カーテンの隙間から入る光で悠里は目が覚めた。
「やだ、もうこんな時間……」
すでに朝とは言えない。今日は休みなので慌てて支度をする必要はないが少しばつが悪い。
「もう、銀児さんのせいですからね」
そう呟きながら、まだ隣で眠っている恋人の頬をつついてみる。
オールバックの髪型が乱れ、普段より幼く見えるのが可愛いと思う。
……って見惚れている場合じゃない。
彼が起きる前に何か作っておこう、と悠里は気合いを入れて起き上がった。
「きゃっ!?」
「子猫ちゃ〜ん、オレを置いてどこ行くのかにゃー?」
急に腕を引かれ、悠里はベッドに戻ってしまった。
「どこにも行きません! ご飯を作るんですっ」
「っ!! あー、それなら外に食いに行こう! ねっ」
「そんな無駄遣いはダメです」
つい生徒を叱る口調になってしまった。それでも銀児の腕は緩まず、逆に引き寄せられる。
「ほら、昨夜は無理させちゃったみたいだし? ギンちゃん心苦しい〜」
「……さっきの聞いてたんですか」
赤くなる顔を押さえ、ついに悠里は降参した。
体の力を抜くと、額に頬に唇に優しくキスが降りてくる。
「だからもう少しこのままで、マイ・スイート・ハニー」