揺さぶられる感覚、そして下腹部の圧迫感。
目が覚めると同時にはっきりと意識も覚醒する。
「え、な、なに!?」
「……目、覚めた?」
抑揚のない声。少し目を細めた瑞希が見えた。
しかも強制的に広げさせられた足の間にいて、圧迫感の正体は体内にいる彼だ。
「み、瑞希君? ななななにやってるの?」
「……したくなったから」
疲れ果てて眠ったはずだった。
思う様触れ合って、肌を重ねて、囁いて、満足して眠りに落ちたはずだったのに。
太腿をしっかり抱えられて、揺らされている。
「んっ、ぁ、ちょ、っと……っなんでこんなっ」
「眠ってても、感じる……? 舐めてたら溢れてきたから、挿れた」
「は? ま、待って、」
「待てない。もう少し」
心なしか、瑞希の息が上がっている。
「瑞希君!」
「気持ち……よくない?」
「気持ちいいよ! いいけど! やっ、あぁっ」
「なら、いいよね」
腰の動きは止めずに、少し上体を倒して両手で体中まさぐり始める瑞希。
巧みで意地悪な指先に、体温は上昇して思考は蕩けそうになる。
勝手にこんなことをされて怒っていいはずなのに、怒りなんてどこかへ行ってしまいそうになる。
叱るのは後でも良い、か。
こうして、切なく眉を寄せる瑞希の表情は好きだし。
「いい、顔」
唇が重なった。
見透かされたのかと思ったが、彼は彼でこちらのことをそうと思っているのだろう。
舌が絡んで、吐息を交わし、耐え切れなくなって彼の背中に縋り付く。
解放された唇からは喘ぎ声が漏れて、彼の唇は頬から耳へ。耳朶で彼が笑った気配。
「大好きだよ、悠里」
「ぁ、わ、私も……っ」
「……いくよ」
触れ合う肌が熱い。
瑞希の動きが激しくなる。
「も、だ、めぇっ」
最後に感じたのは圧倒的な熱。
「ごめんね、悠里」
頬を撫でる指。
疲れ果てて、返事をするのも億劫だ。
「ん……」
「許してくれる?」
「も、いいわよ……私だって、瑞希君のこと、好きだし」
「……悠里」
ぎゅうと抱き締められて膝に抱え上げられる。
「じゃあ、もう一回良い?」
「へっ? な、なんで?」
「だって悠里が可愛いから」
ほら、と示され視線を落としたそこは再び熱を持っていて。
「無理ー! もう無理だってば!」
逃げようとしたけれど叶わなかった。
「大丈夫、ちゃんともう一回気持ちよくさせてあげるから」