「……センセーの胸ってさ、大きい方なのかな?」  
 八雲の唐突な疑問に他A3は一瞬沈黙した。  
 ちなみに彼の手元には真奈美の水着写真がある。  
 カメラに視線を向けていないものが多いが入手経路は不明である。  
「オレ的にはもうちょいボリュームあるとDTK(抱きついた時気持ちいい)かな? ンフッ」  
 話題に積極的に乗っかるのはアラタであった。  
 キャサリンに花をお願いしつつも発言が発言なだけにキマっていなかった。  
「いやしかし、あの小柄な体型だ。今くらいの大きさが丁度良い」  
 発売後色々な意味で印象が変わった千聖も発言する。  
 今の真奈美を肯定しつつもムッツリであることも暴露している。  
「お、おいオメーら! アイツのその、胸とかそういうの堂々と話すなよ!」  
 意外にも常識的な発言は天十郎。  
 しかしその顔は赤く悪戯心をワクワクさせる。  
「てんてん顔真っ赤ですなぁ」  
「何々? ティーチャーちゃんのムネ想像したゃった系?」  
「ばっ、バーロー! 第一小さいとかデカいとかそんなんにこだわってんじゃねー!」  
「そうだよね〜。大事なのは形だし」  
 天十郎の会話に被せてきたのは廊下から現れた那智だった。  
 飛び入りながらもナチュラルに会話に溶け込む。  
「か、かたちっ!?」  
「そそ。デカいとか小さいとかじゃなく時代はお椀型の胸だよね〜」  
「そっかな? 触り心地にオレは一票」  
 
 アラタと那智が互いのフェチを暴露しあっていると、激しい音を立て扉が開く。  
 見るとそこには天十郎以上に顔を赤くした慧が立っていた。  
「き、貴様ら! 学校で何の話をしているんだ!」  
「何って……胸?」  
「廊下に丸聞こえだ! しかも那智、お前まで!」  
「やだなぁ兄さん。健全な男なら当然の会話だよ」  
「し、しかし学校で推奨されるものでは無い。断じて無い!」  
 視線を反らしながらそう言う慧に、八雲はニヤリと笑ってから近づく。  
「うんうん。ピーちゃんもホジョおともそのあたりでやめやめ! 最初に話戻すピョン」  
「最初……?」  
「そそ。最初ボクらは別の話をしてたのですよ〜」  
 そう言いながら例の写真を慧に見せる。  
「センセーの胸、ホジョあに的には大きい? それともちっちゃいナリか?」  
 沈黙。そしてそのまま慧は顔を赤くして動かなくなる。  
 勿論口をパクパクさせるオプション付きだ。  
「ありゃりゃ。刺激強すぎた系?」  
「花っちょ〜。ウチの純情な慧からかわないでくれるかな?」  
 少し黒い笑みを浮かべる那智。しかし八雲は負けじと問いかける。  
「ごめんなさいピョン」  
「で、花っちょ的には?」  
「え、ボク〜? 決まってるナリよ」  
 慧の腕を抱えつつ、那智は回答を待つ。  
 
「ボク好みに育てる。大きさも形も全部、ね」  
 
 そう言った八雲からは、若干ヤっくんが漏れてた。  
 後にアラタはそう語るのであった。  
 

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