをしてきた。  
翼君と同じ熱い熱いキスを…  
 がっちりと肩を掴まれているので身動きがとれない。  
さっきと同じく、私は動けずにいた。  
「…っ、……こっちは俺の痕な?忘れんなよ、先生」  
 一君の手が優しく私の胸元を撫でる。  
胸元に目をやると一君からの痕が赤くしっかりとついていた。  
 
「そろそろ翼も戻ってくるだろうし、今度はちゃんと着るか!」  
「…うん」  
 一君と二人であれこれやっていると何とか着物らしい形が出来てきた。  
後は帯だけとなった。  
「これを巻けばいいんだよな?」  
「そうよ」  
「じゃあ…」  
 
「ちょっと待った!!」  
 
バンと勢いよく部屋の中へ入ってきたのは先ほど何かを取りに行った翼君だった。  
「翼?どうしたんだよ」  
「担任、これだろう?着物専用のブラジャーというのは!」  
 翼君が差し出してきたのはさっき私が説明した着物用に出来たブラジャーだった。  
一君は何が起こったのかわからないと言った顔で私たち二人の顔を交互に見ている。  
「最高級の物を用意したぞ。ハーッハッハッハ!」  
「翼、何だ?それ」  
「知らんのか一、着物には着物専用のブラジャーが存在するのだぞ!」  
「マジっ!?知らなかった!翼スゲー!!」  
「これくらいジョウシキだぞ、ハーッハッハッハ!」   
 翼君もさっき私が教えるまで知らなかったくせに…調子良いんだから。  
一君は目をキラキラさせながら翼君を感心し、翼君はいつもの高笑い。  
 
「さて、担任!さっさとその安物のブラジャーは外してこっちと交換だ!」  
「安物は余計です!まあ…せっかく持ってきてくれたんだし有難く使わせてもらおうかな?」  
 翼君からブラジャーを受け取り二人を部屋から出て行くように促す。  
促したはずなんだけど…  
「なぜ出て行かねばならん!これを持ってきたのは俺だぞ、ちゃんと俺がつけてやる」  
「ちょっ…翼君!?」  
「翼ズリー、じゃあ俺も出て行かない!」  
「一君まで!?」  
 二人とも何言ってるの!?  
これは流石にヤバいんじゃないのかしら…  
ブラジャーよ?それをつけてくれるだなんて…  
「なら、一!お前は担任を後ろから押さえつけろ」  
「よしきた!!」  
「えっ!?」  
 一君は私の後ろに来たかと思えば私を思い切り羽交い絞めにしてしまった。  
私は振り解こうとするが一君の力に敵うはずがない。  
 一君をなんとか振り解こうとしていると翼君が目の前にやってきた。  
「担任、これをつけるだけなんだぞ?少しはおとなしくしたらどうだ?」  
「それくらい自分でつけれます!!だから出て行って!」  
「せっかく俺と一がつけてやると言ってるんだ。ありがたくこの好意は受け取っておけ」  
 翼君が着物に手をかける。  
そして次々と脱がせていく…  
すると翼君の目がある物にとまる。  
 
「ん?…一!お前もか!?」  
「あはは、だって翼だけズリィんだもん!」  
「あははじゃないぞ、あははじゃ!!」  
「いいじゃん、左は翼で右は俺。それでいいじゃん!」  
 二人はそれぞれがつけたあの痕の事で言い争っている。  
私はあらわになったままの胸を隠そうとするが一君に両腕を掴まれていてそれが出来ない。  
「二人ともいいから早くして…初詣に行くんでしょ?」  
「ああ!そうだったすっかり忘れてたぜ。翼、早くしようぜ」  
「そうだな…。それにしても着物には下着はつけないものだと俺は思っていた」  
「それって下着がなかった昔の事を言ってるんじゃないのかしら?」  
「何!?昔は下着がなかったのか!?」  
「そうよ。昔は上も下も下着をつけずに着物を着ていたのよ」  
「それって色々ヤバくねぇ?下もないの?」  
「ええ、男の人にはふんどしがあったけど女の人は…っ!?」  
 急に着物の裾が捲くられた。  
いきなりの翼君の行動に私と一君は唖然としてしまった。  
 そして私はついに下着だけの姿になってしまった  
 
