「は〜〜〜〜っくしょん!!……ケッ、オレ様とした事が風邪をひいちまったゼェ!まじアリエネー」
「き、清春くん!くしゃみは人に向かってするものじゃありません!」
「アァ〜〜?オレ様のくしゃみなんだゼェ〜、有りがたく受け取れ、ブチャ!」
「や、やめてよ!ちっとも有りがたくないわ………でも、風邪なんて大変…テストの時期なのに。大丈夫?清春くん」
「……ンじゃ〜、オマエに移してやる」
そう言って、清春くんはわたしの腕を掴んで自分の元へと引き寄せて………
抱き締めた。
「なななんで、そうなるの!」
ありったけの力を込めて手足をばたつかせる。
だけど、清春くんは全然びくともしない。
それどころか、自分の顔をぐい〜っと近付けて、ニヤニヤしながら言う。
「風邪は、移すと治るって言うだろォ?キシシシッ」
「確かに聞いたことあるけど、移されるのは遠慮します!早く布団に入って、体を温かくして寝るの!…お粥くらいなら作るわよ?」
「ゲッ!いらねー」
「ひどい!」
「…………ブチャ、目ぇ閉じろ」
「なにするのよ。またイタズラ?」
「さぁ〜ナ?」
清春くんの言葉に疑いつつ、とりあえず素直に目を閉じる。
唇に何か触れたと感じて目を開けたら、清春くんが私の体を離した。
「きき清春くん!いいい今、もしかして…き……キッ」
「ンな動揺することじゃねーだロ!中学生かヨ、オマエ。ちょっと触れただけでピャーピャー言いやがって」
「だっ、だって!」
「今日はこれくらいにしといてやるゼェ!帰って寝るとすっかァ」
「キヨ〜〜!顔赤いけど、どうかした?」
「風邪のせいだっつーノ!!とゆーワケで帰る。ゴロー、オレ様の鞄よこせ」
「へいへ〜い。そんなムキにならなくたっていいじゃんよぉ〜」