「先生、こちらの書類はまとめ終わりました。」  
「え、もう!?さすが永田さんですね…。」  
「お褒めにあずかり光栄です。」  
「おかげで休日はゆっくりできそうです!」  
 
 
最初こそ補習に出てくれなかった翼も、悠里との交流を通じ心開いた最近では真面目に出席してくれるようになった。  
そんなある金曜日、残業があって大変、と悠里がふと漏らした言葉を聞いた翼はパチンと指をはじいて永田を呼び、  
 
「永田!担任のザンギョーとやらを手伝ってやれ。」  
 
と一言、まるでいつものように飲み物を持ってこいというようなノリで永田に命じた。  
翼にそばに仕える永田もまた普段と同じように「かしこまりました、翼様。」とそれに応じる。  
悠里が驚いて大丈夫だから!と翼を説得するも、翼は不敵に笑うだけ、  
永田に視線で助けを求めても、微笑み返されるだけ。  
 
そんなやり取りをしているうちに翼のバイトの時間を迎えてしまい、悠里は結局翼の好意に甘えることにした。  
 
 
さすが真壁財閥を影で支えていると噂されるだけあって、永田の仕事は速く、そして的確だった。  
もしかしたら学校が閉まるギリギリまで残っても終わらず、貴重な休日も返上しなければいけないかもしれないと思っていたが、  
永田の助けのおかげで予想よりもかなり早く終わらせることができた。  
(とは言っても、他の先生方はもうみんな帰ってしまっているけど。)  
 
T6たちはもちろん、他の先生たちも悠里たちが書類を片付けている間にどんどんと帰って行ってしまい、  
いま職員室には悠里と永田のみが残っている。  
 
仕事に一心に取り組んでいた時には気にならなかった普段とは違う、夜の学校独特のシーンとした雰囲気に悠里は気まずさを覚えてしまう。  
永田とは翼を間に挟んで話すことがほとんどで、こうやって二人っきりになることはめったにない。  
何か話した方がいいのかな…、伸びをしつつそう考えていると「先生」と後ろから声をかけられた。  
 
考えごとをしていた中に突然だったため悠里は「ひゃいっ」と呂律の回らない返事をしてしまった。  
そんな悠里の反応にもいつもの微笑みを崩さずに、永田は机の上に音も立てずにカップを置いた。  
 
「お疲れ様でした、コーヒーはいかがですか?」  
「え、あ、ありがとうございます!こちらこそ遅くまで手伝ってもらってすみません。」  
「いえ、先生のお力になれたのなら。」  
 
カップを手に取り、ふうふうと息をかけたあとに口をつける。  
温かさが体に染みわたり、おもわずため息がこぼれた。  
そしてもう一度伸びをする。コーヒーのおかげでリラックスをしたのか、さきほどとは違いボキッと骨が音を立てた。  
その音は響き、そばに立っていた永田の耳にも届いた。  
 
「本当にお疲れのようですね。」  
「聞こえちゃいました?」  
「ええ、ばっちりと。」  
 
頬染め、少し恥ずかし気に問うた悠里に永田は即答した。  
そして少し考えるそぶりを見せると、「失礼します。」と悠里の肩へ手を伸ばした。  
 
「な、永田さん!?」  
「やはり凝ってらっしゃいますね。」  
 
私と違って若いとはいえ、もう少し体を労わってあげないと、と肩の凝りをやわやわと揉みくだす。  
最初はいきなりのことに戸惑い、固まっていた悠里も、そのマッサージに肩の力を抜いてゆく。  
 
「永田さんはなんでもできるんですねー…」  
「そうですね、役に立ちそうな資格は全て取得したつもりです。」  
「…すごいですね、それに比べて私はいっぱいいっぱいで今日みたいにみなさんに迷惑をかけて…」  
 
目を伏せ、弱音を零してしまった悠里は肩で動いていた手が止まったことに気づき、首だけで振り向いた。  
 
「永田さん?」  
「…やはり疲れていらっしゃるようですね、あちらで続きをいたしましょうか。」  
 
永田の目線の先には休憩用のソファーがあった。  
 
 
 