「担任はちゃんとつけてるようだな」  
「翼君、何してるの!?」  
「俺はただ担任はどうなのかとかと確認しただけだ」  
「何バカな事言ってるの!今の時代下着をつけない人はいません」  
「だが先ほどこの着物用ブラジャーを取りに行った時、永田が今の時代でも着物を着る時は下の下着をつけない者がいると聞いたぞ?」  
 永田さん…  
翼君に変な知識を教えないで下さい…  
「確かに下着の線を気にしてパンツを履かない人もいるけど、ほとんどの人は履いてるわよ…」  
「そうなのか!?」  
「先生、可愛いパンツ履いてるなー」  
 普通に会話してしまったけど今私は下着姿なのだ。  
こんな事をしている場合じゃない!  
「あの…早く着物を着てしまいたいんですが…」  
「ああ、そうだな。で、担任は下着のラインは気にするのか?」  
「気にしません!とりあえず下だけでも隠したいんだけど…」  
「まあ、少しくらい遊ぶのもいいんじゃないのか?」  
 そう言って翼君は下着に手をかける。  
 
「ちょっと!翼君!」  
「翼が下いくんなら俺は上な」  
「っ!一君まで!」  
 一君にブラジャーのホックを外されてしまった。  
翼君は下着の中に手を入れてきた。  
 私はどうする事も出来ず、二人にされるがままだった。  
「担任、お前俺にこうされるの待ってたのか?もう濡れてるぞ?」  
 翼君の指がそこに触れる。  
「やっ…」  
 恥ずかしい事に私のそこはもう反応していた。  
翼君の指がゆっくり出入りする。  
その度に溢れ出してくるのがしっかりとわかる。  
翼君もそれがわかっていてこの行為を楽しんでいるようだった。  
だんだんといやらしい音が響いてきた。  
「あっ…んん…」  
「気持ちいいか?」  
 翼君の指の動きが早くなってくる。  
「ん…あぁ…」  
 自然と指の動きに合わせて腰が動いてしまう。  
恥ずかしいけれど私は感じていた。  
「やっ…あ…んんっ」  
 
「先生、翼ばっかり相手にしてんなよ…ん」  
「はじ…んっ」  
 一君に顔を引き寄せられキスされた。  
それは触れるだけのものではなく、とても深いもの。  
一君の舌が私の舌を捕らえる。  
二人の舌が絡み合う。  
私が一君の舌を避けようとしても一君の舌は私の舌を追いかけてくる。  
気付けば二人の舌は深く深く絡み合っていた。  
「ん…ふ…んん…」  
 一君の両手は私の胸を揉むようにし、時々そこの突起を摘むようにしてくる。  
私はキスをしながら喘ぐ事しか出来ない。  
 下の方では翼君の指の出入りが激しくなっている。  
 
 一君とキスしながら翼君の指で感じている。  
「あ…ん、ふ…ぅんんっ…」  
 限界が近づいてきた。私は息をするのがやっとだった。  
「んん…も…う、だめ…んっ」  
 私のこの言葉を聞くと二人の動きは更に激しくなってきた。  
「担任、もうイってもいいんだぞ?」  
「んっ…そうだぜ…先生?」  
「あっ…ん…あぁっ…」  
 激しい指の動きとキスで私の頭の中は真っ白だ。  
そしてついに私は二人の前で絶頂を迎えてしまった。  
 
 
 
「やっと着物が着れたわね…」  
「流石俺が用意しただけの物はあるな担任のヒンソウさがなくなってるぞ」  
「先生、似合ってるぜ!」  
 それぞれのらしい感想が聞こえてくる。  
正直私の頭の中はまだボーっとしていた。  
「じゃあ、早速初詣に行こうぜ!」  
「来い、担任!」  
 二人の可愛い生徒に手を引かれて出発する。  
私の年明けは思いがけないものとなってしまった。  
きっとこれからも色々な事が起こるだろう。  
 期待と不安の一年。  
でも願う事はただ一つ、今年も良い年でありますように…  
 

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