「ハク!どこだ!」
店を出た後、マスターはあても無く走り回って探していた。ぶっちゃけニートなため、部屋からほとんど出たことが無い、そのため、ハクと一緒に外出とかしたことが無いのだ。だからハクが行くような場所の検討がつかなかった。
「ハァハァ」(走るのしんどい、歩くか)
一方そのころハクはと言うと。
「このまま私なんかが生きててもしょうがない、鬱だ死のう……」
公園の木の上でロープの先にワッカを作り旅立とうとしていた(あの世的な場所へ)
歩き疲れたマスターが休憩するためにその公園来た。ベンチで一息ついている時にふと見た木の上にハクが居た。
「ハク!?」
(ヤバい!なんか旅立とうとしてる!)
「待て!早まるな!」
「マスター!?キャッ!」
突然の声に驚き、足を滑らせ木から落ちる。
「ハクゥウゥゥ!!」
「うぅ……」
幸い首吊り自殺は免れたが、首ではなく頭にワッカがはまり、宙ぶらりんになり降りられなくなる。
「だ、大丈夫か?」
「はい、でも頭が痛いです……」
「待ってろ、今降ろしてやるから」
とりあえず何か無いかと周りを見渡すと丁度隣の木の裏に脚立があった。
「よし」
その脚立を使いハクを救出した。
「マスター!」
宙ぶらりんから解放された後、いきなり抱きついてきた。
「ハク……」
「ひっく、ごめんなさい……」
胸の中で泣き出したので何も言わずに優しく抱きしめ頭を撫でてやる。
「そろそろ帰るか……」
ハクは途中で泣き疲れてしまい寝てしまったので、おんぶして帰った。
木の上に一人の職人が居た、名を植木大五郎とゆう一流の剪定師だ。
今日は丁度ハクが旅立とうとしていた隣の木で仕事をしていた。だが仕事が終わり、木から降りようとした時にあったハズの脚立が無かったのだ。
「これじゃあ降りられねえじゃねえか!」
実は大五郎は軽い高所恐怖症なので飛び下りるなんてできないのだ、しかもこの公園、周りに民家が無く人気も無いので、取り壊しが決まっていた。つまり中から鍵が開かない密室と同じ状態である。
「どうすりゃ良いんだ?」
一ヶ月後、瀕死状態で大五郎は発見された。木の葉っぱを食べて命を繋いでいたようだ。
発見された時若干野生化してたのはなんとなく内緒。