自分の促すままにソファーにうつぶせに寝た悠里に永田は「失礼します。」といって悠里の体に跨った。  
悠里はマッサージしやすいように、と言われるがままにスーツを脱がされ、いまブラウス姿である。  
状態を確かめるように背中の上を滑る永田の両手ががブラウス越しに感じられる。  
 
「教師というのは立ち仕事ですから、背骨や腰に負担がかかります。」  
「んっ」  
 
言葉とともに少し感じる圧迫感。  
ポキリと小気味いい音とともに自然と声が漏れる。  
そのことに少し羞恥心を覚えるが、永田は気にする素振りを見せずに背骨を沿って腰の方へ手を動かしていく。  
そして腰に辿りついたと思うと、今までとは違うピンポイントに圧力がかかった。  
どうやら使うのを手の平から指先へ変えたようだ。  
その変更は悠里にも変化を及ぼした。  
 
「ん…ふ…、あっ…」  
 
永田の指がツボを捉え刺激するたびに、悠里の口から鼻にかかった甘い吐息が漏れる。  
(これじゃ永田さんに変態だと思われちゃう…!)  
なんとか自制しようとするも永田の与える刺激が本当に気持ち良く、声を抑えることができない。  
 
もちろん永田も悠里の変化に気づいていた。  
少しツボを刺激するたびに声をあげる悠里に、必要以上に腰を攻めたのも事実である。  
 
「はあ…んっ、や…」  
 
次第に大きくなっていく甘い声に、永田は腰を刺激していた指を止めた。  
そのとたん止まる声、代わりに聞こえる少し荒い息に、永田は悠里に知られないように笑みを零した。  
 
そして、  
 
「ひゃっ…」  
「こちらもほぐしますね。」  
 
その手を太ももへと移した。  
思わぬ刺激に悠里の口から先ほどとは違って悲鳴のような声があがる。  
永田はそんな悲鳴を無視し、ストッキングの上から太ももを揉み、徐々に上へと滑らせていく。  
「ちょっと!」や「永田さん!」という悠里の制止の声も聞かず、ついに足の付け根へと手を移動させた。  
 
スカート越しにじんわりと手のぬくもりが伝わり悠里は顔を赤らめた。  
 
「永田さん!もう大丈夫ですから、ありがとうございました!」  
 
このまま永田の手を受け入れてはいけないと本能的に感じた悠里は必死でそう訴えた。  
しかし永田はその声を聞かずに再び手を動かす。  
さきほど肩を揉んだようにやわやわと、優しく動かされる手に悠里の制止の声も途切れ途切れになってしまう。  
 
「な…がたさ、ん!やめっ…」  
「申し訳ありません、スカートが邪魔なので失礼いたします。」  
「えっ…ちょ!」  
 
スカートが邪魔という言葉に、慌てて手でスカートを抑えようとしても時既に遅し、  
永田の手はスルリとスカートの下に侵入し、悠里の柔らかい太ももを揉み始めた。  
 
直接的な刺激に、「あんっ」と悠里の口から嬌声が漏れる。  
 
「ここがお気持ちいいのですね。」  
「っこんな時だけ反応しないでください!」  
 
今まで悠里の声を無視しつづけたのに、思わずあがった嬌声に反応を示す永田に悠里は非難の声を上げた。  
永田は「あまりにも気持ちよさそうな声でしたので。」と返事を返し、太ももの内側に伸びた親指に力をいれた。  
 
「あっ…!」  
「いいですよ、どうぞお声をあげてください。」  
 
今までよりも強く、永田は揉み続けた。  
スカートもいつのまにかたくしあげられ、お尻が丸見えの状態になってしまっていた。  
それに気づいても、永田のマッサージによって力が抜けてしまっている悠里に直すだけの力はなかった。  
 
ついに甘い声だけを上げるようになった悠里を見て、永田は右手を太ももの内側、その最奥へと伸ばした。  
 
「やあん!」  
 
人差指で秘部をつーっとなぞると一際高い声が上がった。  
ストッキング越しからもそこが湿っていることが伝わり永田はふっと笑った。  
 
「マッサージは好評なようで…永田は嬉しいです。」  
「違っ…」  
「気持ち良くはありませんでしたか?では何故ここはこんなになっているんでしょう。」  
 
ギシっとソファーが軋む音とともに永田は太ももから手を離し、悠里の髪に手をかけ、  
露わとなった左耳に唇を近付け吐息混じりに囁いた。  
 
「教えてくれませんか、先生。」  
 
 
 
仰向けになった悠里は永田がストッキングを脱がしていく様をぼーっとした頭でながめていた。  
脱がし終わり露わになった足に永田はキスを落とす。  
 
「永田さん…」  
 
思わず漏れてしまった声に呼ばれるように、永田は悠里の顔に顔を近づけ触れるだけの軽いキスをする。  
一度唇を離し、今度は顎に手をかけもう一度唇を重ねる。  
今度は深く重ねられた唇、永田の舌が悠里の口内をゆっくりと犯していく。  
されるがままの悠里の舌を絡め取り、悠里を翻弄する。  
しばらく悠里の口内を堪能した永田はゆっくりと唇を離した。  
軽く開けられた悠里の唇はどちらのものかわからない唾液でてらてらと光り、永田はそこにもう一度キスを落とした。  
 
悠里のブラウスのボタンに手をかけながらも、唇は首筋、鎖骨をついばみながら下へと下っていく。  
そして露わになった胸へとチュっと口づけた。  
 
「あまり見ないでください…」  
 
恥ずかしそうに呟く声を無視し、永田は手を背後に回しブラジャーのホックをはずし、ブラジャーをはぎ取った。  
悠里の胸の頂きは既にぷっくりと存在感をしめしていて、永田は右手を胸に添え親指で先端を軽く押しつぶした。  
 
「あっ…」  
「綺麗ですよ、先生。」  
 
左手も添え、両手を使って先端を押しつぶし、弾き、摘むたびに悠里からは甘い吐息が漏れる。  
悠里が反応するたびに永田は「気持ちいいですか?」と聞き、それが羞恥心をそそるのか悠里の目には涙が浮かんでいた。  
 
「そして可愛いですね。」  
「やっ…!」  
 
両方の先端を摘み上げ、キュッと力をこめる。  
痛いけれど甘い刺激に悠里は一際高く声をあげた。  
 
「私の手に感じて、声をあげて。」  
 
摘んだ指を離し、今度は胸に口を寄せる。  
頂きを中心に舌を使って存分に味わう。指とは違う刺激に悠里は目を閉じた。  
ざらざらとした舌が唾液を潤滑油に胸を這いまわり、時折吸い上げる。  
その間も反対の胸は手で優しく揉みくだされ、悠里に快感を与え続けていた。  
 
「はあ…あっ…もうやめて…」  
 
声が吐息混じりになったころを見計らって永田は先端に歯をたてた。  
ビリビリと頭に突き抜け声にもならない刺激に悠里は反射的に喉を反らす。  
そんな悠里の様子を見た永田は満足そうに胸から口を離し、悠里に軽く口づけ、耳元にふーっと息を吹きかけ囁いた。  
 
「次はどうして欲しいですか?」  
「も…だめ…お願い、だから…」  
「先生なんですから駄目でしょう?お願いをするときは分かりやすく言わなければ。」  
 
右手を下肢へと伸ばし、下着の上から割れ目をなぞる。  
下着はもはやその役目を果たせないくらいにぐちょぐちょと濡れてしまっていて、ソファーにまで溢れていた。  
 
「あっ…お願い、永田…さん……触ってください…!」  
「胸をですか?先生は胸を触られるのがお好きなんですね。」  
「そんな…そんな意地悪、言わないでえ…!」  
「じゃあ、言えますよね?先生。」  
 
促すように下着越しでもわかるほどぷっくりとした悠里の肉芽を爪でひっかいた。  
悠里はその刺激に耐えようと身をぎゅっと縮こまらせる。  
そして永田のスーツを握りしめ、涙を浮かべた瞳で永田を熱っぽく見つめ『お願い』をした。  
 
「もう、ぐちょぐちょで…お願いだから…下着の中、触って、永田さんの挿れて……!」  
「…良く、言えましたね。」  
 
悠里の『お願い』に永田の体はゾワリと粟立ち、思わず笑みが零れた。  
ご褒美と言わんばかりに、永田は悠里に深く口づける。  
 
下着の中は思った以上に愛液で溢れていて、割れ目に沿って指を動かすだけでいやらしい水音がする。  
くちゅりくちゅりと響く音に「音立てないで…」と懇願する悠里に永田は「仕方ないですよ。」と悠里の中へと指二本を沈めた。  
十分すぎるほどに濡れていたおかげで、始めから二本の指を悠里は受け入れた。  
どろどろとしてて熱い膣内を永田の指が動きまわる。  
そして指がざらりとしたところを捉えると、さっきまでよりもずっと甘い声があがり、永田は執拗なまでにそこを攻めた。  
 
「先生のイイところはここなんですね。」  
「やあっ!そこ、だめえ…!」  
「駄目なんかじゃないでしょう?その証拠にさっきよりも赤く充血してらっしゃいますよ。」  
 
愛液にてらてらと濡れている蕾を摘むと、膣内の指がきついまでに締め上げられた。  
それでも動き続ける指に、「あっ、あっ…!」と悠里の声が短く高くあげられる。  
永田はそれを聞き、より激しく指で内をかきまわし、蕾を親指で擦りあげた。  
 
「なっ…がたさ、ん…!やっ、だめ!お願いっ!も…!」  
「いいですよ、どうぞイッてください。」  
「あ、はあっ!永田さん…!あっ…ああっ!」  
 
悠里の高い声と、ピクピクと痙攣する膣内で悠里が果てたことを確認した永田は指を抜いた。  
とたんコプリと溢れた愛液は革張りのソファーを汚す。  
永田が手首まで伝ってきた愛液をティッシュで拭い、悠里を見ればくったりとして目を閉じてしまっていた。  
 
「…先生?」  
 
声をかけて見ても返事がない。  
どうやら気絶してしまったようだ。  
 
そのことに気付いた永田は大きなため息を漏らした。  
 
「生殺しですか…。」  
 
(久々だからついやりすぎてしまった…。)  
それだけではなく相手が悠里だということもあるかもしれない、永田は一人そんなことを思った。  
 
顔もカリスマ性もあるが頭脳が少々残念な自分の主人のために奔走している悠里を好ましく思っていたのは否定できない。  
むしろ肯定できるほどだ。  
だからついこのような弱っているところを突くようなことをしてしまったのだが、いかんせん行き過ぎたらしい。  
 
少し罪悪感を感じ、すでにスーツのズボンの中で自己主張を始めてるモノを一人で処理しようか悩んだ永田だったが、  
乱れた姿の悠里を見て一時思考停止、そして罪悪感を胸の隅へ追いやった。  
 
幸い明日明後日は休日、翼も出かけるらしくついてこなくてもいいという言葉をもらっている。  
有効活用しない手はない。  
 
汚れたソファーを軽く掃除し、悠里の乱れた服装を整えるとそのまま抱きかかえ、荷物を持ち戸締りもちゃんといて職員室を後にした。  
車に乗り込み、目指すは自宅。  
永田は悠里が目を覚まし自分の家にいると知ったとき、そして自分の思いを告げたときにどんな反応をするかを想像し、一人笑った。  
 
(翼さまには悪いが、たまにはこういうのも悪くはないのかもしれない。)  
 
二人を乗せた車は闇へと溶けていった。  
 
 
 
 

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